夢結「遅いわね、梨璃」
この日、白井夢結は朝早くから練習場に居た
今日は彼女のシルトである一柳梨璃と朝早くから射撃練習やヒュージロイドを使った戦闘訓練を行う予定であったのだが...予定の時間を過ぎても梨璃は姿を見せなかった
夢結「あの子、寝坊でもしたのかしら?」
ガヤガヤ ガヤガヤ
夢結「何かしら?騒がしいわね...あれは!」
夢結の視線の先に二人のリリィの姿が見え目を凝らす
夢結「あれは閑さん?それに楓さんまで...あっ!」
夢結が見ている前で楓が閑に斬りかかり閑がその手に持つ荷物を落とすのと閑が必死に手を伸ばしそれを掴み取ろうとしてるのが見え咄嗟に駆け出した
何故か知らないがそれを落としてはいけないという気持ちに駆られた夢結は跳躍すると同時にCHARMを持っていない方の手でそれを受け止め地面に着地する
夢結「貴女達、何をしてるの?」
閑「ゆ、夢結様!」
夢結の姿を見た閑は笑顔を見せて駆け寄って来た
閑「夢結様、よかったここに居てくれて」
夢結「閑さん、これは一体何の騒ぎ?それにこれは」
閑「それが...何と説明すれば良いのか」
ハラリ
閑が布に包まれた物、その一部を捲り中を見せた
梨璃「うー、んう、うー」
夢結「なっ!閑さんこれは!」
閑「はい、梨璃さんです...何故か分かりませんがその様な姿に、夢結様を探していたのは...」
楓「閑さん!やっと追いつきましたわよ!」
閑「あれが原因で...」
夢結「成程、正しい判断ね」
閑「夢結様と何を話してますの?それに何を持って...なぁ!」
梨璃「あうー、うー」
楓「こ、これは...!」
閑「見られた...」
楓「り、りりりり、梨璃さん!?何故この様な姿に!閑さん一体何が!?」
梨璃「ひうっ、びぇぇぇぇぇ!」
閑「あぁ、泣いちゃった!」
梨璃「びぇぇぇぇぇぇ!びぇぇぇぇぇぇ!」
夢結「あっ、こ、これは...」
ズンッ!
夢結は片手に持っていたブリューナクを地面に突き刺し両手で梨璃を抱き優しく揺すり始めた
夢結「だ、大丈夫よ梨璃、怖くないわ、ね?」
梨璃「ひぐっ、いぐっ、うぐっ」
夢結「大丈夫よ、大丈夫....ほら、いい子だから」
梨璃「うぐっ、うぅ....」
閑「す、凄い夢結様、あっという間に泣き止んだ」
夢結「よしよし、梨璃はいい子ね」
梨璃「うー、うぅー」
楓「ものの数秒で心を開きましたわね」
梨璃「あぅー!」かぷっ
夢結・閑・楓「あっ!」
梨璃「うみゅう、むー」チュパチュパ
夢結「梨璃、私の指は美味しくないわよ」
閑「お腹空いたんでしょうか?」
楓「梨璃すわぁーん、夢結様の指よりも良いものがありますわ!ちょっとお待ちを」ぬぎぬぎ
夢結「待ちなさい楓さん、貴女一体何をしているの?」
楓「梨璃さんにおっぱいをあげる準備に決まってますわ!さぁ梨璃さんこちらへ!」
閑「楓さん落ち着きなさい!貴女まだ母乳は出ないでしょ」
楓「そんなの梨璃さんへの愛と気合と根性でどうにかしますわ!」
夢結「無理に決まっているでしょ」
祀「見つけたわ閑さんに楓さん、寝巻きのままで何をしているの?」
閑・楓「祀様!」
夢結「祀、これを見てちょうだい」
祀「え?...ちょっ、これって!」
梨璃「むー、むぅー」チュパチュパ
祀「梨璃さんよね?なんで赤ちゃんに...」
ピリリリリリ!ピリリリリリ!
