新世界の荒ぶる海を越え、赤い土の大陸(レッドライン)が眼前に迫る。
通常、世界会議(レベリー)に参列する王族たちは、海軍の護衛艦に守られ、ボンディ・リヴァ(昇降機)で優雅に頂上を目指す。だが、ゴッドエデンの女王とその騎士に、そんな「人間のルール」は必要なかった。
マキナ「……アレン、行くぞ」
アレン「了解っす。……あー、久々にこの姿になるのは疲れるんっすけどね」
アレンの体が急膨張し、漆黒と深紅の鱗が陽光を反射して輝く。
**『リュウリュウの実・古代種:完全獣型・古龍形態』**。
全長数百メートルに及ぶ漆黒の巨龍が、マリージョアの白亜の街並みを見下ろすように飛翔した。その背には、紅いマントを翻し、泰然と立つマキナの姿。
聖地の衛兵たちが「敵襲か!?」「いや、招待状を出したゴッドエデンだ!」と大混乱に陥る中、アレンはパンゲア城の正門前、広大な広場へと静かに着陸した。
ドォォォォォォォォン!!
着地の衝撃で大地が揺れ、アレンは人の姿へと戻る。漆黒の礼装に身を包んだ死神が、一歩後ろに控える。マキナは一言も発さず、ただその場に立つだけで、周囲の空気をゴッドエデンの支配下へと書き換えていった。
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「……な、なんだ、あの圧倒的な気配は……」
「死神……アレン・コルテス。マリージョアを二度も壊滅させた男が、なぜここに……」
レベリーに集まった各国の王や護衛たちが、蜘蛛の子を散らすように道をあける。
かつてアレンに国を救われた小国の王は尊敬の念から深く頭を下げ、かつて彼に脅された強欲な王たちは恐怖に歯を鳴らしながら膝を折った。
アレン「……だるいっすねぇ。みんな、そんなに怯えなくてもいいのに。……今日は『平和的』な話し合いに来たんっすから」
アレンが軽く言葉を発しただけで、近くにいた衛兵が数人、腰を抜かして失神した。彼の身体から無意識に漏れ出す霊圧は、もはや凡夫が耐えられる域を遥かに超えていた。
その時、一人の政府職員が、顔を青白くしながら二人の前に歩み寄った。
「……マ、マキナ女王陛下。および、アレン・コルテス殿。……お待ちしておりました。レベリーの本会議まで、まだお時間がございます。……五老星の方々が、別室にて貴方様方を、お待ちです」
マキナ「……ほう。前座抜きで本丸か。……いいだろう、案内しろ」
マキナの冷徹な声が響く。アレンは無言で彼女の背後に続き、パンゲア城の最深部、権力の象徴である『権力の間』へと足を踏み入れた。
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重厚な扉が開くと、そこには世界最高権力『五老星』が揃っていた。
ある者は剣を研ぎ、ある者は地図を眺め、ある者は静かに椅子に座っている。部屋に入った瞬間、五人の老人たちから放たれる「世界を統治してきた自負」という名の覇気が、アレンとマキナを襲った。
サターン聖「……よく来たな、ゴッドエデンの女王。……そして、忌々しき死神よ」
環境武神、ジェイガルシア・サターン聖が、杖を突きながら重々しく口を開いた。
サターン聖「……貴様らの存在は、世界の均衡を著しく乱している。新世界に勝手に国を造り、あまつさえ聖地から奴隷を、いや、政府の資産を盗み出した罪……本来なら万死に値する」
マキナは誘われるままに、五老星と対面するソファへと優雅に腰を下ろした。アレンは彼女のすぐ右後ろに立ち、手を斬月の柄に添えたまま、五人の首筋を「いつでも刈り取れる」距離で見据えている。
マキナ「……罪、か。退屈な言葉だな」
マキナは足を組み、不敵な笑みを浮かべた。
マキナ「私をここに呼んだのは、そんな昔話を今更蒸し返すためか? ならば時間の無駄だ。アレン、この部屋を更地にして帰るぞ」
アレン「了解っす。……いつでもいけるっすよ」
アレンがわずかに刀を抜き放つ。キィィン、という鋭い金属音が部屋に響き、五老星の表情が険しくなった。
