第12話「セカンド・ジャグリング」
第一次大怪獣時代が数十年の月日が経った現代に、再び怪獣が現代に出現した。
そして、世間が知らないところで新たに存在が確認されているのが『レイオニクス』。
怪獣の魂を宿した少女達『怪獣娘』と、怪獣を操る者達『レイオニクス』…そして、この世界に迫ろうとしている大きな『悪』…。
まさに今の現代は混沌の…“第二次大怪獣時代”へと成り果てていた。
第2章【
・・・・・・・・・・
ー円高、1年G組ー
蛇月「んで。ここの問題はこうなってて、次の期末に出ンぞー?」
ユウジ「ッス」
某日の円高。ユウジやクラスの生徒らは蛇月の授業をちゃんと受けていた。
すると丁度、四時間目の終了チャイムが鳴る。
蛇月「っと?授業はここまで。今からは昼休みだが、今日はまた昼下校になってるから昼休みの時間は短ぇぞー。んじゃ、帰りのHRは次のチャイムなー」
「はい!気をつけ、礼!」
そう言って周りは立ち上がって礼をすると、昼休みの弁当をグループになったりして食べ始めた。
蛇月「さーて…俺も昼飯に…」
ユウジ「あっ!先生、ちょっといいッスか?」
蛇月「お?」
用意した昼ご飯を食べようとした蛇月はユウジに声を掛けられる。
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ー円高、屋上ー
ユウジ「モグモグ、来てくれてありがとう蛇月先生」
蛇月「ムシャムシャ、ゴクッ。おう♪教え子の頼みだからなぁ♪しっかし、お前から俺と2人きりで昼飯を食べながら屋上で話をって、誘ってくるなんてな~。…なんかあったか?」
蛇月に声を掛けたユウジは、彼と話しながら昼食を食べたかったからであり、青空を見上げて話をしながら2人は弁当を食べていた。
ユウジ「ムグッ、ゴクンッ。んー…その“なんか”が多すぎるんスよね…」
蛇月「ハハッ、そりゃそーだな。…でもまあ、隠してることがあるなら、それを無理に話す必要はねぇよ?近頃はいろいろと大変な事ばかり起こるからさ」
ユウジ「!?か、隠し事ってのはそのぉ~…!」
蛇月の鋭い洞察力から出たその発言にユウジは、これまでの事がまるで全て悟られたかのような気分だった。
しかし、無理に追求したりはしない蛇月は、飄々とした雰囲気ながらも、立派な教師としての態度は変えていない。
蛇月「…実は俺な?今年の円高の入学式から結構経ったけど、お前のクラスの担任になれて、今でも嬉しく思ってる。なんかさ、昔俺がいた職場の仲間達を思い出す感じでな~…♪いやぁ懐かしいよマジで♪」
ユウジ「ほ、ホントに?あ、ありがとッス!ちなみに、その職場って…いや、やっぱり大丈夫」
蛇月「…へっ♪互いに秘密主義って事かね~。でもいつかは話せよ~?俺もそん時はちゃんと話すから♪」
ユウジ「!ッス!」
2人は楽しく話ながら弁当を食べ終え、その直後に丁度よくチャイムが鳴り、2人は教室に戻って帰りのHRを始めたのだった。
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ーワロガ一派の隠れ家(“元”サンダスト教本部施設)ー
主催者「フフッ。この世界でいろいろ“戯れ”や“実験”をしてきたが、君らが欲しがってるマイナスエネルギーも言われた通りに集めたよ」
その頃…一派のアジトでは主催者と、リーダーのワロガが持つ“幹部”たちが、用意されたテーブルを囲んで椅子に座っていた。
ワロガと主催者の目の前にいるのは、人間の姿に擬態して不機嫌そうにする男の異星人と、大きな耳が特徴的な一人の怪獣娘(…?)。そして、左手の指が欠損してグローブを身に付け車椅子に乗る白髪の老人の3人。
