第三次忍界大戦という巨大な熱源が消失し、忍界は急速に冷却されつつあった。
それは比喩的な意味での「冷戦」の始まりであり、物理的にも俺たちが向かっている場所の気温が、生命活動を拒絶するレベルの低温であることを意味していた。
火の国、土の国、雷の国の緩衝地帯に位置する中立国、「鉄の国」。忍ではなく「侍」と呼ばれる武士階級が統治し、独自の軍事力と不可侵条約を持つこの極寒の地が、今回の停戦協定および講和会議の舞台に選ばれた。
俺たち木ノ葉隠れの里の使節団は、視界すら奪う猛吹雪の中、会場となる要塞「三狼」を目指して進軍していた。
今回の護衛任務は、里の威信と実益をかけた最高レベルの編成が組まれている。会議に出席する三代目火影・猿飛ヒルゼンの直衛にあたる「内部護衛」は四名。
次期火影筆頭候補であり、この戦争最大の英雄、波風ミナト。奈良一族の当主であり、知略と交渉術に長けた上忍班長、奈良シカク。木ノ葉最強の名門・日向一族の宗家当主、日向ヒアシ。
そして、彼らを統括するヒルゼン様だ。
「個の武力」「知略」「感知・透視」、そして「政治力」。四人一組(フォーマンセル)として、これ以上ない布陣である。
そして、建物の外周警備を担当する「外部護衛」として、俺たちヨフネ班を含む精鋭三小隊、計十二名が選抜されていた。
俺たちの役割は、会議が決裂した場合の脱出路確保、および他国の護衛部隊に対する牽制と、万が一の際の「掃除」である。
「……っ……さ、寒い……」
隣を歩く山中サンタから、ガチガチと歯が鳴る音が聞こえた。気温はマイナス20度を下回っているだろう。
忍はチャクラを循環させることで体温調整が可能だが、これほどの極寒と強風の中では、チャクラの消費量も馬鹿にならない。末端から熱が奪われていく感覚は、精神力だけではどうにもならない生理現象だ。
「……サンタ、お前まさか、装備を軽量化してきたんじゃないだろうな」
「だ、だって……動きやすさ重視の方がいいかと……くしゅん!」
飛竹トンボが呆れたように溜息をつく。
俺は隊列を乱さないように注意しながら、懐から「あるもの」を取り出した。
「……まったく。ほら、これを使え」
俺はサンタ、トンボ、日向ホヘトに、掌サイズの金属ケースを放り投げた。ついでに、前方を歩くヒルゼン様たち「VIP」の方へも近づく。
「ヒルゼン様、皆様も。これをどうぞ」
「ん? なんじゃこれは、ヨフネよ」
ヒルゼン様が、手渡された平たい金属の小箱を不思議そうに見つめる。表面には複雑な術式が刻印されている。
「……爆弾か?」
シカク上忍が、冗談とも本気ともつかない声で聞いてきた。俺の日頃の行いのせいか、俺が取り出す機械=危険物という認識が定着しつつあるようだ。心外である。
「違いますよ。名付けて『雷遁・携帯熱源』です」
「……?」
「詳しい説明は省きますが、チャクラを流せば使える電気カイロですね」
俺が微弱なチャクラを流すと、金属ケースが即座にほんのりと温かくなった。熱すぎず、ぬるすぎず。絶妙な温度管理がなされている。
「おお……! こ、これは温かい……!」
サンタが両手で包み込み、至福の表情を浮かべた。
凍えた指先に熱が戻っていく感覚は、地獄に垂れた蜘蛛の糸のようにありがたいはずだ。
「……ほう。チャクラを熱変換する術式は火遁の基本じゃが、それを雷遁の抵抗熱で代用し、かつ持続時間を延ばしたのか。……相変わらず、奇妙なところで知恵が回るのう」
ヒルゼン様が感心したように髭を撫でる。
「火遁だと燃焼の制御が難しく、服の中で使うには危険ですからね。雷遁なら出力調整が容易で、かつタングステン加工の技術を応用して耐久性も確保できます」
