電子制御の00レコード   作:コドコド

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tune2 始まり②

わ、わかった!」

「ブォン!!」私は勢いよくクルマを発車させた。

「先生、本当に大丈夫なんだろなぁ?」ネルが心配そうに言う。

「生徒の物をあんな風に言われていい気持ちする教師が

どこにいるか!」 

「ビィィィッ!」車のブサーが車内に鳴り響く。

比較的広めのカーブが続く。

「キュルキュルキュル!」

タイヤが悲鳴を上げながらコーナーを通り過ぎる。

所々に「ブレーキ必須!スピード落とせ!」の看板が見える。

「ネル。ちゃんと手すりに捕まってて。」

「お、おぉ…」

1つ目の急カーブに差し掛かる。

ブレーキを少し踏み、一瞬アクセルから足離し、ギアを少し下げる。リアが流れて来たら、一気にアクセルを踏む。そしてエンジンの回転数を調節する。

すると車は浅い角度でドリフトをしイン側ギリギリに通過していった。俗に言う速いドリフトだ。これは競技などでみるがっつりリアを出して白煙モクモクと言うドリフトではなく、スピードをあまり殺さずに走ることが出来る走り方だ。

…流石はRB26だ。少し無茶してもパワーとトルクでどうにかなりそうだ。この調子であいつらに追いつければいいんだが。

先生がそう思いながら運転する中、ネルは先生をキラキラとした目で見ていた。「なんだぁ…!?あの走りは…カッケェ…!」

そんなふうに走行してる内にネルが犬の様に「先生…!あれ!」ネルが指差した先にはGR86とのテールランプが見えた。

「追いつくぞ!」そう言ってアクセルを更に踏み込む。

ギアを5速から4速、3速に落とし、イン側を攻めながらコーナーを曲がっていく。

すると目の前にテールランプが見えた。

「先生!そのまま行っちゃえ!」ネルがフンスと興奮しながら言う。

車はもうスリップストリーム(前の車が風よけになること。)の圏内には入っている。

アウト側から抜かそうとしたときに、86も合わせてブロックして来る。しかし、急に差し掛かる時、GR86はバランスを崩しアウト側にリアが流れた。

「今だっ!」

エンジンの回転数を上げイン側からスパッ!と抜く。

「おぉ…!すげぇな先生!」

途中GRスープラがスピンして事故っており、残すはR35GTRだけだ。やはり流石四駆。安定性が半端ではない。加速も速いし、馬力も桁違いだろう。 

しかし、FCも負けじと走る。

ストレートでは離されるばかりなので、コーナーで差を縮めるしかない。

しかし箱庭峠は高速コースだ。コーナーがいくら速くても直線はやはりきつい。

すると、GTRの様子が少しおかしかった。ブレーキがチカチカと点滅しているのだ。

恐らく考えられるのはブレーキの焼き付きだ。

これはブレーキディスクが発熱し、かかるブレーキがかからないことだ。

重量級のGTRでブレーキを酷使してたらこうなるだろう。

「ネル、次の急カーブで抜かすぞ!」

「あの差をどうやって縮めるんだよ先生!」

「予測するにあの車は次の急カーブでブレーキが遅れる。だから隙に攻めるって魂胆だ。」

あと二つカーブ抜けた先がポイントだ。そこでどうGTRが反応するのかが決めてだ。

運命のコーナーに差し掛かる。するとスピードが出すぎたのかGTRはブレーキをかけても止まらない。精一杯ハンドルを切っているように見えるがコーナー速度が出すぎて、アンダー側に出て車体を擦りながら走っていた。私はその隙にイン側を突いて曲がった。しかし、抜かしたGTRが負けじと付いてくる。

2台が並び、ブレーキング勝負となったところで、GTRのブレーキパッドから煙が立ち上げた。

「キュィィィィ!!!!」思わず急ブレーキを踏んでGTRを少し前に出した。

すると、GTRは後輪がロックされ、白煙がもくもく立ち上がる。

「前が見えねぇぞ先生!」

「大丈夫だから見てて。」

「お、おう。」

GTRがスピンし始め白煙の中にテールライトが見えたとき、抜いていたアクセルを全力で踏んだ。

コーナーギリギリに生えている草むらをバンパーにすこしかすめながら抜き去る。

バックミラーで確認すると、停止後に車を待避坂に移動したようだった。

無事下山し、高速道路に乗った。

「先生すげぇな!」目をキラキラさせながら言う。

「ちょっと荒くなっちゃってごめんね…」

「全然気にすんな!それより運転を教えてくれよ!」

「また今度ね。今日はもう遅いからこのままネルの家まで運転するよ。」

「あ…先生ありがたいんだけど、家の近くの駐車場確保してねぇ…」

「ネルはおっちょこちょいだな~」

「うるせぇ!」

「じゃあシャーレに場所が決まるまで停めようか!」

「ありがとな!先生!」

長くも短い、伝説の始まりの日がここで終わった。

《続く》




コトリの解説室!
ブレーキの焼き付きとは?
一言で言うと、「過度な摩擦熱によってブレーキの部品が文字通り焼けて、機能不全に陥ること」を指します!
通常、ブレーキは運動エネルギーを摩擦によって熱エネルギーに変換することで減速しますが、その熱が許容範囲を超えてしまうと大変なことになるんです!
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