ワロガ「抜かりなーい♪」
ムイド「フンッ…当たり前だ!ワロガと俺達の計画と戦闘力増強には、愚かな地球人共のマイナスエネルギーは欠かせないからな…!」
どこか苛立ちをし続けてそう言い放つ人間に擬態したこの異星人は『アテリア星人ムイド』。
好戦的でミステラー星人と星間戦争を繰り広げていたとされる、姿が不明の異星人。
彼はその個体の一人で、ワロガ一派の幹部。
地球での活動をするためには人間に擬態したままじゃないといけない状態らしく、彼は人間嫌い故に擬態する事をストレスに感じているようだ。
ノルバーグ「ヒヒッ!そう怒るな怒るな♪大自然を汚す今の人類に、我々と主催者殿の“正義の鉄槌”を下すための辛抱だ。そう、我らが正義!アッハッハッハッ!!!」
主催者「そだねー(…‥ハァ…暇潰しで戦力を強化する際にコイツをテキトーに選んだけど、まあ期待外れの大ハズレかな~…)」
ムイドの態度を落ち着かせようと言った瞬間、老人は車椅子に乗りながら自身の狂った思想と笑い声をアジトの部屋内に響かせる。
彼はかつて、ウルトラマングレートが活躍していた別世界の地球にあるオーストラリアで自身が脳死状態にした人間を洗脳し、テロ犯罪を行っていたエコテロリストの『ノルバーグ』。
最期はUF-0に取り込まれて死亡したものの、主催者が適当に選んで復活させ、上手く言いくるめて洗脳して一派に加えたらしい。
イカルス「…私が言うのもなんだが、この地球人とコイツら…イカれてる…」
洒落で言ったつもりはないが、ノルバーグの反応などの全てにドン引きしている怪獣娘は…‥いや。彼女はこの世界の怪獣娘ではなく、また異なる別世界に存在するれっきとした“怪獣”…「擬人化怪獣」と呼ばれる存在の一人、『イカルス』であった。
主催者によって怪獣墓場学園から召喚され、侵略の為に喜んで協定を結んだらしいが、多少の倫理観は捨てきれてないのか周りの狂った思想ややり方にはドン引きしている様子…。
主催者「じゃあ、これまでの私がやった事については報告済みかな。…‥けどムイド。さっきからその“報告内容”に対して何か不満があるらしいねぇ?」
ニヤケながらわざとらしく聞くとムイドはご立腹故、顔中青筋を浮かべて怒鳴り上げる。
ムイド「…その通りだ!!!」
イカルス「うお!?」
ムイド「貴様ァ、我々の貴重な戦力の一つであるダークリングを、雑魚のブリス星人に金の先払いと称して渡したが、結局は
ムイドはそう言うと帯刀していた鋭い刀を抜刀し、主催者の目の前に向けた。
主催者「…‥ハァー、やれやれ。私の力で怪獣やらなんやら幾らでも戦力は補える。でもまあ君の気持ちは分かるよ?そこで理由を教える。ダークリングを“奴”に手渡す様に仕組んだのは、奴がいま何処に居るか?どうするのか?だからこそ、私がダークリングのエネルギーを感知して居場所を把握することで、我々の存在を知られないようにできる。つまり“発信器”になってるってこと。分かるかい?」
ムイド「だが奴はそれで…!!」
主催者「“怪獣カードを使用してくる”…でしょ?それも対策済みさ。コクッ…プハー…」
主催者は用意したカフェラテを飲む。
主催者「奴が使えるのは、“現状”であの2匹のカードだけ。怪獣メダルから怪獣カードに戻す際の“闇”はほぼ消費したと見える…よって、カードの枚数不足は“痛手”そのもの…。この世界に侵入した時点で“正体”を隠せるのも時間の問題さ。まあ、念には念を持って私が他にも用意はしとくよ」
主催者はそうベラベラと説明していく。
慢心してるような喋り方や雰囲気に見えるが、明らかにその“用心深さ”は周到しており、確かな対策は常に考えている様子だった。
