無限ガチャ×東島ライダー クロスオーバー短編集 作:素面ライダー
どーも!私の拙作『ゲート SAA彼の地にて斯く戦えり』を、お読みいただいてる皆様方!いつも、ありがとうございます!初見の方々は、はじめまして!
本作は「もし『東島ライダー』の個性豊かなキャラクターたちが、『無限ガチャ』の世界でライトのキャラクターカードになったら?」という妄想から生まれました!
『東島ライダー』のメンバーたちの熱い魂と、無限ガチャの『奈落』のメンバーたちの予測不能な化学反応を、ぜひお楽しみください!
なお、本作はピクシブ(こちらでは『ライダー』名義)とマルチ投稿しています。
※原作からの設定変更や独自解釈が含まれますので、苦手な方はご注意ください。
それでは、短編スタート!
「これ、どうしよう……」
執務室のデスクに着いている1人の少年──ライトが、手元にある十数枚のカードを手に頭を抱えていた。年の頃は12〜3歳ほどに見える、整った顔立ちの黒髪の美少年だ。彼は『奈落』と呼ばれる、世界最凶最悪のダンジョンの最下層に築かれた王国の王でもある。
彼は『無限ガチャ』と呼ばれる
「目的のカードを狙って、僕自身もガチャを引き続けているけど。こんな「強力だけど目的に合わない」高レアリティなカードばかり引いてしまって……」
ライトは現在
以前、ライトは「UR
「ライト様、とりあえず
「いや、メイ。彼らが有力なのは確かなんだろうけどさ……正直、どう扱えばいいのか……」
後ろに控えている、黒髪ポニーテールのメイド姿の少女──「SUR 探究者メイド メイ レベル9999」が提言する。それに対し、ライトは眉を下げ、カードに目を落としたまま、苦い顔で返した。
「ライト神様、わたくしもメイさんの言う通りと存じますわ。もし仮に
「是、それにいくら高レベルな人材でも……いや、だからこそ仮に主へ仇なすとなれば放置できません。その時は、我々が全力で処分いたします」
続けて魔女っ子スタイルの金髪の少女──「SUR 禁忌の魔女 エリー レベル9999」がライトに提言し、隣にいたネコミミフード付きパーカーを羽織った少女──「SUR 天才モンスターテイマー アオユキ レベル9999」も平坦な声で同意した。普段「にゃ~」としか鳴かない彼女が、こうして人語を話すのは、滅多にない真剣な状況の証だった。
「エリーの言う通りだぜ、ご主人様!あたいがいれば、どんなヤツが出ても、へっちゃらさ!」
「にゃ〜。ナズナが動いたら、『奈落』が破壊されないか。そっちの方が心配」
「なんだと、アオユキ?」
アオユキがノンビリとした元の猫語に戻って、騎士甲冑を身に着けた小柄な少女──「SUR 真祖ヴァンパイア
「ンンッ!ライト神様、それでしたら、ここではなく『訓練場』で
「私もエリーに賛成です。付け加えるならば、低レベルの者たちは念のために『訓練場』から離れた所で待機し、万が一に備えて『転移』を持たせて『巨塔』へ避難できる態勢を整えるべきかと」
咳払いでアオユキたちの諍いを中断させつつエリーが提案し、それに付随してメイもライトへ助言した。
「……そうだね。じゃあ、その形で手配してくれるかい?」
「かしこまりました、我がメイド道にかけて」
「にゃ〜」
「承知いたしましたわ、ライト神様」
「ええっと……あたいは、何すればいいんだ?」
メイ、アオユキ、エリー、ナズナがそれぞれの言葉を残し、執務室から退室していった。
「………………」
チラッ
1人部屋に残ったライトは、手元にある一番上のカードに目を落とし、何とも言えない表情をするのであった。
それから、しばし後──
