三輪の兄貴   作:器用貧乏ならっこ

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天与呪縛編、最終回です。

与くんの独白一回単体で書いたのに気づいたらこっちでも書いてました。後悔はしてません。

今回霧矢の一人称が「私」になっていますが、ミスではありません。いつもと少し違う真剣な霧矢くんをお楽しみください。

それと誰でもいいので「むたみわ」の小説書いてくれませんかね…?


エピローグ 与幸吉と三輪の兄貴

「来たか」

 

俺がそう言うと現れたのは3人。庵歌姫、五条悟、そして……

 

「面と向かって話すのは、初めてだね与くん。今日はよろしくね」

 

俺に話を持ちかけた張本人、三輪霧矢だ。

 

昨日、三輪霧矢から『確実に君を五体満足にする方法が見つかった』と連絡があった。

 

その時に俺は五条悟と歌姫立ち会いの元、俺の天与呪縛の解除を試みる。()()()()()で、俺の肉体を五体満足にすると聞かされている。

 

なぜ建前にする必要があるのかは疑問に思うが、三輪霧矢が『確実』と断言した方法に俺は賭けることにした。

 

「それで霧矢、僕と歌姫は一体何をすればいいわけ?」

 

五条悟がそう質問する。彼も俺や歌姫と同じで詳しいことは聞かされていないらしい。

 

「説明をする前にまずは感謝を。歌姫先生、五条先生。御二方も忙しい中、時間を取ってくださりありがとうございます。今日はよろしくお願いします」

 

「それでは最初に御二方にやってもらう役割を説明させていただきます」

 

そう言って三輪霧矢が説明を始めた。

 

「歌姫先生は貴方の術式『単独禁区』で私の呪力出力、呪力総量を一時的に増幅させてください」

 

「……わかったわ」

 

「五条先生は六眼を使用して、与くんの状態と私の状態。その2つの観察となんらかのイレギュラーで私の術式が暴走した場合、止める役割をお願いします」

 

「おっけ〜。それで、どうやって幸吉の肉体を作り替えるの?」

 

「私の領域内のみで発生する術式効果。それによって与くんの肉体の情報を書き換えます」

 

そう言って三輪霧矢は自身の領域内で引き起こせる効果、事象について語り始めた。

 

三輪霧矢の領域。基本的な効果は領域内の指定した呪力を持つ対象の情報を数値に置き換え、三輪霧矢の脳内に表示するというもの。それに加えて、

 

・その表示された数値を改変したり、数値を付け加えて情報を追加する効果

 

・プログラムを構築して対象に命令を強制させる効果

 

このどちらかを必中効果として使用し、そうでない方は触れた相手のみに発動するというものらしい。

 

「へぇ……なかなか面白そうな領域だね」

 

「……ねえ、それっていわばなんでもできるってこと?」

 

そう疑問を投げかけるのは歌姫。確かにそれだけ聞けばなんでもできる夢のような領域にしか思えない。

 

「いえ、この領域は必殺効果が存在しません。なので対象に直接攻撃を与えることは禁じられています。例えばプログラムで相手の身体を吹き飛ばすなんてことはできません」

 

精々が動きを止めるくらいだ、と三輪霧矢は付け加える。

 

「なるほど、言いたいことはわかった。要するに必中効果を使って直接攻撃を加えなければなんでもできるってことだよね?」

 

「その通りです。例えば、呪霊の呪力を正のエネルギーに改変することはできませんが、術師や人間の呪力を正のエネルギーに改変することはできます。これは呪霊にとって正のエネルギーは必殺の効果を持つのに対して、人間相手ではなんの危害も加えることはできないからです」

 

「そしてこの改変、追加という効果は呪力関係のほとんどを除いた相手の情報の全てに干渉することができます。もちろん、肉体の情報にも干渉ができます」

 

「っ!」

 

「それって……」

 

「ええ、与くんの肉体の情報を健康な肉体の状態に改変することができます」

 

「でもさあ〜、幸吉の肉体って天与呪縛で先天的に失ってる状態。いわば初めからない状態だったわけだよね? だったら改変しようがないと思うんだけど、どうなの霧矢?」

 

「五条っ! アンタあんまり勝手なこと言うと……」

 

「大事なことだよ歌姫。で、どうなの霧矢」

 

「それについては大丈夫です。元から情報が無いのなら、追加してしまえばいい。そうできるようにプログラムを組むという手段も取れます。あくまで相手に必中効果を使って直接危害を加えなければいいだけなので、それに抵触しなければあとは解釈の仕方でどうにでもなります」

