華月麟の幻想記・Ⅱ   作:華月麟

134 / 137
博麗霊夢への警告

麟「ゲフッ…く、食い過ぎだなこりゃ…」

 

魔狼

『残無、次からはせめて二段弁当にすべきだな』

 

残無

「じゃのぉ…?張り切り過ぎて、息子を困らせる事になるとは思わんかった」

 

日狭美

「でもとても美味でしたわ〜♡」

 

針妙丸

「食べ過ぎたなぁ…少し外で身体動かしてこよ」 トテトテ

 

あうん

「あ、私も!」 トテトテ

 

妹紅

「あいつの料理、なかなか美味かったな?」

 

慧音

「今度、真似をして作ってみるか」

 

霊夢

「さーてと、私は洗い物でも済ませちゃいましょ」

 

慧音

「いや、霊夢はここでゆっくりしていてくれ。せっかく昼食まで出してもらったのに、洗い物まで任せるのは流石に気が引ける」

 

霊夢

「気にしなくていいのに。ま、あんたがそう言うならそうさせてもらうわ」

 

妹紅

「じゃあ私も手伝うよ、慧音」 スタスタ

 

慧音

「ああ、頼む」 スタスタ

 

 

日狭美

「残無様、私達は胃が落ち着き次第帰宅致しますか?」

 

残無

「いや、儂はもう少し麟を愛でてからにしようかと考えておってな」

 

日狭美

「ではそう致しますか。…ボウヤガウラヤマシイワ」 ジトー…

 

麟「…(汗)」

 

残無

「それに…」

 

日狭美

「ん?」

 

残無

「儂はまだもう1つの目的を果たしておらんのでな、それも果たさねばならん」

 

魔狼

『ん?麟に自分の手作り弁当を食べさせる事が、今日の目的ではなかったのか?』

 

残無

「実はもう1つ目的があるんじゃよこれが」

 

魔狼

『そうかそうか。では麟よ、俺のお腹にでも寝転がるか?』

 

麟「今の流れで何故そうなる?」

 

魔狼

『なんとなーくだな』

 

麟「ナニイッテンダオメー」

 

魔狼

『くっくっく♪』

 

残無

「ふっ…時に霊夢よ」

 

霊夢

「ん?何よ」

 

残無

「最近、日常生活で何か変わった事はあるか?」

 

霊夢

「はぁ?いきなり何よ?」

 

残無

「いいから儂の質問に答えろ」

 

霊夢

「別に…特に何も変わった事は無いわよ。せいぜいあるとしたら、あんたが週1で博麗神社に来るようになった事かしらね」

 

残無

「ふむ…ならばまだ()はここに目をつけてはおらんというわけか。いや…そんなはずはない。現に今も…奴の視線をどこからか感じ取れるのだからな…」 ブツブツ…

 

霊夢

「???」

 

麟「残無、何をブツブツ言ってんだ?」

 

残無

「麟、お主は最近何か変わった事はなかったか?」

 

麟「特には無いけど…1つだけ気になるとするなら、最近どこかしらかの視線を感じるんだよな。しかもかなりの遠距離から」

 

残無

「…!そうか…」

 

霊夢

「え、そうだったの?初耳なんだけど」

 

麟「隠岐奈が遠くから覗き見してると思って気にしてなかったから」

 

残無

(やはり息子は息子なりに異変を感じ取っておる…。つまり奴は…既に封印から解かれ、地上のどこかにおる…。そして息子に感知されるかされないかの距離からこの神社を監視している…というわけか)

 

麟「で?これが何か?」

 

残無

「どうやら儂の心配は杞憂ではなかったようだ」

 

麟・霊夢

「「は?」」

 

残無

「博麗霊夢」

 

 

「「警告じゃ」」

 

 

霊夢

「な、何よ警告って?」

 

残無

「博麗の巫女に強い恨みを持った過去の怨念が…お前へ対する復讐の機会を見計らっておる」

 

霊夢

「はぁ?私に強い恨みを持つ過去の怨念?」

 

麟「まあ…博麗の巫女という立場上、誰かに恨みを持たれるのは至極当然ではあるけど」

 

残無

「いや…そんな生易しいものではない。今、こやつに向けられている恨みは、()()()()()()()()から続く怨念なのじゃからな」

 

霊夢

「先代の巫女の時代から続く怨念…つまり先代の巫女へ対する恨みなんでしょう?なんで私が恨まれなくちゃならないのよ?私は関係のない時代の話じゃない」

 

残無

「こやつは先代の巫女にだけ恨みを持っておるのではなく、博麗の巫女に対して…いや、博麗神社に対して強い恨みを抱いておるからなのじゃ」

 

麟「博麗の巫女に対してではなく…博麗神社そのものに恨みを…」

 

霊夢

「どちらにせよ、私には知ったこっちゃない話ね」

 