所変わって、ここは『奈落』内部にある通称『訓練場』。現在ここには、10人+1の人影があった。
まずは、今回輩出された十数枚のカードを手にしたライト。
次にその彼を守護するかのごとく、周囲にレベル9999のメイ、アオユキ、エリー、ナズナといった『奈落』の最強戦力である4人。
その後ろには「UR 混沌の申し子 カオス レベル8888」と「UR 幻楽師 オルカ レベル8888」が予備戦力として待機し、カオスは戦闘態勢に、オルカはバイオリンを構えて支援準備。
更にその後ろには「UR
万が一『SR 念話』(ライトの魔法カードの一種)が使えなくなる場合に備え、分体を放ち『訓練場』から最も離れた場所に退避している面々へ、即座に脱出を伝令できるよう「UR キメラ メラ レベル7777」も待機中だ。
ここに姿の無い「UR 炎熱氷結のグラップラー アイスヒート レベル7777」は、レベル5000の戦闘要員と共に上述した退避組の護衛を務めている。
ちなみに彼女たちの纏め役は「UR 雷鳴の統括者 ウルシュ レベル5000」が務めていた。彼は『統括者』の名に相応しく、ライトたちの拠点の上層部にあたる『奈落』ダンジョンの統括責任者だ。
胴が長く足の短い可愛らしいコーギー犬の見た目に反し、深みのあるバリトンボイスの落ち着いた口調で話す。その意外なギャップと危機管理能力の高さから、『奈落』の誰もが一目置く存在であり、退避組のまとめ役は彼が適任とされていた。
(これだけの厳戒態勢と緊張感は、僕のレベル上げのために『
内心でライトは、そうこぼしていた。
「ライト様、全員準備が整いました。ここに居る者はもちろんのこと、退避中の者たちも合図が来れば即座に『巨塔』へ転移可能です」
「わかった、それじゃあ……」
メイの報告に頷き、ライトは用意したカードを構える。
「
ライトのかけ声と共にカードが粒子となり、魔法陣が描かれ光を放つ。同時に『訓練場』の面々は、あらゆる危険に対処できるよう身構えた。やがて光が収まると、鍛え抜かれた肉体を持つ無精髭を生やした中年男が現れる。
バッ!スウゥゥ……ババッ!
その男は出現と同時に足を肩幅に広げ右腕を左斜め上に上げ左手は握り拳で脇に、そして右腕をそのまま顔の前まで持ってくる。その後右腕を脇まで引いて手は握り拳に、同時に左腕を先ほどの右腕と左右対称となる形で前に出した。
一連のポーズを取り終えた後、男は高らかに叫んだ。
「仮面ライダー!」
SUR 仮面ライダーに人生を賭ける四十路男 東島 丹三郎 レベル9999
ライトが今しがた
「……………………」
これ以上無いほどの緊張状態で待ち構えていたライトたちは、その予想外過ぎる展開に、ただ唖然と立ち尽くすばかりだった。
「…………あのー」
「何だ?」
沈黙に耐えかねたライトが、意を決して問いかける。
「仮面ライダーって何?」
「仮面ライダーは、仮面ライダーだ!」
男の説明不要とばかりの即答に、『奈落』の面々は困惑の表情を隠せなかった。
とりあえず、ライトは男──東島 丹三郎に呼び出した経緯と状況を一通り説明した。
「何だ……この世界にショッカーは居ないのか……」
「ケケケケケ!落ち込むとこは、そこかよオッサン!」
ライトの説明を聞き終えた後、丹三郎はそう言ってガックリと肩を落とす。その様子を見て、メラは思わず、そんなツッコミを入れていた。だが丹三郎はそのツッコミが聞こえていないのか、肩を落としたままぼやき続ける。
「なんということだ……
「……今の言葉は、聞き捨てならないな。まるで、僕たちが相手にならないかのような口ぶりだ」
