砂と音の奇襲から数日後。
火影室には、窓の外から響く金槌の音と、三代目火影が吹かす紫煙の匂いが立ち込めていた。分煙なんて考えがないから仕方ないけど、毎度少し嫌になる。
窓辺に立って外を見ている三代目の背中は、以前よりも一回り小さく見えた。大蛇丸との死闘で限界までチャクラを絞り尽くした肉体の衰えだけではないように思う。
かつての教え子に里を壊され、戦友であるダンゾウがクーデターを企てたのではないかという疑惑。それらが三代目を精神的に追い詰めているのかもしれない。
円卓を囲むのは、ご意見番である水戸門ホムラと引退したはずのうたたねコハル、上忍班長の奈良シカクや俺をはじめとする各班の代表者たち。そして、こういう場にいることの少ない自来也様だ。
「……皆を集めたのは他でもない。ワシは、火影の座を退くつもりじゃ」
全員が揃い、こちらを振り返らずに三代目の口から放たれた唐突な言葉に、室内の空気が一瞬で凍りついた。
しかし、ホムラの爺様と婆様だけは、深く、諦めのようなため息を吐いた。恐らく事前に引き留めるために、ホムラの爺様が婆様を呼んだのだろう。それでも三代目の意思を翻せなかったようだ。
口を開いたのは、上忍班長のシカクさんだった。
「……火影の決意に口を挟むのは気が引けるんですが、何故、今なのでしょうか。確かに里は襲われましたが、被害は最小限に抑えられました。今から復興の指揮を執らねばならないこの時期に、何故ですか」
「ワシの教え子が里を襲い、皆を危険に晒した。かつて、ワシはその危険を知りながらも、甘さから逃がしてしまっていた。……それに、砂隠れからの報告で、風影を暗殺してすり替わっていたのも大蛇丸だと判明した」
三代目は深く息を吐き出し、円卓の席に腰を下ろす。
「被害が最小限に抑えられたのは、そこにおるヨフネ率いる猟犬部隊のおかげであり、ワシの成果ではない」
「とんでもないことです」
俺は短く応じ、深く頭を下げた。
シカクさんが顎を撫でながら、三代目へ鋭い視線を向ける。
「退任の意志が固いことは分かりました。ですが、次の五代目についてはどうされるのですか?」
「……ワシの思いとしては、これから先も大蛇丸が里を狙ってくることが考えられる。ゆえに、あやつと真っ向から渡り合えるだけの力を持つ人物が必要じゃ。……のう、自来也」
三代目は、苦しげに自来也様を見つめた。
「本来なら、縛られることを嫌うお前をこんな重責に据えたくはない。だが、傷ついた今の木ノ葉を託せるのは、お前しかおらんのだ」
弟子に自分の後始末をさせてしまうことへの葛藤と、それでも頼らざるを得ない切実な期待。
その言葉を受け、壁際で腕を組んでいた自来也様は目を伏せながら、顔を歪めた。
「……アンタがもう限界なのも、ワシに期待してくれてるのも分かってる。だが、期待を裏切る不肖の弟子で悪ぃが……ワシは今さら火影なんかをやるつもりはないぞ。性に合わん」
自来也様の声には、年老いた師を休ませてやれないことへの深い罪悪感が滲んでいた。
あっさりと断る自来也様に、ホムラの爺様が声を荒らげようとした。だが、それよりも早く、自来也様が鋭い視線で三代目を射抜いた。
「だがよぉ、ジジイ。ミナトが死んでからもう十数年経つ。いくらなんでも、次の火影を育てる時間が全く無かったとは言わせない。何故、後継者をこれまで指名しなかった?」
誰もが心の中に抱えながら、三代目の長年の献身と苦労を前にして、決して口にできなかった禁忌。それを遠慮なく真っ直ぐに抉り出せるのは、他でもないかつての教え子である自来也様だけだった。
三代目は煙管を持った手を震わせ、絞り出すように口を開いた。
「……平和だったからじゃ。戦争がなくなり、里を熱狂させる『誰もが納得する圧倒的な英雄』が生まれる舞台がなかった」