ムイド「…‥ケッ!気味が悪い…全く底が知れん奴だな貴様は…」
それをムイドは、主催者の不気味さに不快感を覚えながらも怒りを沈め、刀を納めた際に椅子へと座り込む。
主催者「フッ♪いいことを教えるよムイド。地球人の言葉にある“油断大敵”。その言葉からは気を付けれる事を学べるの。過信と慢心が招く敗北…って結果をねぇ。…‥敗北が嫌なら、私のアドバイスにちっとは静かに従うといいよ?」
主催者は冷徹に呟きながらムイドを睨み付ける。
ムイド「…!!ぐっ…」
主催者「ンベェ~…♪」
だがその後、直ぐに飄々とした雰囲気に戻ってふざけた表情で小馬鹿にしながら、そのまま椅子に座る。
主催者「さてと。“戯れ”とは言え御蔵ユウジに“アレ”を送っておいた。それで流石に“彼”が動くだろうねぇ…。どんな結果になるか楽しみだよ♪…あ、君達は私がムイドに頼まれたマイナスエネルギーを好きなように使うといい」
ノルバーグ「おぉ!ではお言葉に甘えるとしよう…!!アヒャヒャヒャァッ!!!」
イカルス「……(
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ー原宿、ゲームセンター店内ー
マサハル「こ、このぉ…!のわぁ~~っ!!?また負けた~…!!」
シノハ「~♪~♪どーよ僕の音ゲーで鍛えたテクは~?♪死ぬほど悔しいっしょ?♪」
ユウジ「うひぇ~…!相変わらず、口の悪さと合わせて高得点叩き出すよなシノハってさ~…!」
マサハル「だな~」
シノハ「す、少しは突っ掛かれよな!」
テンペラー『フンッ!耳が痛む場所だな』
ポコ『まあまあ…』
帰りのHRを終えての数分後。
ユウジはクラスメートの友達2人と一緒に、ゲーセンに来ていた。
しかし…この2人の少年も実はかなり前にバトルナイザーを見つけて力を発現させた、新米レイオニクスである。
茶髪の長髪を1本の三つ編みにしたポニーテールが特徴的なのが『中森マサハル』。ユウジと同じく陽キャで、友達思いの明るい性格な少年だが、どうも不幸体質らしい。相棒は“一角超獣バキシム”。
そして、赤いパーカーを学生服の下に着ている、口の悪い生意気な少年は『河上シノハ』。“暴君怪獣タイラント”と“テンペラー”をパートナーにした新米レイオニクス。口は悪いが実はかなりの負けず嫌いで、根は友達思いの健気な少年である。
2人ともユウジと同じG組に通う、円高の1年生だ。
マサハル「ところでさ、ユウジは今日の昼飯って蛇月先生と屋上で食べてたんだっけ?まさか…」
ユウジ「言おうと思ったけど、やっぱレイオニクスですって事を秘密にしちゃった…」
シノハ「バカだね~…なんの為に誘ったのさ」
ユウジ「うぐっ」
マサハル「まあまあ、そー言うなって。それにほら、考えてもみろよ?担任の先生に…“今日まで怪獣を操れる能力で悪い怪獣と戦ってたりしてました!”…なーんて事をさ、いくら相手が頼れる大人でも、そんなこと直ぐに軽~く簡単には言えるもんかよ。ユウジ達は、俺たちや見ず知らずの誰かを守るために、“命を掛けた戦い”を経験してんだ。それを“簡単に”で話すのはやっぱ誘っても難しいもんだぜ?」
シノハ「むっ…言われてみたらまあ…ごめんユウジ」
マサハルがユウジの気持ちを代弁し、諭されたシノハは申し訳なく謝る。
ユウジ「いいっていいって!ほら、せっかく楽しくゲーセン来たんだから辛気臭い話はここまでにしよ!」
マサハル「そだな♪」
シノハ「はいはーい(…‥でもこの件はマサハルが最初に質問したんだよね…?空気が暗くなるから、もういいや)」
シノハは心の中でそう呟きながら、次に遊ぶゲーム台を探そうとした。