俺が淡々と解説すると、シカク上忍が苦笑した。
「また変な術を開発したかと思えば……意外と実用的じゃねえか。……ふぅ、生き返るぜ」
彼はカイロを懐にしまい込み、満足げに息を吐いた。日向ヒアシ様も、無言ながらカイロをしっかりと握りしめ、小さく頷いている。
「ヨフネ君の発想は面白いね。普通、雷遁は攻撃に使うものだけど、こういう生活支援にも応用できるんだ」
ミナトさんが、いつもの爽やかな笑顔で褒めてくれた。この温かさは心地よいらしい。
「ありがとうございます。……ただの暇つぶしの産物ですが」
「その暇つぶしが、部隊の生存率を上げることもあるさ。……ありがとう、助かったよ」
ミナトさんの言葉に、周囲の空気が少し和んだ。最近では「死神」だの何だのと物騒な名前がついた俺だが、こうした道具で感謝されるのは悪い気分ではない。
前世の文明の利器を、チャクラで再現する。この「発明」のプロセスこそが、俺がこの血なまぐさい世界での数少ない娯楽だった。
「よし、身体も温まったことだし、気合を入れ直すぞ。……三狼が見えてきた」
シカク上忍の声で、場の空気が一変した。吹雪の向こうに、巨大な狼の牙を模した三つの塔を持つ要塞の威容が現れた。そこは、物理的な寒さ以上に冷え切った、各国の利害と殺意が渦巻く戦場だ。
*
三狼の要塞は、忍のチャクラを阻害する特殊な鉱石で建造されているという事前情報通り、内部に入った瞬間にチャクラ練成への抵抗感が生じた。
術の発動が困難になる環境。
だが、俺の作ったカイロは、チャクラを物理回路で循環させているだけなので、問題なく作動し続けている。
しかし、入り口では、全身を鋼鉄の鎧で固めた侍たちが検問を行っており、爆発物かと疑われた時には皆がこちらを見て笑っていた。
「コホン!」
その中心に立つ、一人の若き侍大将。まだ二十代前半とおぼしきその男は、頭に包帯を巻き、長い刀を佩(は)いていた。
ミフネ。
後の鉄の国の大将となる男だ。今はまだ若いが、その重心の低さと隙のない構えは、一流の剣客であることを示している。
「木ノ葉の方々とお見受けする。……武装解除は求めぬが、抜刀および攻撃的チャクラの練り上げは即ち宣戦布告とみなす。心得られよ」
ミフネの声は低く、事務的だった。忍とは異なる、チャクラに依存しない身体操作と剣術の理。「居合」の間合いに入れば、印を結ぶ前に斬られるだろう。
だが、俺には懐に忍ばせた指向性爆破札と、音速を超えるレールガンがある。いざとなれば、彼が刀を抜くよりも速く、その頭蓋を撃ち抜く計算はできていた。
「承知しております。我々は和平のために参りました」
ヒルゼン様が応じる。簡単な手続きの後、内部護衛の四名は会議室へと消えていった。俺たち外部護衛の三小隊は、指定された待機場所――中庭と外壁周辺――に展開した。
そこには既に、他国の護衛部隊が陣取っていた。
岩隠れの里。
土影・オオノキの護衛である赤ツチ率いる部隊。
彼らは俺たちの姿、特にミナトの後ろ姿を見るなり、あからさまに表情を硬直させた。
神無毘橋での一方的な敗北は、彼らにとってトラウマとなっているようだ。さらに、俺の姿を確認すると、数人が露骨に顔をしかめ、小声で何かを囁き合った。
「あれが……死神か」「目を合わせるな」といった言葉が、読唇術を使わずとも伝わってくる。
雲隠れの里。
四代目雷影エーと、その側近ドダイが率いる部隊。
彼らは殺気立っていた。三代目雷影を失った損失と、新体制への移行期特有の不安定さが攻撃的な態度に表れている。
特に俺に向ける視線は険しい。渦の国での一件を、まだ根に持っている(あるいは疑っている)のだろう。
