ユリナの特盛りステーキとシズの「熟成」肉を平らげ、アレンのボロボロだった体力がようやく回復し始めた頃。
黒舟(ヘカテ)号の中層階にある、リース自慢の**「展望大浴場」**では、女子メンバーたちが湯気の中で一日の疲れを癒していた。
ユリナ「あ~……極楽やわぁ。やっぱ船にこれだけの風呂があるんは最高やな」
ユリナが湯船の縁に腕をかけ、ゆったりと足を伸ばす。
ライカ「ウチも、全裸でいられる場所が増えて嬉しいよ。ほら、シズちゃんももっとこっち来なよ。減るもんじゃないんだからさ」
シズ「ライカさん、脱ぎ散らかさないでください! ……あ、でも、確かにお肌がツルツルに……これもお湯の成分のおかげかな……?」
女子たちが和気あいあいと湯船に浸かっている中、船長のマキナだけは目を閉じ、湯船の中で静かに精神を研ぎ澄ませていた。
その時、マキナの眉がわずかに動く。
マキナ「……来たか」
同時に、船内に警報が鳴り響く。
キース「マキナ様ー! 見張りのキースだよん! 右舷方向に海軍本部の軍艦が一隻。この時代、まだ珍しい大型のタイプだよ!」
脱衣所のスピーカーからキースの慌ただしい声が届く。
リース「……あー、だる。せっかくの風呂なのに」
リースが狐耳をパタパタとさせながら呟く。
マキナは目を開けず、湯船に浸かったまま脱衣所に向かって声を張った。
マキナ「……アレン、聞こえるか」
船内放送を通じて、自室で横になっていたアレンの耳に、冷徹だが拒絶を許さない声が届く。
マキナ「一隻だ。……お前一人で、沈めてこい」
アレン「……えぇ!? 俺一人っすか!? しかも今、飯食って寝ようとしてたのに!」
マキナ「闇市でのかすり傷、まだ忘れてはいないぞ。……もし軍艦の一隻も落とせないようなら、風呂上がりの私の『稽古』が待っていると思え」
アレン「……っ!! ……了解っすよ、行けばいいんでしょ、行けば!」
アレンは戦慄した。風呂上がりのマキナは、湯冷めを嫌って普段以上に容赦がないことを知っている。彼は渋々『斬月』を背負い、甲板へと飛び出した。
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夜の海。満月の光を浴びて、巨大な海軍の軍艦がヘカテ号に迫っていた。
「止まれ! 貴様ら、見慣れぬ旗を掲げた不審船だな! 臨検を行う!」
拡声器を通した海軍将校の声が響く。
アレンは甲板の端に立ち、漆黒の海を見下ろした。
アレン「臨検? ……あー、悪いっすけど、うちの姐さんたちが今入浴中なんすよ。男が土足で上がっていい場所じゃないんでね」
アレンの体から、パチパチと蒼白い火花が漏れ出す。
アレン「一人で来いって言われた時はダルいと思ったけど……」
アレンの口角が、無意識に吊り上がっていく。
アレン「……よく考えたら、暴れていいってことっすよね、マキナ様」
アレンの瞳から光が消え、代わりに底知れない「狂気」が宿る。前世では理性で抑え込んでいた、戦いに対する純粋な渇望。転生し、最強の能力を手に入れたことで、彼の本質が顔を出し始めていた。
「撃て! あの小僧を仕留めろ!」
軍艦の砲座が一斉に火を噴く。
無数の砲弾がアレンを襲うが、彼は動かない。
アレン「**『放電(バリア)』**」
アレンを中心に、巨大な雷の球体が出現した。砲弾は彼に触れる直前で雷熱によって蒸発し、夜空に火花を散らす。
アレン「……次は、俺の番っすね」
アレンの姿が消えた。
「なっ、消えた!? どこだ!」
「上だ! 空に浮いて……」
夜空に浮かぶアレン。その手には、武装色で漆黒に染まり、さらに蒼雷を纏ってバチバチと鳴り響く『斬月』があった。
アレン「**『雷鳴の処刑(ジャッジメント・サンダー)』**!!」
アレンが『斬月』を振り下ろすと、空から巨大な雷の刃が軍艦へと降り注いだ。
ドォォォォォォォォン!!
