華月麟の幻想記・Ⅱ   作:華月麟

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最初は〖呪い〗って題名にしようか迷ったけれど、各方面を怒らせそうだから呪縛にしました☆


稗田家当主代々に受け継がれる不運の呪縛

~稗田家の屋敷~

 

 

ザザッ…!!

 

 

霊夢

「つ、着いたわよ…!」

 

小鈴

「はぁ…はぁ…はぁ…ケホッ…!」

 

麟「はぁ…はぁ…はぁ…阿求…!」 バッ!

 

コンコンコンッ!

 

3人は息を切らしながら稗田家の屋敷に到着。阿求がどんな容態に陥っているのかが分からない為、3人共気が気ではない。

 

麟「誰でもいいから早く出てきてくれ…!」

 

コンコンコンッ!

 

ガララッ…!!

 

霊夢・小鈴

「「…!」」

 

『はい、どちら様で…こ、これはこれは…華月様に巫女様に本居様…!?』

 

麟の必死なノックに、稗田家の従者でもある婆やが応答。突然扉を開けたら博麗の巫女、華月麟、阿求の友人・小鈴、こんなトリオが息を切らしながら立っていたら驚くのも無理はない。

 

麟「よ、よう婆や?」

 

『皆様、本日は一体どのようなご要件でしょうか?生憎、阿求様は今…皆様に会える状態ではありませんので…どうかお引取りを…』

 

麟「そうは行かない、俺達は阿求の友人だぞ?今の阿求がどういう状況なのか知る権利は持ち合わせているはずだ!」

 

『し、しかし…今の阿求様は…』

 

霊夢

「迷惑をかけるつもりはないわ…。だから…阿求に会わせてちょうだい…!」

 

小鈴

「お願いします!」 ペコリ

 

『…では、あまり大事にしないでとだけお願いしたいのです。よろしいですね?』

 

麟「おう…!」

 

『では…どうぞお上がりください』

 

麟「よし…!」 ズカズカ

 

霊夢

「お邪魔するわよ…!」 スタスタ

 

小鈴

「お邪魔します…!」 スタスタ

 

婆やの拒否言葉を押し退け、阿求の容態を確認する為に3人は屋敷の中は入り、阿求の元へ向かう。

 

 

~稗田阿求の部屋~

 

 

コンコンッ…

 

 

「はい…?」

 

 

『阿求様、ご友人様達がご来訪です…』

 

 

「通してあげて…」

 

 

サーッ…

 

 

麟・霊夢・小鈴

『阿求…!』 バッ…!

 

鈴仙

「しー…!静かにしてちょうだい…!」

 

麟「鈴仙…!?」

 

霊夢

「あんたが屋敷に居るってことは…」

 

 

永琳

「…」

 

ピト…ピト…

 

阿求(稗田(ひえだの) 阿求(あきゅう))

「…」

 

 

阿求の部屋に押し入ると、一足先に鈴仙と永琳が阿求の容態を調べる為に屋敷へ訪れていた。

 

霊夢

「やっぱり…」

 

小鈴

「永琳さんが聴診中だったんですね…」

 

麟「鈴仙…阿求の容態は?」

 

鈴仙

「今、お師匠様が診てる最中です」

 

『では…私はこれで』

 

サーッ

 

バタンッ

 

永琳

「ふぅ…なかなかに難しいわね…」 カキカキ…

 

鈴仙

「師匠、阿求さんの容態は…」

 

永琳

「こんな症状は初めてだわ。流石の私も手を焼きそう…(チラッ)って、麟に霊夢に小鈴ちゃんじゃない?3人共どうしたのかしら?」

 

霊夢

「小鈴ちゃんから阿求の容態が危篤だって聞かされて…急いで来たのよ」

 

阿求

「皆さん…稗田家の屋敷にいらっしゃいま…ケホッ…ケホッ…!!」

 

小鈴

「阿求…!」

 

阿求

「小鈴…あれだけ霊夢さん達には言わないでって…」

 

小鈴

「バカ…!もしかしたら妖怪のせいっていう可能性もあったから連れて来たのよ…!」

 

阿求

「ほんと…お節介なんだから…」

 

麟「永琳さん、阿求の容態はどうなんだ?」

 

永琳

「今聴診をしてみたけれど、身体が弱りきっていると言う他にないわね。ただ…問題があるとするから、何が原因で阿求の身体が蝕まれているのかが分からないって所かしら…」

 

小鈴

「嘘…!?」

 

麟「マジかよ…」

 

鈴仙

「師匠でも原因が、分からないんですか…?」

 

永琳

「ええ…下手に薬を調合して飲まれたとしても、その薬が逆効果をもたらしてしまう可能性があるわ。下手に薬の調合が出来ないわ…」

 

霊夢

「あんたがそこまで言うって事は…月に居た時には見た事が無いって事かしら?」

 

永琳

「ここまで私が原因を特定出来ないのは初めてよ」

 

麟「阿求…大丈夫かよお前…」

 

阿求

「ケホッ…ケホッ…し、心配する事はないですよ麟さん…。きっとこれは、稗田家当主に代々受け継がている呪縛(ジンクス)ですから…」

 

麟「…呪縛?」

 

阿求

「稗田家当主は皆、齢30以上までは生きられないという呪縛があります…。どうやら私も、その時が来たかもしれないというだけの事です…。だからこの症状は病気でも妖怪の妖気のせいでもなく…いつかは私の身に訪れる宿命ですよ…」

 

小鈴

「な、何言ってるのよ阿求…!?貴女はまだ20歳にもなってないのよ…!?」

 

永琳

「なるほど…稗田家代々に受け継がている呪いみたいなものなのかしら…?」

 

鈴仙

「ちょっと師匠…!流石にそれは失言ですよ…!」

 

永琳

「あ、ごめんなさい…!?」

 

阿求

「構いませんよ…稗田家代々の当主は皆、これを呪いと表現している事もあったそうなので…」

 

霊夢

「永琳、どうにかして進行を遅らせる薬とかは出来ないの…?」

 

永琳

「病の進行を遅らせるならまだしも…呪縛の進行を遅らせる薬なんて、私には無理よ…!?そんな薬の調合はした事もないわ…」

 

阿求

「気にする事はありません…いずれは私の身に訪れる運命が、今訪れただけなので…」

 

小鈴

「何を言ってるのよ阿求…」

 

麟「…」

 

突如阿求の身体を襲った謎の症状は、稗田家当主代々に受け継がれている回避不能の呪縛の可能性が大いにある事が阿求の口から打ち明けられた。

 

下手に永琳調合の薬を服用したところで、症状が和らぐどころかかえって悪化させてしまう可能性がある為、永琳の頭脳を持ってしても阿求の容態を快方に向かせられる方法が思い浮かべられない状況に陥ってしまった。

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