機鋼神エイジャックス ー神石転生異世界記ー   作:井上斐呂

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第64話 Ⅹ 天空の覇者、紫電纏うもの

傷を完全に回復させた後、血を落とすために川の水で洗い流す。

 

川の水は澄んでいて川底がよく見える。水のひんやりした感触がほてった体に心地いい。

 

コアブーストなしでやれたな…

 

…ん?

 

腰をかがめて顔を洗っていると突然、濃い影が落ちてくる。水面の反射がなくなって周囲の川底全体がはっきり見えるようになった。

 

雲が太陽にかかったにしては唐突だ。なんだ?と思った瞬間、吹き飛ばされるような風があたりに吹き荒れる。

 

…ぶふっ!

 

腰だめに溜めて飛ばされないように踏ん張っていると顔に水飛沫がかかってきて目を開けていられない。両腕で顔をガードする。

 

風が収まって影の先を見るとそこには翼を広げた巨大な鳥がたたずんでいた。ここに至るまで魔力を感じられなかった。今はその片鱗を感じられるが相当に強い。この熊よりも遥かに…

 

あれ…このパターンどっかであったな…

 

巨大怪鳥の立っている足下を見ると倒した熊の上に乗っていた。両足の爪でしっかりと(つか)んでいる。

 

なっ…まさかっ!

 

そのまさかだった。爪を食い込ませるようにさらに力強くむんずと(つか)むと前傾姿勢を取る。そのまま翼を大きく広げると再び周囲に暴風が吹き荒れていく。

 

俺は風に飛ばされそうになって踏ん張りつつ必死に耐える。疲れた体には(こた)えるがここで負けるわけにはいかない。飛ばされればそのまま獲物を持ち去られる危惧があった。

 

耐えながら巨大怪鳥を目で追っていくと巨体に似合わずふわりと空中に浮かび上がり前進していく。

 

徐々に加速して遠ざかりつつある後ろ姿が見えた。

 

させるかよっ!

 

俺は魔術で水のロープを作り出して高速で伸ばしていく。材料はいくらでもあるので魔力が続く限り伸ばせる。俺の体重を支えるだけだから出力も抑えられる。

 

持ち去られていく熊に巻き付けると川底を蹴って後を追うように空中に踊り出す。次は逆にロープを短くしていきどんどん近づいていく。

 

ヤツは高度を上げていきそれに伴って俺も空中に引き上げられていった。

 

途中で森の中に突っ込んでいく。体に枝や葉が次々と当たって来るがその程度では俺は落とされない。魔力を維持して耐える。

 

逃がさんよ…

 

その間も高度はぐんぐん上昇し速度も上がっていく。鳥は俺の存在など取るに足りないと思っているのかそのままだ。

 

俺を舐めたことを後悔させてやる…

 

怒りに任せて熊に取り付き魔力を浸透させる。十分に行き渡り、これで亜空間に引き込む準備は出来た。

 

しかし、ふと我に返って下を見てみると既にかなりの高所を飛んでいることに気が付いた。

 

高度700メートルと言ったところか。魔力で防御すれば何とかなりそうだが本能的に恐怖を感じる。

 

だが、このままではこいつの住処(すみか)に熊共々お持ち帰りされてしまう。それはまずい。

 

意を決して亜空間に引き込むと支えを失った体は自由落下していった。

 

通り抜けていく風と耳元で鳴る風切り音が恐怖心を(あお)る。下腹部がヒュンッてなるのが気持ち悪い。

 

すぐにでも減速をしたくなる気持ちを抑える。

 

500....400...300..200..今だ!

