ONE PIECE 死神伝   作:ぐちロイド

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第42話 人獣型(ハイブリッド)発動:死神の仲裁、魚人島との別れ

竜宮城のメインホールは、今や魚人島始まって以来の「美と力の臨界点」となっていた。

 

黄金の柱はマキナが放つ漆黒の覇気でミシミシと軋み、空気はルリが練り上げる魚人空手の水圧によって重く湿っている。ネプチューン王や大臣たちは、このままでは城が崩壊すると悟り、部屋の隅で泡を吹いて固まっていた。

 

ルリ「……ほう。妾の『瓦正拳』の風圧を受けても、その不敵な笑みを崩さぬか。地上人の女にしては、なかなかの度胸でおじゃるな」

 

ルリはアレンの腕から離れ、深紅の羽衣をひらりと翻しながらマキナの前に立った。小柄な体躯ながら、その**Pカップ**の双丘は今にも着物を弾き飛ばさんばかりに波打ち、人魚族特有の神々しいまでの色香を放っている。

 

マキナ「……黙れ、下魚。アレンは私の『物』だ。指一本触れることも、その濁った瞳に映すことも、万死に値する。……その贅肉(むね)ごと、私の槍で貫いてやろうか」

 

マキナがゆっくりと立ち上がる。彼女が踏み出した一歩ごとに、床のタイルが黒い亀裂を走らせた。その美貌は、冷酷な彫刻のように完璧で、見る者すべてを跪かせる「支配」の輝きに満ちている。

 

---

 

 

ルリ「ふん! 言わせておけば……アレンは妾を裸を見たのじゃ! 妾のすべてを射抜いた男に、主従などという退屈な絆は似合わぬのじゃ! **魚人空手(隠居流)……『三千枚瓦・乱れ打ち』!!**」

 

ルリが小さな拳を高速で繰り出す。水滴の一つ一つが弾丸と化し、マキナを全方位から襲った。

 

マキナ「……片腹痛い。**『灰塵・凪(なぎ)』!!**」

 

マキナが槍を一閃させると、襲いかかる水の礫は瞬時に霧散し、ホールには白い蒸気が立ち込めた。その隙を突き、ルリが尾びれで床を叩き、アレンから見ても驚愕のスピードでマキナの懐へ飛び込む。

 

ルリ「捕まえたのじゃ! 妾の愛の重み、知るが良い!!」

 

マキナ「……消えろ」

 

マキナの左手と、ルリの掌底が正面から激突した。

ドゴォォォォォォォォォォン!!

衝撃波が円形に広がり、竜宮城の窓ガラスが一斉に粉砕された。

 

アレン「……あー、もう! やめてくださいって言ってるじゃないっすか!! 城が壊れたら俺たちが修理費払うことになるんっすよ!!」

 

アレンが二人の間に割って入ろうとした。だが、それが最悪のタイミングだった。

 

マキナ「邪魔だ、アレン! 引っ込んでろ!!」

 

ルリ「夫なら黙って見守るのじゃ、アレン!!」

 

マキナの漆黒の覇気を纏った蹴りと、ルリの渾身の『瓦正拳』が、同時にアレンの左右から叩き込まれた。

 

---

 

### 2.

アレン「……ぐ、おぉっ!?」

 

並の海賊なら粉塵となって消える一撃。アレンは反射的に、体内の「雷」と「龍」を極限まで同調させた。

 

バチィィィィィン!!

 

青い稲妻と、赤い火花が爆発する。煙が晴れた時、そこには人間の姿ではない、禍々しくも美しい**「龍人」**の姿があった。

 

全身を深紅の鱗で覆い、背中には巨大な翼、頭部からは漆黒の角が生えている。アレンはマキナの足とルリの拳を、それぞれ左右の腕でガッシリと受け止めていた。

 

アレン「……いい加減に……してくださいよ。……マジで、これ以上やるなら、俺がこの城ごと二人を『感電拷問(エレキ・トリートメント)』にかけるっすよ?」

 

アレンの「竜の眼」が、二人を冷徹に射抜く。その圧倒的なオーラに、マキナもルリも一瞬、動きを止めた。

 

リース「……ん。……アレン、かっこいい。……でも、二人から攻撃されて少し嬉しそう。……後で電気椅子」

 