するとその時、外から大きな揺れと爆発音が鳴り響いてきた。
ユウジ「どわぁ!?」
シノハ「何事!?」
マサハル「外にまさか怪獣が!?」
三人は爆発音の騒ぎがした外に向かおうとした。
だが更に直後、マサハルの近くにあった小さめのクレーンゲームが大きな揺れに耐えきれず、彼の方に思い切り倒れてマサハルを下敷きにしてしまう。
マサハル「!?ウギャァーーーッ!!!?負のご都合補正かよコンチクショ~~!!!」
ユウジ「な、何言ってるか分かんないけど大丈夫かよ!?」
シノハ「“普通”なら大丈夫じゃないけどね…」
ユウジとシノハは駆け寄って台を退かそうとするが、その時にシノハはユウジにこう言う。
シノハ「…あーもうッ!!僕がマサハルをなんとかするから、ユウジは先に様子を急いで見に行っててよね!!怪獣じゃないなら、ゲーセンが狙われるまでコイツを助ける時間はあるし!」
マサハル「そ、そーだな…!俺が不幸でもこーいうのは死ぬほど馴れてっから、気にしないでまず様子を先に頼む!怪獣じゃなかったら、お前がこれを軽く退かす時間はあるだろ?」
ユウジ「シノハ…!わ、わかった!マサハルごめん!直ぐにまた戻って退かすから!!」
外の状況確認を優先させた2人に言われ、ユウジは申し訳なさそうにそう言って急いで外に向かった。
マサハル「へへっ…俺の不幸体質もヤバイよなー…まっ、このクレーンゲーム台がデカいやつじゃなくて助かったよ」
シノハ「フゥウンゥッ…!!ッハァッ!!それでも十分重いぞこれ…。不幸に馴れすぎたお前の身体もヤバイね…」
マサハル「照れるね~♪」
シノハ「褒めてねーよバカ」
マサハルは案外余裕そうだが、シノハは必死になって退かそうと力を入れ続けていた。
ちなみに客や定員がこちらに気付いてないで騒ぎにパニックで外に出ていた。
…‥ある意味、これもマサハルの不幸体質のせいなのかもしれない…。
・・・・・・・・・・
ユウジ「っ!こ、これは…!?」
ゲーセンを出て騒ぎが起こっている外の光景を見てみると、そこでは黒いガス状のようなモノに取り憑かれた一般人たちが少数暴れていた。
「う、ウゥ…!!」
「ガァーッ!!」
ガッツ星人「えい!イェアッ!」
キングジョー「ヤアァッ!」
「ギャアッ!」
「ウゲッ!?う、うーん…」
しかし、それを怪獣娘に変身したミコとクララが手加減して気絶させながら戦っていた。
ユウジ「ミコとクララ!ひょっとすると…アレがゴモたんが前に言ってた“シャドウミスト”…!」
ユウジはミカヅキから怪獣娘の共通の敵である『シャドウ』についてを聞かされており、この現状の原因であるシャドウの一種…“シャドウミスト”であると看破した。
実態を持たずにミスト状で活動し、対象である「負の感情」を持った人間に憑依することでその人間を凶暴化させる恐ろしいタイプのシャドウだ。
「ウガァッ!」
ユウジ「っ!?あぶね!」
「ギャース!?ぐぅーん…」
看破した直後、シャドウミスト憑依時の一般人が思わずユウジに襲いかかったが、それを反射的に裏拳だけでノックアウトし、気絶させてシャドウミストを切り放してしまう。
ユウジ「あ、ごめん…」
そんなシャドウミストから解放されて気を失う一般人に、ユウジは両手を合わせて謝罪した。
・・・・・・・・・・
河川敷の帰り道。
クララ「いや~、まさかラストはユウジ君が決めちゃうなんて気付きまセンでしたネ~♪お陰で助かりマシタ!」
ユウジ「エヘヘ…////」
ミコ「だね♪……って言うか、君も大した怪我とか無くて平気そうだけど…ホントに大丈夫…?」
マサハル「平気ッスよ~♪おジョーさんとユウジのお陰でなんとか解放されたし♪」
シノハ「“普通”なら死にかけてるよバカ」