そう言って、1人の少年が進み出る。背格好と顔立ちがライトによく似た、白に近い銀髪の少年──「UR 混沌の申し子 カオス レベル8888」だ。
「ライト、この男との模擬戦の許可を。高くなりすぎた、こいつの鼻っ柱を叩き折ってやる」
そう言ってカオスは手に《混沌の大鎌》を持ち、丹三郎の前へと進み出る。
「ライト様、私も賛成です。それに、この男の力量を測るには、カオスがうってつけです」
ライトは両者の言葉を聞き、腕を組んで思案した。確かにカオスが顕現されたばかりの頃、ライトと互角に渡り合えた事からも彼の実力は折り紙付きだ。丹三郎の未知なる力を測る意味でも、模擬戦は有効であろう。しばしの黙考の後、メイの提言を受け入れ、模擬戦を許可するのであった。
「……接続完了ですわ。これでどれだけ傷を負っても、わたくしの魔力が肩代わりするので、魔力が続く限り死ぬことはありませんの」
「へぇぇ……最初、話を聞いたときは眉唾だったが……本当にファンタジーな世界なんだな」
エリーの説明に、丹三郎は感心した声を上げる。純粋に感心するその態度に、エリーは僅かながら溜飲を下げた。
「……最初に言っておく。言い訳するつもりがないなら、出し惜しみせず全力でかかってこい。僕は殺すつもりで戦うつもりだから、即敗北なんて興醒めはやめてくれよ」
チャキッ!
そう言って、カオスは大鎌を構える。
バッ!
それに対し、丹三郎は先ほどのポーズを取り──
「ライダァァァ……変身!」
その声と共に、懐から年季の入ったお面を取り出す。
サッ!
いそいそ……パチンッ!
「仮面ライダー!」
それは大きな赤い複眼と涙を思わせる黒いアイラインがあり、どこかバッタを思わせるデザインだ。サイズが合っていないのか、微妙に顔がはみ出ている所はシュールだが、丹三郎はそれを着用し声を張り上げた。
「ッ!?」
だが、そのシュールな見た目に反して、『訓練場』にいる面々は全員が表情に警戒の色を浮かべていた。
(何だ?あの仮面を着けた途端に、急に雰囲気が変わった?さっきまでとは、まるで別人だ!)
特に直接丹三郎と対峙しているカオスは、内心そう呟き一層緊張を強める。
「ラァァ~~~イィィ~~~ダァァ~~~」
「ッ!?」
サッ!
丹三郎が握り拳を構えたのを見て、カオスは反射的に身構えた。
ダッ!
だが、丹三郎はお構いなしに真っ正面から突っ込んで来る。
「パアァァァンチ!!」
「くっ!」
丹三郎から放たれる右拳に対して、カオスは咄嗟に身体を捻り紙一重で躱そうとした。
ビッ!
しかしカオスはそれを躱し切れず、丹三郎の右拳が彼の右のこめかみを掠めていた。
(ッ!掠めただけで?)
その風圧だけでゾッとするような衝撃に、カオスは
(業腹だが……この男とまともに殴り合うのは、こちらが不利!だが……僕の能力は、肉弾戦だけではない!)
ダダッ!
そう判断したカオスは、バックステップで丹三郎から距離を取る。
「ラァァァ~~~……」
ダッ!
それを見て、丹三郎は拳を構え愚直に突進。
「予測済みだ!
予想通りの動きに、カオスは様々な属性の妖精を駆使する攻撃魔術を展開する。その数はライトとの模擬戦の時の倍である約60体。どうあっても、丹三郎を近づけさせないカオスの意思の現れだ。
キュドッ! ドガガガガガガッ!
カオスの放った数々の妖精は、丹三郎に次々と直撃していく。
(やったか?)
ボバッ!
だが丹三郎はそれらに大して堪えた様子はなく、その勢いは衰えないまま直進して来る。
「イィィィ~~~……」
「くっ……混沌の大鎌よ!その力を示せ!」
ブンッ!
カオスのかけ声と同時に大鎌を投擲し、直後にそれが数百に分裂して全てが丹三郎に襲い掛かる。
ガキキイィィンッ!