「それだけではない」
ホムラの爺様が、三代目を庇うように、いや、己を含めた上層部の罪を告白するように言葉を継いだ。
「我々上の世代が多く生き残りすぎたのだ。その状況で、実績の足りない若輩を無理に火影に据えれば、必ずダンゾウが『里の危機』と称して実権を奪いに来る。それを防ぐには、ヒルゼンが老体に鞭打って座り続けるしかなかったのだ」
英雄不在の時代、後継者のトラウマ、そしてダンゾウという内なる脅威。
八方塞がりの限界状態だったという事実に、自来也様が苦虫を噛み潰したような顔で沈黙する。
「……おそらく、他にも理由はあるのではないでしょうか」
重い沈黙を破り、俺は静かに口を挟んだ。重鎮たちの視線が一斉に俺へ向く。
「四代目が亡くなるのが早過ぎたんですよ。彼の代で地盤を固める時間がなく、結果として三代目達の世代の統治体制に戻ってしまい、次の代が台頭できなかった。里の運営という観点だけで見るなら、順番を飛ばしすぎたんです。本来なら、シカクさん達が火影、もしくは代行という形で引き継ぐべきだったんです」
俺の言葉に、シカクさんが小さく息を呑む。
「もっといえば、自来也様達の世代が火影となり、緩やかに世代交代するのが理想でしたね。その後にでもミナトさんが継げば良かった」
過ぎたことを言っても仕方ないが、若き四代目にすべてを背負わせた人事は、結果として世代の断絶を招いたのだ。俺の分析が、室内の空気をさらに重く沈ませた。これが、三代目が四代目亡き後、十三年間抱え続けた木ノ葉の構造的欠陥の正体だ。
俺の言葉を聞き、シカクさん、いのいちさん、チョウザさんの三人が、微かに視線を交わした。
彼ら猪鹿蝶はミナト様と同世代であり、本来なら今の木ノ葉を最前線で牽引すべき世代だ。しかし、圧倒的な天才を失い、上が詰まっている平和な状況下で、彼らは無意識のうちに「自分たちは誰かの補佐役だ」と定義し、自らトップに立つという気概を見失っていたのだ。
シカクさんが「はぁ」と深くため息をつき、自嘲気味に頭を掻きむしった。
「……なるほどな。上が詰まり、英雄になる舞台もなかった。だから俺たち中堅の世代は、自分からトップに立つ野心を失っちまったってわけか。……実に耳が痛い。情けない話だな」
三代目の孤独な防衛戦と里の病巣を突きつけられ、自来也様が小さく息を吐いた。
「……なるほどな。ジジイが退けなかった理由はよく分かった。若手が育たねぇ環境だったってんなら、ワシら三忍のもう一人……初代様の血を引く綱手なら文句ないだろ。あいつなら名声も実力も申し分ねぇ」
「確かに綱手なら、大名も上忍たちも賛成するだろうが……だがあやつはフラフラとあちこち動き回っておって、行方も分からんぞ」
「分かりますよ」
ホムラの爺様の言葉を遮り、俺は手を挙げてあっさりと告げた。
「綱手様は波の国で賭け事と医師をしておられます。既に今回の事件についても当方から報告を入れましたが、返事は『用があるなら迎えに来い』との事でした」
「……何じゃと?」
ホムラの爺様が、信じられないものを見る目で俺を凝視した。決して公にしていたわけではないが、相談役が情報を掴んでいないとは思っていなかった。
また、その表情は、伝説の三忍の居場所を俺が完全に把握し、あまつさえ接触まで図っていることに驚愕しているように見えた。
自来也様は知っていたはずなのに、引き攣った顔で俺を見ている。そして、気づいたように、鋭い視線で俺を真っ直ぐに指差した。
「……おい。次世代が育たねェ環境だったってんなら、どうしてこんな奴が育ってやがる。停滞した時代の『例外』がここにいるじゃねぇか。こいつじゃダメなのかよ? 組織を動かす力も実績も十分すぎるじゃあねぇか」
