ONE PIECE 死神伝   作:ぐちロイド

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第85話 黒き暴走、獣の檻と死神の猶予 脳内演算と時間稼ぎ:死神の模索

 

 

「万雷(ママラガン)」の余波によって硝煙の立ち込める演習場に、完全なる静寂が訪れていた。

膝を突き、自慢の金髪ボブを煤で汚したスレナと、全開の胸元を荒く上下させながら地面にへたり込むヴァイパ。新世界を揺るがし始めたばかりの二人の新星は、死神アレンという絶対的な「神」の前に、そのプライドも闘志も完全に叩き折られていた。

 

アレン「……まぁ、そういうわけっすから。ウチの国に入れば、マキナ様直々の美味しいご飯も食べられるし、リースの最先端医療も受けられる。手始めにそのボロボロの体を治療してあげるから、大人しく城へ――」

 

アレンがポケットから手を抜き、二人をゴッドエデンへ連れて行こうと歩み寄った、その刹那だった。

 

**――チクッ。**

 

極小の、しかし空間を正確に切り裂くような微かな風切り音。

アレンの鋭敏な霊圧知覚(ハキ)がその異変を捉えた瞬間には、すでに遅かった。スレナとヴァイパ、二人の無防備な首筋に、陽光を妖しく反射する細い「銀の針」のようなものが深く突き刺さっていた。

 

スレナ「……っ!? なんだぁ、これ……っ!?」

 

ヴァイパ「あ、あれ……? なんか、身体が、すっごく……熱、い……っ!?」

 

二人が首筋の手応えに目を見開いた直後、彼女たちの体内から、悍ましいほどの「どす黒いオーラ」が爆発的に噴き出した。それは通常の武装色の覇気とも、アレンの放つ死の霊圧とも違う、ただただ生者の理性を破壊し、本能の獣へと作り変えるための不浄な濁流。

 

スレナ「オ、オオオオオオ……ッ!! 身体が……裂けるッ!! 殺してやる……いや、ワシは……貴様をォ!!」

 

 

ヴァイパ「アハ、あはははは! 狂っちゃう……! 闘いたい、壊したい……! ねぇ、お兄さん……ウチを、もっと、めちゃくちゃにしてぇええええ!!」

 

バキバキと衣服が引き裂かれる不穏な音が響く。

どす黒いオーラの乱気流に揉まれ、元よりボロボロだったスレナのサラシは完全に弾け飛び、190cmの褐色肌の肉体が露わになった。ヴァイパの黒い革の上着もジッパーごと引き千切られ、ハートのタトゥーが刻まれた胸元をはじめ、彼女たちの豊満な肢体はほぼ全裸に近い状態へと変わり果てていた。

 

しかし、その艶めかしい光景に反して、二人の瞳は完全に血走っており、そこにあるのは底知れぬ「破壊衝動」と、生物としての極限の「性欲」――すなわち、純粋な交尾と殺戮の獣のそれであった。

 

アレン「……チッ。誰の仕業か知らないっすけど、最高に趣味の悪い置き土産をしてくれたっすね」

 

アレンは背後の崖、針が飛んできたと思われる方向を一瞥したが、すでに気配は完全に消去されていた。

それよりも今は、目の前で「暴走状態」に突入し、筋力を限界まで肥大化させている二人の怪物(おんな)をどうにかしなければならなかった。

 

---

 

 

スレナ「オラァァァ!! 立てぇ死神ッ!! 貴様を圧殺して、その美味そうな肉をワシのモノにしてくれるわァ!!」

 

スレナの肉体から放たれるプラズマは、どす黒いオーラと混ざり合い、禍々しい「紫黒の雷」へと変貌していた。その出力は、先ほどの限界を遥かに超越している。肉体の耐久リミッターを強制的に解除された彼女の一歩は、大地を完全に陥没させた。

 

ヴァイパ「キャハハハハ!! 気持ちいい! 気持ちよすぎるよぉお!! お兄さん、ウチのスピードで、一緒に天国までイっちゃおうよぉお!!」

 

ヴァイパの銀髪が逆立ち、彼女の周囲の空間が音速の壁を越えて衝撃波の膜を形成する。

喋ってはいる。しかし、その言葉の構築は完全に崩壊しており、戦闘と性欲の二極に振り切れた、ただの暴走機関車と化していた。

 

ドォォォォォォォォン!!!

 

音速と紫黒の電撃が、同時にアレンの眼前へと迫る。

リミッターの消えた二人の攻撃は、先ほどとは比べ物にならないほどに重く、そして速い。

 

だが、アレンにとって、この二人を「倒す」こと自体は、今の暴走状態であっても造作もないことだった。『天鎖斬月』の一振りを以てその首を撥ねるか、あるいは「万雷」の出力を最大にして炭化させれば、一秒と経たずに戦闘は終了する。

 

アレン「……でも、それじゃあ、ウチの国の新しい仲間(部下)候補が死んじゃうっすからね。マキナ様にも『使えない男』って思われたくないし……だるいけど、生かしたまま解除する方法を探すしかないっすわ」

 

アレンは一切の反撃を行わず、ただゴロゴロの実の「雷子化」による回避と、最低限の「受け」に徹することを選択した。

 

バチィィィィィィィン!!!

