機鋼神エイジャックス ー神石転生異世界記ー   作:井上斐呂

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第56話 新たな武器 x 狩場へ

次の日はまたギルドに赴いて情報を集める。それが終わるとギルドの情報にあった綿とか布とかが売っているような手芸用品店にいく。狩猟ギルドの情報網はそんなところまで網羅(もうら)しているのか。つくづく敵に回さなくて良かったと思う。

 

適当に素材を買い込んでいったん家に戻り腹筋マシンなどを作る。背中や足が当たる部分は中綿を詰めた布で覆って当たりを柔らかくする。魔力で防御すれば痛くはないのだが筋トレ中は魔力を使わずに筋力だけで動かさなければならないので極力筋力運動に集中できるようにしたい。

 

器具が出来あがるとちょうどいい時間だったので外で昼食を取る。それから家に戻って武器の仕上がりを確認する。

 

徐々に魔鉄の含有魔力は上がっているようだ。二等級から三等級の間ぐらいか。具体的な等級分けの指標については良くわからないが。

 

専門書でも買えばわかるかもしれないがそこまではする気にならない。重要なのは実用出来るかどうかだ。使えなければ鍛え直せばいい。

 

効率化のための実験では一応成果はあった。始めから高い魔力圧を掛けるより状態に応じて変化させる方がいいらしい。仮説としてはキャパオーバーな圧を掛けると魔力同士で反発しあうのではないかと考えられるがよくわからん。

 

この知見を元にして“雷豪丸”の性能を上げつつ他の鉄も順次魔鉄化をはかりたい。武器が完成に近づいたらいよいよ狩りに行こうと思う。このペースだと多少先になりそうだが。

 

再び外出すると今度は日用品店に出向く。外食でも問題ないがトレーニングをするならやはり食事の内容を見直した方がいい。自分で調理した方がそこら辺は調整しやすい。調理器具と食器をそろえると食材を買いに行く。

 

精肉屋に行きどのような肉が売っているのか確認してみる。ガラスショーケースにきれいに処理された肉が並ぶ。ガラスに手を触れると冷たい。冷蔵庫になっているようだ。

 

鶏肉が多いか。養鶏場があるのかもしれない。豚肉や羊肉もあり値段は手頃だな。この三種類は値段はそれほど変わらない。需要と供給、どちらの理由だろう。まあ、考えても仕方がない。

 

セリアの家で食べた牛肉も売っているが値段はかなり高いな。牛の魔物を品種改良して食肉専用に育てるのは相当な努力がいるのだろう。

 

狩猟者が狩るような魔物の肉は売っていなかったので聞いてみたらそういうのは専門の店があるという話だった。狩猟ギルドとつながりがないと商売になるほど安定した仕入れが出来ないと言うことかな?

 

とりあえず鶏胸肉と羊肉を購入する。買い物袋に入れたあと亜空間にいれて劣化を防ぐ。その後は青果店や乳製品店、パン屋、調味料専門店、スパイス専門店、油屋なんかを回り食材を買い込んでいく。炭などの燃料も買う。狩りの間の食料も兼ねてとにかく買い込んでしまおう。亜空間に入れれば劣化もしないし大きさも関係ない。

 

買い物が終わると家に帰り料理を行う。鶏肉の鍋にしよう。まな板の上で包丁を使い鶏胸肉を角切りにして水の入った鍋にいれる。次に野菜類を火の通りやすい形と大きさに切ると同じ鍋に入れる。

 

コンソメスープの元のような、、、もうコンソメでいいか。コンソメを入れて水から弱火でじっくりと火を通していく。火はかまどで炭を燃やして焚いている。火加減は難しいが強すぎるときは燃えている炭を亜空間によけることで対応した。

 

ある程度火が通ってくると塩や胡椒、ハーブなどを味を見ながら足していく。完成したら鍋を亜空間にしまって網を敷いてパンを焼いてみる。表面に焼き色が入り香ばしい匂いが立ってくる。

 

ころあいかな?

