ドラム王国の古城。ロックスのスパイを廃人同然に追い込んだアレンの冷徹な姿は、死神海賊団の面々に強烈なインパクトを残していた。特に、見聞色で感情をダイレクトに受信してしまうエリスへのダメージは深刻だった。
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アレン「……あ、エリスさん。おはようございま……」
廊下でアレンが声をかけると、エリスはビクゥッ! と肩を震わせ、手に持っていたいちごオレ(代用品)を零しそうになった。
エリス「D-Don't touch me! 近寄らないでよ、この歩く拷問器具! 最低!」
アレン「……いや、挨拶しただけじゃないっすか。それにまだ俺、何もしてねぇし」
エリスは頬を赤らめ、泳ぐような視線でアレンを見る。
エリス(My heart tells me... 今のアレンの心は、ただの『だるい』と『お腹空いた』だけ……。なのに、昨日のあの冷たい瞳がフラッシュバックして……なんか、変にドキドキする……!)
エリス「な、何よその顔! 私をそんな目で見て……まさか、私のこともあんな風に『調教』しようとか思ってないでしょうね!?」
アレン「思ってねぇっすよ! どんな被害妄想っすか!」
アレンが半歩踏み出すと、エリスは「ひゃんっ!」と声を上げ、Jカップの胸を揺らしながらバタバタと走り去っていった。
アレン「……あー、だっる。俺、嫌われたんすかね、マキナ様」
背後で見ていたマキナは、クスクスと珍しく楽しそうに笑った。
マキナ「いや……嫌われているにしては、あいつの顔は赤すぎた。放っておけ、あれはあれで良い訓練だ」
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その後、一行は押収した「神の果実」のサンプルを囲んでいた。
禁忌の書物に記された「数千の命の苗床」というおぞましい説明とは裏腹に、目の前にある果実は、驚くほど真っ赤で瑞々しく、そしてどこか可愛らしい形をしていた。
リース「……ん。これ、昨日までの禍々しいオーラが消えてる。……代わりに、すっごくいい匂い」
リースが鼻をひくつかせる。
ユリナ「ほんまや。これ、完全に完熟した果物の匂いやん。……シズ、これ毒とかはないんか?」
ユリナの問いに、シズはプラプラの実の能力で成分を解析し、不思議そうな顔をした。
シズ「……えっと、不思議です。悪いエネルギーは一切感じません。むしろ、細胞を活性化させる糖分とビタミンが、異常なほど凝縮されていて……」
アレン「……あー、もう、まどろっこしいっすね。毒見なら俺がやるっすよ」
アレンは「どうせ死なねぇし」というだるそうなノリで、ひょいと果実を口に放り込んだ。
エリス「Wait! アレン、あんた馬鹿なの!?」
エリスが叫ぶが、もう遅い。アレンは咀嚼し、ごっくんと飲み込んだ。
全員が固唾を呑んで見守る。アレンの体が変異するのか、あるいは再び「戦闘狂」が目覚めるのか――。
アレン「………………。……あ、これ、**イチゴ味**っすわ」
「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」
アレン「マジっす。しかも、前世で食った最高級のあまおうより美味い。甘酸っぱくて、クリーミーで……あ、これエリスさんが好きそうな味っすね」
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その時だった。
城の天井、隙間風が吹き込む屋上の通気口から、一枚のピンク色の紙がひらひらと舞い落ちてきた。
その紙には、キラキラしたシールと、あまりにも軽薄で見覚えのある丸文字が踊っていた。
『死神海賊団のみんなぁ~! お疲れサマンサ!「神の果実」の正体、怖かった? あれ、嘘だよぉ~ん!エリスちゃんが仲間になったって聞いたから、彼女の大好きな**「無限イチゴ」**を栽培できるように、私がちょっと歴史を改竄して手配してあげたの☆ 命の苗床とかいう設定は、ロマンがあっていいでしょ?
これからは船で美味しいイチゴ食べ放題だよ! 感謝してね!
p.s. アレンくん、エリスちゃんのJカップ揉めた? まだなら頑張って! by 女神様より』
「「「「「「「「「ふざけんなよ、あのクソ女神ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」」」」」」
全員の怒声がドラム城を震わせた。
マキナの覇王色が思わず漏れ出し、壁にヒビが入る。
マキナ「……我々の緊張感と、あのスパイへの拷問は、一体何だったのだ……」
ユリナ「ウチ、あいつだけはマジで許さへん……。人の一生懸命な献立作りを、イチゴ栽培のチュートリアルに使いよって!」
ユリナが包丁を床に突き立てる。
リース「……ん。……私の最高傑作のサウナ特訓も、あの女神の掌の上だったと思うと……ムカつく。アレン、あとでまたサウナ」
アレン「いや、俺関係ねーし! 被害者っすから!!」
そして、当のエリスはというと。
自分のために「イチゴ」が用意されたという事実に、怒りと、恥ずかしさと、そしてほんの少しの(絶対に認めたくない)喜びで感情がぐちゃぐちゃになっていた。
エリス「I-I-I... I hate her!! なんて勝手なのよ! 私がイチゴ好きだからって、こんな大騒ぎにして……!」
エリスは涙目で紙を破り捨て、アレンに詰め寄った。
エリス「あんたもよ、アレン! なんでそんな美味しそうに食べるのよ! 私の好きな味だって、知ってたんでしょ!?」
アレン「いや、女神の差し金なんて知るわけないじゃないっすか……」
エリス「My heart tells me... あんた、今『エリスさんにイチゴ食べさせて、機嫌直してもらおう』って考えたわね! 食べ物で私を釣ろうなんて、最低! 最低よ!!」
アレン「……いや、それの何が悪いんすか。……ほら、これ」
アレンは呆れつつも、まだ残っていたイチゴの房を、エリスの口元に差し出した。
アレン「……美味いのは確かだ。……食えば、少しは落ち着くんじゃないっすか?」
エリスは「Don't touch me...」と弱々しく呟きながらも、アレンの手から差し出されたイチゴを、はむっ、と小さな口で食んだ。
エリス「…………っ……。……Really, good.」
あまりの美味しさに、エリスのシアン色の瞳がトロンと蕩ける。
エリス「……悔しいけど、最高に美味しいわ。……あんたのせいで、嫌いになれないじゃない……馬鹿。」
エリスの顔が、イチゴよりも真っ赤に染まる。
その様子を見て、ライカがニヤニヤしながら割って入った。
ライカ「おっ、いい雰囲気じゃん! さすが女神公認のカップル! さぁアレン、女神様の追伸通り、エリスちゃんのJカップに突撃だぁー!」
アレン「させるかぁ!!」
吹雪のドラム王国。
「神の果実」という名の「女神の悪ふざけ」によって、死神海賊団の絆(とアレンの受難)は、また一つ深まったのであった。
アレン「……あー、だっる。……でも、まぁ。イチゴオレ、作ってやるっすよ、エリスさん」
エリス「……サンキュー。……あんたは特別に、一口だけ飲ませてあげてもいいわよ。……感謝しなさいよね!」
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