 

スレナの紫黒の拳がアレンの残像を撃ち抜き、背後の巨大な岩山を粉々に粉砕する。

間髪入れずに、全裸同然のヴァイパが、汗に塗れたしなやかな脚をアレンの腰へと絡め取ろうと、超音速の組み付きを仕掛けてきた。

 

ヴァイパ「捕まえたぁあ☆ お兄さん、ウチの身体、熱いでしょ!? 早く、早く注ぎ込んでぇえええ!!」

 

アレン「……うおっ、危ないっすね!? 服が破けてるから、どこ触ってもセクハラになりそうだし、何よりその状態で迫られるのは色んな意味で精神衛生上よろしくないっすわ!!」

 

アレンは冷や汗を流しながら、ヴァイパの肉体に直接触れないよう、彼女の突進の風圧を『武装色の覇気』の目に見えない障壁で弾き返した。

 

---

 

 

 

アレン(さて、どうするっすかね……。あの首筋に刺さった針、ただの毒じゃない。おそらく、人間の脳の視床下部とドパミン受容体を過剰に刺激して、闘争本能と生殖本能を暴走させる『狂化薬』の類……。もしくは、新世界のどこかの闇の組織が開発した、悪魔の実の暴走を誘発するナノマシン的な何かか……?)

 

アレンは攻撃を紙一重でかわし続けながら、猛スピードで思考を巡らせていた。

思考の海の中で、彼は自身の持つ知識(前世の原作知識や、これまでにゴッドエデンでリースと共に培ってきた科学的知見)を総動員する。

 

アレン(強引に気絶させるか? ……いや、今の彼女たちは肉体の痛覚が麻痺してる。脳を直接揺らして意識を飛ばそうとしても、あのどす黒いオーラが神経を保護してて、生半可な衝撃じゃ眠らないっすね。下手に手加減して脳にダメージが残ったら元も子もない。……となると、外部からのアプローチじゃなくて、内部の『氣』か『霊圧』の循環を乱して、あの針の薬効を強制的に排出させるしかないか……)

 

スレナ「逃げるなァァ!! ワシと交われ! そして死ねェェ!!」

 

スレナの狂暴な咆哮と共に、上空から巨大な紫黒のプラズマの網が降り注ぐ。それはアレンの退路を完全に断つための、文字通りの「捕獲網」だった。

 

アレン「……だるいっすねぇ。ちょっと大人しくしててほしいっす!」

 

アレンは自身の右手に『ゴゴロの実』の電気エネルギーを集中させ、それを純粋な「磁力」へと変換した。

 

アレン「**【電磁吸着(デンジ・アトラクション)】**」

 

地面の砂鉄が瞬時に隆起し、巨大な鉄の鎖となって、飛びかかってきたスレナとヴァイパの肉体を強引に絡め取った。

 

スレナ「グガァァァァッ!? 離せ! このワシを縛るなァァ!!」

 

ヴァイパ「アハハ! 緊縛プレイ!? お兄さん、そういう趣味なんだぁ☆ でも、これじゃ物足りないよぉお!!」

 

二人の暴走するパワーは凄まじく、鉄の鎖は一瞬でミシミシと音を立てて引き千切られそうになる。

だが、アレンにとって、この数秒の「足止め」があれば十分だった。

 

アレン「……リースさん、聞こえるっすか? 城のバルコニーから見てると思うんっすけど、あの二人の首筋の針、解析データ回すから、何か即効性の『解毒剤(アンチドート)』か、霊圧的な中和プログラムを組んでほしいっす!」

 

アレンは自身の網膜から、リースの端末へと戦闘中のスキャンデータを転送した。

 

リース『……ん。データ受信。……針の成分、悪魔の実のファクターと精神を同調させ、暴走させる未知の有機化合物。……通称、狂戦士(バーサーカー)の血清。……現在、中和コードを演算中。完了まで、あと120秒』

 

アレン「120秒っすか! ……まぁ、あの二人と鬼ごっこするだけなら、何分でも付き合ってあげるっすけどね」

 

アレンは不敵に笑うと、再び鎖を破壊して襲いかかってくる、ほぼ全裸の二人の暴走美女を前に、華麗なるステップを踏み始めた。

 

---

 

 

 

スレナ「殺す殺す殺す殺すッ!! 貴様の全てを奪って、ワシのモノにするんだァァ!!」

 

スレナの爪が、紫黒の電撃を伴ってアレンの胸元をかすめる。礼装の布地が僅かに焦げた。

 

ヴァイパ「お兄さん、ウチをもっと見てぇええ!! 壊れるくらい、抱きしめてぇえええ!!」 

 

ヴァイパが音速を超えた乱舞を放ち、そのしなやかな肢体がアレンの視界を埋め尽くす。服が破けているせいで、彼女が動くたびに、目のやり場に困るような肉体の躍動がアレンの網膜を刺激した。

 

アレン「……いや、本当にこれ、健全な少年漫画の世界観じゃないっすよ! 誰だよ、こんなエロイベント仕込んだ奴は! 後で絶対に見つけ出して『月牙』で消し炭にしてやるっす!!」

