元自衛隊員、学園都市で教師になる 〜今を生きる者のアリア編 作:風間しんや
第十三話
翌朝早朝
DU地区
ほんの数週間前に終結した戦争の〝傷〟がいまだ残るこの地に再度武装を整えた集団が何かを待ち構えていた
4車線もあるその道路の中央でシャーレの高橋信也先生とアリウススクワッドが立っている
スクワッドの中央に位置する先生はいつもの臨戦装備に身を包み、今回は珍しくゲリラ御用達の「RPG」や
ロケットランチャーなどを付近に転がしていた
ちなみにそれを抱えて持ってきたのを見てドン引きしたのはアリウススクワッドだけではないことは余談である
先生は目を閉じ、少し前のことを思い出す
黒服:「……特に目新しいことはわかりませんでしたが、そちらの話し合いで出た疑問の回答を得ることはできました」
「アレはベアトリーチェの残滓であり
それは彼女のかつて大切だった記憶のみが残されており
それによってユスティナ聖徒会のみならずアリウススクワッドをコピー体として召喚する」
「しかし、アレもまた「神秘」を得ていることにかわりはありません、いつものオートマタと戦うというよりもデカグラマトンと戦うという想定でなければ敵わないと思ってください」
そして、先生は目を開ける
ハンズフリーに手をかけ、通話を繋げる
先生:「白石……最終確認だ……全隊、いつでもいけるな?」
白石(通話):「はい、しかし……大丈夫なのですか?幕僚長の指示では最低1週間の活動休止が言い渡されているのですが……」
白石は心配そうに言うが
「……大丈夫さ、仲間の迎えに行っていたって言っとけばいい」
と先生は言い、通信を切る
そしてすぐに別のところへ通信を繋げる
「…………アマリアたちも準備は大丈夫?」
それにアマリアは自身の耳に付けたハンズフリーへ手をかけ言う
「はい、いつでもいけます教官!」
と彼女は答える
そう答える彼女を見てかセラフィナやリラだけでなく、一緒に待機していた生徒も少し嬉しそうな顔をする
「……分かった」
とだけ答え通信を切る先生
息を吐き、前を睨む先生
目の前には土ぼこりを上げながら進むユスティナ聖徒会が見える
そばにいるスクワッドも直立から姿勢を崩し、構える
「…………いくよ、スクワッド!」
数分後、DU地区の一角は戦場と化す
銃声が鳴り、爆発が起こる
先生は放ったRPGを放り捨て、どこかの○マンドーのようにロケットランチャーを〝一人〟で担ぎ上げ放つ
その爆発を縫うようにサオリが駆け抜け、さらに追い討ちをかける
その後にサオリが下がると今度はミサキが攻撃を行い榴弾がさらに敵を叩く
先生は今度はRPGを同時に2丁担ぎ上げ敵陣の左右へ放つ
ヒヨリが狙撃銃で敵の脳天を撃ち抜き、
アツコがサオリやミサキの撃ち漏らした敵を対処する
そのサイクルが生まれ始めるが
「……戦力差は1対100……数字にしてもキツイな」
到底数人でなんとかなる状況ではなかった
空砲になったロケットランチャーへ先生は新たに弾頭を装填し、再度担ぎ上げ、放つ
「あ〜肩痛い!」
爆発の最中そんな声が聞こえなくもなかった
そして先生は大人のカードを取り出す
「第二陣、展開!」
すると重武装の自衛隊員達が姿を現す
「各隊、武器使用自由!かかれ!」
「応!!」
そうして数百十いう自衛隊員がユスティナ聖徒会とアリウススクワッドのコピーへと挑んでいく
しかし、ただ一人だけ、残ったものがいる
その残った者へ先生は声をかける
「白石、あとの指揮を頼む」
その人物――白石は敬礼し応える
「了解!」
すると先生はまた大人のカードを取り出し新たに数人呼び出す
その数人の名を叫ぶ
「アマリア、セラフィナ、リラ、ヒナ、アリス、セリナ、サツキ、アヤネ、キサキは僕についてきて!サオリも!」
それに呼ばれたメンバーは頷き
「そして、黒服、カズサ、シロコ、ノノミ、アスナ、アイリ、マリー、ヨシミ、チナツは僕達の抜けた戦力の穴を白石達とスクワッド達と埋めて!」
