華月麟の幻想記・Ⅱ   作:華月麟

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次の被害が出る前に

紫「はぁ…はぁ…はぁ…かは…っ!」

 

藍「ゆ、紫様っ!?大丈夫ですか!?」

 

紫「え、えぇ…なんとか大丈夫よ…。でもしくじったわ…まさかこの私が怨霊如きに支配されるなんて…」

 

隠岐奈

「…どうやら、君の予感は的中してしまったようだな」

 

麟「ちっ…」

 

紫「霊夢…!貴女に言わなければならない事があるわ…!」

 

霊夢

「な、何?」

 

紫「瑞霊は…おそらく次に永(・)遠(・)亭(・)を標的にしたわ…!」

 

霊夢

「な、なんでそんな事が分かるのよ!?」

 

紫「まだ分からないの…?瑞霊は、異変を順番通りになぞりながら魔力を強奪し続けてきた…。最初に紅霧異変の紅魔館、次に春雪異変の白玉楼、だとしたら奴が次に襲撃する場所といえば…?」

 

麟「永夜異変…つまり永遠亭ってわけか」

 

紫「その通りよ…」

 

隠岐奈

「しかし腑に落ちん…反獄王は、これまでに7人の人物から魔力を強奪した。既に博麗の巫女への復讐を始めるには十分な魔力を手にしていないか?」

 

藍「まだ何か目的があるのか…あるいは霊夢ですら止められなくなる程に強くなろうというのか…?」

 

麟「それとも…ずっと今まで、霊夢を監視し続けていた事を見せつけたいのか…」

 

隠岐奈

「霊夢を監視だと…?」

 

麟「もしかしたら…反獄王はずっと昔から封印を解いて地上に潜んでいたのかもしれない。それこそ紅霧異変の時から、奴は霊夢を監視し続けていたのかも…」

 

霊夢

「だからって…なんで順番に襲撃するのよ?私に復讐をしたいのなら…さっさと私を狙えばいいはずじゃない?」

 

麟「これは俺の憶測だが…反獄王の奴は、ゆっくりじわじわとお前を追い詰めていきたいんじゃないか?完全に逃げ場が無くなったところを…ズバッと」

 

霊夢

「…回りくどいやり方ね。まあいいわ、とにかく私は永遠亭に向かえばいいだけの話だし」

 

麟「ああ…さっさと永遠亭に向かって、瑞霊を止めないとな…」

 

紫「麟、貴方は博麗神社に戻っていなさい…」

 

麟「んあ?なんでだよ」

 

紫「霊夢に何か会った時の切り札として…貴方は博麗神社で待機するのよ」

 

麟「別に構いやしないけど、霊夢に何かあればこっちで勝手に判断して動かさせてもらうよ」

 

紫「好きになさい…」

 

霊夢

「じゃあ麟、私は永遠亭に向かうから神社はよろしく頼むわ!」

 

麟「あいよ」

 

霊夢

(ドウッ!!)

 

 

ギュアァーンッ…!!

 

 

隠岐奈

「さて、我々は紫を安全な場所で寝かせてやるとしよう」

 

藍「はい…!」

 

紫「ご、ごめんなさいね2人共…」

 

藍「いえ…ご無事で何よりです」

 

隠岐奈

「まさかお前が反獄王にしてやられるとは思わなかったがな。麟君、君も道中は気をつけるように」

 

麟「おう。義母さんの事は任せたよ」

 

藍「ああ、任せてとけ」

 

隠岐奈

「紫は私達がしっかり面倒見るさ」

 

紫「麟…くれぐれも気をつけてちょうだい…」

 

麟「…ああ」

 

 

ヴゥンッ…

 

 

麟「…宮出口瑞霊、この借りは高くつくと思え。覚悟しろ…!」 ギリッ…!!

 

 

憎悪から新たな憎悪が生まれる時、その憎悪は何処へ行き着くのだろうか?その結末を知る術は、まだこの世の何処にも存在しない…。

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