しかし丹三郎はそれらを躱す素振りを見せず、大鎌の数々を弾き飛ばしながらお構いなしに突っ込んで来る。
「ダァァァ~~~……」
「ちっ!」
丹三郎に間合いを詰められたカオスは、咄嗟に両腕をクロスさせガード体勢を取る。
「パアァァァンチ!!」
ドガアァッ!!
「ぶっ!」
だがそれは丹三郎の前で意味をなさず、ガードもろとも衝撃が突き抜けカオスは縦に回転しながら派手に吹っ飛んでいく。
ドゴオォォォォオンッ!!
………………ドシャッ!
そしてカオスは轟音とともに『訓練場』の反対側の壁に激突し、そのまま床に落下した。意識は完全に失っている。
激突した壁には、大きなクレーターが出来上がっていた。
「ケケケケケ!マジかよ、あのオッサン?ご主人様ですら苦戦させたカオスを、たった一撃で?」
メラのセリフが示すように、ライトたちは驚愕の表情で丹三郎を見つめていた。
「スゲーな、おっちゃん!カオスを、あんな簡単に倒すなんて!」
ナズナだ。彼女は丹三郎のライダーパンチに対し、純粋に感動し興奮していた。
「なあなあ、ご主人様!今度は、あたいにあのおっちゃんと戦わせてくれよ!」
そしてナズナは、キラキラした目でライトへおねだりしている。その様子は、まるで欲しいオモチャを前にして親に縋りつく子供のようだ。
「ライト様、ご許可した方がよろしいかと。ナズナが一度こうなっては、止めるのは容易ではありません」
「……そうだね。ナズナ、あまりやりすぎないようにね?」
「おう!わかってるぜ、ご主人様!」
ライトの言っていることを、わかっているのか、いないのか。ナズナは調子のいい返事と共に、丹三郎の前までやって来る。
「えー……と、確かこんな感じだったっけ?」
バッ!
そう言ってナズナは足を肩幅まで広げ、右腕を前に出す。それは、丹三郎が召喚された時のポーズだった。
「らいだぁぁ……へんしん!」
バッ!
「かめんらいだー!」
そして脇まで右腕を引き、左腕を前に出して高らかに叫んだ。
バッ! ババッ!
「仮面ライダー!」
丹三郎もそれに合わせて、変身ポーズを取り名乗りを上げる。
「トォッ!」
そしてかけ声と共に、丹三郎は跳び上がる。
「ラァァァイィィィダァァァ~~~キィィィイック!」
ドゴオォォォォン!
「はうっ!」
丹三郎はそのまま落下の勢いを利用したライダーキックを放ち、その威力で『訓練場』の地面を陥没させる。それと同時に、エリーが悲鳴を上げた。彼女は、まるで生まれたての小鹿のように足を震わせていた。
「おおっ!スゲーな、おっちゃん!よーし、あたいも負けないぞ!らいだぁ~ぱぁ~んち!」
ドガァァァァァアン!
「ひぅっ!」
すると丹三郎に触発されたナズナが、同様にジャンプしてから丹三郎に拳を打ち下ろす。
丹三郎はそれを躱したために、ナズナの拳が勢い余って
それらの影響で、
「ライト様、そろそろ止めたほうが……」
「ライダァァァパアァァァンチ!」
ボゴオォォォォン!
「らいだぁ~きぃぃっく!」
ズガアァァァァアン!
メイがライトへ提言している間にも、2人の手によって『訓練場』はどんどん派手に破壊されていく。
「……そうだね。メイ、魔力の負担をエリーと代わってあげて」
「かしこまりました、ライト様」
メイはそう言って、ガリガリ魔力を削られて断続的に悲鳴を上げ続けているエリーへ歩み寄って行った。
「待て、2人ともストップ!模擬戦は、ここまでだ!」
ライトは2人を止めるため、威厳を持った声を張り上げるが──
「おお!すごいぞ、おっちゃん!あたいと、ここまでマトモにやり合えたのは、ご主人様以外だとおっちゃんが初めてだ!らいだぁ〜〜ぱぁぁ〜〜んち!」
「うぉぉぉぉぉぉお!ライダァァァパアァァァンチ!」
ズドォォォォォォオン!