 

高度を測りながらギリギリのところで背中の水槽から水を出してパラシュートのように大きく広げて急減速する。

 

すぐに魔術を切って自由落下に戻し勢いよく地面に足の裏から衝突する。

 

ズンッと地響きのような音と振動が鳴り響く。足裏から脳天まで振動が貫いていくが魔力防御のお陰でそれほど痛みはない。

 

地上に降りた俺の上を巨大怪鳥の影が通り過ぎていった。それに少し遅れてソニックブームのような轟音と風が木々をしならせる。

 

悠長《ゆうちょう》に降りていたら空中で為す術無くやられていたな、、、

 

だがまだ安心できない。押し潰されそうな強大な圧はまだなくなっていない。

 

空を警戒していると、引き返してきたあの巨鳥がこちらが見える位置で空中に静止する。

 

空気魔術の類いを使用しているのだろう。羽ばたくことなくホバリングして宙に浮いているヤツはこちらに向かって威圧的な魔力を放ち甲高い声で鳴き声を上げる。

 

どうやら獲物を横取りされて怒り心頭らしい…って横取りされたのはこっちだよ! (ぬす)()猛々(たけだけ)しいとはまさにこのことだなっ!

 

だが憤ったところで相手は人間ではなく鳥畜生である。人間の(ことわり)が通じるはずもなく戦闘は避けられそうにない。

 

魔境の理屈は勝ったものが正義。主張を通したいなら勝つしかない。

 

自分の状況を確認する。熊との戦闘で魔力は心許ない。疲労もかなり溜まっている。

 

…早く休みたい

 

比べて相手はどうだろう。万全の状態に見える。大きさは翼長が15メートルはあるだろう。

 

赤銅(しゃくどう)色の金属光沢のある羽根で覆われている。頭についた(かざ)(ばね)尾羽(おばね)はこれも金属光沢のあるエメラルドグリーンをしている。

 

魔力変異が相当程度起こっていると考えられる。感じられる魔力の大きさはあの熊の2倍ではきかないかもしれない。

 

こちらが万全の状態でも勝ち目はないだろう。(いにしえ)の狩人達のメモ書きにあった鳥系の魔物はこいつのことのようだ。

 

断言は出来ないがこの魔物がラディフマタル森林の特性に深く関わっているはず。この魔境の頂点に君臨(くんりん)しているのはこいつなのだろう。

 

キイィィィッ!

 

もう一度甲高くなくと魔力が増大していき、羽根全体が紫色の電光を帯びてくる。

 

雷魔術だとっ!

 

俺が使うものとは威力の桁が違う。圧倒的な魔力を感じる。

 

せっつかれるように“雷豪丸”を(さや)から抜くとこちらも可能な限り最大の雷魔術を練り上げていく。

 

特に前触れもなく頭の飾り羽から紫電が放たれる。対する俺は一直線に迫り来る雷電に向けて斬撃を放つ。

 

雷刃(らいじん)術式、雷光斬(らいこうざん)

 

雷光を帯びた斬撃が落雷とぶつかり合う。大部分の落雷は反れて地面に突き刺さり爆発(ばくはつ)霧散(むさん)する。

 

しかし、一部は確実に刀から腕に伝わり火傷と(しび)れを引き起こしていく。手に力が入らない。うまく握れなくなり刀を取り落としてしまう。

 

くそっ、ほんの小手調べでこれかよ…

 

たいして本気では打っていないように思える。魔力に余裕があった。次はさらに高威力のものが降ってくるだろう。

 

俺の方は今の魔術でほとんど枯渇(こかつ)してしまった。

 

切り札を切るしかない…

 

狩人としては完全に敗北だがしかたがない。ここからは狩りは関係ない領域だ。

 

俺もヤツを狩るつもりはないし、ヤツも俺を狩ったところでなんの足しにもならない。

 

意地と意地のぶつかり合いだ…

 

久しぶりに戦闘体を使うことになる。

 

ふふっ…

 

思わず笑みがこぼれた。

 

深層の土は魔力含有量が多く性能の向上が見込める。空いた時間に嬉々(きき)として改修を続けていた。お披露目(ひろめ)の相手としては十分過ぎるほどの相手だ。

 

さあ、やろうか…

 

気合いを入れるためにポーズを取る。相手を見据(みす)え体の前で腕をクロスさせる。

 

