~玄武の沢の下流~
ここは玄武の沢の更に下の下流。この上流には、河城にとり達河童の住処がある。
ザァァァァァァッ…
ザザ…
チャプッ…
雛(
「あら…これはまた、随分と禍々しい物が下流にまで流れてきたわね」 スッ…
シュルシュル…
キュッ
雛「はい、えんがちょえんがちょ」 ポイッ
チャプッ…
ザァァァァァァッ…
雛は上流の河童達の住処から流れてきた機械の部品を見つけては、小さな流し雛にして川へと流すという一連の流れをかなりの頻度で行っている。
雛「あんな禍々しい物が上流から流れてくるなんて…何かあったのかしら?」
ザザァッ…
ザザァッ…
プカプカ…
雛「あら?あれって…」
ザワザワ…
それから数時間後、その下流では1つの大事が発生していた。その大事を一目見ようと、多くの見物人が集まっている。
『おい、何事だ?』
『川の上流から水死体が流れ着いたらしいぞ…?』
『本当か…!?』
『しかもその水死体…どうやら人間じゃなくて、上流に住み着いてる妖怪の死体だって話だぜ…』
お燐
「はいはい、見物人共はさっさと帰った帰った。こいつは見世物じゃないんだよ〜」 スタスタ
『ん?あんたは…』
お燐
「ん?なんだい」 耳ピコピコ
『確か…地底に住んでる妖怪か?』
お燐
「だったら何だってんだい?」
『いや…』
お燐
「特に何もないのならさっさと解散しな」 スタスタ
『おい…なんで地下の妖怪が地上に…?』 ヒソヒソ
『さぁ…?よく分からんが、地下の妖怪が地上に出てきてるって事は…かなりヤバい事件なんじゃないか?』 ヒソヒソ
『おーヤダヤダ…俺達も巻き添い喰わなきゃいいけど』
お燐
(どいつもこいつも好き勝手言いやがるねぇ…死んだ後は覚えておけよ) ムカッ…
雛「あ、お燐ちゃんこっちこっち」
お燐
「はいはい。ちょいと失礼して」 ガッ
バサッ…
お燐
「おぉっと…こりゃまた意外な」
死体に被せられていた藁布を捲ると
にとり
「…」
中には、反獄王から魔力を吸い取られ、捨て去られたにとりが倒れていた。
雛「見ての通り、被害者は河童のリーダー河城にとり」
お燐
「言われなくてもそりゃ分かるよ」
雛「河童が川の流れに乗って流れ着く…まさに河童の川流れってやつかしら!」
お燐
「チョトナニイッテルカワカンナイ(汗)ま、まぁそんな事は置いといて…にとりはっていうか、河童達ってのは普段からこの川に生息してるのかい?」
雛「えぇ。ここから少し離れた上流の方に、にとり達の住処がある」
お燐
「ほえー…あいつらってあんな所に住処を作ってるんだねぇ?やっぱり河童は水が必要不可欠なんだろうか…あ、にとりを発券した時の様子を聞いてもいいかい?」
雛「そうね…私がにとりを発見する前に、いくつか河童絡みの機械部品が下流に流れてきていたわ」
お燐
「河童絡みの機械部品?」
雛「にとり達って機械をよくいじってるから、あまり珍しい事ではないのだけど…今回下流に流れ着いた物に限っては少し異質だったわね」
お燐
「というと?」 カキカキ
雛「どれもこれも異常なくらい厄に満ちていて、そのまま下流に流すと厄介だから、この部品に満ちていた厄は私が引き受けて部品自体は流し雛にして川に戻したの」
お燐
「それは普段からあんたがこの下流で行っている行為かい?」
雛「誰かがここを見張ってないと、河童の落とすゴミで下流が汚れるから、普段からこの辺りの下流は私が見張っているの」
お燐
「ふむふむ…で、いつも通りの作業をしていたら、にとりの死体がどんぶらこどんぶらこってわけかい」
雛「死体といっても、気を失っているような感じだけど…。でも拍子抜けよね?泳ぎの得意なかつが溺れて下流に流れ着いた〜なんて、どんなギャグよ?」
お燐
「ま…言わんとしてる事は分からなくないけどさ」
(しっかし面倒な事になったね…話の内容が振り出しに戻ったかと思ったら、もっとややこしい方向にねじ曲がり始めたぞ…)
雛「それで、にとりはどうするの?このまま放置?」
お燐
「いや、あたいが河童のアジトまで運ぶよ」
雛「そうしてもらえると助かるわ」
お燐
「んじゃ、ご協力ありがとね」 ガシッ
グッ…!
ガラガラガラ…
雛への事情聴取を終えたお燐は、にとりを載せた引ぐるまを引っ張って現場を後にした。
『おい、あの妖怪…死体をどこかへ持っていくぞ?』
『きっとあのまま放置してもマズいから、どこかに片付けるんじゃないか?』
『あるいは河童の住処に持っていくんだろ』
『何はともあれ…俺達もあんな事に巻き込まれないように注意しないとな』
『『うんうん』』
文「(ジーッ…)ふむふむ、にとりさんが何者かの襲撃を受けて死体となり、下流へ流れ着いた…ですか(カキカキ)この事件、どうやら裏は深そうですねぇ♪」 ニヤニヤ♪
文々。新聞のネタ探しに奔走している文。偶然にとりの水死体発見現場に居合わせており、今回の事件を新聞のネタにしようと動き出し始めていた。