元自衛隊員、学園都市で教師になる  〜今を生きる者のアリア編   作:風間しんや

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第五話

第五話

「アマリア達が吐血!?」

 それを聞いた先生は急いで彼女達の搬送された病院へ向かう

 病室へ駆け込む先生そこでは三人が呼吸器を付けてベッドに寝ていた

「体育などをしていたわけではないのですが突然吐血し搬送、今は睡眠剤で落ち着かせています」

 と担当したのであろう医者がカルテを手にしながら言う

「そうですか……」

 と先生は答える

 ひとまずは生きているようだが

 

 [吐血した]

 

 これが何を意味しているのかは先生は理解していた

 

 連邦生徒会会議室

 この事態を受けて急遽集められた面々は少し心配そうな面持ちでいた

「みんな、聞いていると思うがアマリア達の体はもう限界が近いのかもしれない、余命が3ヶ月というのは間違いないが、おそらく今回の吐血はその身体の崩壊による症状と断定する……だから、より一層互いに協力し合うことを考えてほしい」

 と先生は言う

「学園間のいざこざ――

 学力――

 君たちは色々なものを背負っている……」

「けど、今はそんな事を忘れてほしい、なんでそうしてほしいのか……理由は簡単、人の起こす奇跡っていうのはそうやって起こされるからなんだ

 ――誰かの努力だけで生まれるんじゃない、人と人とが協力し合うことで生まれるんだ」

 と先生は語る

 それに全員理解し頷いた

 

 

キヴォトス内 とある場所

「キヴォトス人の持つその「神秘」それはおそらく黒服しか知り得なかったこと……しかし我は得た」

 フランシスは自身だけしかいない空間にまるで誰かへ語るように言う

そして彼の背後で何かが蠢く

それはまるで枯れた木のように全身が細く、しかしその頭は開花した花のような形をしており、その花びらとも言える部分すべてに赤い光が灯っている

その存在はもうキヴォトスに存在しないはずだった

 

 

 それから数日

 アマリアはゆっくりと目を開ける

 周りを見るとセラフィナとリラが居るのが分かる

「(そういえば吐血したんだっけ……)」

 アマリアはそう思いながら上体を起こす

「(なんで……こんな私達に……)」

 アマリアはその時の記憶を辿る

「アマリアさん!」

 アヤネが叫ぶ声が聞こえる

 その声を聞いて駆けつけるアビドスメンバーは彼女の周りに来る

アヤネ:「シロコ先輩は担架を!」

ノノミ:「私救急車呼んできます!」

セリカ:「アマリアちゃん、しっかり!」

 といった声が多くアマリアは少しずつ薄れていく意識の中で思う

「なぜ自分にこんなにも優しくしてくれるの……?」

 

 記憶を思い返していると先生が病室に入ってきており

「あ、目が覚めたんだ」

 と声をかけてくる

 そんな彼を見てか、アマリアの胸の奥に熱い何かがこみ上げそして目から涙が溢れる

「せん……せ……い」

 その声は震えており、彼女なりに気持ちを落ち着かせようとしているのが分かったが、それでも溢れていた

 それに気付いた先生は持ってきた果物を近くに置き、アマリアのベッドに座り、彼女を抱きしめる

「大丈夫……大丈夫だよ」

 彼はそう小さく呟いた

 それを聞いた瞬間彼女は先生の方に顔を埋め、おそらくこの時初めて見せた彼女の弱さだった

 先生はただ、アマリアが落ち着くまで抱きしめ、頭を撫でていた

 

 

 落ち着いてきた頃先生は口を開く

「……なにか嫌なことでもあったの?」

 そう尋ねるがアマリアは先生の膝枕で寝ながら首を横に振る

「それじゃあ……」

 と聞こうとすると

「なぜ……なぜ一度敵対した相手なのにこうして命を助けるのか……その意味が分からないんです……私は◯されても仕方がない……のに……」

 と泣きそうになりながらアマリアは言う

「…………アビドスの皆がどう思っているのかわからないけど……彼女達も他の皆も苦労してここまでやってきたんだ、その〝痛み〟、〝苦しみ〟が分かるから、それを背負うアマリアを助けたんじゃないかな」

 先生はカイザーPMCとの一件、アトラ・ハシースで聞いたシロコ*テラーの過去、ホシノの一件を思い返しながら答える。

 アビドスは借金を抱えながらも懸命に頑張ってきていた、それは近くで見て共に戦ってきた彼だから分かることだった。

「…………」

 その時、彼女はその一言で彼が、彼女らが心の奥に秘めている思いに気付いた気がした

 

 

 

 

 

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