ミコ「あ、アハハ…」
シャドウミストの件が片付いた直後、ユウジは急いで2人に事情を説明した事でクララとユウジの自慢の怪力ぶりにより、クレーンゲーム台に下敷きにされていたマサハルは助けられたのだった。
しかし。マサハルには特に大した重傷などは無く、寧ろいつも通りにピンピンしてる様子。それを見てミコは心配するがマサハルはそう言って、その後にシノハのツッコミに彼女は苦笑いを浮かべる。
そんなユウジ達は今、美しい夕陽が照らされる河川敷の帰り道を歩きながら会話していた。
クララ「私はパワーがあり過ぎる怪獣娘なので、下手に人を攻撃するのが難しいのデス…しかも数が多かったので、今回はかなり苦戦しマシタ…」
ポコ『あー…クララさんの宿してる魂はキングジョーでしたもんね…そりゃあ相手は、シャドウミストが人質取ってる様な状態だから下手に力を入れるのは禁物ですね…』
クララ「YES…本当にシャドウは酷い連中デス!」
シノハ「レッドキングのベニオさんとか相性悪そう…」
ミコ「そっ、本当にね。今回は私がおジョーのイベント警護担当で良かったよ」
周りは帰り道を歩きながらいろいろと話す。
クララ「それじゃあユウジ君にポコちゃん♪また会いまショウ♪」
ユウジ「ああ♪」
ポコ『はい!』
ミコ「あっ、シノハ君とマサハル君は一回GIRLSの医務室に来て。怪我してないか心配だからさ」
シノハ・マサハル『ッス』
マサハル「そんじゃあなユウジ~!また明日~!」
シノハ「んじゃ」
ユウジ「おう!」
クララとシノハ、マサハルはユウジにそう告げるとミコのガッツ星人の力でGIRLSまでテレポートして行った。
ユウジ「さて、俺たちも家に帰るか」
ポコ『だね♪』
ユウジはそう言って家まで帰ろうした…が、その時。
ユウジ「…っ!!な、なんか来る…!」
何かを感じ取ってそう呟くと、彼の真下に赤い魔方陣が出現する。
ユウジ「っ!!?おあぁっ!?」
ユウジは魔方陣から離れようとしたが間に合わず、そのまま魔方陣によって何処かに転移されてしまう。
「…‥あの魔方陣…!…ったく、どこのどいつか知らんが、面倒なモン用意しやがってぇ…」
その様子を見ながらぼやくのは、ブリス星人にトドメを差してダークリングを奪った、甲冑を身に纏う刀の異星人だった。
「…丁度いい。どれだけアイツが強くなったか、“担任”としてちょっくら抜き打ちテストしてやっか」
甲冑の異星人はダークリングを懐から取り出すと黒い空間の穴を出現させ、その穴に入ってユウジを追うようにその場から転移した。
・・・・・・・・・・
ー森林エリアー
ユウジ「……っ!!こ、ここは…ポコと会った時の場所…?」
ユウジが魔方陣によって転移されたが、そこで目をゆっくりと開けながら見てみると、転移先の場所は森林エリアだった。
ユウジ「あの赤い魔方陣で無理矢理ワープされた、ってことか…!新手の異星人か?」
ポコ『ユウジ!!気持ちは分かるけど悠長に言ってる暇じゃないよ!?上見て上ぇ!!!』
ユウジ「へ?上?」
バトルナイザー内からポコが必死にそう言ってきてユウジは上を向いてみる。
ギャラクトロン「オォォォ…!!」
ユウジ「!!?」
なんと頭上には、魔方陣の“犯人”である白い龍のロボット怪獣が居たが、ユウジはこのロボット怪獣…『シビルジャッジメンター ギャラクトロン』から明らかに感じれる、“とんでもない殺気”に恐怖を感じて急いでギャラクトロンから距離を取ってバトルナイザーを取り出す…
ギャラクトロン「オォォォォ…!!!」
が、しかし。ギャラクトロンは距離を取ろうと動いたユウジに向けて、左腕の大剣ギャラクトロンブレードを振り下ろす。
ユウジ「うおぉっ!!?くっ…!」