そして、砂隠れの里。
四代目風影・羅砂の護衛部隊。
彼らは桔梗峠での敗戦により、事実上の降伏に近い形でこの場にいる。
だが、その視線は死んでいなかった。羅砂は冷静に周囲を観察し、木ノ葉の戦力と他国の動向を値踏みしているように見えた。「負けた」のではなく「損切りをした」という目だ。
軍縮を逆手に取り、少数精鋭化と磁遁による砂金貿易で国力を立て直す算段だろう。弱者のふりをして、喉笛に食らいつく機会を伺っている。油断ならない相手だ。
霧隠れの里のスペースは――空いていた。
俺は指定された位置、中庭を見下ろせる回廊の柱の陰に立ち、腕を組んで周囲を観察した。日向ホヘトには白眼で半径一キロ圏内の警戒を、飛竹トンボと山中サンタには他国の通信傍受(読唇術含む)を命じてある。
「……おい」
不意に、声をかけられた。振り返ると、雲隠れの護衛の一人が立っていた。上忍クラスの実力者だ。肌の色が濃く、左肩に「雷」の刺青がある。
「貴様が『死神』か? あのヨフネとかいう」
敵意と、探るような視線。俺はカイロで温まった手をポケットから出し、表情を変えずに彼を見返した。
「……何か用ですか、雲の忍」
「フン。……一つ聞きたいことがある」
男は周囲を気にしながら、声を落とした。侍の巡回が通り過ぎるのを待って、彼は続ける。
「渦の国での一件だ。……あの大爆発、あれは貴様らの仕業か?」
やはり、来たか。雲隠れは、渦の国で起きた「怒髪天」による部隊消滅の原因を特定できていない。
あれが霧隠れの自爆なのか、第三勢力の介入なのか、あるいは木ノ葉が隠し持っていた「新兵器」なのか。
もし木ノ葉の仕業だとすれば、それは尾獣玉に匹敵する戦略兵器を、木ノ葉が運用可能であることを意味する。
俺は肯定も否定もしなかった。ただ、事実として認識されている恐怖を最大限に利用することにした。
「……さあ、どうだろうな。だが、一つだけ言えることがある」
俺は腰の雷刀に手を置かずに、ただ男の目を見た。
チャクラを練る必要はない。ただ、事実を淡々と告げるだけでいい。
「我々の領土を侵す者には、相応の『対価』を支払ってもらう。……それが術であれ、兵器であれ、結果として敵は消滅する。そうじゃないか?」
曖昧な返答。だが、その不透明さこそが、今の雲隠れには最も効果的な抑止力となる。
「木ノ葉は何かを隠し持っているかもしれない」「あのヨフネという男が、何か関わっているかもしれない」。
その疑心暗鬼が、彼らの軽挙妄動を抑える鎖となる。
「……チッ。食えんガキだ」
男は忌々しげに吐き捨て、自軍のスペースへと戻っていった。ブラフは機能した。俺は内心で息を吐き、再び警戒態勢に戻った。ポケットの中のカイロを握りしめる。温かさが、張り詰めた神経を少しだけ解してくれた。
*
数時間の緊張状態の後、会議室の扉が開いた。休憩か、あるいは何らかの合意形成か。中から出てきたシカク上忍が、目配せで俺を呼んだ。彼の顔には疲労の色があるが、その目は鋭く光っている。
「……状況は?」
「大筋では合意だ。岩は撤退、雲は休戦、砂は従属的同盟。……ここまでは想定通りだ」
シカク上忍は、手元の資料に目を落としながら続けた。彼の声のトーンが、一段低くなる。
「特異なのは、水の国だ」
「霧隠れは欠席のはずでは?」
「ああ。忍は来ていない。代わりに来たのは、水の国の大名の使いだ。……ただの文官だよ。脂汗をかいて、ガタガタ震えていた」
シカク上忍の説明によれば、事態は異常だった。水の国の使者は、極度の緊張状態で、各国の代表に対して奇妙な依頼をしてきたという。