その言葉に、ホムラの爺様は反論できず黙り込む。今回の防衛戦における、砂と音の連合軍を圧倒した周到な準備と采配、そして先ほどの里を俯瞰して見れる大局観を知れば、誰もが納得せざるを得ない空気がそこにあった。
(冗談じゃない。俺にはこれから起こるだろう第四次忍界大戦に向けて、諸外国で仕掛けなければならないことが山ほどあるんだ。火影の座に縛られて、行動できないのは困る)
内心の切実な目的を冷徹なポーカーフェイスで覆い隠し、俺は重鎮たちへ向き直った。
「買い被りすぎです。自分に火影は務まりません」
極めて実務的な口調で、俺は切り出した。
祖母であるコハルが、静かに目を閉じて俺の言葉を聞いている。孫の冷徹な手腕に密かな誇りを抱きつつも、引退した身のため、あえてこの場では沈黙を貫いていた。
「理由は三つほどあります」
右手の指を立てながら、俺は言葉を続ける。
「一つ目。自分は歴代の火影様のような、単独で戦局を丸ごと覆すような理不尽な武力は持っていません。あくまで猟犬という部隊の連携や兵器があってこそ機能する忍です。三代目が最初に挙げた条件のように、個の能力が重要視される火影には合いません」
「それはただの慣習じゃないか?」
シカクさんが即座に反論した。
「誤解のないよう申し上げるが、俺は決して自来也様や綱手様では不服と言っているわけじゃない。多くの上忍たちも納得するだろう。しかし、それでも俺はヨフネ上忍に火影をやってほしいと思っている」
シカクさんは周囲を見渡し、落ち着いた口調の奥に確かな熱を込める。
「今回の件にしてもそうだ。里をまとめ上げる力。今まで木ノ葉にはなかった情報を集め分析する力。他国への影響力。そして、波の国で見せている里の内外を動かす手腕。武力以外の力において、ヨフネ上忍は歴代の方々に劣らない、あるいは秀でているものすらあると思っている」
「……しかしなあ」
ホムラの爺様が唸り、三代目も発言こそしないものの、深く皺を寄せて考え込んでいる。
「シカクさん、ご評価ありがとうございます。ただ、これは二つ目の理由に繋がるのですが……」
俺はシカクさんへ視線を向け、少しだけ肩をすくめた。
「俺は自身の利益のために動いたことはないと誓えますが、他の忍たちが皆そう捉えてくれるわけじゃありません。若輩が急にトップに立てば、妬みや敵対心を持つ者が必ず出ます。猟犬部隊のやり方や隊員を重用することになれば、他の部隊に新たな不満と軋轢を生む危うさが伴います」
シカクさんが押し黙った。個人主義が強い忍の世界において、自信家で力に溺れやすい者は多い。冷静に大局を見れる者ばかりではないという実情を、彼自身が一番理解しているからだ。
「最後は、年齢ですね」
「しかしそれは、三代目や四代目の方が早かった。問題ないんじゃないか?」
これまで黙って聞いていた山中いのいちさんが口を挟む。
「お二人が就任したのは、戦時中や戦後すぐの時期です。戦争で上の世代のベテランが多く失われ、かつご自身が戦争で大きな功績を挙げたことで選ばれました」
俺はいのいちさんの言葉を否定しつつ、先ほどの議題へと話を繋げた。
「先ほどの『なぜ次世代が育たなかったのか』という話にも通じますが、平和な時代が長く続いたおかげで、上の世代のベテランが多く健在し、上層部に位置しています。その中で俺が就任するのは、無用の波風を伴います」
俺は最後に、三代目と自来也様へ向き直った。
「いま、俺が火影の座に就くよりも、伝説と謳われるお二人のどちらかが表に立つのが、里にとって最善の選択です。もちろん、裏からのサポートは一切惜しみません」
この理詰めの辞退に、もはや反対する者は誰もいなかった。
(……よし。何とか空気が変わったか?)