祀「ちょっと待って...はい、祀です...えぇ...何ですって!」
夢結「どうしたの?」
祀「それが...」
ピリリリリリ!ピリリリリリ!
夢結「待って、私の方も...鶴紗さんから?もしもし?」
鶴紗『夢結様!大変です!結梨が!』
夢結「結梨に何かあったの!?」
鶴紗『それが...』
数分前...
ドンドン!ドンドン!
??「鶴紗さん!お願い!ドアを開けて!」
鶴紗「んうっ、何だ朝早くから?」
ガチャ
鶴紗「あっ確か結梨の...」
海桜「ルームメイトの水無瀬海桜です!そ、それが朝起きたら結梨ちゃんが!」
結梨「zzzz zzzz」
鶴紗「え!?」
鶴紗『という事がありまして』
夢結「結梨まで赤ちゃんになっていたなんて」
鶴紗『結梨まで?』
夢結「実は梨璃も今朝赤ちゃんになった状態で見つかったの」
鶴紗『梨璃が!?』
祀「梨璃さんと結梨さんだけではないわ」
夢結「どういう意味?」
祀「今連絡があったの、梨璃さん達以外にも数名のリリィが幼児化している事が判明したわ」
夢結「何ですって!」
百合ヶ丘女学院会議室
咬月「皆揃ったかな?」
史房「はい、フォールグガング含め異変の起こったレギオン及び各ガーデンの代表全て揃っております」
咬月「うむ、では会議を始めよう」
現在、百合ヶ丘女学院の会議室で百合ヶ丘女学院理事長代行の高松咬月を議長席に置き現在起こっている異変に対する会議と情報共有が行われてここに集まっている者の大半が幼児化したレギオンメンバーを連れて来ており遠方のガーデンの代表もオンラインで会議に参加している
咬月「さて、各々知っての通り現在我が百合ヶ丘女学院を始めとして複数のガーデンでリリィの幼児化現象が発生しておる」
史房「各ガーデンと情報を共有した上で調査を行いましたが今現在に至るまで原因は不明となっております。そして百合ヶ丘女学院ではアールヴヘイム主将の天野天葉さんを始めとした数十名の幼児化が確認されています」
椛『お台場女学院も同様です、こちらは生徒会副会長であるゆず...川村楪を始めレギオンロスネス主将の船田純とその双子の姉、船田初を含め多くのリリィにそちらと同じ現象が...「あぅー!」あっ、ゆず!ヘッドフォン食べちゃダメよこれはご飯じゃ無いわ!』
楪『むぅー!』
秋日『神庭でも同じです、こちらもトップレギオンのグランエプレメンバー含め多くのリリィが幼児化しています』
鈴夢『キャッキャッ!』
メルクリウス副会長『メルクリウスもです、生徒会長のアルテラ様含め多くのリリィが』
アルテラ『うっ!』ガラガラガラ!