ライトの声が聞こえていないのか、2人とも模擬戦を止める気配は無い。丹三郎とナズナのライダーパンチがぶつかり合って、余波で周囲に衝撃波が広がり『訓練場』の被害に拍車がかかる。
「……ダメだ、聞こえてない。エリー、悪いけど、多少手荒になっても構わないから、2人を拘束してくれるかい?」
「ハァハァ……承知致しましたわ、ライト神様」
ライトの前で醜態を晒した羞恥からか、頬を赤らめて荒い息を吐きながらエリーは答えた。
「まったく、ナズナさんときたら……以前、『巨塔』でハーディーさんと戦った時の反省が、全く生かされてないではありませんの。少しお灸を据える必要がありますわね……」
そう言って、エリーは残り少なくなった魔力を慎重に練り上げる。『奈落』内では随一の魔力量を誇る彼女でも、先ほどまでの『訓練場』の修復には相応の魔力を消費したらしく、普段は詠唱破棄して即座に発動できる魔術もそれなりの集中が必要なようである。
そして、念入りに練り上げた彼女の術が完成する。
「
エリーのかけ声と同時に、鋼鉄色の茨が2人の周囲から発生した。
その茨が、丹三郎を拘束するために絡みつく。
「ふんっ!!」
ブチィッ!
だが、丹三郎は自らに絡みついた鋼鉄の茨を力ずくで引きちぎった。見れば、ほとんど傷らしい傷を負っていない。
それを見てエリーの制御が乱れたのか、ナズナも鋼鉄の茨の包囲網から脱出している。
「なッ!?わたくしたちですら拘束可能な
「仮面ライダーだからだ!」
「意味不明ですわ!?」
あまりにも非常識な光景に、思わず投げかけるエリーの疑問に丹三郎は即答。丹三郎のあんまりな返答に、エリーは頭を抱える。
「ら…ライト神様。真に遺憾ですが……もうこれは、わたくしたちの手に負えませんの。ここに至っては、
「……致し方ないか」
ライトはそう言って、カードホルダーから1枚のカードを取り出した。
「
ライトがそう言うと、丹三郎の時同様カードが粒子となり魔法陣が発生。そこから光が溢れて、同時に黒い革ジャンとレザーパンツ、ブーツに白いマフラーを巻いた男が現れる。
「
両腕を肩の高さの水平方向に勢い良く伸ばし、そのまま両腕を左斜め前まで回し、素早く右腕を脇まで引いた後に左腕を脇まで引き同時に右腕を左斜め前へ持っていくポーズと共に、その男は高らかに叫んだ。
SUR 仮面ライダーV3に生涯を捧げた32歳男 島村一葉 レベル9999
先ほどライトが
「……………………」
丹三郎の時と同じ流れに、ライトたちは嫌な予感を覚えた。
「ムッ!?」
ダッ!
その男は丹三郎たちの戦闘に目を向けると、迷わずそちらへダッシュして行く。
ライトたちは、こちらが説明する前に丹三郎たちを止めに入ったのかと一瞬考えたのだが──
「にゃあ~……火に油」
アオユキの言う通り、事態は沈静化するどころか、逆に悪化の一途を辿る。
「オルカ!スズ!
