同情するならチャクラくれ   作:あしたま

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042.訓練

 

 

 本来であれば、各家庭への訪問を終えたその日から早速ハードな特訓を始めたかったのだが、新米下忍たちが『中忍試験』の推薦を受ける為には、最低でも八件の任務を達成している事が絶対条件となる。

 

 半年後というタイムリミットに間に合わせる為には、一週間以上かかるような他国への長期護衛任務などは極力避けることが肝心だ。

 

 そこで俺は、かつての恩師である油女シビ先生の手法に倣い、迷子ペット(猫)探しから始まり、失踪人や犯人の探索といった、第八班の『感知と追跡』の能力を存分に発揮できる里内の任務を中心に行う事にした。

 

 結果として、彼らは俺の期待以上の働きを見せ、僅か三週間で既に七件の任務を達成。今は中忍試験の目安となる、八件目の任務の真っ最中だ。

 

 依頼内容は、最近になって里の南側の森林地帯を中心に活動しているらしい盗賊の捕縛。

 単独犯のようだが、手口の鮮やかさや足跡の消し方からして、『忍崩れ』である可能性も示唆されていた。しかし、犯行内容自体は民間の通行人から食料や金品を強奪する程度で、直接的な殺傷といった大した凶悪性もない為、ランクDの任務に設定されている。

 

 俺達は被害に遭った商人の所へ行き、そこで赤丸が感知できた微かな匂いを元に、鬱蒼とした森の中を追尾しているところだ。

 

 任務中は、基本的に俺は口出しをせずに後方から同行するだけとしている。また、班のリーダー役に関しては任務内容を加味して毎回持ち回りでそれぞれに任せるようにしている。今回の追跡任務は、嗅覚に優れるキバがリーダー役だ。

 

「この先は犯人の匂いだらけだぜ。正面の方向に一人が移動してるけど……こりゃ、足運びの速度からして素人の盗賊じゃねえ。間違いなく忍だな。ヒナタ、頼む!」

「任せて、キバ君……白眼!」

 

 俺がいちいち細かく指示を出さなくても、お互いに意思疎通して役割分担ができる様になってきている。三人とも能力が高いのは分かっていたが、俺が過保護になりすぎず、それぞれに考えて行動させるようにして正解だったようだ。

 

「見つけた。敵は情報通り一人みたい」

 

 ヒナタが目の周りに血管を浮き立たせながら、木々の向こうを透視して告げる。

 

「さすがヒナタだぜ。シノは、伏兵がいないか敵の周りを念の為に調べてみてくれ」

「了解した」

 

 それと意外だったのは、キバは思いのほか『人を使うのが上手い』という事だ。まだガキ大将の延長という感じではあるものの、リーダーとしての責任を自覚すれば独断専行をする事もなく、仲間の能力を信頼して気を使えている。

 

「……キバ。これは少々、厄介な相手かもしれない」

 

 周囲に蟲を放っていたシノが、少しだけ声を潜めた。

 

「シノもそう思うか? 赤丸は匂いで相手の強さがある程度分かるんだけどよ……どうやら、俺達より強いらしいぜ」

「私達が、このまま行って大丈夫なの……?」

 

 ヒナタが不安そうに俺を振り返る。

 相手との力量差を見極めるには、本来であれば幾度もの実戦経験が必要となる。だが、赤丸の嗅覚という特殊技能や、シノの冷静な分析力が、経験不足をしっかりと補ってくれているようだ。

 

 そしてキバ達の言う通り、敵の力量は個々で比べると全く歯が立ちそうもないレベルだった。例えスリーマンセルで挑んだとしても、無傷での制圧は難しいだろう。

 

「……これは悔しいけど、無理しない程度に追跡して、アジトを突き止めたら一旦退却だな」

 

 キバが悔しそうに拳を握りながら判断を下す。だが、その直後だった。

 

「そうもいかないみたい! 気付かれたよ!」

 