サターン聖「……待て。……交渉に来たのだ。……今のゴッドエデンの軍事力、そして科学力。……政府は、それを高く評価している」
財務武神、イーサンバロン・V・ナス寿郎聖が、刀を抱えたまま冷たく告げた。
ナス寿郎聖「……貴様らの国を『世界政府非加盟の特区』として公式に認めてやろう。……代わりに、貴様らが抱える一千人の労働力の一部、およびリースの技術を政府へ提供しろ」
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マキナは鼻で笑った。その瞳には、五老星すら「取るに足らない駒」として扱う傲岸さが宿っている。
マキナ「……特区として認める? ……勘違いするな、老いぼれ共。……私が、貴様らの許可を必要としているとでも思ったか? ……ゴッドエデンの主権は、既に私の手の中にある。……貴様らが認めても認めずとも、我らを止められる軍隊などこの世には存在しない」
ナス寿郎聖「……何だと……!?」
マキナは身を乗り出し、机の上に指をトントンと打ち付けた。
マキナ「……私をここに呼んだからには、相応の『供物』を用意しているのだろうな? ……中途半端な妥協案で、私が満足するとでも思っているのか」
アレンが、さらに霊圧を強める。
部屋の窓ガラスにヒビが入り、豪華な装飾品がガタガタと震え出した。
アレン「……いいっすか。……ウチの女王様は、欲張りなんっすわ。……俺が提示する『条件』は、こうっす」
アレンがリースの通信プラグを起動し、五老星の目の前にホログラムを展開した。
アレン「……一、ゴッドエデンを『完全中立・永久独立国』として承認すること。政府の介入は一切認めない。……二、政府が保有する『古代兵器』の断片的なデータ、および秘密裏に隠し持っている『歴史の本文(ポーネグリフ)』の拓本を全て差し出すこと。……三、今後、俺たちが誰を救おうが、何を壊そうが、海軍は一切手を出さないこと」
五老星の顔色が、怒りで真っ赤に染まった。
ナス寿郎聖「……ふざけるな! それは政府の解体を意味するも同然だ!!」
マキナ「……ふざけてなどいない」
マキナの声が、絶対的な零度まで下がる。
マキナ「……これは『命令』だ。……さもなくば、このレベリーを、聖地の最後の葬列にしてやろう。……アレン。……マリージョアの半分を、今ここで削ぎ落とせ」
アレン「了解っす。……『卍解』――」
アレンが漆黒の霊圧を爆発させようとした、その瞬間。
五老星の中で最も年長の法務武神、トップマン・ウォーキュリー聖が手を挙げた。
ウォーキュリー聖「……待て……! ……分かった。……条件の一部を、検討しよう」
沈黙が流れる。
世界最高権力が、ついに「恐怖」に屈した瞬間だった。
マキナの美しき唇が、勝利の弧を描く。
マキナ「……フフ。話が早くて助かる。……さて、残りの議題は、その『供物』の詳細についてだ。……アレン、お前は少し外で遊んでいてもいいぞ。……こいつらと、じっくり『教育』してやるからな」
アレン「了解っす。……じゃあ、俺は食堂の方でも覗いてくるっすわ。……変な真似したら、すぐに呼んでくださいね、マキナ様」
アレンは背を向け、悠然と権力の間を去っていった。
残された五老星は、冷や汗を流しながら、死神よりも恐ろしい「女王」との、地獄のような逆交渉へと引きずり込まれていくのだった。
マリージョア襲撃から数年。
力による破壊だけでなく、言葉による支配までも手に入れたアレンとマキナ。
レベリーの歴史は、今、ゴッドエデンの色に染め替えられようとしていた。
転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?
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その他(他作品とのクロスオーバー)
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