ザッザッ…
一輪
「こりゃまた…小傘の奴、ド派手にやらかしてくれたな?」
(フルフル…)
一輪
「『小傘も相変わらず面倒を起こしてくれる』…ね。それについては私も同意するわ。まあいいや、さっさと小傘が荒らした墓石を元に戻しちゃいましょ。大きな墓石は頼むわ、雲山」
雲山
(グッジョブ!)
現在命蓮寺裏の墓場では、小傘の悪戯によって荒らされてしまった墓を一輪と雲山は元通りに戻す作業に勤しんでいた。
一輪
「さてと…残りはこの大きな墓石だけか…。雲山、頼むわ」
雲山
(ガシッ!)
一輪
「ゆっくり、慎重に」
雲山
(ググ…!)
ズゴゴゴゴ…
一輪
「もう少し、もう少しだけ力を加えて」
雲山
(グググ…!!)
ボコッ!!
一輪
「よし!墓石が持ち上がったわ!そこに戻すだけ。ゆっくり…ゆっくりよ」
雲山
(ソローリ…)
ズシンッ…!!
一輪
「よし!いっちょ上がり!」
雲山
(フイー…)
一輪
「ありがとう、雲山」 スッ…
雲山
(ニカッ!) スッ…
パァンッ!
・ハイタッチ
長年苦楽を共に過ごしていたのは伊達ではなく、見事に墓石を傷一つ付けることなく元の場所へ戻す事に成功。最後の難関も、阿吽の呼吸が如く息のあったコンビネーションで無事に完遂。
一輪
「さて…荒らされた墓が元通りに出来たのは良いけれど…」 キョロキョロ…
オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ…
一輪
「なんだか、随分と霧が濃くなってきた気がするわね…雲山はどう思う?」
雲山
(コクコク)
一輪
「やっぱり雲山もそう思うわよね…」
星(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…)
小傘
(グスン…)
星「小傘…私も聖も何度も何度も注意したはずですよね?墓場で遊ぶんじゃないと」
小傘
「はい…」
星「それなのに貴女は…また墓場で遊ぶだけでは飽き足らず、墓石まで倒すとは…
「「何をしてくれているんですかぁっ!!」」
小傘
「ごめんなさいぃぃぃっ!!!」
多々良小傘、ただいま毘沙門天代理にお説教されなう。
星(ガミガミガミガミ!!!)
小傘
(ピェェェェェェッ!!)
聖「小傘も最近はあんな悪戯はしていなかったので安心しきっていたけれど…やっぱりまだまだ警戒の目は光らせていた方が良いかしら…?」
霊夢
「…(汗)」
星「ごめんなさいは!?」
小傘
「ご、ごべんなざい…(泣)」 ペコリ
星「よし!」
聖「説教は終わったかしら?私はやる事が残っているから戻っているわね」
星「はい聖」
聖(スタスタ)
霊夢
「!」
カララッ
パタンッ
霊夢
(聖が動いた…本当はあいつの後を追うべきなのかもしれないけど、そんな事をしたら私が怪しまれる…か)
星「まったく…最近の貴女は真面目な日々を送っていたと思っていたのに、どうしてこうも同じ過ちを…」
小傘
「だ、だって〜…」
星「だってじゃありません!言い訳は聞きませんからね!」
小傘
「うわーんっ!?(泣)」
霊夢
(小傘の悪戯は単独行動…しかも前までは常日頃から行っていた悪戯だから、いつまたやらかしても周りに怪しまれる可能性はかなり低い…つまり反獄王にとっては利用価値が高い…本命と言っても過言はないわね。そして…) チラ…
星「墓というものは様々な念などがこもっている場所です。やたらむやみにそんな悪戯をしては、墓の中で眠っている方達も安らかに眠れません!つまり墓石というものは、気軽に踏みつけてはいけないものなのです!」
霊夢
(星の正論を言うだけの簡単な役目、それっぽい事を並べておけば誰で真似出来る。そもそも命蓮寺の連中は前まで地底世界で眠っていた…ということは命蓮寺の連中がどんな性格なのか、反獄王も知っている可能性は高い。何より…私が命蓮寺の連中を疑っているから、そう易々と動いたりはしないか…)
星「霊夢?」
霊夢
「な、なに?」
星「先程から神妙な面持ちですが…どうかしましたか?」
霊夢
「いや…小傘って鍛治の腕が凄く良いから、そっちのイメージばっかりが強く前面に出てたんだけど、まさか裏ではあんな
小傘
(ガーンッ!?)