 

パンと網を亜空間にしまい、燃えている炭をどうしようかと少し考えてから結局亜空間にしまう。

 

ダイニングテーブルに座ると食器に盛られた形で亜空間から取り出してセッティングする。最高に暖かい状態で食べることが出来るのはいい。味はそこそこだが実際以上にうまいと感じる。

 

自分で作ったと言うことも味の底上げに繋がっているのかもしれない。しかし、やはりレストランで食事をするのとは違うな。

 

なんでシェフの作った料理はあんなにうまく感じるんだろうな、、、? 実際うまいんだろうけど

 

本格的に料理を勉強するのもいいかもしれない。しかし、まずはロボを作ることが第一目標か、、、。あまり手を広げるのも良くない。いろいろな体験をするとやりたいことが増えていく。

 

思えば地球では狭い世界で生きていたような気がするな。高校生なら普通か。これから広がっていくところだったのか、、、。いや、やめよう、考えるのは。吹っ切れてないな。

 

食べ終わった後は食器を亜空間にしまってキレイにする。皿に付いた食料もそのまま鍋の残りに入れて再利用することも可能だが心情的にしたくはないな。残渣は水とか炭素に分解して素材として取っておこう。

 

亜空間があると本当に便利だ。本当は食材の切り分けから加熱まですべての行程を亜空間で済ませることも可能なのだが簡単すぎてなにも達成感を感じられないだろう。自分の手で行ってこそ感じるものもあるだろう。

 

その後はトレーニングを行い眠りに就く。

 

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しばらくは朝昼晩の食事を自分で作って食べ、その合間にトレーニングや買い物をするという日々が続いた。

 

鉄の購入はあまり進んでいない。いくつかの製鉄所を順に回っているがしょっちゅう鉄を購入しに来ると怪しまれるかもしれない。思い通りに仕入れるのは難しいのが現状だ。

 

収入次第ではネジなどの鉄製品を潰して素材にすることも考えねば

 

鉄の魔鉄化は想定より順調に進んでいる。コアの性能が上昇したためだろう。“雷豪丸”は等級4ぐらいになってきている。10万エスク硬貨並みだな。防具に使用した鉄や未使用の鉄も等級2程度に上昇している。もうそろそろ狩りに出かけてもいいのかもしれない。

 

それ以外だと本を読むかギルドの書庫で魔物関連の本を読むぐらいしかないが、自前の本は早くに読み終わってしまった。ギルドへもしょっちゅう出向くわけにも行かない。

 

買えばいいのだがふところにある程度余裕があるとは言へ価格を考えるとほいほいと買えるものではない。娯楽小説をいくつか買い足したぐらいだ。

 

空き時間が出来るので新たに魔術を作れないか挑戦することにした。金属蓋の瓶を買ってきて中に紙片を入れて蓋を閉じる。

 

蓋に手を接触させてそこから中の空気に魔力を流して操作することを目指す。中の紙切れは空気の動きをわかりやすくするためだ。

 

すでに何日か空いた時間に行っているのだが成功しそうな気配はない。メタン魔術やコウモリから得た空気魔術の断片はあるので不可能ではないと思うのだがなかなか難しい。

 

人に習いたいところだな、、、ふぅ、、、

 

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そうやってさらに一週間ほど経ったときだ。“雷豪丸”は等級5程度になり空気魔術の習得にも兆しが見え始めていた。

 

そろそろ狩りに行くか。ラディフマタル森林に、、、

 

亜空間の中には狩りに使う道具がいろいろと入っている。食料も買い込んでしまってある。トレーニングの成果か腹筋も割れてきて全体的に締まってきている。今度姿見でも買おうか。

 

現地のギルドまでの道を確認してどのような行程でいくか計画を練って準備をする。

 