 ヒナタの切羽詰まった声が森に響く。

 三人が初めて意見を求めて、縋るように俺の方を向いた。

 白眼で捉えた敵のチャクラ量や身のこなしから察するに、おそらく木ノ葉でいうとそれなりに経験を積んだ中忍レベルと言ったところだろう。

 

「お前達三人で、やれる所までやってみろ。危なくなったら助けてやる」

 

 俺は木に寄りかかったまま、あえて冷たく突き放した。キバの退却の判断は正しかったが、少し時間をかけ過ぎた。相手が忍である以上、戦闘は避けられない。だが、俺という絶対的な安全網がある状態で、格上の敵と本気で戦える機会なんて滅多にないのだ。敵には、三人の良い練習相手となってもらおう。

 

「ヨシ、いつも通りに行こうぜ!」

「が、頑張ろう……!」

「背後は任せておけ」

 

 腹を括った三人が、いつも通りにヒナタ、キバ、シノの順に陣形を組んで前方へと飛び出して行った。俺は自身の気配を完全に消し、少し離れた樹上の側面から戦況を見守る事にする。

 

「追手が来たかと思えば、乳臭いガキ三人かよ。木ノ葉も随分と舐めた真似をしてくれる」

 

 森の開けた場所で待ち受けていたのは、額当ての傷を隠すように布を巻いた大柄な男だった。

 

「俺らをなめてたら怪我するぜ!」

「ほう、威勢が良いな。かかって来いよガキぃ!」

 

 その言葉をきっかけに、先ずは前衛のヒナタが敵に肉薄する。思い切りが良くなってきているが、日向の道場でも指摘した通り、まだまだ足運びが拙い。そのせいか、踏み込みが浅く敵の懐に接近しきれていない。

 

「白い眼にその構え……日向のガキか。誰が好き好んで近付くかよ!」

 

 日向の柔拳は有名になりすぎた為か、迂闊に近接戦を挑んでくれる忍は少なくなっている。男はヒナタの連撃をヒラリと躱し、大きく後ろへ飛び退いた。

 八卦空掌が使えれば中距離からの攻撃が可能だが、今のヒナタでは距離を取られてはどうしようもない。しかし、ヒナタが敵の注意を正面に引きつけている間に、頭上からキバが牙通牙で強襲を仕掛けた。

 

「防がれたか……!」

「でも、両手が塞がれば!」

 

 キバの竜巻のような回転攻撃を、男は両腕にチャクラを集中させて強引に受け止めた。キバの攻撃は止められ、さらに追撃しようとしたヒナタの柔拳も、男の強烈な蹴りによって防がれてしまう。

 

 するとそこに、後方で待機していたシノが、無数の蟲の群れで遠距離攻撃を仕掛けようとしていた。

 

(コンビネーションとしては悪くない。だが……)

 

「なるほど、貴様達二人が囮で、奥の奴が本命か。だが、遅い!」

 

 敵の言う通り、まだまだ三人の連携のスピードはあまりに遅い。男は二人の攻撃を力技で弾き飛ばすと、素早く印を結んだ。

 

 男の口から吐き出された巨大な炎の塊が、シノの蟲たちを無情にも焼き払ってしまった。熱波が森を吹き抜け、三人が思わず顔を覆う。

 

 そして、その炎の目眩しを利用し、男は一気に後方のシノへと接近した。中忍レベルの速度と筋力で肉薄されては、体術の苦手なシノは手も足も出ない。

 

「弱い、弱すぎる。所詮、蟲使いのガキなどこの程度よ」

 

 男はシノの首元にクナイを突きつけ、嘲笑う。だが、追手がガキだと油断している男は、止めを刺すことなくそのまま離脱しようと背を向けた。

 最初からこちらに明確な殺意がなかったからこそ俺もギリギリまで手を出さなかったのだが、彼らを傷つけ、そのまま逃がして任務失敗とするつもりは毛頭無い。

 

「驕りすぎだぞ、抜け忍」

 

 俺は樹上から音もなく飛び降り、逃げようとする男の目の前に着地した。

 

「なっ!?」

 

