大怪獣バトル娘!~ウルトラ怪獣擬人化大戦記~   作:ガタ

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第8話「異星人の恩返し!?」

宇宙空間。

 

数々の惑星や小惑星が漂う宇宙空間に、小型の宇宙船が飛行していた。

 

クール星人「宇宙工事のバイト、今日も疲れた~…早く帰ろっと」

 

乗っていたのは昆虫のような姿に黒い風貌が特徴の異星人、「宇宙ハンター クール星人」だった。

しかし彼は地球人に例えると“一般人”な個体らしく、どうやら仕事帰りな様子だ。

 

クール星人「近頃は野生の宇宙怪獣がやけに出現してるらしいから気を付けないと…」

 

クール星人は操縦しながらそう言うが、船内の操縦席から警戒音が鳴り響く。

 

クール星人「うあっ!?な、なんだ!?」

 

クール星人が驚いた瞬間、小隕石が彼の宇宙船まで向かってそのまま衝突した。

 

クール星人「ギャァーーッス!!?噓でしょォ~~~ッ!?!!?!?」

 

小隕石にぶつかった宇宙船は、クール星人の悲鳴と共に地球まで不時着する羽目に…。

 

・・・・・・・・・・

ー虚介の家ー

 

虚介「ええかユウジ君?消しゴム判子ってのは、刃物に気ぃ付けながら文字や絵を、鏡文字で想像しながら彫っていくねン♪」

ユウジ「ッス、でも相変わらずムズイ…!」

虚介「そーいうこっちゃな~」

 

その頃、今日は円高が休日で、今は午前11時50分の昼前。

ユウジは虚介と遊ぶために彼の自宅へ来訪しており、そこで二人はゲームや消しゴム判子を作ったりして遊んでいた。

 

虚介「おっ、そろそろお昼やさかい、何か美味いモン食べに行かへんか?奢るで♪」

ユウジ「いいんスか?じゃ、ゴチになりまーす♪あ、でも先に“皆”の飯をやらなきゃ」

虚介「うん?皆って…ああそう言うことやな♪んじゃその後に昼飯行きますか♪」

 

ユウジの言ったことを即理解した虚介は、ユウジと一緒に懐からバトルナイザーを取り出して、縮小化機能で怪獣を召喚する。

 

《モンスロード》

 

ゴモラ「キシャオォン♪」

リトラ「クルル♪」

パラゴン「ギャオォォ!♪」

 

30㎝ほどまで縮小召喚されたユウジのゴモラとリトラ、そして虚介の相棒『蜃気楼怪獣パラゴン』が、嬉しそうな鳴き声を上げて出てくる。

 

ユウジ「お待たせ♪昼ご飯の時間だ♪お前らの為に俺が今回も作ったからね♪」

ゴモラ「!キャオォォン!♪」

リトラ「キュエェン♡」

 

ユウジはバックから弁当箱を取り出し、自らが作った美味しそうな手料理を2体に見せる。

それを見たゴモラとリトラは嬉しそうに彼の肩に止まったり、顔にすり寄ってくる。

 

 

ユウジ「へへっ♪いつも気に入ってもらえて嬉しいよ♪」

虚介「相変わらず、消しゴム判子以外の方はかなり女子力あるンやな~。まあ、手作りな方が愛情たっぷりやさかい、怪獣との絆も強なるわな~」

パラゴン「ガウ」

 

ゴモラとリトラに頬擦りされて嬉しそうなユウジを見た虚介は、感心しながら自分なりの納得をし、パラゴンも頷く。

ちなみにパラゴンもお腹を空かせているのか、虚介の足元を角で軽く小突いていた。

 

・・・・・・・・・・

ーGIRLS東京支部、会議室ー

 

そんな中、GIRLSの会議室ではトモミとランが緊急で呼び出した怪獣娘たちに報告をしていた。

 