なんとかブレードを紙一重で大きく回避し、ギャラクトロンブレードが地面に突き刺さる。その拍子に土が飛び掛かってユウジにぶっかかる。
ユウジ「見るからに“強いとヤバい”ってのが伝わるロボ怪獣だ…!頼むぞゴモラ、ベムラー!」
泥を払いながらユウジはそう言ってバトルナイザーを向けると、2体召喚する。
《バトルナイザー、モンスロード!》
ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!」
ベムラー「ギャオォォォォンッ!!!」
ユウジ「ベムラーは奴の武装に注意しつつゴモラをサポートするんだ!」
ベムラー「ギャオォッ!!」
召喚されたゴモラとベムラーはユウジの指示に従って咆哮を上げると、そのままギャラクトロンに突撃して戦闘開始した。
ギャラクトロン「オォォォッ!!!」
ベムラー「っ!ギャオォォッ!!」
ゴモラ「グオォッ!!!」
ギャラクトロン「…!?」
ギャラクトロンはブレードをゴモラに振り下ろしながら、後頭部の大きな鉤爪の付いたギャラクトロンシャフトを伸縮させてベムラーに向ける。
だがそれを瞬時に先読みした2体は華麗に回避し、ベムラーはギャラクトロンの右腕を押さえて動きに隙を付け、その瞬間にゴモラは脆い関節部分に打撃を加え、そのまま右腕の熱線を放つ砲塔が装備されてる右アームを引き千切って破壊した。
ユウジ「よし!幾ら2体で戦るとは言えあんなヤバいロボット怪獣に1対1は流石にマズい…!!レンが前の特訓で言ってくれたロボット怪獣の対策を聞いててよかった~…!」
前のある日、実はユウジはレンや皆と特訓した際にレンから多少のアドバイスを聞いていたようだ。
「…ふっ、あのギャラクトロン相手にやるねぇ♪ヤツの武装を最も警戒しつつ、2体で上手く息を合わせて戦う…って判断は得策だ。助け合うのも、“戦士の戦い方”ってやつかな」
そんな中、遠く離れた場所に来ていた甲冑の異星人はユウジの戦いを見ながらそう呟く。
ギャラクトロン「オオォォォォンッ!!!!」
右腕を破壊されたギャラクトロンは、幾らロボット怪獣とは言えども流石に怒りを露にしてる様子。
怒りの電子音の咆哮を上げるギャラクトロンは、右腕の砲塔が無くとも両目と
ベムラー「ギャアァッ!!グウゥ…!ギャオォォォンッ!!!」
ゴモラ「キシャオォォンッ!!!」
ベムラーは放たれた閃光光線を喰らって魔方陣が一瞬浮かんだ瞬間にダメージを受けるが、なんとか持ち堪えてそのままゴモラと共にすかさずペイル熱線と超振動波を放つ。
ギャラクトロン「オォォォォッ!!!」
ギャラクトロンも負けじと魔方陣でバリアーを発生させて防ぐが、これまでの戦いや特訓で多少の経験を積んで戦闘力が共に成長している2体の技を防いだ際、反動で思わずよろめいてしまう。
ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!」
ギャラクトロン「!オォォォ!!!」
ゴモラ「グオォッ!?」
ゴモラはその隙を逃さず、ギャラクトロンに股がって投げ技のフランケンシュタイナーを決める。
だがギャラクトロンも立ち上がると、ギャラクトロンブレードで斬りかかりつつ距離を取って光線やギャラクトロンシャフトで攻撃していく。
ユウジ「ベムラー!」
ベムラー「ギャオォォォンッ!!!」
ユウジはバトルナイザーを向けて指示を送り、ベムラーは尻尾を使った怪獣連撃でギャラクトロンの顔に打撃する。
ギャラクトロン「オォォォ…!!」
ダメージを受けて左眼が破壊されたギャラクトロンは、ギャラクトロンブレードで斬り付ける。
ベムラー「ギャアァッ!!ギャウゥ…」