「換装《チェンジ》!」

 

両肘を後ろに引いてその瞬間、体を交換する。

 

一瞬で人間の姿から変化し、武者鎧を着た鬼人の姿が顕現(けんげん)した。

 

戦闘体、魔我土鬼(マガトキ)推参(すいさん)

 

二本の角が突き出た兜と鬼の面が象徴的(しょうちょうてき)な外観をしている。破損した“白剛鬼”を分解して骨格フレームに使用し、魔力順化を進めていた。そこに深層の土、魔土を盛り付け外部装甲に魔鉄製の和風全身鎧を身に(まと)っている。

 

特筆(とくひつ)すべきは両腕の構造だ。蛇の骨格を模して間接の数を増やしている。蛇腹状の鎧で覆い自在に様々な動きが出来るようにしてある。基材に土を使う利点を生かした柔軟性のある運用を目標としている。

 

コイツ相手にどこまでやれるか…

 

戦力分析のためにコアの魔力を確認してみる。

 

現在魔力量/最大魔力量 58743/60569

 

いつの間にか魔石の魔力量を超えていた。残量も十分。後は使い方次第か。

 

地面に転がっている“雷豪丸”を腕を伸ばして掴むと引き戻して軽く振ってみる。

 

うん、いい動きだ

 

想像より伸びるし滑らかに動く。これなら多少は勝負になるか。

 

いきなり姿が変わった俺に驚いたのかヤツは少し固まっている。首をかしげる姿はちょっと可愛らしくもある。

 

だが攻撃は可愛くない。気を取り直すと最初の数倍にもなる雷撃を気合いの咆吼(ほうこう)とともに落としてきた。

 

対して俺は……防御一択!

 

纏雷(てんらい)神流(かみなが)

 

雷の魔術を全身に留めて刀を地面に突き立てる。紫電の束が直撃するが表面を流れ落ちていき地面に吸収されていく。

 

流しきれない神鳴(かみなり)が土の体の中に浸透してくるが自分の魔力を混ぜて足の裏から地面に逃がしていく。

 

数秒間、雷は降り続けるが魔力を緻密(ちみつ)に制御して()らし続ける。

 

攻撃がやむと電流が流れた地面から白い煙が立ち(のぼ)る。その中心で無傷のまま立ち上がると改めて相手の方を見る。

 

怪鳥は俺が無事だと見ると意外なものを見たように動きが固まっている。実際に俺は無事だし、魔力消費も思っていたより少なくて済んでいる。

 

次は空気魔術を放ってくるようだ。魔力を高めると前方に空気が流れて集まっていく。膨大な量の空気が圧縮されている。

 

相当に強力な魔術を仕掛けてくるつもりだろう。確実にこちらを仕留めることを決意したようだ。

 

回避したいところだが難しいな。多少避けたところで範囲内から逃れられない。逃げたところで空を飛んで追いつかれて狙われる。

 

受け止めるしかない…やはり防戦一方か…

 

俺は刀を亜空間に仕舞うと魔術を構築していく。

 

土球硬殻(どきゅうこうかく)

 

土を空洞のある球状に変化させて内部に納まる。殻の硬さを上げるために土を圧縮する。更に土をコーティングして圧縮する。それを繰り返して殻を厚くしていく。

 

泥濘包海(でいねいほうかい)

 

周辺の土の水分量を上げてぬかるませていく。亜空間からも水分を供給して広範囲に泥のフィールドを広げていくと土の球は泥の海にゆっくりと沈んでいく。

 

土球が半ばまで沈んでいくとそこで止まる。

 

これで俺の魔術は完成する。向こうも完成したようだ。

 

巨大怪鳥は魔術の構築が完成すると土の球に向けて急降下する。

 

十分に接近すると圧縮空気を解放し超高圧、超速度の疾風を地面に放出していく。

 

