元自衛隊員、学園都市で教師になる  〜今を生きる者のアリア編   作:風間しんや

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エピローグ&後日談

エピローグ

それから一週間後。

キヴォトスに、新たな学園が登録された。

ユニオン学園。

だが新しい自治区が生まれたわけではない。

校舎も、校庭もない。

それは有事の際にだけ姿を持つ、

キヴォトスを束ねるための“形式”だった。

日常は変わらない。

どこかの自治区で今日も爆発音が響き、

どこかで銃声が鳴る。

そして、

生徒:「おはようございま〜す!」

自衛隊員:「おはよう!」

奇妙な組み合わせの挨拶が、朝の空気を横切る。

非日常が、ここでは日常だ。

『本日よりキヴォトスで有効となる形式的学園“ユニオン学園”。本日は専門家をお招きし――』

日本と繋がる唯一のチャンネルが、その話題を流している。

執務室で書類に目を通しながら、信也はそれを聞き流す。

まだ実感はない。

インターホンが鳴った。

「どうぞ」

扉が開く。

信也は顔を上げる。

そこに立っていたのは――

真新しい制服。

胸元に刻まれた、新しい校章。

「アマリア、セラフィナ、リラ」

三人は、まっすぐに笑った。

制度は紙の上に生まれる。

だが学園は――

人が立った瞬間に、始まる。

信也は小さく息を吐き、笑う。

「……よく似合ってる」

窓の外では、まだ復興の音が続いている。

それでも街は、前に進んでいる。

 

  

 

後日談

ユニオン学園が施行される数日前

信也がシャーレオフィスで仕事をしていると電話がかかってくる

「はい、こちらシャーレ……あ、榊原。どうした?」

どうやら榊原からのようだ

「はい……それが、アマリアさんたちの先日の検査時のデータを解析してみたところ」

 信也の手が止まる

「ところ……?」

「結論から言います。」

「彼女たちの肉体は――」

 

 「完全に安定しています」

 

 信也の表情がわずかに変わる。

「……どういう意味だ」

「そのままの意味です」

榊原は冷静に説明する

「黒服、という方からお聞きしたのですが。生徒たちには必ず神秘というものがあると。そしてアマリアさんたちは不安定だった」

 「だった?」

 「はい、今は安定している。黒服の言ったとおりであれば。神秘が安定している……ということでしょう」

 と彼女は言う

「その原因は……?」

 「DNA構造はキヴォトス人に極めて近くなっていますが、それだけで神秘が安定する、とはとても、正直わかりません」

 信也は驚く、医療であれば隊の中でよく知る榊原が分からないと言うことは本当に珍しいことだった

 数秒の沈黙の後、榊原は静かに尋ねる

「隊長」

「一つ、質問してもよろしいでしょうか。」

「……なんだ」

「彼女たちに、何をしましたか?

 あの黒服という人物、怪しいですがこちらに好意的、多くはありませんが、こちらの知る知識とは違う、この世界内の知識を教えてくださりました。そこで思ったんです。」

 

「黒服が、俺に何かを教えて、何かしたと?」

 

 「……はい」

 すると信也は少し笑う

「何もしてないさ。

ただ――」

 彼は少しだけ視線を外へと向ける。

鳥が空を飛んでいくのが見える

 

「生きろって言っただけだ」

 

 その言葉を聞き、榊原は黙る

数秒後、小さく息を吐く

「……なるほど」

「それなら説明がつきます」

「?」

 榊原は言った

「彼女たちはもう兵器ではありません。」

「生徒です」

「そして」

 

 少しだけ声が柔らかくなり

「人間です」

 信也はそれを黙って聞いていた

榊原は続ける

「恐らくですが」

「彼女達は見つけたのでしょう」

「自分が生きる理由を」

信也は静かに頷く

「……ああ」

「多分な」

 榊原は少しだけ笑う気配を見せる

「隊長はすごいですね」

「……?、何がだ?」

「……なんでもないです」

信也は少し怪訝そうな顔をするが

「……別に俺のおかげじゃない」

「希望を掴んだのは彼女達だ、俺はその道を照らしたに過ぎない」

少しの間の後、榊原は言う

「では、報告は以上です」

「隊長」

「なんだ」

 信也は尋ねる

「……よかったですね」

 そう短く告げ、榊原は通話を切る

オフィスは静かになり、信也は再度外をみる

遠くでアマリア達の声が聞こえる

信也は小さく呟く

「……ああ」

「本当に」

「よかった」

 

「何が良かったんですか?教官」

 その声の方向を見るとアマリアが不思議そうな顔で信也を見ていた

その奥でセラフィナとリラがハナコとユウカに勉強を教えてもらっていた

ふと視線をアマリアのヘイローに向ける

心無しか彼女のヘイローがより輝いているように見えた

「……なんでもないさ」

 そう言った直後、セラフィナが奥から叫ぶ

「教官っ!!なんだこの講師は!!数学よりも淫夢の方が多いんだが!?」

「おいおい、セラフィナ、ハナコはめっちゃ頭がいいんだぞ?そりゃないよ」

ハナコ:「そうですよ、私はただ……」

セラフィナ:「あ〜んもう!黙っててくれ!」

すると、リラがユウカと一緒に来る

リラ:「せんせー!見て見てっ!すごいの!リラこんな問題解けたんだよっ!」

 と言ってノートを見せるリラ

「お、どんなもんd……」

 とノートを見るとそこには何かの図形の証明なのだろうが、信也は少し顔色を悪くする

「……す、すごいな〜リラは……」

 とすぐに返す信也

「リラこれからいっぱいお勉強頑張るねっ!」

「なっ!?私も!」

「私もです!」

 一気に信也に詰め寄る3人

「……う、うん」

 と答えると

「それじゃ〜再開しますよ」

 とハナコが言うと

「お前はもういいっ!」

 と叫ぶセラフィナ

それに一同は笑うのだった

 

 

元自衛隊員、学園都市で教師になる 〜今を生きる者のアリア編〜 完




あとがき
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
今作は書いていた本人でさえ色々迷った話ではありますが、こうして完結しました
色々反省点はありますが、今後の作品で少しでも活かしていければと思ってます
今後このハーメルンでの活動は考えていませんがもしまた活動を再開していた時はまた、読んでいただければ幸いです

最後にですが、なかノンノンさんの評価のおかげで少しやる気と今後の創作への自信が出ました
ありがとうございました!
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