 俺の隠遁術に、これほど接近されるまで全く気付かなかった男が、信じられないものを見るように目を見開く。中忍レベルのくせに、俺の生徒たちに偉そうに捨て台詞まで吐くとはいい度胸だ。

 

「グレーのベストに、二本のラインが記された腕章……! 貴様っ、木ノ葉の『死神』か!」

 

 男が俺の特注ベストを見るなり、顔面を蒼白にさせた。

 

「ほんと、他国にまで有名になっちゃったな」

「クソっ、ついてねえ!」

 

 男は戦意を喪失し、慌てて背を向けて逃げ出そうとする。俺はポーチから二本のクナイを引き抜き、手首のスナップだけで投擲した。一本目のクナイが男の進行方向の木の幹に弾かれ、その後を追うように投げた二本目のクナイが、空中でカキィン!と金属音を立てて一本目の軌道を鋭角に曲げる。

 

「ぐあっ!」

 

 死角から飛来したクナイが男の太ももを正確に貫き、男は無様に地面に転がった。俺はその一瞬の隙に、縮地にも似た歩法で男の懐へと詰め寄る。

 

「眠ってろ」

 

 振り返ろうとした男の鳩尾に、手加減した右拳を的確に沈めた。

 

「カハッ……」

 

 白目を剥いた男が、そのまま糸の切れた人形のように崩れ落ち、気絶する。

 後で木ノ葉の拷問・尋問部隊に引き渡してアジトを聞き出し、奪われた金品を再奪取しなければならない。ここで殺してしまっては、その目的を果たせないからな。

 

「……すげえ」

 

 キバが息を呑む音が聞こえた。

 

「さて、怪我はないな? 任務完了だ。里に帰ったら反省会だな」

 

 俺が振り返って告げると、三人は悔しさと安堵が入り混じった顔で、静かに頷いた。

 

 

 

 

 気絶した盗賊を里の警務部隊に引き渡すと、どうやら滝隠れの抜け忍ということが分かった。尋問には素直に協力的との事で、すぐにアジトが割れ、金品も被害者の元へ返される事だろう。

 

 そして、八件目の任務が無事に終わった次の日。

 俺達は大きな荷物を抱えて、朝早くから木ノ葉の里の南に位置する、山間の温泉地へとやってきていた。

 

「これで、中忍試験の推薦目安としていた八件の任務がすべて終了した。喜んで良いぞ。今日からは、地獄の修行漬けの毎日だ」

 

 温泉宿の裏手にある広大な演習場で俺が告げると、修行と聞いて三人とも力強く頷いた。よほど抜け忍に手も足も出ず、俺に助けられたのが悔しかったのだろう。目の色が変わっている。

 

「それぞれ、自分の今の課題はなんだと思う?」

 

 俺が問うと、三人は真剣な顔で口を開いた。

 

「俺は攻撃のバリエーションの少なさだな。通牙以外の術が少なすぎる」

「俺は体術だ。何故なら、蟲の操作中は特に身動きが取れないからだ」

「わ、私は攻撃の範囲……かな?」

 

 三人とも、昨日の戦闘を思い返しながら一生懸命に答えてくれる。自己分析ができている、素直な良い子達だ。だけど……。

 

「全員ハズレだ」

 

 俺の無情な言葉に、三人がポカンとする。

 

「お前達は、必殺技や応用云々の前に、『基礎』があまりにも足りない。特に体力だ! 今のままでは、長時間の戦闘は絶対に行えない。その為には体力だけじゃなくて、無駄をなくすチャクラコントロールについても徹底的に修行する必要がある」

 

 自分のカッコいい必殺技を持ちたいという気持ちは、痛いほど分かる。目に見える欠点を手っ取り早く無くしたいというのも。だけど、今の体力では強力な術の修行に耐えられず、効率も悪い。おかしな話かもしれないが、彼らには『基礎体力作り』が必要なのだ。

 

「よって! これから三ヶ月は、徹底した体力作りを中心に、チャクラコントロールの底上げも行う。まずは体力作りからだ」

 

