ONE PIECE 死神伝   作:ぐちロイド

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第6話 特訓:覇王の槍と雷の咆哮

黒舟(ヘカテ)号は、世界を分かつ巨大な赤い壁「レッドライン」へと向かっていた。海流が山を駆け上がるという、この世界の物理法則を無視した異様な光景「リヴァース・マウンテン」。

 

だが、船内の空気は、眼前に迫る激流よりもはるかに張り詰めていた。

 

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船の地下深く、もっとも重心の安定する場所にその施設はある。船大工のリースが**「クラクラの実」**の能力と、前世の軍事施設やシェルターの知識を総動員して作り上げた、死神海賊団専用の特訓ルームだ。

 

壁材には海楼石を微量に含んだ特殊合金が使われ、床はアレンの全力の雷撃にも耐えうる超絶縁・高剛性仕様。リースが「ここを壊せたらマキナ様の槍を舐めてもいい」と豪語するほど、船内で最も金をかけた場所である。

 

アレン「……あー、だっる……じゃなくて、胃が痛いっす……」

 

アレンは訓練場の中央で、愛刀『斬月』を手に立ち尽くしていた。対峙するのは、船長・マキナ。彼女は死覇装の袖を捲り、蒼黒い槍『灰塵』を静かに下ろしている。

 

マキナ「アレン。闇市での立ち回り、悪くはなかった。だが、あの程度の雑魚相手に『かすり傷』を負うのは、集中力が散漫な証拠だ」

 

アレン「……いや、あれは不運というか、何というか……」

 

マキナ「言い訳は不要。……来い。私の覇気に耐えきってみせろ」

 

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訓練場の高い位置にある防弾ガラス張りの観戦ルームには、残りのメンバーが集まっていた。

 

キース「あーあ、アレンくん、マキナ様の『特別授業』始まっちゃったねー。マジウケるんだけど、あの震え方」

 

 

キースがポップコーンを片手に、サイドテールを弄りながら笑っている。

 

リース「……ん。あの部屋、私の最高傑作。アレンがいくらゴロゴロで暴れても、船は揺れない。安心して壊されてきて」

 

 

リースが、アレンに聞こえるようにスピーカーのスイッチを入れ、冷たく言い放つ。

 

ライカ「いいじゃん! 男は叩かれて強くなるんでしょ? ほら、マキナ様、もっと行っちゃってください! アレン、あんたの服がボロボロになったら、私が脱がせてあげるから!」

 

ライカが全裸に薄い羽織一枚で、ガラスに張り付いて興奮気味に叫んでいる。

 

アレン「……ライカさん、それ応援じゃなくてセクハラっす……」

アレンの弱々しいツッコミは、訓練開始の爆音に掻き消された。

 

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マキナ「行くぞ!」

 

マキナが地を蹴った。瞬間、空気が重低音を響かせて爆ぜる。**覇王色の覇気**を纏わせた槍の一突きが、アレンの喉元を襲う。

 

アレン「っ……!!」

 

アレンは咄嗟に『斬月』を盾にし、全身に**武装色の覇気**を集中させた。

ガキィィィィィィィン!!

火花と共に、雷鳴のような金属音が室内に響き渡る。

 

アレン「重てぇ……! なんだこれ、山が降ってきたみたいだ!」

 

マキナ「集中しろ! 見聞色が死んでいるぞ! 敵の動きを見るのではなく、『気』を読めと言ったはずだ!」

 

マキナの槍が、目にも止まらぬ速さでアレンを翻弄する。

アレンは『ゴロゴロの実』の雷速移動で回避を試みるが、マキナの放つ覇気が空間そのものを縛り付けているかのように、思うように体が動かない。

 

アレン「ぐふっ……!」

 

槍の柄がアレンの腹部にめり込み、彼は合金の壁まで吹き飛んだ。

 

マキナ「立ち上がれ。お前の『雷』は、ただの光か? 覇気を乗せろ。私の槍を弾いてみせろ!」

 

アレン「……だるいとか、言ってらんねぇな……!」

 

アレンの髪が逆立ち、全身から青白い雷光が激しく吹き出す。

 

アレン「**『雷迎(らいごう)』……小型版!**」

 

訓練施設が真っ白な光に包まれる。通常なら船ごと消し飛ぶ威力だが、リースの作った壁がそのエネルギーを完璧に遮断し、内部の破壊を加速させていた。

 

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その頃、厨房ではユリナとシズが夕食の準備に追われていた。

 

シズ「……ユリナさん。下の方から、凄い音がしますけど……アレンさん、大丈夫でしょうか」

 

シズがジャガイモを剥きながら、心配そうに床を指差す。

 

ユリナ「あはは! 大丈夫や、マキナも加減はわかっとるし、アレンはしぶといのが取り柄やからな。それよりシズ、こっちの肉にプラプラの実で『熟成』かけてくれへん? 一晩寝かせたような旨味に変えられるやろ?」

 

シズ「あ、はい! お任せください。……細胞を少しだけ変質させて、アミノ酸を増やしますね」

 

天才的な医療技術(と能力)を、世界一美味しいディナーのために使う二人。

 

ユリナ「アレンには特盛り肉や。あいつ、これ食べな明日まで体が持たへんからな」

 

ユリナが豪快に笑いながら、巨大なフライパンを振るった。

 

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数時間後。

リヴァース・マウンテンの急流を登り切った衝撃と同時に、特訓も終了した。

 

訓練場の扉が開き、ボロボロになったアレンが這い出してきた。服は無惨に裂け、体中から煙が出ている。

 

アレン「……あー、死んだ。今度こそ死んだっす……」

 

ライカ「おつかれー、アレン! ほら、約束のご褒美!」

 

ライカが、倒れているアレンの頭を自分の膝……というか、生足の付け根に乗せる。

 

アレン「ひゃあ……あ、ありがとうございま……」

 

マキナ「……おい。まだ終わっていないぞ」

 

マキナが、汗一つかかずに部屋から出てきた。

 

マキナ「上がれ。ついに見えてきたぞ、**『偉大なる航路(グランドライン)』**が」

 

アレンはライカに抱えられながら、甲板へと引きずり出された。

目の前には、空へと続くような巨大な運河の出口。そして、その先に広がるのは、前世で憧れた、そして今世で生き抜かなければならない弱肉強食の海。

 

マキナ「……よし、行くぞ野郎ども! 運命の海だ!」

 

マキナの声が響き渡る。

 

皆「「「「「「おー!!」」」」」」

 

黒舟(ヘカテ)号は、リヴァース・マウンテンを滑り降り、未知なる海域へと突入した。

アレンはユリナの特盛りステーキを頬張りながら、ボロボロの体で決意を固めていた。

 

アレン(43年前のこの海で、俺たちが『死神』の名を刻んでやる……!)

 

その時、船の前方に巨大な影が現れた。

グランドラインの洗礼――アイランドクジラのラブーンが、そこにはいた。

 

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

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