ONE PIECE 死神伝   作:ぐちロイド

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第64話 叡智の開拓:リース・アーキテクチャ 鋼のメイドたち:戦闘部隊「プレデター」結成

「ヘカテ・ヴィレッジ」と名付けられた居住区が完成してから、島の空気は一変した。

ただ生き延びるために作業していたメイドや執事たちの瞳に、「自分たちの国を創る」という明確な意志の炎が灯ったからだ。

 

丘の上にそびえる漆黒のヘカテ号を司令塔とし、リースの高度な演算能力を駆使した本格的な都市開発プロジェクト――コードネーム「プロジェクト・エデン」が始動した。

 

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島の中心部に位置する広大な平地。そこには今、数百体の小型ドローンと、リースの制御下にある重機たちが整然と動き回っていた。

 

リース「……ん。……測量完了。……地盤補強、第1フェーズ終了。……これより、中央広場および地下霊子発電所の建設に移行する」

 

リースはヘカテ号の甲板から、数千のホログラムウィンドウを展開し、島全体のリソースをリアルタイムで管理していた。彼女の指先が虚空を叩くたび、執事たちのチームに精密な設計図が送信され、メイドたちの資材搬送班に最短ルートが指示される。

 

リース「……事務局班、報告。……霊子鉱石の採掘量は?」

 

『は、はい! リース様! 予定の120%を維持しております!』

 

電伝虫を介した元天竜人付事務官の報告に、リースは微かに頷く。

マリージョアから連れてきた者たちは、その多くが極めて高い教育を受けていた。天竜人の気まぐれに付き合わされてきた彼らにとって、リースの論理的で無駄のない指示は、むしろ心地よい「救い」ですらあった。

 

リース「……効率は美徳。……この島を、マリージョアよりも高度な、科学と覇気が融合した『要塞都市』へと変貌させる」

 

リースの指揮のもと、島には次々と近代的なインフラが整備されていった。自動浄水システム、霊子を用いた無公害の街灯、そして島全体を覆う不可視の検知網(センサー)。

破壊の死神たちが、初めて「創造」の神として君臨し始めた瞬間だった。

 

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一方、島の西側に位置する険しい断崖。そこでは、都市建設の喧騒とは無縁の、凄まじい「殺気」が渦巻いていた。

 

アレン「……あー、だっる。……でも、やるからにはトコトンやるっすよ。……いいっすか、あんたたち」

 

アレンは二振りの『斬月』を腰に差し、上半身を脱ぎ捨てた姿で、50人のメイドたちの前に立っていた。彼女たちは皆、マリージョアの奴隷の中でも特に強靭な肉体と、何より「二度と踏みにじられたくない」という強烈な執念を持った者たちだ。

 

アレン「……あんたたちは、今日からただのメイドじゃない。……マキナ様の安らぎを守り、この理想郷を脅かす外敵を真っ先に喰らい尽くす、死神の尖兵だ。……その名は、**『プレデター(捕食者)』**。……弱きを食らう天竜人を、逆に食い殺すための牙っすわ」

 

アレンの言葉に、50人のメイドたちが一斉に膝をついた。その先頭に立つのは、かつて格闘家として名を馳せながら奴隷に落とされていた長身の女性、シエル。

 

シエル「……アレン様。私たちが求めていたのは、この『牙』です。……慈悲などいりません。どうか、私たちを鋼の刃へと変えてください」

 

アレン「……了解っす。……じゃあ、まずはその『甘っちょろい覇気』から叩き直すっすよ」

 

アレンが指先を鳴らした瞬間、周囲の空気が漆黒の霊圧に染まった。

**『流桜・威圧』。**

 

シエル「ぎ……ぁ……っ!!」

 

メイドたちの半数が、その重圧だけで膝をつき、呼吸を奪われる。だが、アレンは容赦しなかった。

 