 

アレンは内心で悪態をつきながらも、その動きはどこまでも冷徹だった。

一歩。わずかに半歩、身体を傾けるだけで、スレナの渾身の拳は空を切り、ヴァイパの命がけの組み付きは虚空を掴む。

 

アレンは『ゴロゴロの実』の特性である「見聞色の覇気(心網)」を最大に広げ、二人の肉体の中を流れる、あのどす黒いオーラの「結節点(バイパス)」を探していた。

 

アレン(リースさんの中和剤をただ打ち込むだけじゃ、浸透する前にあのオーラに焼き消される。……なら、俺の『雷』を細い針のようにして、二人の経絡(霊子経路)に直接打ち込み、一時的にオーラの流れを寸断して、そこに中和剤を流し込む……。これなら、肉体を傷つけずに暴走だけを止められるっすね)

 

リース「……アレン。中和プログラム、完成。……アランカル・ミニの迎撃レーザーより、中和光線を照射する。……二人の動きを、同時に3秒間、完全に静止させて」

 

リースの無機質ながらも頼もしい声が、通信機から響いた。

 

アレン「了解っす。……3秒っすね。……よし、お前ら、ちょっと熱いけど我慢するっすよ」

 

アレンは初めて、そのポケットから両手を完全に抜いた。

彼の瞳が、深紅の輝きを一層強く増す。

 

アレン「**【六千万ボルト・雷獣(キテン)】**」

 

アレンの周囲から、二頭の巨大な白い雷の獣が召喚された。それは敵を殺傷するためではなく、その強力な電磁場によって、二人の肉体の神経伝達を一時的に「ジャミング(強制同期)」するための、特製の檻。

 

スレナ「ガ、ア……ッ!? 身体が……動か、な……!?」

 

ヴァイパ「アハ、あ……れ? スピードが……出ない、よ……?」

 

スレナとヴァイパの肉体が、アレンの放った純白の電磁檻の中で、びりびりと震えながら完全にその動きを止めた。どす黒いオーラが、白い雷のエネルギーに押し込められ、一瞬だけその密度を失う。

 

アレン「――リースさん、今っす!!」

 

アレンの叫びと同時に、遥か上空、ゴッドエデンの城砦から放たれた二条の青白いレーザー光線(中和光線)が、スレナとヴァイパの首筋の針へと正確に直撃した。

 

---

 

 

 

ジジジジジ……。

 

針が青い光に包まれ、一瞬にして蒸発するように消え去る。

それと同時に、二人を包んでいた悍ましいどす黒いオーラが、まるで嘘のように霧散していった。

 

「あ……、が……」

「う……、ん……」

 

瞳の血走りが消え、元の色彩を取り戻したスレナとヴァイパは、糸の切れた人形のように、その場へ同時に崩れ落ちた。暴走によって限界まで酷使された肉体は、完全に気絶している。

 

衣服は完全に破け、190cmの褐色美女と、銀髪のサイドテールの陽キャ女子が、無防備な姿で泥の上に横たわっていた。

 

アレン「……ふぅ。……マジで疲れたっすわ。戦って倒すより、こういう介護みたいな戦闘の方が、よっぽど肩が凝るっすね」

 

アレンは深く溜息をつき、自身の漆黒のロングコートを脱ぎ捨てると、それを二人の肉体の上にそっと被せてやった。最低限の紳士としてのマナーである。

 

アレン「……ん。アレン、お疲れ様。……暴走成分の中和、および生命維持の安定を確認。……二人とも、脳への重篤な後遺症は皆無」

 

崖の上から、いつの間にか転送(テレポート)してきたリースが、ストレッチャー型のナノマシン浮遊ベッドを引き連れて現れた。

 

アレン「ありがとっす、リースさん。……で、あの針を撃ち込んできたネズミの正体、何か分かりそうっすか?」

 

リース「……現在、針の残骸から製造元の霊子シグネチャーを追跡中。……新世界の闇のブローカー、あるいは『百獣海賊団』の息がかかった実験部隊の可能性、高し」

 

アレン「へぇ……カイドウのオッサンたちの仕業っすか。相変わらず、脳筋のくせに回りくどい嫌がらせをしてくるっすね」

 

アレンは二人の暴走美女がベッドに乗せられ、城の医療プラントへと運ばれていくのを見送りながら、再びだるそうに髪を掻いた。

 

アレン「……まぁ、何はともあれ、これでウチの新しい仲間が二人増えたってことで。……目が覚めたら、マキナ様にたっぷり『教育』してもらうっすわ」

 

死神の気まぐれな「遊び」は、こうして新世界の闇の陰謀を巻き込みながらも、ゴッドエデンの圧倒的な力によって、またしても完全なる勝利の内に幕を閉じるのであった。

 

転スラの二次創作主人公でやって欲しい種族は?

  • 精霊
  • フェンリル
  • ドラゴン
  • 吸血鬼
  • 上位悪魔
  • その他(他作品とのクロスオーバー)
  • その他(コメントで書いて下さい)
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