ONE PIECE 死神伝   作:ぐちロイド

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第45話 ゴッドバレー事件:中編「四つ巴の絶望、世界の敵となった死神」

 

 

ゴッドバレーの地表は、もはや土ではなく、無数の斬撃と爆風によって抉り出された生々しい「傷跡」で埋め尽くされていた。

 

乱入した死神海賊団の圧倒的な武力、そしてアレンが放つ「古龍の熱」と「雷」の奔流は、戦場にいた全ての勢力にある種の「本能的な危機感」を抱かせた。ロックス、ロジャー、海軍。本来三つ巴であった戦いの力学が、死神という未知の変数の出現により、歪な形へと変質し始めたのだ。

 

アレン「……あー、だっる。何っすか、この視線。全員、俺たちのこと『先に潰すべき邪魔者』って顔で見てるじゃないっすか」

 

アレンは人獣型の姿で、周囲を囲む「壁」を睨みつけた。

右には白ひげ、カイドウ、ビッグ・マムを擁するロックス海賊団の精鋭。

左にはロジャーとレイリー率いる自由の海賊たち。

そして正面には、正義の名の下にすべてを掃討せんとするガープ、センゴク、ゼファーの海軍最高戦力。

 

リース「……ん。……解析完了。全勢力の意識の80%が、我々『死神海賊団』に向けられた。……マキナ、計算外。……一対一対一の乱戦から、一対三の包囲戦へ移行」

 

リースの言葉通り、戦場に奇妙な「沈黙」が訪れた後、それは爆発的な殺意となって死神たちへ降り注いだ。

 

---

 

 

ガープ「ガッハッハ! 後のことは後だ! まずはこの不気味なトカゲと女船長をブチのめすぞ、ロジャー!!」

 

 

ガープが叫び、地面を蹴った。その拳は漆黒の覇気を纏い、空間そのものを歪ませている。

 

ロジャー「おうよ、ガープ! 悪いなマキナ、お前らの力が強すぎて、放っておくと島が全部食われちまいそうなんだ!!」

 

 

ロジャーがエースを抜き放ち、神避(かむさり)の構えを取る。

 

同時に、ロックス側からも怪物が動いた。

 

カイドウ「ヴォロロロロォ! 目障りなんだよ、新入りの分際でよォ!!」

若き日のカイドウが、龍の息吹(熱息)をアレンに向けて放つ。

 

「**『雷速・回避』!!**」

 

アレンは雷となってその場を離脱したが、着地点には既にセンゴクの衝撃波が待ち構えていた。

ドォォォォォォォォォォォォォン!!

 

アレン「……くっ、マジで容赦ねーっすね!!」

 

アレンは人獣型の腕を交差し、センゴクの黄金の衝撃波を無理やり受け止める。鱗が軋み、衝撃が内臓を揺らす。

 

アレン「リース! エリス! 周囲を牽制しろ! ライカは空を抑えろ!!」

 

アレンの叫びに、死神の少女たちが即座に反応した。

 

リース「……ん。……『蛇尾丸』、展開。……近づくもの、すべて切断」

 

リースの骨の蛇が、ヘカテ号の周囲を旋回し、海軍兵士とロックスの雑兵をまとめてなぎ倒していく。

 

エリス「近づかないでって言ってるでしょ!! **『氷銃・絶対零度(アブソリュート・ゼロ)』!!**」

 

 

エリスの乱射が、襲いかかるビッグ・マムのホーミーズたちを次々と氷像に変えていく。

 

しかし、相手は伝説の全盛期だ。

白ひげ(エドワード・ニューゲート)が叢雲切(むらくもぎり)を振り下ろした瞬間、島全体の「空気」がひび割れた。

 

白ひげ「グラララ……! 若造、俺のナワバリで龍を気取るには百年早いぜ!!」

 

震動の力が、アレンの足元から爆発する。

 

アレン「……ガハッ!?」

 

アレンは回避が間に合わず、全身の鱗を震動で粉砕されながら吹き飛ばされた。

 

---

 

 

戦場の中心で、マキナは一人、ロジャーとゼファーの同時攻撃を槍一本で受け流していた。

 

マキナ「……ふん。二人がかりか。海軍と海賊が手を組んで私を攻めるとは、堕ちたものだな」

 

ロジャー「はっはっは! 背に腹はかえられねェんだ! お前の槍、まともに喰らったらロックスに届く前に俺の命がなくなっちまう!!」

 

ロジャーの斬撃が、マキナの覇気の防壁を削り取る。そこへ、ゼファーの巨大な義手が唸りを上げて叩き込まれた。

 

ゼファー「正義の鉄槌を受けよ、死神!!」

 

マキナは槍『灰塵』を旋回させ、漆黒の雷を放ちながら応戦するが、流石にこのレベルの二人を相手に無傷ではいられない。彼女の漆黒のドレスは引き裂かれ、白い肩からは鮮血が流れていた。

 

アレン「マキナ様!!」

 

アレンが助けに向かおうとするが、それを阻むのはカイドウとリンリンだ。

 

リンリン「どこ見てるのよ、トカゲの坊や!!」

 

カイドウ「俺とやれと言ったはずだァ!!」

 

赤い龍(アレン)と青い龍(カイドウ)。そして、雷雲と太陽を従えるリンリン。

空路での「怪物大決戦」が始まった。

 

アレンは人獣型の瞬発力を活かし、カイドウの金棒を紙一重でかわすと、その懐に飛び込んで**『噴火する一撃(ボルカニック・インパクト)』**を叩き込む。

ドガァァン!!