星「お、お恥ずかしい限りです…」 ペコリ
霊夢
「あはは…」
(とりあえず…ボロが出ないようにこっちも静かにしてる他ないわね。あとは…魔理沙達が上手くやってくれる事を祈るしかないかしらね…)
ヒュオォォォォォォォォォォォォォォォォッ…
文(カキカキ…)
魔理沙
「未だに大した動き無し…か。さっきのバカでかい音も、小傘の悪戯ってオチだったし…。てか本当に反獄王の奴は命蓮寺に居るのかよ?このままじゃ霊夢の予想が外れそうだぜ」
文(ピクッ…)
魔理沙
「こんな所で退屈な時間を過ごすくらいなら、はたての所に戻って何か情報を掴んだか聞いてみた方が早いかもな」
文(キョロキョロ…)
魔理沙
「おい文、聞いてるのか?」
文「…」
魔理沙
「おい文!」
文「あややぁ…?これは…ちょっとマズいですね」
魔理沙
「は?マズいって何がだよ?」
文「…魔理沙さん、もしかしたら私達は、敵を罠に誘い込むつもりでいたけれど、逆に
魔理沙
「…は!?それってどういう意味だ…?」
文「まあ論より証拠です。実際に見てもらう方が早いですね」 ヒョイッ
魔理沙
「その石ころで何するんだ?」
文「とりあえずこの石ころさんに文と書きます」 キュキュッ
魔理沙
「おん」
文「そしてこの石ころさんを…」 バッ!!
魔理沙
「??」
文「思い切り投げ飛ばしまぁす!!」 ブォンッ!!
ビシュッ!!!
魔理沙
「投げ飛ばしたぁぁっ!!?」
文「あの石ころさんをよく見ててください!」
魔理沙
「へ!?お、おう!」
キィィィィンッ!!!
ボフンッ…
魔理沙
「んあ?なんか石ころが空中で止まった…?」
文「…」
グググ…
文「…来ます!」
魔理沙
「は?」
ボッ…!!
ギャンッ!!!
魔理沙
「なにっ!?」
文「はっ!!」
バシィッ!!!
文「…と、言った感じです」
魔理沙
「今の…投げ飛ばした石ころが…何かに弾き返されたって感じだったよな…?」
文「…恐らくは、何かしらの結界だと思われます」
魔理沙
「け、結界!?そんなの…一体何の為に…!」
文「考えられるのは2つ。1つは聖さん自身が張った結界、2つ目は…」
魔理沙
「反獄王が張った結界…ってわけか?」
文「はい…もしこの結界が後者の説だとしたら、私達は反獄王の事をまだまだよく知らなかったという事になります。私達は反獄王が相手に取り憑ける能力を持っているのは知っていましたが、それ以外に何が出来るのかは知りませんでしたからね」
魔理沙
「な、なぁ…仮に聖が張った結界だったとしたら、聖の目的はなんだ?」
文「もしかしたらですが…聖さんも反獄王の存在に気付いた、というのが濃厚な説ですかね?」
魔理沙
「じゃあ仮に反獄王の場合は…」
文「命蓮寺に居る者達全員を始末する為に誰1人ここから出さない…という可能性ですかね」
魔理沙
「どちらにしても(ガクッ)やられた…!」
「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」
魔理沙・文
「「!?!?」」
突然、命蓮寺が悲鳴が聞こえてきた…