「主殿、既にやっています!ですが、ナズナ殿にもあの男たちにも効果が……」
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
『らいと様、コチラモ同ジデス。なずな様ハトモカク、アノおっさんタチ、アレダケ魔弾ヲ喰ラッテ平然トシテルナンテ……一体、ドウイウ身体シテルンダ?』
まずはバイオリンを演奏しているオルカが、続いてスズの相方であるインテリジェンスウェポンのロックが、スズの魔力を使った魔弾を放ちながら答える。
「くっ……」
「ケケケケケ!とんでもねえな、あのオッサンたち!ナズナ様と互角に戦ってるぜ!『訓練場』も派手に壊されてくしよ!」
ジャックは「鉄血鉄壁」を纏って、飛んでくる破片からスズを守るのに手一杯で、危険を感じたメラもいつの間にかジャックの後ろに退避していた。
「ライト神様、このままではジリ貧ですわ。残る1枚のレベル9999とレベル9000以上のカードを全て
「……他に方法は無いか」
エリーの提言を受け、ライトはカードホルダーから3枚のカードを取り出す。
「
そして3枚同時に
「えっ?兄さんと東島さん……と、あの娘は?」
「ちょっ……何なに!?一体、何がどうなってるの?」
突然の状況に細身の金髪の青年──「SUR ライダーマンに熱い心を感じるファミレス店長 島村 三葉 レベル9700」が驚き、「SUR 電波人間タックルに心酔する女教師 岡田 ユリコ レベル9700」が状況を理解できず混乱した声を上げる。
「………………」
3人目の作務衣姿に前掛けを付けた女性が、丹三郎たちの様子を無言のまま忌々しげに睨んでいた。
「…………ハァ〜」
「ね…姉さん?」
作務衣姿の女性の放つ、その只ならぬ雰囲気に三葉が声を漏らし、思わず2〜3歩後ずさる。
「………………」
ユリコも、
ツカツカツカ……
そんな2人には目もくれず、彼女は溜息を吐きながら大股で現場に近づいて行った。
ムンズッ!
「え?」
ゴチンッ!
「ぴぃっ!?」
まず彼女はナズナの襟首を掴み、強引に現場から引っ張り出すと問答無用でゲンコツを落とした。
「おおおおおお〜〜〜……」
涙目で頭を押さえ蹲るナズナを尻目に、女性は更に現場へ近づいて行く。
ドガァッ! ドゴォッ!
「ぐっ!?」
「ぅおわっ!?」
そして丹三郎と一葉の2人を有無を言わせず蹴り飛ばした。
「いい歳した大人が、ガキに混じって何やってんだ!?小学生以下か、テメーらは!!アア!?」
作務衣姿の女性──「SUR 最強の居酒屋店主 島村 二葉 レベル9999」の一喝で、その場が一気に収まった。
「…………できれば、もうちょっと穏便に済ませたかったんだけどなぁ」
騒ぎが収まった後の『訓練場』の有様を見て、ライトは思わずそうこぼすのだった。
「うう……くっ……痛ててててて……」
丹三郎との模擬戦で気絶していたカオスは、ゆっくりと瞼を開け上半身を起こす。
「やあ、起きたかい?カオス」
彼は側に居たオルカの声に応えず、鈍い痛みの走る頭を揺らす。覚醒しきらない意識の中、ぼんやりと視界に入った光景に彼は困惑した。
まず目に入ってきたのは、『訓練場』の一角で正座させられエリーに
次いで目に入ったのは、不機嫌顔で『訓練場』の中央付近でライトに説明を受ける、見たことない服装の30前ぐらいの女性。時おりメイから補足説明を受けているが、その女性は尊大な態度と不機嫌な表情のままなので、メイの態度は硬い。
その傍らでは、先ほど自分と模擬戦をしていた中年男が白目を剥いて倒れており、すぐ側に見覚えの無い黒い革の上下を着た男がぐったりと意識を失っていた。その周りにはアオユキ、メラ、ジャック、スズ&ロックと見覚えの無い青年と女性が居る。
「これ……白目剥いてるけど、死んでんじゃない?」
女性──ユリコがそう言うと、青年──三葉が何かを探すように周りを見回し、傍らに落ちていた仮面を見つけて慌てて中年男に被せる。
ムクッ!