ユウジ「ベムラー!!ベムラー、よくやった…!ゆっくり休んでて…!!」
いいところにダメージが入ってしまったベムラーは流石にダウンしてしまい、ユウジは労いの言葉を掛けてベムラーをバトルナイザーに戻す。
ユウジ「ベムラーの攻撃でヤツも限界になってるはずだ!一気に畳み掛けるぞゴモラ!!」
ゴモラ「キャオッ!キシャオォォォォンッ!!!」
ギャラクトロン「オォォォォォッ!!!!」
ユウジの指示に力強く返事をしたゴモラはギャラクトロンに向かっていき、ギャラクトロンも負けじと全ての武装を使って攻撃を叩き込む。
ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!!!」
ギャラクトロン「!!」
だがゴモラは大きな咆哮を上げつつそれを受け流していき、ギャラクトロンの胸部の赤いコアに角を突き刺す。
ユウジ「超振動波!ゼロ・シュート!!」
ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!」
ギャラクトロン「…!!!?」
十八番である必殺技の超振動波を流し込まれたギャラクトロンは遂に機能停止し、そのままゴモラにカチ上げられて真後ろに放り投げられて爆惨した。
ユウジ「やったなゴモラ!ベムラーも頑張ってくれてありがとな!」
ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!♪」
ベムラー『ギャオォォンッ!♪』
勝利したユウジはゴモラと、バトルナイザー内で傷を癒してる最中のベムラーにそう言って、2体は嬉しそうに咆哮を上げた。
「ほぉ~…!やるねぇ♪」
ユウジ達が勝利したのを見た甲冑の異星人は、黒い“闇”に身を包むと人間の姿になり、ダークリングを構える。
しかしその姿は…なんと蛇月ショウタであった。
彼の正体こそ、あのウルトラマンオーブの腐れ縁のライバルである『無幻魔人ジャグラスジャグラー』だった。
怪獣娘の世界に興味があったのか、そこに辿り着くと潜伏しつつ、円高でユウジ達G組の担任教師となっていたのである。
ジャグラー「んじゃ、抜き打ちテストと行こうか…!」
蛇月ことジャグラーは、構えたダークリングの力でインナースペース内に入ると、2枚の怪獣カードを一枚ずつリングに通す。
ジャグラー「ゼットンさん!」
《ゼットン!》
ゼットン「ゼットォォン…!」
ジャグラー「パンドンさん!」
《パンドン!》
パンドン「キャキャオッ!!」
読み込んだカードは2体の強豪怪獣の幻影となって出現する。
ジャグラー「お待たせしました♪闇の力、お借りします!」
ジャグラーは決め台詞を言い放つとダークリングを上に掲げ、それを同じ動作で真似した2体の幻影と融合した。
《超合体!ゼッパンドン!!》
ゼッパンドン「ゼットォォォキャキャオン!!!ヘヤッ!」
ダークリングの力により、ジャグラーはかつて何度も変身した怪獣…『合体魔王獣ゼッパンドン』となって、ゴモラとユウジの目の前に降り立つ。
ゴモラ「っ!?」
ユウジ「な、なんだこの怪獣…?い、一体どこから…!…!こ、コイツ…まさかゼットンの亜種か…!?」
困惑する中、ユウジはゼッパンドンの姿を見て明確にゼットンと同じ胸部があることに気付いてそう考えつく。
ジャグラー『んー、惜しいな~…!ゼッパンドンの力、ちょっとだけ見せてやんよ!♪』
ゼッパンドン「ピポポポ…!!キャキャオッ!ゼットォォンッ!!!」
インナースペース内にいるジャグラーはそう言ってダークリングを向けると、ゼッパンドンはゼットンとパンドンの鳴き声を合わせたような咆哮を上げて向かってくる。