『霧隠れの里は、国から外に出ることはない。そのため、侵略もない。代わりに我が国の商船護衛など、国外の任務については貴国らに依頼したい』
五大国の一角が、他国に外注する。それは忍の里として機能していないことを、公に認めるようなものだ。そして、使者は最後に一つの条件を付け加えた。
『ただし……いかなる理由があろうとも、水の国の領海・領土への侵入は認めない。一歩でも入れば、即座に敵とみなし排除する』
「……徹底した鎖国政策ですね」
「ああ。国外の任務は金で解決し、国内は完全に封鎖する。……中で何が起きているのか、外からは一切覗けない」
シカク上忍は溜息をついた。
「ヒルゼン様は、無用な衝突を避けるためにこれを受諾した。金払いはいいらしいからな。……だが、不気味だ。あの霧が、ここまで頑なに殻に閉じこもるとは」
俺は思考を巡らせる。これは単なる内乱ではない。
オビトの意志だ。三尾作戦が失敗した今、彼らは霧隠れ(四代目水影・やぐら)を完全に支配下に置き、次の計画までの潜伏期間に入ったのだ。
「血霧の里」の悪夢は、これからさらに加速する。リンを殺されたことに対する復讐として、誰も介入できない密室の中で、血継限界を持つ一族や、反乱分子が粛清されていく未来。
それを知っていても、俺たちには手出しができない。「領海に入れば戦争」という条件がある以上、木ノ葉としても動けないのだ。
「……監視は継続します。俺たちの感知網なら、領海外からでもある程度の情報は拾えますから」
「ああ。頼むぞ。……しかし、お前のそのカイロ、俺にももう一個くれねえか? 会議室が冷えて仕方ねえ」
シカク上忍が苦笑いしながら、手を差し出してきた。
どうやら、俺の発明品はこの殺伐とした会談における、唯一の癒やしになっているようだ。
*
二日間にわたる会議の末、ついに「第三次忍界大戦終結に関する協定」が調印された。岩隠れの土影・オオノキは、最後までミナトを睨みつけていたが、最終的には署名に応じた。
雲隠れも、不服そうではあったが、渦の国での「爆発」への警戒心もあり、矛を収めた。
俺たちは鉄の国を後にした。帰りの道中、雪は止んでいたが、空気はより一層冷たく感じられた。
木ノ葉隠れの里に帰還すると、そこは祝賀ムード一色だった。長かった戦争の終わり。そして、何より里を沸かせていたのは、次期火影の決定だった。
「四代目火影には、波風ミナトが就任する!」
公式発表と共に、里中が歓喜に包まれた。若き英雄。優しく、強く、そして誰もが認める実績を持つ男。新しい時代の象徴として、これ以上の人物はいない。
同期のカカシやガイ、アスマたちも、それぞれのやり方で喜び、あるいは安堵していた。
だが、その光が強ければ強いほど、濃くなる影がある。
数日後。
俺は里の外れにある、大蛇丸の研究所を訪れていた。桔梗峠で学ばせてもらった部隊運用についての報告と、今後の部隊編成についての書類を届けるためだ。
「……あら、ヨフネ。珍しい客ね」
大蛇丸は、実験器具が並ぶ薄暗い部屋で、一人椅子に座っていた。その表情は平穏に見えるが、纏っている空気は以前とは別物だった。
桔梗峠で見せた「有能な指揮官」としての覇気はなく、どろりと澱んだ、底なしの沼のような気配。机の上には、禁術に関する書物が無造作に置かれている。
「書類をお持ちしました。……それと、四代目就任、決まりましたね」
俺が書類を机に置くと、大蛇丸は興味なさそうにそれを指先で弾いた。
「ええ。……めでたいことね」
言葉とは裏腹に、その金色の瞳は冷え切っていた。
「里の連中は単純ね。わかりやすい『英雄』がお好きなようで。……桔梗峠で私たちが積み上げた死体の山も、計算された消耗戦も、全ては『黄色い閃光』の輝きの前に霞んでしまったわ」