 

「だってさ、歌姫。これでもまだ心配?」

 

「……ああ! もう! そこまで言うんだったらもう何も言わないわよ。できるのよね?」

 

「はい」

 

「……はあ、わかったわ。なら私は何も言わない。あとは与が決めなさい」

 

どうするのか……言われるまでもなく、すでに答えは決まっている。

 

「頼む」

 

「ん、頼まれた。それでは今から始めます。歌姫先生、お願いします」

 

そう告げて三輪霧矢は掌印を組む。

 

歌姫の術式によって三輪霧矢の呪力量と出力が底上げされる。

 

「領域展開。『改加演築(かいかえんちく)』」

 

その言葉と共に、俺の目の前は切り替わった。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

小さな時から孤独だった。

 

薄暗い部屋で誰とも顔を合わせずに過ごす毎日が苦痛だった。

 

なんの変わりもない毎日を過ごしていたある日、高専に通えと言われた。

 

俺の天与呪縛や術式は呪霊祓除の任務に向いていたからだろう。こき使いたいと言う魂胆は見え見えだった。

 

だが、保護してくれた恩もある。拒否することはできなかった。

 

言われるがままに高専に入った。等級は2級。単独任務が可能な等級だから、任務に明け暮れたつまらない日々が続くと思っていた。

 

だが、そこで俺は知ったんだ。

 

孤独だった俺が知ることのなかった、人と人との会話の温もりを。

 

酒とカラオケが好きで、よくヤケ酒をしている担任。

 

加茂家出身の少し……いや、かなり天然な時期当主。

 

可愛いものが好きな箒を持った悪ノリ女その①。

 

出会い頭に女のタイプを聞いてくるやばいゴリラ。

 

禪院家出身で射撃の上手い悪ノリ女その②。

 

そして、ミーハー感をこれでもかと漂わせているちょっと抜けてる青髪の少女。

 

彼らと過ごした期間はおよそ3ヶ月と短いものだったけれど、それは俺に切望を与えるには十分すぎた。

 

諦めていたものをもう一度手に入れたくなった。

 

誰かと顔を合わせて他愛もない話をすること。

 

任務終わりに仲間とご飯を食べに行くこと。

 

同じ教室で、友人たちと授業を受けること。

 

そんな願いを抱くと同時に叶えられないとも感じていた。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

「それじゃあ、HRを始めるわよ」

 

「先生〜、メカ丸は今日お休みですか?」

 

「メカ丸については後で説明するわね。それよりもまずは紹介する子がいるわ。入ってきてちょうだい」

 

「え!? 転校生ですか!?」

 

「霞、声大きい。ちょっと落ち着きなさい」

 

「だってだって、真依! 転校生ですよ転校……」

 

三輪の言葉が止まる。どうやら転校生(?)が入ってきたようだ。

 

その人物は左頬に大きな傷跡があり、長い髪を一纏めにしてちょんまげのような形にしている。

 

その人物は頬を掻きながら少し気まずそうに

 

「あー、俺の名前は……与幸吉だ。これから、よろしく頼む」

 

そう名乗った。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

記録ー2017年7月

 

五条悟特級術師ならびに、庵歌姫準一級術師の2名が立ち会いの元、与幸吉2級術師の持つ天与呪縛の解除の試みが三輪霧矢一級術師によって行われた。

 

同人はおよそ5分に渡り自身の術式を行使したのち、史上初となる天与呪縛の解除に成功。

 

現在、被呪者であった与幸吉の容態は健康体そのものであることが確認されている。

 

 

どこからか手に入れたのか、その報告書を読む人物が1人いた。

 

「へぇ……やるね彼。三輪霧矢、か……サブプランとして検討する余地はありそうだ」

 




天与呪縛編、これにて終わりです。これから続き書けるといいなあ(白目)

一応次回は三輪霧矢についての細かい設定とかを予定しています。
(よくある設定集みたいなやつです)

領域の話とかは私も実はよくわかってなくて…なんとなく感覚で思いついたものを書き起こしてるだけなので矛盾のバーゲンセールになってるかもしれません笑。

まあ、そんな感じで色々散らばってる設定をまとめていきたいと思います。

それと最後のどこぞの誰かさんの意味深なセリフは特にこれからの展開に関係することは
多分ないです。多分、きっと、メイビー。



(内緒やで、ぶっちゃけ嬉しいねん。この駄作を人に見てもらえるの。実は感想とか、お気に入りが増えてるの見て作者はすごいニッコニコやねん)

と心の中のドブカスくんが囁いてる…ヤッタネ!
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