ユウジ「っ!連戦かよ…!ごめん、頼むゴモラ!」
ゴモラ「キャオッ!キシャオォォォンッ!!!」
ユウジはゴモラに指示を出すと、まだ体力が少しは残ってるゴモラは頷いてゼッパンドンと取っ組み合う。
ゴモラ「グルル…!グウゥ…!!」
ゼッパンドン「ピポポポ…!キャキャオッ!!ゼットォォンッ!!」
取っ組み合いで力を図り合うが、今のゼッパンドン時のジャグラーは多少の手加減をしている。…とは言え、両者がパワーをフルに発揮すれば互角に近い。
その瞬間、ゼッパンドンは火球をゴモラの顔面に直撃させる。
ゴモラ「キャオッ!…っ!?グウゥ…?!」
火球を喰らった瞬間、ゼッパンドンは瞬時にテレポートで姿を消していた。
ユウジ「っ!…‥」
ゴモラ「グルル…」
だが、ユウジとゴモラは互いに顔を向けて頷くと眼を瞑った。
ユウジ「…‥後ろだ!」
ゴモラ「!キシャオォォンッ!!」
ユウジとゴモラは眼をパッと開くと、ゴモラはメガトンテールを振るう。
その瞬間。ユウジの言う通り、ゼッパンドンはテレポートでゴモラの真後ろに出現する…がしかしゼッパンドンは刹那、すぐテレポートしてメガトンテールを回避された直後のゴモラの背後を取った。
だが。
ユウジ「フェイントはもういいんだなこれが!」
ゴモラ「キシャオォォォッ!!!!」
レンとのリベンジマッチで彼が使用したテレポートによる“フェイント”を経験したおかげで、ゴモラは自身の背後を新たに取ったゼッパンドンの胸部に思い切り回し蹴りを叩き込む。
ゼッパンドン「ぜ、ゼットォォン…!?」
ジャグラー『お、おおぉ…!?…‥へぇ…!♪こりゃぁ…‥満点だ♪』
予想外の対応から繰り出された攻撃によって、ゼッパンドンは運悪く急所に入った。
この一撃には流石のジャグラーも戦闘続行が不利だと悟り、テレポートで撤退した。
しかし。テレポートによるフェイントを対処したその一撃で、去り際のジャグラーは“教え子”であるユウジの成長に心なしか少し嬉しそうであった。
ユウジ「んん…!?な、何がしたかったんだよあの怪獣…」
ゴモラ「キャオォ…?」
ユウジとゴモラはかなり困惑しつつも、なんとか勝利を収めたことを確信した。
・・・・・・・・・・
ー円高、1年G組ー
翌日…。
カミナ「そんなことがあったんだね…!ユージが無事で良かった‥」
イワミ「連戦はダルかったろうな…」
ユウジ「ホッッッントそれ…」
マサハル「ど、ド疲れさん」
あれからギャラクトロンの魔方陣によって森林エリアに飛ばされて連戦で戦う事になったユウジは、GIRLSに報告しつつリトラに乗ってなんとか家まで帰宅できたユウジ。
そんな出来事を友達のレイオニクス達に話していく。
蛇月「イテテ…皆おはよー」
ユウジ「せ、先生?」
すると胸部を痛そうにしている
どうやら、昨日のダメージは回復しきれてないため、だいぶ痛そうにしていた。
ユウジ「な、なんかあったんスか…?」
蛇月「あ?あー…ちょっと転んでさ。大丈夫、気にすんな♪寝りゃあ治るよ」
ユウジ「は、はい」
ユウジは心配しながら席に着いて、今日も彼の授業を受け始めた。
担任の彼がジャグラスジャグラーである事を知らないが、“ほぼ”味方であるのは確かかもしれないだろう…。
続く!
次回予告!
GIRLSのバイトをするユウジは、GIRLS設立や怪獣娘などに多くの関わりを持つ研究者の青年、多岐沢マコトと出会う。
怪獣娘の発現する特徴や暴走に関連する部分がレイオニクスと多少似ているのではと考え、2人は話す。
だが。そんなユウジに目を付けた四人の怪獣娘の影が迫ろうとして…‥たんだけども…?
次回、第13話「侵略!?我ら、ブラックスターズ!!」
レッツ侵略だ!