ONE PIECE 死神伝   作:ぐちロイド

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第33話  三つ巴の空域歴史の特異点

ウォーターセブンの青い海を眼下に見下ろし、新生ヘカテ号は雲海を切り裂いて突き進んでいた。高度数千メートル。本来ならば鳥と雲しか存在しないはずのこの絶対領域で、アレンは操縦席に深く腰掛け、計器類をチェックしていた。

 

アレン「……あー、だっる。空の旅は快適っすけど、常に電力を供給し続ける俺の身にもなってほしいっすわ」

 

リース「……ん。……アレン、文句言わない。……お前の電力は、この船の血液。……止まれば、全員で海へ真っ逆さま。……責任重大」

リースがアレンの隣で、無機質な瞳をモニターに向けている。

 

アレン「わかってますよ。……お、そろそろシャボンディ諸島が見えてくるはず……」

 

アレンがそう言いかけた時、エリスが血相を変えてブリッジに駆け込んできた。

 

エリス「Wait!! アレン、マキナ様! 見聞色が、とんでもない『音』を拾ったわ! 空を飛ぶ巨大な塊が……猛スピードでこっちに向かってきてる!」

 

アレン「巨大な塊? ……空島っすか?」

 

マキナ「……いや。……島ではない。……『艦隊』だ」

 

マキナが立ち上がり、槍を手に取って展望デッキへと歩み出る。

 

水平線の彼方、雲を押し除けて現れたのは、巨大な舵輪を頭に刺した男が率いる、数十隻もの浮遊艦隊だった。

 

---

 

 

シキ「……ジハハハハ! 面白い船を見つけたもんだ! 科学の力か知らねェが、俺の許可なく空を飛ぶ不届き者がいるとはなぁ!」

 

空中にあぐらをかき、葉巻をくゆらせながら浮遊する男――ロックス海賊団の幹部であり、空の支配者、「金獅子のシキ」。まだ若く、その野心は天を衝くほどに鋭い。

 

アレン「金獅子のシキ……! ロックスの本隊と当たる前に、厄介な奴が出てきたっすね」

 

アレンが窓越しにシキを睨む。

 

マキナ「……アレン、落とせ。空の王者は二人もいらん」

マキナの冷徹な号令。

 

アレン「了解っす! **『ヘカテ号・対空電磁砲(レールガン)』始動!!**」

 

アレンが船体回路に過負荷(オーバーロード)気味の電力を叩き込む。船首から放たれた巨大な雷の槍が、シキの旗艦をかすめ、背後の雲を数キロにわたって消し飛ばした。

 

シキ「ジハハハ! 威勢がいいじゃねェか! だがな、空で俺に挑むのは100年早ぇんだよ! **『獅子威し・地巻き(ししおどし・じまき)』!!**」

 

シキが腕を振るうと、周囲の雲と浮遊させていた岩塊が巨大な獅子の形を成し、ヘカテ号を上下左右から飲み込もうと牙を剥いた。

 

ライカ「させるか! **『カゼカゼ・大旋風』!!**」

 

ライカが甲板へ飛び出し、気圧を操作して獅子の形状をバラバラに散らしていく。

 

リース「……ん。……敵艦隊、包囲網形成。……アレン、最大出力。……海を割ったように、空を割る」

 

アレン「言われなくても! **『空翔・雷神の咆哮(トール・キャノン)』!!**」

 

ヘカテ号が蒼白い光に包まれ、正面の浮遊艦を次々と雷撃で撃沈していく。空中で爆発する船。炎と煙が雲を赤く染める。

 

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シキとヘカテ号が空の覇権をかけて激突し、大気が悲鳴を上げていたその時。

戦場の真下に、もう一隻の船が、信じられないほどの「覇気」を纏って割り込んできた。

 

その船は、空を飛んでいるわけではない。だが、巨大な波を操り、シキの能力で降り注ぐ瓦礫をすべて弾き飛ばしながら、戦場の真ん中へと躍り出た。

 

ロジャー「……おいおい、派手にやってるなぁシキ! 空が壊れちまうぞ!」

 

豪快な笑い声。麦わら帽子を被り、口ひげを蓄えたその男――**ゴール・D・ロジャー**が、オーロ・ジャクソン号の船首に立っていた。

 

シキ「……ロジャー!? なぜ貴様がここにいる!」

 

シキが不機嫌そうに顔を歪める。

 

ロジャー「いやぁ、空から火の粉が降ってくるもんでな! 黙って見てられなかったんだわ。……それに、あっちの『空飛ぶ黒い船』。面白い奴らが乗ってるじゃねェか!」

 

アレンはブリッジで目を見開いた。

 

アレン(ロジャー……! 本物っすか。しかも、あの肩にいるのは……)

 

ロジャーの背後には、まだ少年の面影を残す**シャンクス**と**バギー**が、驚愕の表情で空を見上げていた。

 

シキ「……ロジャー。……邪魔をするな。私は今、この死神どもを教育している最中だ」

 

シキが苛立ちを露わにする。

 

ロジャー「教育だと? ジハハハ! 逆だろシキ、お前の方が押されてるじゃねェか!」

 

 

ロジャーが抜刀し、その刀身から漏れ出す「神避」の予兆とも言える覇気が、上空数千メートルの雲を綺麗に真っ二つに割った。

 

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マキナが展望デッキから飛び降り、空中に固定された電磁足場の上に降り立つ。

 

マキナ「……ロジャー。ロックスの首を狙うのは私だ。邪魔立てするなら、お前から先に地獄へ送るぞ」

 

ロジャー「はっはっは! 美人の死神さんだ! 悪いが、俺も忙しくてね。ロックスのジジイには貸しがあるんだわ!」

 

アレン「……マキナ様、状況がカオスっす。金獅子が上で、ロジャーが下。……どっちから料理します?」 

 

アレンが無線越しに問いかける。

 

マキナ「……どちらもだ。アレン、出力を上げろ。この空域の酸素をすべて燃やし尽くすつもりで放電しろ!」

 

アレン「了解っすわ! **『2億ボルト・放電(ジャミング)・極(ゴク)』!!**」

 

ヘカテ号から放たれた全方位への雷撃。

シキの浮遊艦隊が次々とショートし、コントロールを失って落下し始める。

同時に、ロジャーが放つ漆黒の斬撃が空を駆け、シキの獅子を切り裂く。

 

エリス「……My heart tells me... この三つの力、衝突したらこの海域が消えるわ!」

エリスが絶叫する。

 

リース「……ん。……臨界点。……逃げる準備、なし。……真っ向勝負」

リースの瞳が赤く発光する。

 

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空を支配するシキ、海を統べるロジャー、そして未来から来た死神たち。

シャボンディ諸島を目前に控えたこの空域で、後に「伝説」と呼ばれる三勢力が、火花を散らして交錯した。

 

アレン「……あー、だっる! 伝説の英雄だか何だか知らないっすけど、俺たちの旅路を邪魔する奴は、全員2億ボルトで消し炭っすよ!!」

 

アレンの叫びと共に、ヘカテ号は最大加速でシキとロジャーの中間地点へと突っ込んだ。

雷鳴、覇気、そして重力。

三つの力が衝突した瞬間、空が、海が、そして歴史そのものが白く塗りつぶされるほどの衝撃が走った。

 

シキ「ジハハハハ! 来いよ、新時代の死神ども!」

 

ロジャー「はっはっは! やってみろ、小僧!」

 

最強たちの共演。

死神海賊団の真価が、今、伝説の男たちを相手に試されようとしていた。

 

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転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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