シャボンディ諸島、マングローブの根が複雑に絡み合う秘密のドック。ヘカテ号の船内リビングには、ロジャーから贈られた酒の香りと、戦いの後の気怠い空気が漂っていた。
アレンはテーブルに広げられた世界地図と、ロジャーからの「鍵」を交互に見つめ、顎を撫でながら深く考え込んでいた。
アレン「……なぁ、マキナ様。みんな。ちょっと真面目な提案があるんっすけど、聞いてくれます?」
アレンの少し改まった声に、酒を飲んでいたユリナや、リースのメンテナンスを受けていたライカ、そしてソファでくつろいでいたマキナが視線を向けた。
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エリス「提案? あんたが真面目な顔をするなんて、明日は雪でも降るんじゃないの?」
エリスがグラスを置き、首を傾げる。
アレン「……いや、マジっすよ。俺たちは今、ロジャーやシキ、海軍の最高戦力とやり合った。……勝てはしなかったけど、死にもしなかった。でも、それは運が良かった面も大きいと思うんっす」
アレンは地図の「新世界」の先にある一点を指差した。
アレン「俺の記憶が正しければ、歴史が大きく動く『ゴッドバレー事件』まで、あと約4年半ある。……ロックスが滅び、ガープとロジャーが手を組んで世界を救う、あの運命の日までっす」
マキナ「……それがどうした。今すぐ乗り込んで、運命ごと塗り替えてやれば済む話だろう」
マキナが不敵に笑うが、アレンは首を振った。
アレン「今のままじゃ、塗り替える前にこっちが消されるっすよ。……さっきの戦いで分かったはずっす。ロジャーやガープは、まだ底を見せてない。ましてや、その上に君臨するロックス・D・ジーベックは……今の俺たちが束になっても届かない『絶望』そのものっすわ」
アレンは全員の顔を真っすぐに見据えた。
アレン「だから、提案っす。……このシャボンディ諸島を一旦の拠点にして、ここで**三年間、徹底的に修業しませんか?**」
ライカ「三年間!? そんなに長く立ち止まるの?」
ライカが驚いて声を上げる。
アレン「立ち止まるんじゃないっす。……『溜める』んっすよ。俺たちの『卍解』だって、まだ覚えたてで反動がデカすぎる。リースの能力も、船の改造も、まだ伸び代がある。……三年間、この諸島の過酷な環境と、裏社会の猛者たちを相手に実戦を繰り返して、全員が『伝説』を一方的に蹂躙できるレベルまで引き上げる。……新世界に入るのは、その後でも遅くないっす」
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アレンの言葉がリビングに重く響いたその時、キースがひょっこりと部屋に入ってきた。その手には、まだインクの匂いが新しい数枚の紙束が握られている。
キース「……お喋りの最中にごめんねっ☆ でも、これを見たら修業が必要だって、もっと痛感すると思うよぉん」
キースがテーブルの上に手配書をバラ撒いた。
それは、先程の激突を受けて世界政府が発行した、死神海賊団の**最新の懸賞金**だった。
エリス「な……っ!? 何よ、この数字!!」
エリスが悲鳴に近い声を上げる。
* **“女帝” マキナ:懸賞金 12億8000万ベリー**
* **“雷の死神” アレン:懸賞金 9億5000万ベリー**
* **“氷銃の姫” エリス:懸賞金 4億2000万ベリー**
* **“機械の妖狐” リース:懸賞金 3億8000万ベリー**
* **“疾風” ライカ:懸賞金 3億5000万ベリー**
* **“毒蜂” シズ:懸賞金 2億9000万ベリー**
* **“爆炎の料理人” ユリナ:懸賞金 2億8000万ベリー**
* **“影の狂道化” キース:懸賞金 2億5000万ベリー**
エリス「……合計で、40億ベリー超え……。新人(ルーキー)の数字じゃないわね、これ」
ユリナが乾いた笑い声を漏らす。
アレン「……あー、だっる。……政府も本気っすね。9億5000万なんて、新世界の幹部クラスじゃないっすか」
アレンが自分の手配書を見て顔を引き攣らせる。
マキナ「……フン。12億か。ようやく私の価値を少しは理解し始めたようだな」
マキナは自身の額を見て満足げに頷いたが、すぐに鋭い視線をアレンに戻した。
マキナ「……アレン。この数字は『期待』ではない。政府がお前たちを『生かしてはおけない危険因子』と見なした証拠だ。……三年の猶予など、奴らが許すと思うか?」
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アレン「だからこそ、っすよ。マキナ様」
アレンは不敵な笑みを浮かべた。
アレン「この懸賞金で、新世界に入れば四皇(の原型)やロックスに即座に狙われる。……でも、灯台下暗し。海軍本部の目鼻先にあるこの諸島で、死んだふりをして牙を研ぐ。……政府には『伝説の三つ巴で相打ちになって消えた』と思わせておけばいいっす」
アレンは酒を一口飲み、言葉を続けた。
アレン「三年間。……俺はゴロゴロの能力の『覚醒』(※自然系にも覚醒はあるとします!)を目指す。マキナ様は覇気のさらなる高みへ。リースはヘカテ号を自律型兵器へ進化させる。ライカも、ユリナさんもキースも、卍解を呼吸するように使いこなせるようになるまで叩き込む。シズも細胞を活性化の速度などをできるように……エリスさんも、その銃で四皇の首をぶち抜けるようになるまで、俺がマンツーマンでしごいてやるっすよ」
エリス「な……っ! 誰がしごかれるですって!? 最低よ、あんた!」
エリスが赤面して反論するが、その瞳には強い決意が宿っていた。
リース「……ん。……合理的。……私は、この船を『生きた城塞』に作り変える。……アレン、私の実験台になる覚悟、できてる?」
アレン「……それはそれ、これはこれっすけど……まぁ、三年間なら付き合うっすよ」
マキナは立ち上がり、リビングの窓から見えるシャボンディの光り輝くヤルキマン・マングローブを見つめた。
マキナ「……面白い。……三年間、死神が眠りにつくと見せかけて、その実、世界を喰らう顎(あぎと)を育てるか。……アレン、お前の策に乗ってやろう」
マキナが槍を床に突き立て、その衝撃でリビング全体が微かに震えた。
マキナ「これより三年間、死神海賊団は沈黙する! ……だが、三年の後に再び姿を現す時、世界は我々の名を恐怖と共に、神の如く称えることになるだろう。……地獄の修業だ。一人たりとも脱落は許さん!」
皆「「「アイ・アイ・サー、マキナ様!!」」」
死神たちの咆哮が、静かなドックに響き渡った。
懸賞金40億ベリーの首首が、海軍の膝元で「牙」を研ぎ始める。
この三年間が、後に世界を震撼させる「最凶の軍団」を作り上げる聖域となることを、まだ誰も知らない。
アレン「……さぁ、エリスさん。まずは基礎体力からっすよ。この島を泳いで一周してきてもらえます?」
エリス「……やっぱり最低よ、あんたぁぁぁ!!」
アレンの叫びとエリスの絶叫が、修業初日の幕開けを告げた。
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