カイドウの頑強な肉体が初めて後退したが、アレンの背後からはリンリンの『威国』が迫っていた。

 

アレン「……あー、もう、だっるい!! 俺、一人で何人相手にしてるんっすか!!」

 

アレンは空中で無理やり身を捻り、斬月で『威国』を切り裂く。だが、その衝撃で腕の感覚が麻痺する。修行で得た力は確かに通用している。だが、ここはあまりにも、あまりにも「化け物」の密度が高すぎた。

 

---

 

 

戦いが数時間に及ぶ中、死神海賊団のメンバーに疲労の色が見え始めていた。

どれだけ倒しても、ロックスの物量と海軍の精鋭は減ることを知らない。さらに、ロジャーたちの「自由な暴力」が予測不能な方向から飛んでくる。

 

アレン「……ユリナさん! 大丈夫っすか!?」

 

アレンが視界の端で、複数の海軍中将とロックスの幹部に囲まれるユリナを見た。

 

ユリナ「……はぁ、はぁ。……大丈夫や、アレン。これくらいの火、うちのコンロで焼いてやるわ……っ!」

 

 

ユリナの卍解『黄煌厳霊離宮』の雷雲が、激しい消耗により薄くなっている。

 

リース「……シズも、毒の精製が追いついていない……。キースも、影の移動距離が短くなっている……」

 

リースの冷静な実況が、アレンの焦りを加速させた。

 

そして、その瞬間は突然訪れた。

 

島の頂上、ロックス・D・ジーベックが、退屈そうに指を鳴らしたのだ。

 

ロックス「……クハハハ。……踊りは終わりだ。……まとめて闇に沈め」

 

ロックスの影が巨大な壁となり、戦場全体を覆い尽くそうとした。その闇は、触れるものすべての命を吸い取る異形の覇気。

 

アレン「……なっ!? 全員、逃げろ!! 船に戻るっす!!」

 

アレンが叫ぶが、その時、ロックスの放った闇の奔流が、一味の陣形を真っ二つに引き裂いた。

 

アレン「シズ!! ユリナ!! キース!!」

 

アレンの絶叫が響く中、三人の少女たちが、ロックスの闇、そして隙を突いた海軍の総攻撃の渦中へと呑み込まれていくのが見えた。

 

ユリナ「……アレン、あかん……逃げ……っ!」

 

ユリナの最後の声が、爆風にかき消される。

 

アレン「……っ!!」

 

アレンの脳裏で、何かが千切れる音がした。

三年間、地獄のような修行を共に乗り越えてきた。

リースの毒舌、ユリナの飯、キースの悪ふざけ。

それらが、この「神の谷」のゴミのような闇に消えていく。

 

アレン「……嘘だろ……。……おい……。……返せよ……。……俺の、仲間を……返せよぉぉぉぉぉ!!」

 

アレンの体から、それまでの比ではない、どす黒い「赤」と「黒」の霊圧が噴き出した。

 

---

 

 

マキナ「……ア、レン……?」

 

 

傷ついたマキナが、アレンの変貌に気づき、動きを止める。

 

アレンの瞳から光が消え、代わりに底なしの虚無と、全てを焼き尽くす殺意が宿った。

彼の皮膚はもはや鱗を通り越し、赤熱した溶岩そのものへと変質していく。人獣型のバランスが崩れ、体躯が肥大化し、その存在そのものが「世界の終焉」を告げる鐘の音のように鳴り響いた。

 

アレン「……許さねぇ。……ロックスも。……海軍も。……ロジャーも。……全員……まとめて……地獄の灰にしてやるっすわ……」

 

アレンの咆哮が、ゴッドバレーの空を二つに割った。

それは修行時代の「暴走」などとは比較にならない、真級女神すら予期せぬ、**「絶望による真の覚醒」**の始まりだった。

 

島全体が、アレンの放つ超高温によって赤く染まり始める。

 

 

リース「……ん。……アレン。……その熱は、私たちも焼き殺す。……止まって……」

 

 

リースの悲痛な訴えも、今の彼には届かない。

 

死神は、龍となった。

そして龍は、すべてを虚無に帰す「天災」へと成り果てた。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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