アレン「リースさん! どこ見てるんっすか!!」

 

アレンは二人の攻撃を力ずくで引き剥がすと、人獣型のまま大きく溜息をついた。

 

アレン「いいっすか、ルリ様。……俺、さっきから言おうと思ってたっすけど」

 

アレンは、期待に満ちた瞳で自分を見つめるルリに、はっきりと告げた。

 

アレン「**『結婚』は無理っす。** 俺はマキナ様の右腕として、新世界のてっぺんを獲るのが仕事なんっすよ。あんたを妻にして、この平和な魚人島で隠居なんて……一秒も考えられないっすわ」

 

ルリ「な……っ!? 妾のPカップをもってしても、結婚は嫌だと言うのか……!?」

 

ルリのショックを受けた顔に、アレンは少しだけトーンを落として続けた。

 

アレン「……でも、まぁ。あんたの強さは本物っす。俺の『龍』の鱗を本気で削りにきたのは、マキナ様以外じゃあんたが初めてっすわ。……だから、**『友達』なら良いっすよ?** 次に俺たちがここに来た時に、飯でも食いながら歴史の話でも聞かせてくれるなら……歓迎するっす」

 

---

 

 

静寂がホールを包む。ルリは顔を赤くしたり青くしたりしていたが、やがて「ふん!」と鼻を鳴らしてポニーテールを跳ね上げた。

 

ルリ「……友達、か。地上人ごときと対等な関係など、妾の美学に反するが……。まあ、アレンがそこまで言うのなら、まずは『友達(仮)』から始めてやっても良いのじゃ。……ただし! 次に会う時は、妾の魅力にひれ伏させてやるから覚悟するのじゃ!」

 

アレン「……やれやれ。ようやく納得してくれたっすね」

 

アレンは人間の姿に戻り、肩の力を抜いた。マキナも不機嫌そうに槍を収めたが、ルリを睨む目はまだ鋭い。

 

マキナ「……アレン。浮気は許さんと言ったはずだ。……今回は『友達』ということで不問にするが、次は……」

 

アレン「わかってますよ、マキナ様。俺の王(ボス)は貴女だけっす」

 

ネプチューン王が這いつくばるようにして二人に歩み寄ってきた。

 

ネプチューン「あ、アレン殿、ルリを説得してくれて感謝いたす……。……お礼に、ロックス海賊団の最近の動静を記録した海流海図と、ハチノスへ続く秘密の深海ルートを教えよう……。ですから、どうか、どうか早く行ってくだされ……!」

 

「ハッハッハ! どん(DON)と追い出されたな、アレン!」

(※どこからともなくトムの声が聞こえた気がした)

 

---

 

 

ヘカテ号は再びコーティングを施され、新世界の本域へと続く海流へと向かっていた。

 

リース「……アレン。……結局、あの女と友達になった。……連絡先(電伝虫番号)、交換した?」

 

リースがジト目でアレンのポケットを探る。

 

アレン「交換してないっすよ! あの人、電伝虫すら持ってない隠居生活なんっすから。……あー、だっる。魚人島、美人が多すぎて逆に疲れるっすわ」

 

エリス「Wait! アレン、あんたのその発言、マキナ様への不敬罪じゃない!?」

 

エリスが指摘するが、マキナは船首で新世界の荒波を見据え、満足げにワインを傾けていた。

 

マキナ「……構わん。アレンがあの王女を『友達』止まりにしたのは、私への絶対的な忠誠の証だ。……それにしても、ハチノスか。ロックスのクソジジイ、首を洗って待っているがいい」

 

ヘカテ号が加速する。

深海を抜け、ついに「新世界」の海面へと浮上しようとしていた。

 

アレン「……ルリさん。……あの人の知識、いつか役に立つ日が来るかもしれないっすね」

 

アレンはふと、ルリから無理やり押し付けられた「リュウグウ王国の古い金貨」を見つめた。

恋ではなく、奇妙な腐れ縁。

死神海賊団に、また一人、厄介な(そして爆乳の)協力者が加わった瞬間だった。

 

アレン「さぁ、行くっすよ! 新世界! 拷問の時間だ!!」

 

漆黒の船が、暗い海底から光り輝く新世界の海面へと突き抜けた。

 

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転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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