元自衛隊員、学園都市で教師になる 〜今を生きる者のアリア編 作:風間しんや
第十二話
会議は続いていた
その議論の内容はベアトリーチェらしき人物についてだった
「……結局、映像で何か残ってないのか?」
先生は尋ねる
「…………付近の防犯カメラになら……何か」
とヴェリタスのメンバーはパソコンを操作しその姿を探る
すると
「……これかも」
とハレがそう言いながら自身のパソコンの画面を見せる
そこには一部の者には見覚えのある、木のように細長く、顔もまた口が大きく裂けた、それを人と呼称していいのか分からない姿だった
先生:「……よく見てみると確かにベアトリーチェだが……」
「……あれ?……これ……【ヘイロー】?」
と先生が言うと
「…………!?」
周囲にいた生徒たちが驚く
「……バカな……彼女も外から来た存在だというのに…………まさか!!」
と黒服は振り返りアマリア達の方向を向く
それに先生も何かを察する
「…………オイオイ、まさか黒服、フランシスがベアトリーチェを〝作った〟って言いたいのか……?
それにさらに場は混乱する
「……しかし、現にヘイローのない人物や人間にヘイロー――「神秘」を与えているわけです……つまりあれはベアトリーチェの残滓を使ったコピー品とも……」
と黒服が告げる
この場に何人ベアトリーチェを知る者がいるのかそれは不明だが、少なくともその話が理解できたものは極少数であった
「…………黒服、奴らに関するわずかな情報でもいい、集めてこい」
「承知しました」
先生の指示に黒服は了承し
「ひとまず、現段階ではベアトリーチェ……いやベアトリーチェ・エコーのみを倒す前提で話を進める」
と先生が言うと一同は再度席に座る
「黒服にも調べてはもらうが、君たちのなかでも何か気になったものはないか?」
と先生は尋ねる
するとサオリは手を挙げる
「……気のせいかもしれないが、奴の出した敵の中にアツコやミサキが居たように見えた……もし、マダムの残滓があるというなら……」
とサオリが言う
ハレたちが画像を解析する間、先生は尋ねる
「仮にそうだとしたら、少々厄介だな、しかも……もし奴の知っている人物全てをコピーして生み出すというようなことをするなら編成を考え直す必要もあるし……」
と先生が考えていると
「それはありえないと思います」
口を開いたのはヒマリだった
「その、ベアトリーチェという方はこの世界には存在しない……ということであればその方の記憶でもない限りその全て、というのは難しいと思います
アリウススクワッドの方々のコピー体というのはおそらく彼女が特別に思っていた存在がそのまま生み出されてしまったということだと思います。」
そう言うヒマリの言葉に納得する信也たち
「……つまり、召喚される敵はそこまで心配する必要はない、ということか」
と先生は言い
「……次はユスティナ聖徒会と指揮か……」
そう口を開くと生徒たちは首を傾げる
「指揮……?」
彼女らがなぜ統率という言葉に疑問を持つのか
キヴォトスにおいて先生の次に出るほどの腕を持った指揮能力のある人物はいないからだ
シャーレの先生が指揮をとればどんな逆境も覆せるそれはこれまで起こってきた大規模な戦闘の数々が物語っている
「まさか、ベアトリーチェって人……」
と誰かが口を開くと
「…………ベアトリーチェは人として、大人としては終わっていたが……エデン条約のその時まで崩壊しかけていたアリウス分校をまとめて、そしてアリウススクワッドという部隊を作り上げれるほどの指揮官、指導者としての実力のある奴ではある……その残滓であっても油断はできないな……
「……正面からやり合えば、今の戦力じゃ押し切られる」
淡々と語る先生、それを彼女たちは驚いた顔で先生をみている
「…………、どうしたの?」
と先生が尋ねると
ユウカ:「……いや、その」
サオリ:「先生は、敵を褒めるんだな……と思ってな」
アヤネ:「先生って、嫌いな大人はすぐにボコボコにするイメージがありますから……」
ナギサ:「意外な一面を見れたといいますか……」
先生:「流石に嫌いな奴でも見習えそうなところは見習うって、……たまに」
と、場の空気が少し軽くなる
すると
「……敵の能力もですが、その戦力もです」
とユウカが言うと
「そうね、あの時の数……
その言葉に信也は少し驚くが
「……さっき、本土の連中を呼ぶのは無理だ、と言ったが……」
その言葉に一同が信也の方を向く
「……呼べなくはない」
そう言うと
「……先生、まさか」
黒服がそうこぼすと
「うちの小隊は別に非戦闘部隊じゃない、対ゲリラ戦、市街地戦は得意な連中だ……何より、
と言うと
「分かりました、そちらの方は先生に任せます」
とリンは言う
そう話が進む中、黒服は少し心配そうに信也を見ていた
「(……止めても、使うのでしょうね)」
そう心の中で呟きながら
それから数時間会議は続き、彼らの次の動きは決まるのだった