魔法少女リリカルなのは~Extreme Heart~   作:nakazero

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見てくださった方ありがとうございます。

どうぞ最後までお楽しみください。


プロローグ

少女は孤独だった

少女の家族は仲のいい家族だった。

だがそれは、父親が怪我をし、生死の境をさまよった境に崩れ始めた

その結果、母親が父親の分まで働くこととなり少女にかまえなくなった

姉も必死な母親を手伝うようになり、少女と遊ばなくなった

そして兄は、道場で必死な練習をするようになり、少女は声を掛けられなくなった

 

 

 

 

 

そして少女から

 

 

 

 

 

 

本当の笑顔が消えた

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

そして少女は一人、公園のブランコにまたがり、ただ力なく揺れていた。

周りには、誰もおらず、ただ時間だけが過ぎてゆく。

それが、今の彼女には辛く感じた。

でも涙は出ない。

いや・・・・・出なかったと言うほうが正解か。

少女はもう、孤独に慣れてしまったから・・・

 

「・・・・・・はは」

 

だからこんな乾ききった笑みさえ浮かべてしまう。

とても5歳の少女からでる笑みではない。

 

でも、もうそれすらどうでもよかった。

少女はもう何も感じなくなっていた。

 

(・・・・もう疲れたよ・・・)

 

ずっと一人はもう疲れたよ・・・

 

少女は周りを見て、誰もいないことを確認する。

 

「・・・・・ごめんなさい。お父さん、お母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん。」

 

そう呟くと少女は、ポケットから家からこっそり持ち出したカッターナイフを取り出し、刃を出した後、自らの首筋に向ける。

 

後はほんの少し力を込めるだけでいい・・・・・

 

 

 

もう楽になりたい・・・・・

 

 

 

死にたい・・・・

 

 

 

みんな・・・・・・

 

 

 

 

 

さようなら

 

 

 

 

 

 

そう思った少女は目を閉じて

 

 

 

 

 

手に力を込めた

 

 

 

 

 

 

 

 

でも・・・・・・

 

刃は動かなかった

 

「・・・・・・・え?」

 

少女はゆっくりと目をあける。

 

そして眼に映ったのは

 

 

ナイフを持った手を掴んでいる青年の姿だった。

 

おそらく20代であろう顔立ち、青のジーンズに黒のスニーカー、チェックのシャツに黒いジャケットを着ている青年だった。

 

「・・・・・・・・・・」

 

青年は何も言わず、ただ自分を見つめていた。

 

そして・・・・・

 

「・・・・・・・・フン」

 

「・・・・あっ」

 

力任せに、少女が持っていたカッターナイフを奪い取った。

 

「・・・・・・・・・」

 

少女は無言のまま肩を震わした。

 

少女には訳がわからなかった。

どうして彼が自分のカッターナイフを取り上げたのか・・・

どうして彼がここにいるのか・・・

どうして、自分の行動を邪魔したのか・・・・

 

どうして・・・

 

どうして・・・・

 

ただ、わかっている事はひとつある・・・・・

 

自分は・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

まだ生きているという事だ。

 

 

 

 

「・・・・・・どうして?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

少女の言葉に彼は無言のまま・・・・

 

それがトリガーとなり、少女の感情が爆発した。

 

「どうして死なせてくれなかったの?!」

 

少女は青年に向けて叫んだ。

 

なんで?どうして?

 

そう少女は思った。

 

もう少しで楽になれるはずだった。 

 

孤独にも

辛さにも

寂しさにも

悲しみからも

 

さよなら出来るはずだったのに・・・・

 

なのに自分は今も生きている

 

止められたのだ

 

目の前の青年によって・・・・

 

「どうして・・・・・・・・な・・・・・んで」

 

言葉を出そうにも、なぜか嗚咽が割り込んできて、うまく言葉が出ない。

 

「な・・・・・ん・・・・で」

 

そこまでしか言えず、ついに少女は泣き出した。

もう涙なんか出ないと思っていた。

でも現に少女の目からは涙が絶え間なく溢れてくる。

 

「ひぐっ・・・・うぅ・・・・」

 

青年は持っていたナイフを捨て、少女に近づき、片膝をつく。

そしてゆっくりと少女を抱きしめた。

 

「・・・・・あぅ・・」

 

突如青年に抱きしめられ、少女は焦った。

しかし、久々に感じた温もりの所為か、少女は抵抗できなかった。

 