地面には暴風が吹き荒れ周辺の木々は根元から吹き飛ばされるものや折れて倒れるものが円形に広がる。

 

魔術で強化された泥の海も徐々に吹き飛ばされて干上がっていく。水位の低下に合わせてそこに浮かぶ土球も沈む。暴風を受けて狂ったように方向を変化させ、高速回転をしながら沈み続けていく。

 

2,3分は続いただろうか。暴風が収まると地面には大きく深いクレーターができあがっている。

 

その中心、一番深い部分に表面が滑らかに(みが)かれ、陽光(ようこう)を反射して輝く球が鎮座(ちんざ)していた。

 

超高圧の風を受けて回転を続ける球の中で俺は両手両足を踏ん張って耐えている。

 

球の中は真っ暗で何も見えない。伝わってくる音と震動、魔力の様子から状況を想像するしかない。

 

人間の肉体だったら回転で気持ち悪くなっていたと思うがこの魔我土鬼には三半規管はおろか脳神経系がないのでそこは問題ない。

 

だが外部に吹き荒れる魔力の激しさと伝わってくる圧力の大きさに若干不安になってくる。

 

歯を食いしばって魔力を流し続けてなんとか維持しているがいつまで続くんだろうな…これ…

 

歯は無いけど…

 

永遠に続くかのような時間が過ぎ去り回転が止まる。

 

外はもう落ち着いたようだ。音や振動は特にしない。魔力の乱れも収まっている。

 

魔術を解除すると土の球殻が崩れて外に出る。

 

暗いところにいたせいか明るい日差しが普段より爽やかだ。周りはすっかりと変容(へんよう)して青空が視界に広がる。ここだけ森の中ではないように感じるな。

 

様子を確認しに戻ってきたのだろう。巨鳥の大きな気配が近づいてくる。

 

こちらが死んだものと思っているな。気配からは余裕を感じる。

 

お互いはっきりと視認できる距離まで近づいた。

 

…やあ…無事だよ

 

手を振ってわかりやすくしてやる。

 

ヤツの表情はわからないが驚愕(きょうがく)したような雰囲気が魔力から伝わってきた。魔力残量を半分近くまで減らされたがどうやらしてやったようだ。

 

思い通りにはさせんよ…

 

とはいえ空にいられたらこちらからは攻撃をする手段がない。あちらから接近して攻撃をしてくる時しか攻撃の機会はないが、それは最も危険な瞬間でもある。

 

もう帰ってくれないかな

 

俺の想像が正しければこいつはそう長々と戦っていられないはずだ。あと数撃交わせばなんとか(しの)げる。

 

早々に帰ってもらうためにもこちらからも一撃くらいは当てておきたいな…

 

気を取り直したのかヤツは魔力を高め出すと急降下しだす。森に墜落する直前にくんっと方向を変えて樹冠(じゅかん)すれすれをこちらに滑空(かっくう)してくる。

 

急いで亜空間から水を取り出して水紐を木に巻き付けて引き(しぼ)り張力を溜めていく。

 

高速で飛来してくる鳥の気配を辿(たど)りタイミングをはかる。樹冠の上にヤツの影が見えた瞬間に地面を蹴って紐が張られた先に飛んでいく。

 

一瞬遅れて元いたクレーターの中心が爆発してあたりに大量の土砂がまき散らされた。

 

音響魔術か…威力も範囲も桁違いだ…

 

ギリギリで躱して反撃したいところだが攻撃の規模がデカすぎてとてもそんなことはしていられない。

 

余裕を持って回避しなければ攻撃の余波だけで危険な状態になりかねないな。

 

どうやって攻撃のチャンスを作り出すか?

 

考えるがなかなかすぐには思いつかない。そうこうするうちに再び樹上すれすれを滑空してきて衝撃波を放ってくる。

 

うおっ!

 

再び水紐を使い躱すが今度は躱しきれずに吹き飛ばされる。

 

森の中にいてあちらからは見えないはずだがかなり正確に位置を把握しているようだ。

 

どうやってこちらを認識しているんだろうな?