残無

「そう呑気な事を言っておれるのも今の内じゃよ」

 

霊夢

「まあ…用心しとく事に越した事はないって言いたいんでしょう?」

 

残無

「ああ、きっとこの者はいずれ事を起こす。お主をおびき出すためにな」

 

麟「おー怖い怖い。そんな時が来ない事を祈りたいものだ」

 

残無

「恐らくこの者は必ず事を起こす、博麗神社へ復讐する為にな。そして麟、お主もこの騒動に巻き込まれる可能性は高いぞ」

 

麟「え、なんで?」

 

残無

「お主が一番霊夢の傍におる。だからお主も始末する対象になりかねんのじゃ」

 

麟「…そんな理由で巻き込まれるのか、俺」

 

霊夢

「旅は道連れって言うものね〜」

 

麟「けっ、お前の旅に巻き添い食うのか?上等。だったらどこまでも付き合ってやるよ、お前の旅にな」

 

霊夢

「うふふ♪貴方ならそう言ってくれると思ったわ」

 

残無

(こやつらなら…あの怨念を退けられるやもしれんな。じゃが…用心するに越した事はないな)

 

魔狼

『残無、お前わざわざそれを伝えるついでに麟への弁当を作ったのか?』

 

残無

「逆じゃい。息子に弁当を届けるついでに、儂は警告をしに来たようなものじゃよ」

 

日狭美

「流石は残無様ですわ!」

 

麟「しかし…もしそいつが事を起こすとなると、あうんと針妙丸が巻き込まれる可能性があるわけか…。あいつら2人は守矢神社に避難させとくか」

 

霊夢

「そうね、あの子達を巻き込むわけにはいかないものね」

 

残無

「さて…目的も果たした事だ、儂らは帰りとするか」

 

魔狼

『もう帰るのか?』

 

残無

「少し…気掛かりな事があってな、帰りながら調べたいと思っての」

 

日狭美

「調べ物でしたら、私がお調べ致しましょうか!?」

 

残無

「いや、お主の手を煩わせるほどではない。お主は儂の隣に居ればそれで良い」

 

日狭美

「(ズキューンッ!!♡)一生貴女様のお傍に仕えますわ!♡」

 

残無

「ふっ…それで良い(スクッ)では博麗霊夢、お主の無事を祈っておるよ」

 

霊夢

「あんたに心配されるほど、私は弱かないわよ」

 

残無

「どうじゃろうな?その慢心が己を滅ぼすやもしれんぞ」

 

霊夢

「はいはい」

 

残無

「ふっ…。息子よ、お主も気をつけるんじゃぞ」

 

麟「忠告ありがと」

 

残無

「ふふ…」 スッ…

 

chu…♡

 

霊夢

「んな…っ!?」

 

日狭美

「ぐぬぬぬぬ…っ!」

 

麟「…(汗)」

 

残無

「さあ魔狼、日狭美、行くぞ」 スタスタ

 

魔狼

『おう。麟、また来るぞ』 スタスタ

 

麟「へいへい、いつでも待ってるよ」

 

日狭美

「むきーっ!!」 ズカズカ!!

 

麟「はぁ…(汗)」

 

 

サーッ

 

 

慧音

「おや?残無達は帰ったのか?」

 

霊夢

「さっき帰ったわよ」

 

妹紅

「なんだ、結構早く帰ったな」

 

麟「調べたい事があるから帰るってよ」

 

慧音・妹紅

「「調べたい事?」」

 

麟「俺達にもよく分からん。あいつは紫さんと同じで読みにくい性格してっからさ」

 

霊夢

「ほんと…やる事だけやって帰る辺り、紫にそっくりな所あるわね」

 

妹紅

「あー…確かに、あの残無って奴の喋り方はどこか紫に似てるとこはあるかもな」

 

慧音

「そうなのか?私はそうは見えなかったが…」

 

霊夢

「麟の言う通り、残無は読みにくい性格をしてるわ。さっきの警告だって、どこまでが本当なのか…」

 

慧音

「警告?」

 

霊夢

「博麗の巫女に恨みを持つ奴が私に復讐しようとしてるんだって、いきなり言い出したのよ」

 

妹紅

「博麗の巫女は恨みを買いやすい立場だからなぁ」

 

慧音

「まあ…仕方のない事だな」

 

霊夢

「冗談だと思いたいけど」

 

麟「…」

(残無はどこか掴めない性格ではあるが…霊夢や俺を混乱させるような冗談は言わないはずだ…。もしさっきの警告が本当だとしたら、今まで感じていた謎の視線の正体が隠岐奈じゃないという事が裏付けられる…かもしれないな)

 

霊夢

「麟?どうしたのよ重い表情しちゃって」

 

麟「…用心するに越した事はない、って思ってな。明日にでもあうんと針妙丸は守矢に預けよう」

 

霊夢

「そうね…」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。