マストが一瞬で焼け落ち、甲板が真っ二つに裂ける。海兵たちの悲鳴が上がるが、アレンの表情は冷ややかだった。
アレン「あはは……なんだ、意外と脆いっすね。海軍本部って、この時代からこんなもんなんすか?」
アレンは軍艦の甲板に降り立つ。周囲を数百人の海兵が囲むが、彼は一歩、また一歩と歩みを進める。
「化け物め! 死ねぇ!」
一人の将校がサーベルで斬りかかるが、アレンはそれを見向きもせずに回避し、すれ違いざまに首筋を指先で弾いた。
アレン「**『3000万ボルト・神鳥(ヒノ)』**」
小さな雷の塊が将校を貫き、背後の壁を消し飛ばす。
アレンは笑っていた。
アレン「もっと……もっと抗ってくださいよ。そうじゃないと、さっきの修行の鬱憤が晴れないんすよ!」
彼は『斬月』を力任せに振り回し、斬撃の風圧と雷撃で、周囲の海兵を文字通り「掃除」していく。
斬って、焼いて、壊す。
その流れるような暴力の連鎖に、アレンは恍惚とした表情を浮かべていた。
ライカ「おい、アレン! 調子に乗って遊びすぎ! 早く終わらせて戻ってこないと、湯冷めしちゃうでしょーが!」
ヘカテ号の風呂場の窓(マジックミラー仕様)を開けて、ライカが全裸で叫ぶ声が聞こえてきた。
アレン「……あー、はいはい。今終わらせるっすよ」
アレンは軍艦の中央、火薬庫がある位置を「見聞色」で特定した。
彼は『斬月』を鞘に収め、右手に全エネルギーを集中させる。
アレン「**『6000万ボルト・雷龍(ジャムブウル)』**」
巨大な雷の龍がアレンの腕から放たれ、軍艦の深部へと潜り込む。
次の瞬間、海上に巨大な火柱が上がった。
軍艦が沈みゆく光景を背に、アレンは雷速でヘカテ号へと戻った。
甲板には、ちょうど風呂から上がり、髪をタオルで拭きながら出てきた女子メンバーたちが待っていた。
マキナ「おつかれ、アレン。……ふん、まぁまぁだな。少しは槍の錆を落とす役に立ったか」
マキナが、風呂上がりで少し上気した顔でアレンを見下ろす。
アレン「……あー、疲れました。これで『稽古』はナシっすよね?」
キース「あはは! アレンくん、最後の方マジで怖い顔してたよ? 欲求不満だったのー?」
キースがニヤニヤしながら、アレンの肩を叩く。
リース「……ん。アレン、汗臭い。……今ならまだお湯、残ってる。入りなよ」
リースがアレンの背中を、お風呂場の方へ押し出す。
アレン「え、あ、いいんすか? ありがとうございます」
アレンがホッとして脱衣所へ向かおうとした時。
ライカ「待て、アレン」
ライカが、まだバスタオル一枚の姿でアレンの前に立ちふさがった。
ライカ「あんた、一人で頑張ったんだから、ウチらが『背中』流してあげるよ。ね、シズちゃんも!」
シズ「えっ!? あ、あの、私は……でも、アレンさんが頑張ったなら……」
赤面するシズ。
アレン「……おい、俺、またユリナさんに殴られるのは嫌なんすけど……」
アレンが引き攣った笑顔を向けるが、ライカとリースの手はすでに彼を「混浴」の深淵へと引きずり込もうとしていた。
ライカ「いいじゃん! 戦いの後は、リラックスが必要だって! ほら、マキナ様も許可してくれますよね!?」
マキナはふいっと目を逸らし、「……好きにしろ」と一言だけ告げて自室へ向かった。
アレン「……あー、だっる……いや、これ天国か? ……いや、地獄だな!!」
アレンの叫びが、軍艦の爆発音と共に夜の海に消えていった。
死神海賊団、グランドラインの最初の夜は、血と雷、そしてお色気混じりのカオスと共に更けていく。
転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?
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その他(他作品とのクロスオーバー)
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