 

森の中にいて隠蔽まで行っているというのに… においも魔力も感じ取れるものでは無いと思うがどういう仕掛けだろう?

 

案外仕掛けなんてものじゃなくて単純に感覚で予測しているだけか?

 

上空から視認して高速で近づいていく。移動する時間を与えず接近して攻撃か。相手が素早く動くなら魔力反応で追っていけばいい。

 

恐ろしく視認能力が高い。それに加えて行動を予測する能力にも長けているのかもしれない。

 

それならあれをやってみるか…

 

うまくいけばいいのだが成否は未知数。失敗しても何かしら手ががりが掴める可能性はある。

 

とにかくやってみよう…

 

ネガティブな思考を追いやって行動を開始する。

 

鳥が狙いを付ける前に俺は樹上に出る。上空を見回してヤツの姿を発見すると魔力を放ってここにいるとアピールする。

 

その様子を見て逡巡(しゅんじゅん)したのか一瞬止まった後、急降下を開始する。

 

高速で滑空してくる巨体に恐怖を感じながらもそのまま衝突を待つ。音響魔術での攻撃なら失敗に終わるが果たして、、、

 

相手はくちばしの先端に魔力を込め出す。

 

よし、狙い通り…

 

空気魔術で更に加速するとくちばしが俺を貫いていく。

 

衝撃で鎧や土の体がバラバラに砕け散っていった。

 

……ちょっともったいないな

 

通り過ぎる鳥のくちばしに輪っかがかかる。魔鉄製のワイヤーだ。

 

それに引っ張られて本体が木の根元、土の中から飛び出てくる。

 

どうも、僕です

 

鳥は気づいていないのか仕留めたことを誇るように高度をぐんぐんと上げていく。それに(ともな)って俺もぐんぐんと上昇する。

 

ワイヤーをたぐり寄せて鳥に近づいていくと気づかれたのかヤツは振り落とそうとジグザクに飛んだり急上昇や急下降をしてきた。

 

だが、その程度ではこのしつこい土汚れは落ちない。界面活性剤が必要だ。

 

そのまま寄っていき十分に接近すると動きに合わせて水紐を飛ばし相手の背中に接着させる。

 

ワイヤーから手を離し水紐の弾力性を利用して背中に乗るとそれに気づいたのか鳥は全身に雷の魔力を漲らせる。全身が淡く光り出し徐々に強まっていく。この距離で喰らえばひとたまりもない。

 

そうはさせん!

 

俺は亜空間から一気に大量の水を取り出して自分もろともに背中へと叩きつけてやった。

 

魔力を含まない水ではほぼダメージはないだろう。だがいきなり飛行中に大質量が乗ってきたなら平気ではいられまい。

 

果たしてこの巨大怪鳥はどんどん高度を下げていく。それでも樹冠の上数十メートルのところで空気魔術を使い高度を持ち直してしまう。

 

まあ、そうなるよな…

 

それを予想していた俺は速度が落ちたタイミングで飛び降りる。枝葉の上に落下して枝を突き破りながら落ちていき足から地面に着地した。

 

上空では清発して羽根を乾かした鳥がこちらを発見したようで激怒しているような波動を発散させながら接近してくる。

 

まだやる気か…

 

水をぶっ掛けて落ち着かせるのはフィクションだけらしい。フィクションでもあまり無いか。

 

逆に激高しているヤツは狂ったように加速してこちらに迫ってくる。全身からバチバチと放電していてその心の内を表しているようだ。

 

亜空間から“雷豪丸”を取り出して構える。

 

次に来る雷撃はいよいよ本気かもしれない。流し切れるだろうか?

 

緊張して構えていると、突然ヤツは空中でビクッと体を震わせる。すると全身に纏っていた雷を空気中に霧散させて方向を変えるとそのまま飛び去ってしまう。

 

どうやら時間切れになってくれたようだ。

 

 

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