トモミ「皆さん、今回緊急で呼び出したのは他でもないです!先ほど、某宇宙研究所の知らせで、宇宙から未確認の飛行物体が森林付近のエリアに落下した、と確認がありました!」

ラン「まだ世間に知れてないのは幸いだけど、研究所の管理する衛星カメラに撮った映像からして、小型だけど明らかに異星人の宇宙船であることが判明したわ」

 

普段着のスーツとメガネで大人びた格好のランが、席に座る怪獣娘たちに説明をしながらモニターに映像を流す。

映像では、仕事帰りであったクール星人の宇宙船が小隕石にぶつかって地球へと落下している様子の記録映像だった。

 

ミカヅキ「あちゃー…!」

サチコ「ヒェー…」

クララ「Oh…なんだか可哀想デスね…」

 

その映像から、明らかに不運な状態だと思い、怪獣娘たちが少なからず同情の声を上げる。

しかし、現実的に考えて警戒する声も…。

 

ラン「まだ善良な異星人かどうかも分からないのに、同情なんかしてどうするの?乗ってる異星人が侵略者なら、寧ろいいくらいよ」

ベニオ「オイ!そりゃ幾らなんでも言いすぎだろ!?」

ミク「先輩の言う通りッスよ!い、異星人にも悪いヤツばかりとは限らないし…!」

 

ランのドライで辛辣過ぎる物言いに、流石のベニオとミクはそう言い放つ。

 

トモミ「ま、まあまあ!確かに、まだ安全とは決まったわけじゃないです。なので、一旦一人でも現場調査に向かってもらいます!相手が怪獣を連れていたらと言う考えも否定できないため、ユウユウにも先ほどメッセージを送りました!」

ミカヅキ「!♪じゃあピグちゃん!まず私が向かって、ユウちゃんと合流するよ♪」

 

トモミの調査活動の内容にユウジの名を耳にしたミカヅキは、ハンモックから飛び下りて挙手しながら任務を志願してきた。

 

トモミ「分かりました!♪」

アキ「(……なんだかゴモたん…心なしかユウジ君に会いたがってる…?)」

 

ミカヅキが珍しく積極的に任務を引き受けようとした彼女の本心に、アキは少し悟る…。

 

・・・・・・・・・・

ー某所のとあるラーメン屋ー

 

その頃丁度…。

 

ユウジ「ズズッ、ズルッ!美味っ!なにこのラーメン!?スンゲェ美味いんですけど!?」

虚介「せやろせやろ~?♪ちょ~っっっぴり値は張るんやけども、それやさかい超美味いンやな~♪奢り甲斐があるわな♪」

 

二人は相棒たちの昼食を食べさせた後、ユウジは虚介の紹介で来た某所近くのラーメン屋に来店したが、そこで彼は舌を唸らせながらラーメンを食していた。

そんな後輩の様子を見ながら虚介は、嬉しそうに店の太鼓判を押して説明する。

と、その時。ユウジが持つGIRLS連絡用のソウルライザーからメッセージが届く。

 

ユウジ「ん?GIRLSから連絡か、なになに?…!…ご馳走さま!白戸先輩、ラーメン奢ってくれてあんがと♪」

 

見たメッセージの連絡内容に、ラーメンを完食したユウジはそう言って店を出ようとした。

 

虚介「おおきに♪それとー…何か“手伝い事”でも頼まれたン?」

ユウジ「うっ」

 

同じくラーメンを食べ終えた虚介はテーブルに頼んだ二人分の代金を置いて一緒に店を出ると、GIRLSの協力要請を察してそう聞く。

 

ユウジ「やっぱ先輩って察しがいいな~…!」

虚介「後輩の面倒を見てるさかい当然や♪人手が足りんとちゃう?ウチも手伝うで」

ユウジ「!ッザス!」

 

ユウジは彼に礼を言うと、二人で調査先の森林エリアまで向かった。

 

・・・・・・・・・・

ー森林エリアー

 