俺は内心で密かに安堵の息を吐いた。
「……相分かった。では五代目については綱手を連れて来てからとする。さて、誰かが波の国へ向かわねばならんが……」
三代目が周囲を見渡すと、自来也様がニヤリと笑って立ち上がった。
「なら、ワシが直接出向いて綱手を連れて帰ろう」
「お前が自ら行くのか?」
ホムラの爺様が問うと、自来也様は深く頷いた。
「ああ。『暁』という組織が尾獣を狙っているという情報があってな。ナルトを里に置いておくより、ワシの側で修行がてら護衛した方が安全だろう。それに……あいつは少し面白いやつでな。ワシが直々に鍛えてやろうと思っておったところじゃ」
暁という脅威への対策と、後進の育成。理にかなったその提案に、三代目も深く安堵したように目を細めた。
「……そうか。では、綱手の件とナルトの修行は、自来也に任せるとしよう」
*
「……次は、後日到着する砂隠れの使節団との停戦協議……その事前方針についてじゃ」
三代目が空気を切り替えるように、次の議題を円卓へ投げた。
「砂を許すことはできん。同盟を裏切り、火影の命まで狙ったのだ。莫大な賠償金と任務の一部割譲、そして軍事力の大幅な削減を突きつけるべきだ!」
ホムラの爺様が机を叩いて声を荒らげる。だが、秋道チョウザさんが冷静に首を振った。
「しかし、砂にはもう払える金はないと聞いています。そもそも先の大戦の後、風の国の大名から予算を大きく削られ、任務の受注数すら制限されていました。追い詰められた窮鼠が猫を噛んだのが、今回の戦争の根本的な原因です」
第三次忍界大戦後、風の国の大名は自国の里である砂隠れではなく、軍事力の高い木ノ葉隠れへ任務を発注することを容認した。
これより同盟の名の下、木ノ葉が風の国の国内市場へ深く食い込んだのだ。風の大名は木ノ葉の安くて質の高い働きを選び、自国の砂隠れへの予算を大幅に削減した。
結果として砂隠れは資金源を隣国に奪われ、里の運営資金が底を突いた。そこで風影自らが磁遁で砂金を集め、里の資金源としていたはずだ。その資源が四代目風影亡き後、供給されなくなり今では金相場も上がり始めている。
余裕のない砂隠れは「人」を育てられなくなり、苦肉の策として一尾の人柱力という危うい最終兵器へ傾倒していった。木ノ葉による経済的な首絞めが、今回の暴走を招いた側面もある。
そんな資源も失った砂に多額の賠償を求めたところで、空手形になるか、あるいは自暴自棄になって野盗化し、火の国の国境を荒らす存在になりかねない。
「警備を担うことの多い日向の観点からは、これ以上の無用な消耗は避けたい。だが、何の報いもなしでは里の忍たちに示しがつかん」
日向ヒアシさんが腕を組み、重々しく口を開く。
「それに懸念点もあります。砂隠れが『我々は木ノ葉の抜け忍である大蛇丸に騙されていた被害者だ』と主張し始めたらどうします?」
いのいちさんの指摘に、暗部の代表者が重い声で応じた。
「我々の追忍が大蛇丸を処罰しきれなかったことは申し訳ありません。ただ、砂側が密かに『木ノ葉の管理不足が風影の死とこの戦争を招いた』と、責任の所在をこちらへ向けようとすれば、厄介なことになります」
「厄介なことになったな。被害者がいつの間にか加害者扱いされる。これじゃ泥沼だな」
シカクさんが頭を掻きむしった。
重苦しい沈黙が室内に落ちる。俺は三代目へ視線を送り、発言の許可を得た。
「……まず、後日交渉の席に着く砂の使節団には、こう告げましょう。『風影が死んでおり、数ヶ月もの間、敵の操り人形でいたという事実、忍の里としての信用を失墜させるものだ。我々はこの事実を、他国には伏せておいてあげよう』と」
「……脅しか?」
ホムラの爺様が眉をひそめる。
