シャボンディ諸島、第44番ヤルキマン・マングローブの根元に隠されたヘカテ号の船室。
外では修行で疲れ果てたライカやエリスの寝息が聞こえ、リースの機械的な駆動音が時折静寂を切り裂く。
アレンは、全身の筋肉を酷使した後の泥のような眠りの中にいた。だが、意識の底から浮かび上がるように、視界が真っ白な光に包まれていく。
アレン「……あー、だっる。ここ、またあの場所っすか」
目を開けると、そこは何もない純白の空間。そして、目の前には豪華なソファに座り、ポテトチップスを齧りながらスマホ(?)を弄っている見慣れた女神がいた。
女神「よっ、アレン君! 一年半ぶりだね。相変わらず死にそうな顔して修行してるじゃなーい。エリスちゃんへのセクハラ……あ、間違えた、指導も順調?」
アレン「……相変わらず失礼な女神っすね。というか、寝てる時くらい休ませてくださいよ。こっちは明日もマキナ様とのスパーリングが控えてるんっすから」
アレンが溜息をつきながら歩み寄ると、女神は「まーまー」となだめるようにポテトチップスを差し出してきた。
女神「実はね、今日は茶化しに来たわけじゃないのよ。ちょっと信じられないことが起きてね……」
女神がスマホを置き、真面目な顔で背筋を伸ばした。その場の空気が一瞬で、神々しいまでの重圧に変わる。
アレン「……本題、っすか?」
女神「そう。実はね、私の上司……私の上の『上級神』の、さらにその上に君臨する『真級神(しんきゅうしん)』様がさ、アレン君のことをすっごく気に入っちゃったのよ。君のあの『拷問英才教育』と『死神っぷり』、向こうの世界の神々の間でも空前のブームになってるんだから」
アレン「……悪趣味な神様っすね。で、その真級神様が何だって言うんっすか?」
女神は、空中から一冊の黒い封筒と、異様な存在感を放つ「果実」を取り出した。
女神「これをアレン君に渡してくれ、って言付かったの。はい、これ」
アレンの手に渡されたのは、溶岩が冷えて固まったような漆黒のヘタを持ち、果皮は血のように赤く、不気味に脈打つ唐草模様が刻まれたドラゴンフルーツ……**『ドラドラの実(幻獣種モデル:エンシェント・ドラゴン)』**。
アレン「……悪魔の実? 女神さん、あんた知ってるはずっすよね。俺はもう『ゴロゴロの実』を食べてる。二つ目を食べれば、体が跡形もなく弾け飛んで死ぬ。……これ、俺への暗殺依頼っすか?」
女神「ふっふっふ、普通ならね。でもこれは真級神様直々の特別製! その実には彼女が神の権能で細工をしてあるの。二つ食べても魂の器が壊れないように拡張されるから、アレン君なら『最強の龍』と『最強の雷』を同時にその身に宿せるわ。……はい、これ、彼女からの手紙もセットね」
アレンは半信半疑のまま、深紅の果実を脇に置き、封筒を開いた。そこには、美しくも力強い筆致で、この実の真価が記されていた。
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### 【真級女神からの手紙:能力解説】
> *「愛しき死神、アレンへ。貴方の戦い、いつも楽しませてもらっているわ。退屈な神界に刺激をくれたお礼に、私の秘蔵のコレクションを授けるわ。これはただの龍ではない。万物の始原に立ちし、赤い古龍(エンシェント・ドラゴン)の化身よ」*
手紙には、驚くべき「愛称」と「戦術」が書き連ねられていた。
* **ゴロゴロの実とのシナジー(相性):**
龍の鱗は「電磁誘導」の媒介となり、アレンの雷を効率よく蓄電・放出する。特に人獣型では、体内に溜めた雷を龍の吐息(ブレス)に乗せることで、通常の『雷龍(ジャムブ)』を遥かに凌駕する**『電磁プラズマ・ブレス』**が可能になる。
* **斬月とのシナジー:**
龍の形態で持つ『斬月』は、アレンの霊圧だけでなく龍の生命エネルギーをも吸い込む。卍解『天鎖斬月』状態で人獣型になれば、黒い斬撃に龍の熱波が加わり、空間そのものを焼き切る**『紅蓮・月牙天衝』**へと昇華される。
* **形態変化の要点:**
* **人獣型:** 推進力として火炎ガスを噴射する「ボルカニック・インパクト」に雷の瞬発力を加えれば、もはや視認不可能な『雷速の突進』となる。