メルクリウスの画面でキリッとした表情の幼児化したアルテラがガラガラを降っている
メルクリウス副会長『この様なお姿に...』
椛『アルテラ様...随分可愛らしいお姿になられて』
咬月「有事の際の緊急回線を通じてエレンスゲ女学院、並びにルドビコ女学院からも同様の報告が上がっておる。そしてどちらもこの異常に対する打開策を見出せないでいる」
史房「異変の起こったリリィ全員の身体検査を行いましたが特にこれと言った異常は見られませんでした」
椛『やはり異常無しですか』
秋日『問題は山積みですね、こちらは無事なリリィ達で臨時の部隊を編成しヒュージの襲来に備えてますが...』
椛『それでも戦力の低下は否めません』
副会長『こちらも同様です...』
咬月「ふむ、何処も同じ様な状況か...」
樟美「あ、あの...」
史房「どうかしました?樟美さん?」
樟美「天葉姉様にミルクをあげたいんです、お腹が空いたのか私の指に吸い付いて」
天葉「むぅ...」チュパチュパチュパ
咬月「あ、あぁ...彼女達の食事と服の問題もあったな」
依奈「服の方は私達の方でどうにかします、手芸部の人達と協力して人数分の服を用意している最中です」
史房「対応が早いですね」
咬月「天野君の着ているベビー服はもしや」
依奈「はい、私達で用意した物です。天葉のイメージカラーの黄色に花の刺繍を遇らったものになります」
天葉「うぅー」
樟美「とってもお似合いですよ天葉姉様」
天葉「キャッキャッ!」
椛『あのー、そのベビー服ですがこちらにも送っていただけないでしょうか?』
秋日『こちらもお願いしてもよろしいでしょうか?』
副会長『申し訳ありませんが...私たちの方にも...』
依奈「分かりました、少々お時間を頂きますが」
椛『お願いします』
咬月「ミルクと紙オムツは学院内で確保してある備蓄から出そう、念の為彼に頼んで追加分を持って来てもらおう」
史房「彼?」
咬月「儂の古い友人の息子で外部の協力者だ、先日の一柳君の件でも世話になっている」
史房「ご友人のご子息...」
咬月「信頼に足る人物だから心配は不要だ」
数時間後、百合ヶ丘女学院付近
兵士A「いい天気だな」
兵士B「そうすっね、今日はヒュージの出現もなくて平和ですねぇ」
百合ヶ丘女学院に直通する道路には防衛軍によって設置された検問所がある
ガーデンは軍の施設としての一面もある他、リリィをよく思わない一部の派閥からリリィを守る為の施設も周囲に存在しておりここはその一つだ、今日は異常もヒュージの出現も無いため配置された兵士達はあくびを噛み殺しながら警備を行なっている
兵士B「ん?先輩、トラックが近づいて来ます」
兵士A「トラック?」
後輩の視線の先には一台の中型トラックが近づいて来るのが見える
キキッ
近づいてたトラックは検問所の近くで止まり運転手が顔を見せフレンドリーな笑顔を見せた
運転手「やぁ、お疲れさん」
兵士A「お疲れさん、納品かい?」
運転手「まあな、何でも百合ヶ丘女学院で災害時や有事の際の備蓄を増やすことにしたらしくてそいつの納品だ」
兵士A「結構な量になるんだな」
運転手「医薬品に保存の効く缶詰と赤ちゃん用の粉ミルクにオムツとだな、チェックするか?」
兵士A「一応決まりだしな、とっとと終わらせるぞ」
兵士B「了解です」
数十分後...
兵士A「特に問題無いな、行っていいぞ」
運転手「了解、お疲れさん」
荷物の検閲が終わり運転手が百合ヶ丘へ向けトラックを走らせ検問所が見えなくなったところでホッと息をついた
運転手「よし、予想通り備蓄に紛れ込ませれば問題なかったな」
この運転手こそ咬月の言っていた協力者であり古い友人の息子である...
百合ヶ丘がゲヘナから保護した強化リリィを一旦彼の元に預けた後に物資に紛れ込ませる形で極秘に百合ヶ丘女学院へ連れて行ったり先日の結梨を巡る一件では裏で防衛軍の動きを妨害したりといった活躍をしている人物である
ちなみに出番はこれで終わりだ
運転手「え?」
前回書くの忘れてましたが結梨ちゃん生存ifになります
結梨ちゃんはあの後ヒュージとの戦闘もなく正式に百合ヶ丘のリリィとなり「G・E・H・E・N・Aを脱走したリリィで脱走後に事故で記憶を失い倒れているところを一柳隊に保護され、先日の騒動は高い能力を持つ被験体を奪い返す為にG・E・H・E・N・Aか証拠のでっち上げと政府関係者の買収を行い起こしたもの」というシナリオで現在は百合ヶ丘の特別寮で暮らしている設定になります
水無瀬海桜
当初は鶴紗をルームメイトにする予定でしたが鶴紗のルームメイトが明かされていない事と既に鶴紗がルームメイトの作品が存在する為被らないように結梨ちゃんのルームメイトにする為に作ったオリキャラになります