「ケケケッ!?ま、マジかよ!生き返ったぜ!?」
メラの驚きの声と共に、中年男──丹三郎は何事も無かったかのように起き上がった。
「………………」
だが、三葉が仮面を取ると──
バタッ!
『ア、死ンダ』
淡々としたロックの言葉通り、丹三郎は再び倒れ込んだ。
ムクッ!
「うおっ!また、生き返った!?」
再び仮面を被せると丹三郎はムクリと起き上がり、ジャックが驚愕した声を上げる。
バタッ!
「にゃ〜、また死んだ」
仮面を取ってみせると丹三郎は再び倒れ込み、アオユキは呆れた声を上げた。
「とりあえず、生命維持装置代わりに着けておきましょう」
「……何か、公園で鳩見てるおじいちゃんみたい」
「にゃあ~、せいめいいじそうちって何?」
三葉はそう言って、丹三郎に仮面を付けて固定してから上半身を持ち上げて座らせる。ユリコはそれを見て呆れ、アオユキは聞き覚えの無い言葉に疑問を投げかける。
「よお、カオス!目ぇ覚めたか?」
「…………何があったんだ?」
ふらついた足取りで丹三郎の側まで歩み寄ってきたカオスに、ジャックは軽快に呼びかけた。それに応えることなく、カオスは率直に状況をたずねる。その後ろでは、オルカが慌てて駆け寄って来ていた。
「……ったく、普段から何度も言ってるではありませんか!「手加減を覚えなさい」と!こんな、地下まで崩落しかねない大穴まで開けて……」
「ううう〜〜、だから反省してるってば〜〜」
「ッ!?………………」
エリーによるナズナへの説教を聞いて、カオスは何かに気付いたように考え込んだ。その様子を見たオルカが、彼にたずねる。
「どうしました、カオス?難しい顔して……」
「いや、「地下」という言葉に引っかかってな。何か忘れてるような……」
「ケケケケケ!地下と言ったって、居るのは地獄を見ている最中のご主人様の復讐相手と、あとは…………あっ!」
メラが何かを思い出したかのように声を上げ、スズは珍しく苦みきった表情を浮かべる。
『……相棒、オ前わざト話題ニ上ゲナカッタナ?』
「………………」
ロックの言葉に、スズは気まずそうに視線を逸らしていた。
一方『奈落』の地下深く。最下層より、さらに地下の一角にある牢屋にて──
「何、ナニ、なに?一体何が起こってるのよ!?いつの間にか、見張りも居なくなってるし!ちょっと〜、誰か戻って来てミキィに説明しなさいよ〜!」
牢に繋がれている彼女は、《SSSR 呪いの首輪》でレベルダウン、所持
彼女は先ほどまでの振動や破壊音、さらには自身を常時監視していた者が不在になっている事で『奈落』の異変を察知し、上記のセリフで説明を求め地団駄を踏んでいた。
以上、無限ガチャ×東島ライダーのクロスオーバー短編小説でした。
読者の皆様方、お楽しみいただけたでしょうか?
