砂漠の地平線の彼方から、巨大な王宮を抱く円形都市アルバーナがその姿を現した。
アレンが操る『ヘカテ・ランナー』は、もはや砂塵を巻き上げる「黒い流星」と化していた。
アレン「……見えてきたっすね。あれがアラバスタの心臓、アルバーナっすか」
アレンはハンドルを握り直し、隣に座るエリスを一瞥した。エリスは強風とスピードに煽られ、シアン色の瞳を潤ませながらシートにしがみついている。
エリス「Wait! アレン、まさかそのまま突っ込むつもりじゃないでしょうね!? あそこには門番だっているし、正規の手続きを……」
アレン「……エリスさん。俺たちの手配書、見ました? 6500万と8000万の海賊が『ごめんください』って言って門を開けてくれると思います?」
リース「……絶対に無理ね。……ん。……強行突破、推奨」
後部座席でリースが冷静に告げ、狐の尻尾をピクリと動かした。
マキナが後方で槍『灰塵』の石突きを床に打ち鳴らす。
マキナ「アレン、行け。……門も、兵も、王宮の壁も……死神を止める盾にはなり得んことを証明してやれ」
アレン「了解っす。……舌、噛まないでくださいよ!」
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アルバーナの正門前。突然現れた漆黒の鉄の塊に、門番の兵士たちが色めき立った。
「な、なんだあの怪物は!? 止まれ! 止まらねば発砲するぞ!!」
アレン「……あー、だっる。……どいてろって言ってるんすわ!」
アレンの全身から青白い火花が散る。彼はハンドルの代わりに、車体全体を包む磁場を直接脳内で制御し始めた。
アレン「**『ゴロゴロ・リニア・アクセル』!!**」
ドォォォォォォォォォォォォォン!!
大気を切り裂く衝撃波。ヘカテ・ランナーは時速300キロを超える異常な加速を見せ、厚さ数十センチの鉄製の大門を、紙細工のように突き破った。
エリス「ぎゃあああああああ!! 死ぬ! 私、死んじゃうわ!!」
エリスの悲鳴がエンジン音にかき消される。
アレンはそのまま止まらない。階段を、壁を、庭園を、垂直に近い角度でさえ電磁力で吸い付くように走り抜け、王宮の最上階――王の謁見の間があるテラスへと一気に駆け上がった。
バシャアァァァン!!
ステンドグラスと石壁を豪快に粉砕し、ヘカテ・ランナーは王都の静寂をぶち壊して、コブラ王の目の前に着地した。
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粉塵が舞い、静まり返る謁見の間。
若き日のネフェルタリ・コブラは、突然壁を突き破って現れた黒い馬車(?)と、そこから降りてきた異様な集団に圧倒され、椅子から立ち上がることも忘れていた。
コブラ「……何者だ。……刺客か?」
アレンは運転席から降り、だるそうに肩を回した。
アレン「刺客だったら、もうあんたの首は飛んでるっすよ。……王様」
続けてマキナが悠然と歩み出る。その覇王色の覇気がわずかに漏れ出し、周囲の近衛兵たちが膝を突く。
マキナ「……ネフェルタリ・コブラ。この国を襲う『砂のネズミ』の掃除をしに来た。……死神に、少しばかり時間を割いてもらおう」
コブラ「……死神、だと……」
コブラは冷や汗を流しながらも、王としての気品を保ち、アレンたちを見据えた。
コブラ「海賊が、我が国のために掃除を申し出ると? 笑わせるな。何が目的だ」
アレン「目的は一つっすよ。……この『偽造書類』と、この国の裏側で動いてる連中の正体を、あんたに叩きつけることっす」
アレンが廃村で奪ったバロックワークスの指令書を床に放り投げた。
アレン「あんたが雨を奪ってるって噂、あれ、人為的に作られたデマ
っす。……信じる信じないは勝手っすけど、俺たちはもう、その証拠を見てきた」
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コブラが震える手で書類を拾い上げる。そこには、王宮の印章を模した、しかし巧妙に偽造された「ダンスパウダー発注書」の雛形があった。
コブラ「……これが真実だと言うのか。……我が民を苦しめていたのは、天災ではなく……」
リース「……ん。……そう。……砂漠のネズミが、穴を掘っている。……このままじゃ、国は内側から崩れる」
リースが無機質に告げる。
エリスが少し落ち着きを取り戻し、コブラの前に進み出た。
エリス「Wait. コブラ王……私は、嘘をつく人間かどうかを音で聞き分けられるわ。……あんた、本当に民を愛してるのね。……そんなあんたが絶望に陥るのを、見ていられなかったのよ。……アレンも、口は悪いけど……そのために、こんな無茶苦茶な運転をしたんだから!」
アレン「……おい、エリスさん。余計なこと言わなくていいっすよ」
アレンは照れ隠しに横を向く。
コブラは深く溜息をつき、深く、深く頭を下げた。
コブラ「……かたじけない。……海賊に救われるとは、王として不甲斐ないが。……どうか、力を貸してほしい。……この国に潜む影を、暴くために」
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その時だった。
粉砕された壁の向こう側から、乾いた砂の音が響いてきた。
クロコダイル「……ククク。……王宮にネズミが入り込んだと聞いたが。……まさか同業者の海賊とはな」
謁見の間の中央に、砂が集まり、一人の男の形を成す。
まだ顔に傷のない、しかしその瞳には底知れぬ野心と残酷さを宿した10代の青年。
アレン「……クロコダイル」
アレンが『斬月』を抜き放ち、前へ出る。
リース「……アレン。……あいつ、砂の音がする。……すごく、嫌な音」
リースが警戒を露わにする。
若き日のクロコダイルは、アレンの背後に鎮座する『ヘカテ・ランナー』を見て、鼻で笑った。
クロコダイル「……面白い玩具に乗っているな、小僧。……だが、砂漠の王はこの俺だ。……死神を気取るなら、地獄へ送ってやろう」
アレン「……あー、だっる。……18歳のガキが、王様に喧嘩売るなんて100年早いっすわ」
アレンの全身から漆黒の稲妻が溢れ出す。
アレン「……マキナ様、ここは俺がやってもいいっすか?」
マキナ「……許可する。……その生意気な砂、ガラスに変えてしまえ」
王宮の最上階。
転生した死神アレンと、未来の七武海クロコダイル。
歴史を揺るがす、18歳同士の「最悪の世代」の激突が、今ここに幕を開けた。
アレン「**『2000万ボルト・放電(ジャミング)』!!**」
アレンの雷撃が、王宮を震わせる轟音と共に放たれた。
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