ユウジ「よっと!お待たせ~♪」

ゴモラ(ミカヅキ)「おお~!来るの早いね~!♪私は今ここに着いたばかりだったんだ~♪」

 

人気の離れた所でリトラを召喚して、ソウルライザーで集合地点の座標を確認しながら、ユウジと虚介は森林エリアへと向かって辿り着く。

そしてそこには、集合地点の河原にミカヅキがゴモラへと既に変身して待機していた。

 

ゴモラ「でも休日なのに急でまた呼び出してごめんね~?」

ユウジ「大丈夫♪異星人の宇宙船が不時着したんなら、手伝いが必要なのも当然っしょ。大船に乗ったつもりでいろよ!♪」

虚介「せやせや」

ゴモラ「ん?君は?」

 

虚介と初対面のミカヅキが話しかける。

 

虚介「ども~♪ユウジ君と同じレイオニクスで、二年先輩の白戸虚介と言いますさかい、よろしゅう頼ますわ♪」

ゴモラ「おっ!私と同じ大阪出身やね?よろしくね虚介ちゃん♪」

虚介「おう♪な~んか気が合いそうやな~♪」

ユウジ「馴染むの早ッ」

 

胡散臭い雰囲気がある彼だが、それを誰も感じさせないほどの普段から面倒見が良い性格のお陰か、ミカヅキとすぐ馴染む虚介であった。

 

ゴモラ「じゃあ、連絡した調査内容の異星人の乗った宇宙船を見つけよっか!不時着したのは確か…こっちらしいね!」

ユウジ・虚介『(了解)

 

ミカヅキはソウルライザーの座標を確認してそう言うと、3人は墜落した宇宙船を探しに向かう。

すると、ユウジは視線を感じて後ろ辺りを振り向いた。

 

ユウジ「…ん?なんだ…この気配…?」

虚介「ユウジくーん?」

ゴモラ「どったの~?」

ユウジ「あっ、ううん!ごめんなんでも!」

 

気のせいだと思ったユウジは2人の跡を追った。

しかし、ユウジの感じたのは気のせいではなかった。

 

?「……フッフッフッ…!見つけましたよ、レイオニクス…!しかも2人も…なるほど。この宇宙の地球には、多くの地球人のレイオニクスが増え始めてますねぇ…!あの方の仰ってた通り…まさに我々、ヒッポリト族にとって恐るべき力…!主催者に邪魔される前に、一刻もレイオニクスを駆除しますか…!」

 

遠く離れた茂みから、赤い姿の異星人がユウジの方を見ていた…。

 

・・・・・・・・・・

 

それから、45分経過後。

 

ユウジ「おぉ~…見つけたけど、ワゴン車くらいの大きさだ」

ゴモラ「だね…しかも、隕石にぶつかったせいですごく凹んでるで…」

虚介「ハァ…ハァ…!お、追い付いた…!」

 

ユウジとミカヅキは、クール星人の隕石衝突によって破損した小型宇宙船を見つけ、本物の宇宙船を目の前にしながらそう言う。

けど、最後尾から辿り着いた虚介は2人と違ってかなり息切れしてもうバテていた。

それもそのはず。

実は3人がこのエリアの歩いた森の通路は足場が滑りやすかったり転けそうだったりするので、いろいろと険しい道のりである。

……故に虚介は、道中で3回ほど転んで怪我しそうになった。

 

ユウジ「ん?……っ!!」

 

するとユウジは何かを再び感じ取ったのか、血相を変えながら急いで宇宙船に駆け寄った。

 

ゴモラ「ちょっ!?ユウちゃんどうしたの!?」

虚介「あんま近づくと危な…」

ユウジ「この船の中から酷く弱ってる感じがした!しかもだいぶ死にかけてる…!早く助けなきゃ!!」

ゴモラ「えぇ!?分かるの?!」

虚介「っ!い、言われてみたら…嘘みたいに聞こえるかもしれへんが、なーんかウチも後から感じてきたかも…!」

 