と指示をし、「はいっ!」と応える
先生はそのまま、残ったRPGを数発とM4A1カービンとバリスティックシールドを抱えて、生徒を連れてその場を離れていく
そうして激戦区へと残された生徒と黒服
生徒達はともかく、黒服は状況が分からなかった
なぜなら彼はいつかの戦闘の時のように防弾衣にM249と呼ばれる武器を構えていたからだ
黒服に気付いた白石は口を開く
「ほう、M249か!そいつが扱えるやつ中々いないんだよ……何人かサポートを付けるから頼むぜ!」
と白石は黒服の肩をポンポンと叩きながら黒服へ期待を寄せる
「いえ……私は別に……」
戦闘には参加しないと言いたかったが白石はカズサ達に挨拶へ行ってしまう
「一時的だが、シャーレの先生のかわりに指揮を務める白石剛一等陸曹だ、好きなように呼んでくれ」
と戦闘中でありながらにこやかに言う白石
カズサ達はそんな彼とは違い真剣な顔だが
「分かりました!白石先生!」
と彼を先生呼びするくらいの余裕はあったようだ
ちなみにだが、白石はその先生呼びに少し良い意味で違和感を覚えたようだった
「全隊に通達!部隊配置を生徒達の直援に回せ!その身に変えても生徒達を守れ!」
と彼が叫ぶと「応!」という掛け声の後に自衛隊員達は11人の生徒達の周りにそれぞれ全方位を守れるように配置し、応戦する
白石も信也の置いていったロケットランチャーを担ぎ上げてその陣形に混じる
そして豪快にロケットランチャーを放つのだった
10人近い生徒たちを引き連れて移動をするのは信也先生。彼は1人で運ぶには絶対重いRPGを数発抱えながら走っている
そんな彼をアマリアとセラフィナは呆れたような顔で見ており、それ以外の生徒に関してはそれについて見ることも考えることもやめていた
そしてところどころ寄り道をして先生達はベアトリーチェ・エコーの背後に出る
ベアトリーチェ・エコーは白石たちの方へと進んでいる
「アリス!〝さっき言ったタイミング〟が来たら合図して!」
そう先生は空へと叫ぶ
空には臨時戦闘形態の姿をしたアリスが飛んでいる
アリスは頷き、ベアトリーチェ・エコーの動きを見る
空を飛ぶアリスにも目もくれずベアトリーチェ・エコーは前進し続ける
そしてアリスはそのタイミングが来るとハンズフリーに叫ぶ
「今です!」
すると信也は手に握っていた起爆装置に指を即座に押す
直後近くのビル群が爆発し、倒壊し始めるそしてそれはベアトリーチェ・エコーとユスティナ聖徒会との間を埋める
そこで初めてベアトリーチェ・エコーは動きをとめる
その直後を見計らい、先生はもう片手に握っていた細い糸を引っ張る
直後仕掛けられていたRPGが放たれる
左右から放たれた弾頭はベアトリーチェ•エコーに直撃する
ソレは叫び後ろに振り返る
「全員応戦準備!新たなコピーを生み出す前に叩くよ!」
そう信也先生が言うと彼女たちは「了解!」と応える
おまけ
ベアトリーチェ・エコー
フランシスがこれまでゲマトリアが生み出してきたもの、ヴァルグラント連邦国で得た「神秘」を普通の人間に使う技術といったもの等から生み出された、ベアトリーチェを模した、コピーした存在
戦闘形態の状態で生み出されいたり、多少フランシスが手を加えているなどといったことにより大分ベアトリーチェと認識するには難しいが、それでもなお、“彼女”の残滓であるとはいえる
「神秘」が使われているためかオリジナルには無かったヘイローが頭のうえにできているといった変化も確認されている
本体の攻撃も確認できるが、ユスティナ聖徒会のミメシスともいえるコピー体を差し向けるなどといった攻撃手段も持ち合わせる
そのコピーの中にはアリウススクワッドらしきコピー体も確認されたとか……
おまけ2
編成イメージ
信也班:制約解除決戦
白石班:総力戦