アレン「……立ってください。……あんたたちが相手にするのは、新世界の荒波を越えてくる海軍や四皇の部下たちだ。……『流桜』を体に流せ。……自分の内側にある怒りを、熱を、一本の筋にして拳に込めるっす!」

 

アレンは一人一人の背中を回り、その肩や背中に掌を当てていく。

流桜を直接、彼女たちの体内に流し込み、「力の通り道」を強引に開通させていく荒療治。

 

シエル「……熱いっ!? 身体が、焼けるようです……!」

 

アレン「……それが、あんたたちの命の輝きっすわ。……燃やし尽くせ、シエル。……あんたの中にある龍を、俺が目覚めさせてやるっすよ」

 

アレンは笑う。かつて自分がカイドウに見せたような、圧倒的な「暴力の極致」を、彼女たちの魂に直接刻み込んでいった。

 

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訓練は過酷を極めた。

アレンはリースの協力のもと、重力定数を部分的に操作した特設訓練場を作り上げ、そこでメイドたちに「死神の体術」を叩き込んだ。

 

アレン「……はい、遅い! ……瞬歩(しゅんぽ)の基本は、足の裏に覇気を凝縮して一気に爆発させることっす! ……見切るんじゃない、先読みするっす!」

 

アレンの『月牙』が、刃を抜かずに木刀の如き状態でメイドたちを襲う。

シエルをはじめとする「プレデター」のメンバーは、メイド服をボロボロにしながらも、泥に塗れてアレンに食らいついていった。

 

シエル「……ハァ、ハァ……! まだです……! まだ、動けます……!!」

 

シエルの拳が、微かに「流桜」の輝きを帯び始めた。彼女の一撃がアレンのガードを叩き、空気を震わせる。

 

アレン「……いいっすね。……その一撃なら、海軍の将校クラスの心臓も貫けるっすわ」

 

アレンは満足げに頷いた。

 

 

アレン「……あんたたちに教えるのは、守るための力じゃない。……大切なものを守るために、敵を根絶やしにする力っす。……『プレデター』の名に恥じないよう、この一ヶ月で死ぬ気でモノにするっすよ」

 

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一日の訓練と工事が終わる頃。

島の高台にある「死神の城(ヘカテ・キャッスル)」のバルコニーで、アレン、マキナ、リースの三人が並んで沈む夕陽を眺めていた。

 

アレン「……ふぅ。……だるいっす。……女の子50人を本気でしごくのは、精神的にくるっすね」

 

アレンが冷えたお茶を飲みながら零すと、マキナが楽しげに口角を上げた。

 

マキナ「……良いではないか。……今日、シエルたちが放っていた覇気は、一週間前とは別物だったぞ。……アレン、貴様はやはり、人を育てるのが上手いな。……ロジャーが認めただけのことはある」

 

リース「……ん。……都市建設も順調。……居住区、商業区、工業区の骨組みは完成。……来月には、世界政府の監視網を完全に遮断する『霊子結界』の展開が可能」

 

リースがタブレットを閉じ、アレンの隣に腰掛けた。

 

 

リース「……アレン、お疲れ様。……メイド(プレデター)たちを、強くしてくれてありがとう」

 

アレン「……この町のためなら、お安い御用っすよ。……さて、明日も朝から『捕食者』どもの朝練っすわ」

 

アレンは、眼下に広がる、灯火が灯り始めた町並みを見つめた。

そこには、マリージョアから救い出したメイドたちが、自分たちの作った家で笑い合い、夕食を囲む平和な光景があった。

 

破壊と殺戮の象徴であった彼らが、今、この新世界の片隅に「命の灯火」を守るための城壁を築いている。

 

アレン「……原作とは違う、俺たちの物語。……だるいけど、悪くないっすね」

 

アレンの呟きに、マキナが深く頷き、リースが静かに微笑む。

新世界に誕生した、海軍すら手を出せない「死神の理想郷」。

その牙と鎧は、今、着実にその完成へと近づいていた。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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