「・・・・・・泣きたいときに泣く。笑いたいときは笑う。それが子供の特権だ。」

 

「・・・・・・・うぅ・・・」

 

「だから気にせず

 

 

 

 

 

 

 

 

泣けばいい」

 

「!!!」

 

それが引き金となり・・・・・・

 

「あ・・・・・ああ・・・・・・・」

 

少女の中に封じ込められていた感情が溢れ出す。

 

もう止められなかった

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

少女は今まで溜めていた全てを涙に変え、泣いた。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

少女の悲しみの声が公園中に響き渡る。

 

「辛かった!悲しかった!寂しかったよぉ!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

青年は黙って少女の頭を優しく撫でながら、少女を抱きしめ続けた。

 

少女の心が癒されるように優しく

 

元気になるように強く

 

抱きしめ続けた。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・ありがとうございます。」

 

あれからひとしきり泣いた後、少女は青年にお礼を言った。

 

「別に気にしなくていいよ。ちょっとした人助けしただけだしね。」

 

「それでもです。ありがとうございます。」

 

そう言って、少女は青年に頭を下げる。

青年はそうかと言い、少女を見て微笑んでいた。

 

「やっと笑ったね。」

 

「・・・・・え?」

 

「笑顔だよ。今まで本当に笑った事なかったんでしょう?」

 

青年にそう言われて、少女は考えた。

少女は青年を見て、気づかない内に笑顔になっていたのだ。

思えば、少女の本当の笑顔は父親が怪我してからというもの、ずっと隠れてしまっていた。

単に家族の所為とは言わないけど、本当に笑顔になったのは久しぶりな感じがした。

 

「多分、笑顔になれたのはあなたのおかげだと思います。」

 

「俺のお陰?」

 

青年の質問に少女はハイと答えた。

 

「あなたがいたから、あなたが私の手を止めなかったら、私はもうここにはいませんから・・・」

 

それは事実だ。

もし青年が、少女の自殺を止めていなかったら、少女はもう、この世にはいないのだから。

 

「これからどうするんだ?」

 

青年は話題を変えるため、少女にこう言いだした。

少女はすこし考え

 

「どうしましょうか?」

 

何故か少女が青年に訪ねていた。

 

青年もこの言葉には困ってしまった。

 

「どうするって・・・・君が決めればいいと思うよ。」

 

「そうなんですけど・・・・」

 

少女も困っていたのだ。

このまま家に戻ったとしても、また一人ぼっちの生活が待っているだけ・・・

だから自分でもどうしたらいいのかわからないでいたのだ。

 

「・・・・・・・・・」

 

困りながら考える少女を見て、青年はやれやれとした顔となり、仕方なくこう提案した。

 

「だったら、俺と一緒に来るか?」

 

「・・・え?」

 

青年の言葉に少女は唖然とした顔となった。

 

「俺な・・・いろいろ旅をしている旅人なんだ。」

 

「旅人さん?」

 

「そう・・・だから俺と一緒に旅するってのも、一つ選択肢だよ。でも最終的に決めるのは君だからね。」

 

「・・・・・・」

 

青年に言われ少女は無言のまま考える。

 

知らない人について行くのは良くないと親からは聞いていた。

だが何故だろう?

目の前の人がとてもじゃないが、悪い人には思えない。

それに・・・・・

 

強くなりたい

 

少女はそう思っていた。

彼に迷惑をかけてしまったのはもちろんだが、少女には自分自身がもっと強くなりたいと思っていた。

 

身体的にも、精神的にも

 

なら旅をするのも悪くはないと少女は感じた。

 

そして覚悟を決め、青年に向かって顔を上げて口をひらいた。

 

「今帰っても、また同じ生活になっちゃう。まだ覚悟が出来たわけじゃないですけど・・・・・もしできるなら・・・・・・・連れて行ってくれますか?」

 

少女は迷いながらも、答えを出した。

 

青年は何も言わない。

少女は答えを出した。

なら自分が何か言うのはおかしいだろう。

 

「行くと決めたなら、せめて家族に一言言っておいで。何も言わないで行くのはさすがにまずいし。」

 

青年の言葉に少女の顔が曇る。

さっきまで家族の事は自分自身知らない内に、心に封じ込めていたのだ。

 

だがいつまでもじっとしては意味がない。

 

