華月麟の幻想記・Ⅱ   作:華月麟

143 / 143
もう1人の怨霊との再会

瑞霊

「はぁ…はぁ…はぁ…!うぐ…っ!」 ドサッ…

 

残無と魔狼と日狭美の猛攻によって瀕死寸前の重傷を負った瑞霊。傷だらけの身体に残された僅かな体力を振り絞り、少しでも残無達から距離を取ろうとしていたが…もうその身体には限界が訪れていた。

 

瑞霊

「こ、こんな所で…くたばってたまるか…っ!私は必ず博麗の巫女へ対する復讐を…!」

 

 

ザッザッザッ…

 

 

瑞霊

「っ!?」

(マ、マズい…奴等に私の居場所が…っ!)

 

茂みの奥から瀕死の瑞霊の元に近づく足音が聞こえ、瑞霊はその足音が残無達のものだと思い込んだ。…が

 

 

ザッ…!

 

 

???

「やっぱり…お前だったのか、瑞霊」

 

瑞霊

「お、お前は…っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

~魅魔の住処~

 

 

パァァァァッ…

 

 

魅魔

「懐かしい気配を感じたからまさかと思ったけど…お前も封印から解き放たれていたんだな。瑞霊」

 

瑞霊

「それはこっちのセリフだ…魅魔」

 

茂みの奥から現れたのは、怨霊の魅魔だった。

魅魔と瑞霊は人間時代からの知り合いであり、お互いに先代の巫女に封印された事がある怨霊同士だった。

現在、魅魔の回復魔法によって治療中。

 

魅魔

「しかし…まさか久しぶりの再会が、こんなボロボロな状態でとは思いもしなかったよ。何がどうなったらこんな事になる?」

 

瑞霊

「ふん…お前には関係のない事だ」

 

魅魔

「ま…概ねお前の自業自得だろうけどな。()()()と同じように、お前はまた自分で自分の首を絞めたんだろ?」

 

瑞霊

「黙れ…!お前だって私と同じ穴の(むじな)だろうが!ゴホッゴホッ…!!」

 

魅魔

「まだ治療は終わってないから大声出すなし」

 

瑞霊

「ちっ…」

 

魅魔

「同じ穴の狢…ね。ま、昔の私はそうだったかもなってところで治療完了!あとはしばらく安静にしてりゃ全回復するよ」

 

瑞霊

「ふん…私はお前に感謝なんかしないぞ」

 

魅魔

「別に感謝なんかはしなくて構わないけど、その代わりに…お前の事を少しくらいは話してくれてもいいんじゃないか?礼の代わりにな」

 

瑞霊

「私の事だと…?」

 

魅魔

「なんとなくだが、お前は自分の身体が完全回復した暁には…何か事を起こそうとしてるだろ?お前の事情は分からずとも、それくらいはなんとなくでも察せる」

 

瑞霊

「ふん…まあいい、治療の礼代わりに少しだけ教えてやる。私はこの身体が完全回復したら、博麗の巫女の復讐を始める」

 

魅魔

「博麗の巫女への復讐…ね。やっぱりお前は…あの時の事を未だに恨み続けてるわけか…」

 

瑞霊

「たとえ今の博麗の巫女がその事を知らなくとも、私には関係ない!必ずこの復讐を成し遂げてやる…!お前も私と一緒に来ないか?魅魔」

 

魅魔

「は?私が?お前と?」

 

瑞霊

「お前も博麗の巫女に封印された側…奴に強い恨みを持っているのは同じだろう?利害は一致するはず」

 

魅魔

「あー…悪いけど、私は博麗の巫女への復讐になんか興味はない。お前1人でやってろ」

 

瑞霊

「な…っ?!」

 

魅魔

「だって私、自分がどんなに重い罪を犯してしまったかを十分に理解してるから。封印されて当然の事を、私はしでかしたって自覚は持ってる」

 

瑞霊

「…」

 

魅魔

「そんなに博麗の巫女へ復讐したいのなら、お前1人で勝手にやってろ」

 

瑞霊

「…ああ、そうかよ!」 ガタッ!!

 

魅魔

「…」

 

瑞霊

「ちっ…!」 ガッ!

 

魅魔

「…おい瑞霊」

 

瑞霊

「今度はなんだ!」

 

魅魔

「どうせ言ったところでお前は復讐の手を下げないってのは分かってるけど、これだけは一応言っておく」

 

 

「「いつか自分の行動に後悔して、泣く日が来るのもそう遠くはないと思うぞ」」

 

 

瑞霊

「…ほざけっ!」

 

 

ガチャッ

 

バタンッ!!!

 

 

魅魔

「…」

 

 

 

 

 

 

 

ガギュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ…!!

 

 

 

瑞霊

「何が博麗の巫女への復讐に後悔して泣く日が来るだ!そんな瞬間、私に来るわけないだろう!」

 

 

 

ギュアァーンッ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魅魔

「…行っちまった。きっと霊華は博麗の巫女という立場上お前を封印しなくちゃならなかった事を、お前を自らの手で封印してしまった事を、死ぬ直前まで後悔し続けていたかもしれないってのに…どうしてお前はそれが分からない?瑞霊」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

東方十能力(作者:nite)(原作:東方project)

幻想の力を持つ何でも屋▼彼は昔からの友の誘いで現代社会から幻想郷へ足を踏み入れた▼現代的な知識と幻想の力を使いながら幻想の世界で生活する彼の周囲には様々な種族が集まってくる▼これは彼とその周囲の人々が紡ぐエンターテインメントである▼小説処女作です。▼基本的には土日に、土日の間に何話も書けた場合は水曜日にも投稿します。


総合評価:823/評価:6.5/連載:512話/更新日時:2026年08月01日(土) 07:59 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>