新世界に拠点を築き始めてから、月日は瞬く間に流れた。
かつての未開の島は、今やリースの超高度な科学技術と、マキナの絶対的な統率力、そしてアレンの圧倒的な武威によって、海軍の要塞をも凌駕する「聖域」へと変貌を遂げていた。
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二年前、訓練初日の夜。アレンは「プレデター」の50人を集め、それぞれの魂に相応しい「名」を刻むことに決めた。ただの奴隷番号や、過去の忌まわしい名を捨てさせるための、死神流の洗礼である。
アレン「……あー、だっるい。……50人分も名前考えるなんて、俺の脳みそがショートしそうっすわ」
アレンはそうぼやきながらも、リースの用意したホログラムリストに、前世の知識をフル活用したコードネームを打ち込んでいった。
まず、筆頭官である**シエル**はそのまま。
続く24名には、宇宙の秩序を示すギリシャ文字を与えた。
アレン「……あんたたちは**アルファ(α)**から**オメガ(Ω)**まで。プレデターの中核として、部隊を支える背骨になってもらうっす」
続く12名には、無から始まるドイツ語の数字。
アレン「**ヌル(0)**から**ツヴェルフ(12)**。あんたたちは変則的な隠密部隊だ。影から敵を刈り取れ」
そして次の12名には、天空の巡りを示す黄道十二宮を英語読みで。
アレン「**アリエス(牡羊座)**、**ジェミニ(双子座)**、**レオ(獅子座)**……。あんたたちは属性特化型だ。リースの作った特殊兵装を使いこなしてもらうっすよ」
最後の一人、群を抜いて鋭い眼光を持つ少女には。
アレン「……あんたは、鷲座の一等星。**アルタイル**だ。……孤高に、高く舞え」
名を与えられた瞬間、メイドたちの瞳に宿る色が、絶望から「忠誠」へと完全に塗り替えられた。彼女たちはもはや、誰にも汚せない「神の牙」となったのだ。
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そして二年が経過した。
島の中心には、白亜の城壁と漆黒の霊子塔が融合した巨大な城塞都市が完成していた。
整然と区画整理された街並みには、マリージョアから救い出された人々が活発に往来し、独自の通貨「デス・クレジット」が経済を回している。
アレンに鍛え上げられた「プレデター」のメイドたちは、純白のフリルが美しいメイド服の下に、流桜を硬化させた特殊繊維の防弾スーツを纏い、腰にはリースの開発した「霊子振動剣」を携えていた。
リース「……マキナ様。……準備、完了。……全世界の映像電伝虫の周波数、ジャック成功。……死神の声を、世界へ届ける」
リースの合図とともに、ヘカテ号の甲板に特設された玉座にマキナが腰を下ろした。左右には、二振りの斬月を肩に担いだアレンと、無機質な美しさを湛えたリース。そして背後には、シエルを筆頭とする50人の「プレデター」が、完璧な整列で控えている。
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新世界、偉大なる航路(グランドライン)、そして東西南北の四つの海。
突如としてすべての映像電伝虫に、この世のものとは思えないほど美しい、しかし絶対的な死を感じさせる美女の姿が映し出された。
マキナは優雅に足を組み、冷徹な紅い瞳をレンズの向こう側――世界中の人々へと向けた。
マキナ「……全世界の愚民ども、および、世界の均衡(バランス)を自負する支配者どもに告げる。……私は、死神海賊団船長、マキナである」
その一言で、マリンフォードの海軍本部は騒然となり、マリージョアの五老星は絶句した。
マキナ「……本日、私たちはこの新世界の海域に、新たな国家の樹立を宣言する。……国の名は、**『ゴッドエデン(神の理想郷)』**」
マキナの声は、心地よい音楽のように響きながらも、抗いがたい重圧を伴って伝わっていく。
マキナ「……わが国は、誰でも入港を受け入れよう。……商人も、冒険者も、あるいは行き場を失った者もだ。……しかし、忘れるな。……私の領土で問題を起こすものは、即刻帰ってもらうか、死んでもらうかだ。……情けは一度しかない」
マキナは不敵に微笑み、背後のメイドたちを指し示した。
マキナ「……勿論、海上でなら幾らでも相手をしてやる。……世界政府の犬も、野心に溺れた海賊も、望むなら来ればいい。……この私を、そして死神が作り上げた最高の戦闘メイド部隊『プレデター』が、貴様らを一滴の血も残さず刈り取ってやろう」
アレン「……あー、そういうことっす。……だるい戦いはしたくないっすけど、うちの女の子たち、最近ちょっと『お腹を空かせてる』んでね」
アレンが横からカメラを覗き込み、一瞬だけ『流桜』を込めた覇気を放った。映像越しであるにもかかわらず、世界中の視聴者の半数が、そのプレッシャーに耐えきれず気絶した。
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配信が切れた後、世界は文字通りひっくり返った。
**海軍本部――。**
「な、何だあいつらは……!? 映像に映っていたあのメイドたち……一人一人の覇気が、中将クラスに匹敵しているぞ!」
「センゴク元帥! ゴッドエデンの海域へ向かった偵察艦が、通信途絶! 接近した瞬間に、空飛ぶメイドによって真っ二つにされたとの報告です!!」
センゴク「……何という事だ。ロジャーが死に、白ひげやカイドウが台頭するこの時期に、第三の……いや、それ以上の『特異点』が現れるとは……!」
**聖地マリージョア・権力の間――。**
「あの死神、我らからメイドを奪っただけでなく、国を創っただと……!?」
「『ゴッドエデン』……。天竜人の権威を公然と無視する、最大級の叛逆だ!」
「だが迂闊に手は出せん。カイドウを退け、今や一国の軍隊に匹敵する武装メイド部隊を抱えている。……CPの精鋭すら、あのメイド一人の足元にも及ばぬとは……」
**新世界・某海域(カイドウの船)――。**
カイドウ「ウォロロロ!! 愉快なことをしやがる、アレン・コルテス!! 最高の酒の肴だ!! プレデターか……! 俺の軍団と、どっちが強いか試してやりたくなるぜ!!」
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ゴッドエデン、王宮のバルコニー。
全世界を恐怖に陥れた宣言の直後だというのに、アレンはいつものように三色団子を食べていた。
アレン「……あー、スッキリしたっす。これで勧誘も捗るっすね、マキナ様」
マキナ「……ふん。これでようやく、雑魚が紛れ込む手間が省ける。……リース、入港希望者のスクリーニングを厳格化せよ。……牙を隠した狼なら歓迎するが、ただの狂犬はプレデターの餌にせよ」
リース「……了解。……すでに入港申請、三千件を突破。……経済圏の確立、および霊子防衛網の出力、最大に移行」
アレンは、眼下で整然とパトロールを行う**シエル**と**アルタイル**の姿を見つめた。
マリージョアで死にかけていた彼女たちが、今や世界最強の戦闘集団として、胸を張って自分たちの国を守っている。
アレン「……『ゴッドエデン』。……最高の楽園にして、最悪の地獄。……だるいけど、ここが俺たちの帰る場所っすわ」
アレンが空を仰ぐ。そこには、死神の鎌を模したゴッドエデンの国旗が、新世界の風を受けて傲然とはためいていた。
大海賊時代。その歴史の正史は、今、死神たちの手によって、全く異なる軌跡へと書き換えられようとしていた。
転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?
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