* **獣型:** 山のような巨躯は、アレンの雷を纏うことで巨大な『電磁バリア』を形成する。存在するだけで周囲を焦土に変え、咆哮は雷鳴を伴って敵の神経を焼き切る。
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アレン「……これ、反則じゃないっすか。ただでさえゴロゴロの覚醒を目指してるのに、こんな『災厄』みたいな力を乗せたら、俺、もう人間を辞めることになりますよ」
女神「アレン君、君は最初からまともな人間じゃないでしょ? 拷問コンサルの息子さん?」
女神がケラケラと笑う。
アレン「……あー、だっる。……でも、マキナ様を本当の意味で『王』にするなら、これくらいの力がないと新世界は勝ち抜けない。……そうっすよね」
アレンは手紙を読み終え、目の前の深紅の果実を手に取った。
悪魔の実特有の、吐き気を催すような禍々しさが伝わってくる。だが、それ以上に「力」への渇望が、アレンの魂を揺さぶっていた。
アレン「……いただきますわ。真級女神様によろしく伝えといてください」
アレンは躊躇なく、その実を大きく齧り取った。
アレン「……っ! ぐ……っ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
猛烈な熱が体内を駆け巡る。ゴロゴロの実の雷が反発し、暴走しようとするが、真級神の細工がそれを力ずくで押さえ込み、魂の器を強引に広げていく。
血管が赤熱し、背中から翼が、腰から尾が、そして全身に硬質な深紅の鱗が萌芽する感覚。
女神「アレン君! その苦しみを超えた先に、君は『雷を操る龍』になる。……三年後の新世界、楽しみにしてるからね!」
女神の声が遠ざかり、白い空間が崩壊していく。
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アレン「……はぁ、はぁ、はぁっ!!」
アレンは跳ねるように目を覚ました。ベッドのシーツは寝汗でびしょ濡れになり、体中から凄まじい蒸気が立ち上っている。
アレン「……夢、じゃなかったっすね」
アレンが自分の手を見ると、指先が鋭い爪に変化し、甲の部分に数枚、宝石のように輝く赤い鱗が張り付いていた。
集中すると、心臓の鼓動に合わせて、体内の電力が龍の熱エネルギーと混ざり合い、青い火花に「赤」が混じる。
アレン「……これ、ヤバいっすわ。力が……溢れすぎて制御が効かない……」
ドォォォォォォン!!
アレンが思わず漏らした覇気と熱波によって、船室の強化ガラスにヒビが入り、船内の警報が鳴り響いた。
エリス「アレン!? 何事よ、今の爆発音は!!」
エリスがパジャマ姿で部屋に飛び込んできた。その後ろには、既に槍を手に取ったマキナと、無表情ながらも尻尾を逆立てたリースがいる。
アレン「……あー、皆さん。おはよう……いや、こんばんはっす。……ちょっと、神様から『贈り物』をもらっちゃいましてね」
アレンが顔を上げると、その瞳は爬虫類のような縦長の「竜の眼」に変わっていた。
マキナはその瞳を見て、一瞬目を見開いた後、この上なく愉悦に満ちた笑みを浮かべた。
マキナ「……ほう。アレン、お前……その姿、そのプレッシャー。……人間を辞めたか」
アレン「……辞めたつもりはないっすけど、今日から俺、『龍の死神』に転職することになったみたいっすわ。……だっるいっすけど、これから修行のメニュー、倍にしてもらえます?」
漆黒のヘカテ号の船室内、アレンから放たれる深紅の熱波と青い雷が、一味の新しい力となって渦巻いていた。
残り一年半。
死神が「古龍」の翼を手に入れた。
その進化が、新世界を本当の地獄へと変えるカウントダウンが始まった瞬間だった。
リース「……ん。……アレン、熱い。……溶けそう。……今すぐ、解体して中身を調べたい」
アレン「リースさん! 怖いからその『解体』って言葉やめてくださいよ!!」
夜のシャボンディ諸島に、龍の鼓動が微かに響き渡った。
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転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?
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