「・・・・わかりました。」

 

少女はそう答えると、青年も少女の心の内を察したのか

 

「別に、話さなくてもいいから、手紙なんか残しといたらいいんじゃないかな?」

 

「はい・・・・そうします」

 

その言葉に少女の心は少しだけ晴れた気がした。

 

「じゃあ。俺はここで待ってるから、準備ができたら、此処においで」

 

「はい!」

 

少女は答えて、自分の家に向かって走って行った。

 

 

 

 

 

自宅に着くと、少女は静かにドアを開ける

 

「・・ただいま」

 

今誰もいない事はわかっているが、それでもいつもの様に言葉が出ていた。

 

奥からは何も返ってこない。

誰もいないことを確認し、少女はそのまま自分の部屋に向かう。

 

部屋に入り、部屋の奥からリュックサックを取り出す。

そしてリュックに、着替えや一通り自分が必要そうな物を選び、一杯になるまで詰め込んだ。

 

「・・・ふぅ」

 

旅支度を整えた少女は、少しだけ一息ついた。

 

支度は整った

 

あとは・・・

 

そう思い、少女は自分の机に目を向ける。

そこには、一枚の紙とペンが置いてあった。

 

少女はゆっくりと椅子に座り、ペンを取る。

 

「なんて書こうかな・・・・」

 

今から書くのは、家族に向けて書く手紙だ

しかし、少女にとって今までまともに手紙など書いたことなどない。

 

故に、どういった文を書くというのに少女は迷っていた。

 

「・・・・・・・・」

 

少女が白紙の手紙を見つめ、やがてゆっくりと文を書き始める。

慣れない書き方だが、それでも一生懸命に文章を作っていく。

そして・・・・

 

「・・・・これでいいよね・・」

 

手紙を書き終えた少女は、そう呟くと書いた紙を封筒に入れ、リビングの机に置いた。

そしてゆっくりと、リビングを後にする。

 

玄関で靴をはき、リュックを背負い立ち上がる。

 

「・・・・・・いってきます。」

 

そう小さく呟き、少女は家をあとにした。

 

 

 

少女が公園に戻ると、青年はベンチで座って待っていた。

 

「準備はできたの?」

 

青年の質問に少女はゆっくりと頷く。

 

「先に言っとくけど、俺の旅は結構過酷だよ。もしかしたら死んでしまうかもしれないほどの旅だ。それでも来るかい?」

 

「はい、行きます。」

 

少女は即答する。

少女は家を出るとき、当分戻るつもりはないと決めていた。

だから青年の言葉にも少女は恐れず返事ができた。

 

「わかった。じゃあこれからよろしくな。」

 

「はい!あっ・・・そういえば名前聞いていませんでしたね」

 

青年と握手して、少女は青年の名前を聞いていなかった事に気付いた。

 

「ん?あぁ俺の名前か・・・・そういえば言ってなかったな。」

 

そう言うと、青年は少女の目を見つめる。

 

少女は青年に顔を向けた瞬間

 

少女の世界は止まった様に感じた。

 

青年の姿は先程までと変わっていない。

 

だが少女の視線は青年から離れない。

 

少女の視線が離れないのは、彼の姿ではなく、彼の瞳だった。

出会ったときの彼の瞳は漆黒の様に黒色だった。

瞳から光は消えており、はたから見たら怖がるような瞳だった。

 

だが今の彼の瞳は先ほどとは全く違った。

 

 

その瞳は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどまでの黒ではなく

 

 

 

 

 

 

 

透き通るような

 

 

 

 

 

 

 

蒼色だった

 

 

 

 

 

 

「俺の名前はレーネディア。レ―ネディア・ローランドって言うんだけど、長ったらしいからレネって読んでくれたらいいよ。」

 

「レネさんですね。改めてよろしくお願いしますね。私は・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高町なのはっていいます」

 

「あぁ・・・・・よろしくなのはちゃん。」

 

「はい!レネさん。」

 

 

不屈の魔法少女は本来遭う事のない人と出会い、旅に出た。

 

本来の未来とは変わってしまった現実

 

彼女が辿る道はどうなってしまうのか

 

それは、これから三年後に明らかとなる

 

 

 

 




近々魔法少女リリカルなのは~祝福の風の精霊と時の旅人~
も移転する予定です。
こちらも楽しみにしてください。

ではでは
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