 露骨に「うげっ」という嫌そうな顔をするキバは放っておいて、俺は説明を続ける事にした。ただ、俺は彼らを無意味に走らせて潰す気はない。

 

「まず『持久力』といっても、大きく分けて二通りある。一つは持久走のように、体全体の筋肉を使った運動を長く続けるために必要な『全身持久力』。もう一つは、腕立て伏せや腹筋のように、体の一部の筋肉を使った激しい運動を長く続けるための『筋持久力』の二つだ」

 

 この忍の世界では、故障のリスクと引き換えに根性で過度な負荷を乗り切るという、前時代的なトレーニングが未だに主流だ。

 

 そんな中で、俺は猟犬の部隊に効率的な修行理論を導入し、怪我人を減らしつつ劇的な成果を出す事に成功した。特に若いうちから無駄に無理をさせて体を壊しても仕方がない為、そのメソッドをこの三人にも実践するつもりだ。

 

「ちなみに、全身持久力を鍛える方法にも二通りある。今からお前たちにやってもらうのは『インターバルトレーニング』だ」

 

 おそらく聞いた事がないであろう横文字のトレーニング名に、三人が戸惑っている。その隙に、俺の肩に乗っていたコン平が「ポンッ」と小さく三匹に分裂し、三人の首元にそれぞれピタリと張り付いた。

 

「うおっ!? なんだこいつ」

「三人には、コン平を首に乗せたまま全力でダッシュしてもらう。まずは赤い布を巻き付けたあの木まで、全力で走ってみろ……スタート!」

 

 目標の木までは約三百メートルだ。三人は忍者としては当然難なく走りきるが、キバの首元にいるコン平が、尻尾でキバの首をペシペシと叩いた。それを見て、俺は今度は走って行ったのとは反対側にある木に黄色の布を巻く。

 

「ヨシ、次はもう少し距離を伸ばすぞ。ここまでダッシュだ……スタート!」

 

 次も難なく走りきるが、今度はコン平がコクコクと頷いている。流石はまだ下忍とはいえ忍だ、約四百メートルが適正らしい。

 実は、首に張り付いたコン平には、彼らの『脈拍』をリアルタイムで測ってもらっていたのだ。インターバルトレーニングをするにあたって、心肺機能を効率よく高める適正な負荷は毎分百八十拍程度。そして少しすると、キバに乗ったコン平が「キュウ」と鳴いた。脈が百二十拍まで落ち着いた合図だ。

 

「今から俺はスタートの合図を出さない。コン平が鳴いた奴から、再び全力で走るんだ!」

「よくわかんねえけど、了解だぜ!」

 

 そう言ってまずキバが走り出し、次いでヒナタ、シノの順で走り出す。休憩する時間も固定ではなく、心拍数が百二十拍に回復した者から走らせるようにコン平に教えている。常に限界の一歩手前を維持する、科学的かつ地獄のトレーニングだ。

 最初は余裕そうな三人だったが、二十本を越えたあたりから明らかに足取りが重くなり、疲れが見え始めた。

 

「ハァ……ハァ……っ、ヨフネ先生……これ、いつまでやるんだよ……」

「俺が良いと言うまでだ。ほら、コン平が鳴いてるぞ! 走れ!」

「クソーーッ!!」

 

 そうしていると、最初に足がもつれて座り込んでしまったのはヒナタだった。

 

「ヒナタ! お前の忍道はなんだ?!」

 

 俺は鬼の形相でヒナタの前に立ち、容赦なく怒鳴りつけた。

 

「ハァ……ハァ……っ、まっすぐ、まっすぐ自分の言葉は曲げない事……です!」

「強くなると俺に言っただろう! もうその言葉を曲げるのか?! 日向の宗家は、その程度か?!」

「違います……! まだ、走れます!」

「なら座ってないで立て! そして走れ!」

「ハイ!!」

 

 ヒナタが涙目で立ち上がり、再び駆け出す。

 

「シノ! お前はもっと出来る奴だと思ってたのに、残念だ。期待外れもいい所だな。こんな基礎的な事も出来ないのか?!」

 

