華月麟の幻想記・Ⅱ   作:華月麟

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本当の第九被害者〖幽谷響子〗

「「反獄王は今、響子に取り憑いている…!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タタタッ!!

 

 

キキーッ!!

 

 

(こ、この霧はなんだ…!?門から出たはずなのに、いつの間にか寺の境内に戻されている…!)

 

 

スタッ…

 

 

「「あらあら、僧侶がお勤めを放り出してどこへ行こうというのかしら?」」

 

 

響子

(バッ!)

 

さとり

「そんなに慌てて、どこへ行こうとしているのですか?響子さん」

 

響子

「さ、さとり様?」

 

さとり

「…」

 

響子

「お、お寺の中は反獄王のせいで次々と被害者が出ているんです。逃げ出さないと私も巻き込まれてしまいます。だから…」

 

さとり

「そうね、確かに反獄王はこの寺の中に居るわ。でも…命蓮寺の一員でもある貴女が、命蓮寺の皆を見捨てて逃げおおせるとは考えにくいのですが…響子さん?いや…」

 

 

「「反獄王・宮出口瑞霊」」

 

 

響子

「…!」

 

 

 

『『はぁ…』』

 

 

 

響子(瑞霊憑依)

『てめぇ相手じゃ、誤魔化しなんて効かないかぁ…。やっぱりてめぇは面倒な奴だ…』

 

さとり

「そのセリフ、誉め言葉として受け取っておきます。しかし…ようやく貴女の顔を拝む事が出来た。と言っても…他人の肉体に取り憑いた状態ではありますが」

 

響子(瑞霊憑依)

『私的にはてめぇの面を拝むのはこれで2度目だ。ま、1度目は不意打ちで無力化した時だがな』

 

さとり

「その節はお世話になりました。ですが今回は違います」

 

響子(瑞霊憑依)

『今回は違う?いいや…今回も違わない。てめぇ1人では私には敵わない。それは迷いの竹林内で実証済みだ』

 

さとり

「確かに…私はあの時、いきなりの不意打ちを受けて成す術無くやられたわ。でもそれは…こちら側が何(・)の(・)策(・)も(・)講(・)じ(・)て(・)い(・)な(・)い(・)時(・)の話よ」

 

響子(瑞霊憑依)

『あ…?策だと?ハッ…そうか!この寺にたちこめている妙な霧…これはてめぇが仕掛けた罠ってわけか。私をここに閉じ込め、てめぇが連れて来たであろう仲間と共に私を捕らえる為に…』

 

さとり

「…」

(相変わらず…察するのが驚くほど早いわね…。でも…あとはこちらの作戦が上手くいけば全て事は丸く収まる…)

 

響子(瑞霊憑依)

『くくく…私は、まんまとしてやられたわけか…こりゃ一本取られたな』

 

さとり

「今の貴女に退路は無いわ。何処にも逃げられやしない…逃げようとしたところで、永遠にこの寺の中へと引き戻されるだけよ」

 

響子(瑞霊憑依)

『そうだなぁ…このままでは、私は無様に捕まるだけ。だが…このまま大人しく掴まる程、私は愚かではない!』

 

さとり

「なら…どうするつもりかしら?永遠に抜け出す事の出来ないこの牢獄から…どうやって抜け出すつもりかしら?反獄王」

 

響子(瑞霊憑依)

『ふふふふふ…この反獄王・宮出口瑞霊を舐めるなよ…!』 ズァァァァァァァァァァァァッ…!!!

 

さとり

「…」

(やはりそう来るか…それも想定済み)

 

響子(瑞霊憑依)

『退路が無いというのなら…!』 ドゥッ!!

 

さとり

「…」

 

響子(瑞霊憑依)

(グァッ!!)

 

 

 

『『自らの手で退路を作りだけだ!!!』』

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