バチバチバチッ…!!
依姫
「…」
麟「神降ろしの能力とフルパワー形態の併用か…。で?俺は神の事はよく分からないから、どんな神を降ろしたのかだけ説明をくれるか?」
依姫
「はいっ!豊受大御神と薬師瑠璃光如来の二神の力を降ろしました。豊受大御神は本来、御神徳の神でもあり、心身の健全と感覚器の守護を司る神ですが…その力を戦闘用に変え、心身の強化と感覚器の感度を上げました。薬師瑠璃光如来は健康と長寿の神ですが、こちらはその力を使ってフルパワー形態使用後の反動を少しでも軽減させる為の緩衝材のような役割をさせています」
麟「なるほどな…豊受大御神で身体と感覚器の強化をして、その反動を少しでも軽減させる為に薬師瑠璃光如来の加護で抑え込もうってわけか…。依姫にしちゃだいぶ考えたな?」
依姫
「ぶっつけ本番に近いですが…これなら少しは師匠と対等に戦えると思いまして!」
麟「悪くはない…悪くはないが、その方法はお前にとってもデメリットがデカイんじゃないか?」
依姫
「え?」
麟「ただでさえ使いこなせてないフルパワーに、神降ろしの力を維持する精神力、あまり戦闘が長引けばお前が先にダウンするぞ?あまり実戦向きとは思えないな」
依姫
「ギクゥ!?」
(ぜ、全部お見通しだったーっ!?)
麟「それに…お前は少し自分の能力を過信しすぎだ」
依姫
「わ、私が…能力を過信…?」
麟「神降ろしは確かにすごい能力だ…でも、それは相手が神降ろしを使えるお前に着いていけないレベルの話だ。あの時の霊夢も、聞きかじった程度の神降ろししか使えなかったから依姫に負けたんだ。だが…相手が
依姫
「た、確かに…あの2人には神降ろしは焼け石に水と言っていい程ですものね…」
麟「その時、最後に頼れるのは己の純粋な戦闘力だけだ。いいか?最後にものを言うのは己の能力じゃない、己自身が鍛え上げた純粋な戦闘力のみだ」
依姫
「な、なるほど…?」
麟「…その感じじゃ、まだ理解出来てねぇな?まあいい…実際にやってみりゃ分かる!」 ザッ…!!
依姫
「…!」 ザッ…!
麟(ギャンッ!!)
依姫
「やはり速いっ…!」
麟(ドウッ!! ギャンッ!!)
ギギュウゥゥァァァァァァァァッ!!
依姫
(それでも…なんとか師匠の動きを追えて…!)
麟「…加速!」 ギャウゥゥゥッ!!
ギュンッ!!
依姫
「っ…!?」
(さ、さっきよりもさらに速く…!?)
ビッ…!!
ギャンッ!!
ギュウゥゥゥァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!
麟「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
依姫
「し、師匠の動きが捉えられない…っ!」
最初こそ依姫は麟の動きを目で捉える事が出来ていたが、彼が更に力を開放して移動速度を上げた事で、せっかく神降ろしによって強化した身体能力が意味が無くし始めていた。
ガギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!
麟「おらおらどうした!?神降ろしで身体強化をしたくせに、俺の動きに着いて来られないのか!」
依姫
「く…っ!?」
麟(ビッ…!!)
依姫
「き、消えた…!」
ザザッ…!!
依姫
「(ピクッ…!)…そっち!」 グルッ!!
麟「感知するのが遅いっ!」 ギリギリ…!
依姫
「あっ…!?」
麟「だあっ!」 ビュオッ…!!
ズンッ…!!!
依姫
「ごあ…っ!?」
麟「…」 ググ…
メリメリ…
麟が眼前から姿を消し、自分自身の背後から微かな音を察知したので依姫はすぐさま視線と身体の向きを背後へ向けたが…時すでに遅し。彼はとっくに攻撃の一手を放った直後だった。そして放たれた一撃は依姫の腹部に、強く、重く、深く叩き込まれた。
麟「…」
ズル…
依姫
「ごはっ…!」 ザッ…
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ…
麟「…」
(今の1発で変身と能力が解除されたか…)
その一撃は依姫にとってはあまりにも重すぎた。
麟の鋭く重い一撃を食らった依姫は、そのあまりにも大きすぎるダメージに膝をついてしまった。しかも先ほどの攻撃によって依姫のフルパワー形態の変身は解け、神降ろしの能力も解除されてしまった。
依姫
「た、たった1発で変身と神降ろしが…!」 ガクガク…
麟「言っただろ、お前は能力を過信し過ぎだと。それにその形態と神降ろしの併用は実戦向きとは思えないとも言ったはずだぞ」
依姫
「し、師匠は最初からこうなるとお見通しで…」
麟「まあ…なんとなくではあるが、多分一方的な結果になるなとは思ってたよ」
依姫
「や、やはりそうでしたか…」
麟「相手の動きに着いて行く事で大切なのは、気の強さや気の動きを感じ取って相手が次にどう動くのかを常に先読みする事だ。お前はまだそれが完璧には出来てない、だから俺の動きを目で追うしか出来ないんだ」
依姫
「な、なんとなくですが…自分でも分かっていました…。神降ろしを使っても、全然師匠の動きを捉えきれないという事に…未だに自分の目頼りで師匠の動きを追おうとしていた事に…」
麟「まあ…相手の気を感じ取るのはそこまで難しいもんじゃない。常に精神を落ち着かせて、相手の気を探知し続けるだけだ。まあ…今のお前にはそれが難しいんだろうけど…」
依姫
「は、はい…」
麟「日頃の生活で、常に相手がどこに居るのかをすぐに察知出来るようになれば、少しはマシになるんじゃないか?」
依姫
「ぜ、善処します…」
麟「精進せい」
依姫
「は、はい…」
(それにしても…師匠に少しでも近づこうと試行錯誤して編み出した方法だったのに…師匠には1㎜も通じなかった…)
今回の手合わせで、依姫は改めて自分の至らぬ点を痛感した。それと同時に…
〖自分の憧れは遥か遠い境地に立っている〗
という事も理解し、少し悲壮感に飲まれていた。
依姫は麟みたいになれる日が来るのか?
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来る!
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来るの…かなぁ?