思い切って告白する事にした。
私は彼にだけ魔法が使えることを伝える。
私は風のない場所で手に入れた桜の花びらを舞わせてみせた。
すると彼は、開いた口が塞がらないといった感じで驚いた。
「種も仕掛けもないのだけれど」
「どうして見せてくれるんですか?」
「ねぇ、別のお願いがあるんだけど、ソリテールさんって言うのやめてもらえないかな。何だか他人行儀でちょっとチクチクするの。ソリテールでいいわ。それとクロブチはクロブチって言われる方がいいかな、私はヨシタカって呼びたいんだけど」
「わかったよソリテール。改めてよろしくな」
「まだちょっと他人行儀っぽいけど、改めてよろしくね、ヨシタカ。それでね、ヨシタカにお願いがあるんだけど、私が魔法が使えるっていうのはあんまり人には言わないでほしいの」
「わかった、言わない」
「本当に、約束してもらえる?」
「あぁ、俺は絶対に言わないから安心してくれ。それより何で急に魔法が使えるってことを教えてくれるようになったんだ?」
「お礼、みたいなものかな。色々よくしてくれた人に内緒にはしたくなかったかなって。それだけなの」
「そっか、教えてくれてありがとう。正直、嬉しかったよ」
「お礼を言うのはこっちかな、今日は本当に楽しかったから」
そう言って私たちは食事を終えたあと、一緒に食器を洗った。どんな反応をされるかと思ったけれど、彼らしい反応だったと思う。
その後、私の身をヨシタカに寄せながら、スマートフォンを眺めて、次の散策池を、彼とああでもない、こうでもない、と言いながら眺めていた。
その後、何も決まらなかったけれど、楽しい時間が過ぎていった。
彼は言う。
「明日俺は夜のバイトが入ってるんで、長い時間寝るんだけど、ソリテールは暇だったら自由に散歩でもしてくれないか、玄関の鍵はずっと空けておくから」
「あら、添い寝はいらないのかしら?」
「美人と添い寝なんて緊張しすぎて眠れなくなるよ。願ってもないことだけど、今回は遠慮しておこうかな」
「残念、それじゃあ私は散歩にいって来ます。おやすみヨシタカ」
「あぁ、行ってらしゃいソリテール。改めて、大事なことを教えてくれてありがと、おやすみ」
そう言って彼は自室に帰り、私は玄関のドアを空けた。夜空を見上げると、ほんの少し、星が明るかった。
どこに行こうかしら。と思ってもスーパーマーケットも閉まっている。行ける場所は彼から教えてもらったコンビニエンスストアくらいしかないけれど、何があるのかしら。美味しいものはあると良いわね。