大蛇丸の声には、明確な不満と軽蔑が含まれていた。彼は、自分こそが火影に相応しいと考えていたはずだ。感情に流されず、合理的に里を運営し、最小限の犠牲で最大の利益を得る。
実際、彼の指揮下で多くの忍が生き残った。一般の忍たちからの支持も厚かった。彼を慕う部下も意外と多い。
俺自身、彼の指揮官としての能力は高く評価している。だが、里が選んだのは「火の意志」を体現するミナトだった。
「合理性」よりも「心」を選んだのだ。それは大蛇丸の生き方を、里が否定したに等しい。
「……ヨフネ、貴方はどう思う?」
不意に、大蛇丸が俺を見据えた。その瞳孔が、縦に細く収縮する。
「貴方は私に似ているわ。感情よりも理屈で動く。効率を愛し、技術に可能性を見出す。……あのカイロのような小道具から、電磁砲のような殺戮の術まで。……貴方の本質は、こっち側よ」
彼は立ち上がり、音もなく俺に近づいてきた。蛇が獲物を狙うような、滑らかな動き。
「この里は狭すぎると思わない? 感情論と精神論が支配する、古臭い組織。……私の研究には、もっと自由な場所が必要なの」
「……里を出るつもりですか」
俺が直球で問うと、大蛇丸は口元を歪めて笑った。
「さあね。……ただ、貴方のその『眼』――戦場を俯瞰し、未来を予見するかのような分析力。私の研究に貸す気はない?」
勧誘。あるいは、共犯者への招待状。
俺の背筋に冷や汗が流れる。ここで頷けば、俺は大蛇丸の部下として、音隠れの創設メンバーになれるかもしれない。
優秀な研究環境と、生存率は保証されるだろう。
だが。
「……光栄ですが、遠慮しておきます。俺はまだ、この里で試したいことがありますから」
俺は断った。俺には、まだこの里でやるべきことがある。カカシのこと。ナルトのこと。そして、これから来る九尾の襲来。
それらを見届ける義務がある。
「……そう。残念ね」
大蛇丸はあっさりと引き下がった。だが、その目は笑っていなかった。
「気が変わったら何時でもいらっしゃい。……『風』が止む前にね」
俺は一礼して、研究所を後にした。背中に突き刺さる視線を感じながら、俺は確信した。
彼は遠からず、里を去る。そして次に会う時は、敵として殺し合うことになるだろう、と。
*
数週間後。
火影岩の前に設けられた特設ステージで、波風ミナトの火影就任式が行われた。陽光の下、白い御神の帽子を被り、群衆に手を振るミナトの姿は、まさしく希望そのものだった。
「……平和になったな」
隣にいた飛竹トンボが、眩しそうに目を細めた。
サンタもホヘトも、それぞれ家族や友人と共に式典を見守っている。
「ああ。……だが、これがゴールじゃない」
俺は呟いた。多くの忍にとって、今日はハッピーエンドの日だ。
だが、俺にとっては、次なる戦いへのスタートラインに過ぎない。
俺はポケットの中から、あのカイロを取り出した。
もう冷たくなっている。
スイッチを入れれば、また温かくなるだろう。だが、一度冷え切った心や、失われた命は、スイッチひとつで戻ることはない。
うずまきナルトが産まれてくる日。
そして、ミナトさんとクシナさんが命を落とす日。
(……準備しなきゃな)
俺は歓声に湧く群衆から離れ、一人歩き出した。やるべきことは山積みだ。平和な空の下、俺の孤独な戦いが、静かに再開された。
忍界歴46年
第三次忍界大戦終結
波風ミナトが四代目火影に就任。
ヒルゼン(54)、綱手(37)、ミナト(22)、カカシ(13)
ヒルゼンは史上最年少で火影になったとされているため、同じ22歳だが数ヶ月ヒルゼンの方が早かったとします。