元自衛隊員、学園都市で教師になる 〜今を生きる者のアリア編 作:風間しんや
第二話
シャーレ執務室
アビドス訪問から数日後、3人それぞれ別々のところを訪問するという提案を先生は言い、アマリアを除く2人はそれぞれの学園へ向かった、そしてアマリアはと言うとなぜかシャーレで先生の手伝いをしていた
「…………」
「♪」
ルンルンで仕事をする先生、アマリアはとりあえず彼に頼まれた仕事をしていたが
「先生……一体何をさせたいんですか?」
と彼女は尋ねると
「ん?、まぁ少し待ってて、今から君に会わせる子は公の場では会いにくいから」
とそれだけ言い、また仕事に戻る先生
少しすると執務室のドアがノックされる
「どうぞ」
と先生は答えると、その人物は入ってくる
「失礼する」
そう言いながら入ってきたのは黒いキャップ帽を被り、そして着崩したジャンパーの右袖に付けられた〝ドクロの校章〟それはアリウス分校の校章だ
「久しぶり、サオリ」
彼はそう言いながら彼女――サオリへ微笑む
「あぁ……しかし先生、当番でもないのに私を呼ぶなんて何かあったのか?」
と尋ねるサオリ、するとふと彼の背後を見るとアマリアがいることに気付く
「彼女が?」
とサオリは尋ねる
「そう、彼女はアマリア、3人の中でリーダーをやってたらしい」
と先生は言う
「リーダー……か」
と呟くサオリ、それに先生は言う
「どこか昔のスクワッド味を感じてね、何か通じるものがあるんじゃないかと思って」
先生はそう語る
「……なるほど」
とサオリは頷くが
「ん?まて、昔の私達とはどういうことだ?」
とサオリは尋ねる
「ベアトリーチェの教え……「Vanitas Vanitatum, et omnia Vanitas」、それを言っているわけではないが、自分達の存在価値をそういうふうに思っているんだ」
と先生は説明する
「……そうか」
とサオリは納得する
そうして、先生の仕事を手早く終わらせると先生は二人へお菓子などを振る舞う
「ありがとう、二人とも……さぁ、好きなだけ食べて」
と彼は飲み物もついでとばかりに置きながら言う
「さて……そういえばサオリって僕のどこを撃ったことがあったっけ?」
開口一番にそう言った直後、サオリとアマリアは飲み始めていたコーヒーを吹き出す
「な、な、何を言っているんだ先生!そんなこと急に聞かないでくれ!」
とサオリは慌てながら言う
「いや〜、ふとそう思っただけだって」
と言うが
「だからって聞かないでくれ、自分の体は自分がよく知っているだろ!」
とサオリは言う
するとそれを聞いていたアマリアは言う
「ホントそうですね、生徒に罪を再認識させるなど」
と冷たく言うアマリア
それに先生とサオリの2人は顔を見合わせる
「罪か……確かにそうだね、けど僕はそれを罪とは思っていないよ」
その言葉にアマリアもサオリも先生を見る
「はい?罪とは思ってない?なぜです?その体に刻まれているというのにそれは傷だというのですか」
声を張り上げて言うアマリアに先生は言う
「大人の罪さ」
それは静かに告げられサオリもアマリアも黙る
「僕だけじゃない、ベアトリーチェ、ヴァルグラント連邦の上層部が背負うべき罪……僕はそう思っている」
「それは……」
とサオリが口を開くと
「――ベアトリーチェはアリウスの子達を手駒のように使い、
――ヴァルグラント連邦は君達を子供ではなく兵器として扱った、
――そして僕は、君達がこうなってしまう前に救えなかった」
彼はそう語り
「――――それが大人の罪」
彼はそう言い、持っていたカップを置く
「…………」
しばらくの間2人は黙る、それは先生の言葉を理解しているように見えた
「君達が背負うべき責任はもっと他にある――サオリはもうそれに気付けている、けどそれが何かが分からない、だから自分探しをしている」
先生がそう言うとサオリは頷く
「あぁ、……まぁ、それもまだ見つけられていないが……」
と言うサオリ
そして先生が言う
「人の人生は誰かに決められるようなものじゃない、自分の人生は自分のものだ、それをどう生きるのも、どう終わるのかもそのすべてを決められるのはアマリア自身だ」
「道を間違えたっていい、先が見えなくたっていい、その道を照らしてくれる存在は必ずいる、だからアマリアは信じた道を進めばいいんだ」
語り終えた先生、それをただアマリアは黙っていた