あと、以下に今回無限ガチャで輩出されたカードを載せておきます。参考までにどうぞ。
作中に登場したカード
・SUR 仮面ライダーに人生を賭ける四十路男 東島 丹三郎 レベル9999
・SUR 仮面ライダーV3に生涯を捧げた32歳男 島村 一葉 レベル9999
・SUR 電波人間タックルに心酔する女教師 岡田 ユリコ レベル9700
・SUR ライダーマンに熱い心を感じたファミレス店長 島村 三葉 レベル9700
・SUR 最強の居酒屋店主 島村 二葉 レベル9999
作中未登場のカード
・UR 愛に目覚めたショッカー女戦闘員 ユカリス レベル5000
・UR ヤクザ者のはぐれショッカー戦闘員 中尾 八郎 レベル7777
・UR 最強(だった)森の王者 ヒグマくん レベル5000
・R 中尾八郎に心酔するヤクザ3人組 レベル20
・SUR タイフーンベルト(東島 丹三郎専用)
・SUR ダブルタイフーンベルト(島村 一葉専用)
・UR タックル変身用ヘルメット(岡田 ユリコ専用)
・UR ライダーマンヘルメット(島村 三葉専用)
あとは、この後の各々の『奈落』での役割を簡単に解説します。
・東島丹三郎:普段は『奈落』内でのガテン系作業全般に従事。貴重な肉体派のレベル9999であるため、時に地上へ戦力として駆り出される事も。
一日の課業終了後は『訓練場』で一葉と共に仮面ライダーごっこ(途中でナズナも乱入)。派手に『訓練場』を破壊してエリーや二葉に怒られるまでが『奈落』の新たな様式美に。
・島村 一葉:「無限ガチャ」原作でライトが試験的に作っていた農場(万が一『無限ガチャ』からの食料供給が途絶えた時に備えて作られた)の管理責任者に。丹三郎と同様、肉体派のレベル9999のため、戦力として地上へ駆り出される事もある。
祖父母の家と畑を引き継いで自給自足をしていた経験を生かして、付けられた部下たちに指導している。
意外な事に、指導自体は的確。ただし時おり見せる彼の奇行に、部下たちは困惑している。
上記の通り、課業終了後は丹三郎と共に仮面ライダーごっこ。
・岡田 ユリコ:『奈落』内でのユメ(及びナズナ)の教育係に。丹三郎たちの仮面ライダーごっこにはノータッチだが、その度にナズナへ常識を説いている(あくまで「彼女なりの常識」だが)。
あと、密かにユメの護衛も兼務している。
・島村 三葉:元ファミレス店長の経験を生かして、食堂のエリアマネージャーに。
後に酒を嗜む『奈落』メンバーの意見を受け、小さなバーカウンター(スツール5脚、奥に酒瓶を置く棚もある)と、お茶を嗜む『奈落』メンバーのために喫茶店風のテーブルスペース(4〜6人掛け)を2つ用意した。
時にはジャックやカオス、さらにはモヒカンたちに合気道の基礎を教え、彼らの戦闘技術の向上に貢献している。
・ユカリス:三葉にベッタリのため、実質的な食堂担当に。
・中尾 八郎:一緒に顕現された子分の3人と共に地上へ。
そこでかつてのシノギの経験を生かし、たこ焼き屋台を引きながら情報収集。
時おりダーク(ライト)たち『闇の道化師』パーティと接触して、たこ焼きと一緒に集めた情報を渡している。
・島村 二葉:食堂の一角を「居酒屋ふたば」へ無断で改装。『奈落』メンバーの憩いの場と化していく。
後にメイから苦言を呈されるものの、『奈落』の福利厚生の一環としてライトから正式に許可が下りる。
事実上『奈落』へ常駐しているため、実質的に最強の防衛戦力となっている。
・ヒグマくん:原作において丹三郎に2度敗れた上、アオユキ配下のモンスターたちを見て、森の王者だったプライドをバッキバキにへし折られた。
それから、しばらくの間「自分は一体何だったんだ……」と自問自答を繰り返す事に。
その後、レベルは低くとも様々な技術を身に着けライトに貢献しようとするモヒカンたちと出会い、「自分の存在意義」を見つめ直すきっかけとなる。
あと「居酒屋ふたば」の前で、酔っ払った丹三郎と一葉が肩を組んで「レッツゴー!ライダーキック」や「戦え!仮面ライダーV3」を大声で歌い(これらのヒーローソングが波長に合ったのか、ナズナも途中で参加)、二葉にぶっ飛ばされ(彼女曰く「店の前で騒ぐな!」「ガキを変な道へ引きずり込むな!」とのこと)、その後に「R サイレント」の魔法カードで周囲に音を伝わらないように歌うという、気を使ってるんだか迷惑なんだかよくわからないというエピソードも考えてます。
機会があれば、いずれ書こうかと……。
ご意見、ご感想をお待ちしております。