翌朝に自宅を出発して、小走りで王都郊外の街道に出ると一気にスピードを上げる。

 

他に走っている人もいるし車も通っているのでそこまでスピードは上げられないが時速60キロメートルは出ているだろう。順調に進んでいく。

 

途中から登り坂が多くなり地形の起伏が大きくなってきている。だが、他の人や車が少なくなってきているので速度を上げてペースを落とさないように走れる。

 

途中で昼食を取るために道の駅みたいな施設に寄る。魔物対策なのか周辺の木を広範囲に切り倒し、頑丈そうな建物が価格を考えると塀《へい》と価格を考えると堀《ほり》に囲まれて異様を放っている。

 

中に入って従業員と少し話をしてみる。どうやらここは騎士団関連の施設らしい。最近、一般にも施設を開放しだしたという話だ。交通量の増加とかが関係しているのかもしれない。それだけ昔と比べて魔物の被害が減っているということか。

 

食堂で昼食を取ることにする。メニューを見るとチーズと加工肉を使った料理が多いように感じる。これから向かうところは酪農と牧畜が盛んだからその影響かもしれない。

 

店員に聞いてチーズのたっぷりとかかったホットドッグのような料理を注文する。飲み物はレモンベースの炭酸飲料にした。炭酸水があるんだな。天然の炭酸水か魔術で作り出しているのかはわからないが。

 

しばらく待つと料理が来る。一口かじると太いソーセージのパキッとした歯ごたえとともに肉汁があふれて口の中に広がる。

 

口とホットドッグに橋を架けているチーズを引きちぎって価格を考えると咀嚼《そしゃく》をするとチーズと肉の濃厚な味をパンの香ばしい味とトマトケチャップの酸味が受け止めて味のバランスを取っている。

 

パンはふかふかしているよういてでサクッとした歯ごたえもある。ケチャップは俺が知っているケチャップより酸味が強いかな。

 

咀嚼し終わって飲み込むとうまいものを飲み込んだ価格を考えると充足感《じゅうそくかん》があるがチーズと肉汁のしつこさは若干残る。そこでレモンソーダを飲むとレモンの酸味と炭酸のはじける刺激が口の中を洗い流してさっぱりさせてくれる。

 

完食すると少し食休みを取って目的地へ向かう。日が傾く前には目的地の手前、この地域で最大の街であるセンタスに到着する。ここの狩猟ギルドでも情報を集めてみよう。

 

街に入るまえに城門を守る衛兵に狩猟ギルドの場所を聞いて向かう。ここのギルドは街の中心部にあるらしい。大通りを進んでいくとそれらしい建物が見えてくる。

 

周辺の建物より頑丈に作ってあるところや中にいる人間の魔力が比較的大きいのか妙な圧がある。看板を見てもわかるが見なくてもわかる感じだ。重厚な扉を押し開いて中に入ると中の人たち全員がこちらに注目している。

 

魔力の大きさを感じ取るとみんな同じ反応をするな、、、

 

元日本人的には注目されると落ち着かない感じがする。魔力を抑えればいいと思うが抑えすぎると逆に価格を考えると不審《ふしん》がられるようでどうやら何をこそこそしているんだと思われるらしい。そういうものだと割り切って堂々とするしかない。

 

とはいえそう長々と注目されるわけではない。すぐに作業や雑談に戻るので一時やり過ごせばいいだけだ。

 

受付にいき組合員証を見せるとラディフマタル森林についての情報を求める。こちらは何かしら資料でもと思っていたがしばらく待っていると受付から声がかかる。

 

「支部長から会って話がしたいとの申し出がありますがいかがなさいますか? 」

 

偉い人から会いたいとか人生で初めてだな。どうしようか。断る選択肢はあるのかもしれないがこちらから声を掛けている形でもあるしな。

 

「了解した。会うことにする 」

 

まあ、やっかいなことではないだろう。受けることにする。

 

 

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