 膝に手をついているシノを、今度は冷たい声で煽る。

 

「俺は……まだやれる。何故なら……」

「ならウダウダ理屈を言ってないで走れや!」

 

 シノが歯を食いしばって前を見る。

 

「もう……限界だ……」

 

 ついに大の字に倒れ込んだキバを、俺は見下ろした。

 

「キバ! 限界を自分で作ってどうする! お前らの限界は俺が決めてやるって言っただろ、まだ走れ!」

「そ、そんな事言ったってよ……足が動かねえ……」

「なんだ、あのアカデミーで落ちこぼれだったナルトにこの修行をさせた時は、お前よりも全然頑張ってたぞ! ナルトに負けて良いのか? これから一生、あいつに負け犬とでも呼ばれたいのか? そんな根性じゃ、一生猟犬に入るなんて無理だ!」

「……っ! 俺は……俺はナルトなんかに絶対負けねえっ!!」

 

 俺の挑発に乗せられ、キバが吠えながら立ち上がった。でも、あの体力バカに張り合うのは大変だぞ?

 そうして発破をかけ続けるが、やがては全員の心拍数が回復しなくなり、完全に倒れ込んでしまった。

 

「……よし、終了だ。これが“今”のお前達の限界だ。だが、この地獄を半年も続ければ驚くほど体力が付くから安心しろ。……さあ、まだ気は抜くなよ。次はさっき言った『筋持久力』を鍛えるために、筋トレをするぞ」

 

 これほど人というのは純粋に絶望出来るのかと思える表情を三人は見せるが、構ってはやれない。

 

「最初の頃はダッシュで脚はパンパンだろうから、今日は上半身の筋トレを中心にやる。まずはあそこの鉄棒で懸垂を百回だ」

 

 三人が死に物狂いで走っている間、俺は発破をかけつつも、木材で手作りの懸垂用の台を作っていたのだ。

 

「ホラ、さっさとやれよ」

「「「……はい」」」

 

 幽霊のような返事をして、三人が鉄棒にぶら下がる。あのガイの様に毎日千回や一万回なんてのは、普通の人では肉体が壊れて続けられない。でも、そうやって故障覚悟で自分を極限まで追い込めるようなイカれた奴じゃないと、八門遁甲なんてマスターできないのかもしれないが。

 

「次は腹筋だ。腹筋といっても、ただ真っ直ぐ起き上がるんじゃないぞ。腹筋はな、縦と斜めの筋肉で出来ているんだ。普通の腹筋を百回、その後に『斜め』に腹筋をするんだ。上体を起こしてから左右に振るんじゃないぞ。最初から斜めに上体を起こすんだ!」

 

 斜め上体起こしも左右各百回やらせる。中学生くらいの子にやらせるのは前世の感覚でいえば明らかなオーバーワークな気もするが、意図せずとも無意識にチャクラで身体強化がなされているこの世界の忍の回復力としては、大した事はない。

 

「よし、最後だ。まずはこのダンベルを持て」

 

 そう言って、俺は用意していた二キロの鉄のダンベルを二つずつ渡した。

 

「それを持って、まずはアキレス腱を伸ばすように右足を前にして足を開け。腕は身体に引っ付けないようにして、肘を九十度になるように状態を維持しろ。そして、その腰を落とした状態のまま、ゆっくりと左足が前になるように身体を回転させるんだ」

 

 一見地味にキツイが、体幹の軸を安定させる事と、スムーズな体重移動、そして『腰の回転』を意識付ける事が目的だ。これを百往復させる。

 

「今の筋トレのメニューを、残り二セットやれ」

 

 これを続ける事で、体術における上半身の使い方も劇的に改善されると俺は確信している。継続は力なり、だ。三人が疲労しながらも筋トレを終わらせた所で、一時間の昼食休憩とした。

 

 猟犬のみんな、お前達のおかげで下忍は成長していけるぞ。

 

 





ストックが減って来ましたので、土日はお休みして、平日のみの更新にします。申し訳ありません。
 
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