「いえ、『配慮』です。この恥を隠す代償として、彼らには大蛇丸に関する追及を一切停止させ、かつ実利を差し出させます。彼らにとって、里の存続と信用は金よりも重い」
円卓の全員が、息を呑んで俺の言葉に聞き入っている。
「その上で、彼らには『共同戦線』を張らせ、砂の忍を木ノ葉の指揮下で動かせるようにします。また、諸外国で活動する木ノ葉の忍の活動資金については、砂の負担にさせます」
「……どういうことだ?」
「大蛇丸や、大蛇丸がかつて所属しており、現在は尾獣を狙っているという『暁』。そして、逃亡中の志村ダンゾウ。彼らの動向を探るための特務の活動資金を、すべて砂に負担してもらうんですよ」
志村ダンゾウ。その名前が飛び出した瞬間、ホムラの爺様の顔が苦渋に歪み、三代目はかつての戦友を『暁』と同列の排除対象として扱わねばならない重圧に、深く目を閉じた。
俺は構わず続ける。
「これにより、木ノ葉としては砂隠れから活動資金という名目で賠償金を得られる。砂隠れからみれば、共同戦線への出資であり、賠償金は支払わずに済んだ。こういう説明を里に対して行えます」
自来也様は理解してくれたようで膝を打っていた。
「また、我々が『共同戦線』の名の元、木ノ葉では採算が取りにくい風の国や土の国方面の重要度の低い護衛任務などは、砂に下請けさせ資金を流せば、彼らは逆らえなくなるでしょう。そして、やがては木ノ葉のおかげで里が成り立っていると感謝されることもあるかもしれません」
彼らは木ノ葉への依存から抜け出せなくなる搾取の構図。木ノ葉の血を一切流さず、実務と金で他国を縛り上げるその悪辣な手腕に、自来也様が目を細めた。
「ほう……。砂を潰すんじゃなく、木ノ葉の盾として再利用するってわけか。大蛇丸やダンゾウを追うための人手も手に入るな」
(……これであれば、数年後に必ず来る第四次忍界大戦に向けた活動資金と、使える戦力が合法的に手に入るかもしれない)
俺は内心で黒い算盤を弾きながら、表情一つ変えずに前を見据える。
シカクさんは何やらため息を吐きながら、微かに口角を上げた。
「理にかなってるな。落とし所としては妥当だ。砂を完全に追い詰めず、かつ実質的な支配下に置く。事務的にも、一番角が立たない確実なやり方だ」
三代目が紫煙をゆっくりと吐き出し、俺を真っ直ぐに見つめた。ダンゾウのような独善的な闇ではなく、里のための冷徹な剣となってくれる若者が現れたことに、深く安堵するような優しい瞳だった。
「ヨフネよ……。この砂との交渉、お前に全権を預ける。砂を納得させ、かつ我が里の誇りを守ってみせよ」
「かしこまりました」
俺が短く頭を下げると、三代目は皺深い目を微かに細めた。
「この件が片付いたら、お前が以前より言っていた『新しい組織』……木ノ葉の運営体制をより合理的で強固な枠組みにするという構想の話を、改めて聞かせてもらいたい」
「よろしいのですか? 火影を退かれる身でありながら」
俺が問うと、三代目は穏やかに、だが確かな威厳を持って微笑んだ。
「ワシは退くが、相談役としてホムラと共に、お前のその構想がどこまで実現可能か検討しておこう。これからの木ノ葉の裏を支えるのは、お前たちじゃ」
「……ええ。準備は進めておきます」
俺の知る未来では、戦争を仕掛けられたのに、砂隠れに対してお咎めなしという訳のわからない結末だった。それだけ三代目の死がもたらした影響はデカかったのだろう。
だが、俺達で救助出来たことにより、ようやく未来は変わった。今後の砂との関係を考えれば、強硬な態度に出るのは得策ではない。現実的な所に落ち着けられたと思っている。
ここからは知らない世界になる。そう覚悟して、俺は拳を握った。
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