そう言うとユウジの跡から虚介も急いで船に駆け寄る。

どうやらレイオニクスの力なのか、怪獣や異星人などの未知の力や生命体を感じやすくなってきているようだ。

ぼちぼちとは言え、実戦経験の成長からユウジが感じ取ったようだ。

 

ゴモラ「なるほど…!私やアギちゃんがシャドウの気配を感じ取れる…的なアレか!2人とも頼りになる~!」

ユウジ「ゴモたん、嬉しいけど手伝って!今は、マジでヤバいから…さっ!!」

 

そう言うとユウジは宇宙船の残骸やエリアにある折れた木、中くらいの岩を退かしながら宇宙船の扉を見つける。

相手がかなり深刻な状況なのか、彼はだいぶ焦っていた。

 

ゴモラ「あっ!そんな感じなの?!す、すぐ手伝うね!」

虚介「硬い棒とか使ってこの扉を抉じ開け…って言っても、相手がどんな奴か分からへんのやぞ!?ええんかユウジ君…?」

ゴモラ「…!」

 

出動前、異星人に対する多少の警戒心故の辛辣な発言をしたランと、今の虚介の言葉に対して、ミカヅキはそれを重ねて悩みそうになった。

だが。

その間、0.1秒すら考える暇なくユウジは先輩(虚介)の問いにこう答える。

 

ユウジ「死にかけてる誰かを助けるのに、異星人だからとかで見捨てれるか!!誰かが困ってんなら、助けるのが当然っしょ先輩!?ウォラァッ!!!」

虚介・ゴモラ『…っ!!』

 

船の残骸である部品のパイプを使い、それでテコの原理を活かして扉を力強く抉じ開けたユウジは、虚介の問いにそう言い放った。

 

虚介「…えろうスマンかったユウジ、相手のことは今まず後で考えるべきやな!」

ユウジ「そーゆーこった!」

ゴモラ(ユウちゃん…!私たちよりカッコいいやん…!)

 

ミカヅキがユウジに心を打たれる中、2人が船に急いで入ろうと…したその瞬間。

 

クール星人「う、うぅ~ん…!た、助けてくださいぃ…!!」

 

丁度、扉まで這いつくばっていたクール星人が2人の足元に来ていた。

 

ユウジ「だ、大丈夫か!?すぐに手当てを!」

ゴモラ「ユウちゃん、GIRLSから救急セット持ってきてるから使って!」

 

ユウジはクール星人を抱き上げるとミカヅキから救急箱を受け取ろうとする。

 

クール星人「い、治療用の装置に入れてください…!!まだあれだけは幸い壊れてないから…うぅ…!」

 

クール星人は傷だらけで弱った身体をユウジに抱き上げられながらも、最後の力を振り絞って装置を指差す。

 

ユウジ「!わかった!!」

 

人が一人入れるくらいのカプセル状の装置を見た彼は返事をし、言われた通りにクール星人をすぐ装置に入れた。

 

『重傷ヲ確認、回復処置を開始シマス』

 

クール星人を装置に入れた途端に作動し、機械的音声が発せられた瞬間に蓋が閉じる。

そのままクール星人の傷だらけの身体に治療するための光が当てられ、みるみると彼の傷が癒えていく。

 

ゴモラ「お~…!流石は異星人が作った装置やね~」

虚介「せ、せやな」

ユウジ「ホッ…!間に合ってよかった…!」

クール星人「…!」

 

クール星人が助かるのを悟ったユウジは、彼の命を助けられた事に心からの声を小さく呟いた。

だが、装置の内部で治療を受けてるクール星人だけはそれを聞き逃さず、ユウジの優しさに心を打たれ、感動するのだった。

 

………………

 

それからものの数分もせずに装置が開き、クール星人が起き上がる。

先ほどの重傷や弱っていた様子が嘘の様に万全な状態へと治っていた。

 

ユウジ「早っ!?」

クール星人ポコ「っ!!助けてくれてありがとうございます!!僕はクール星人の『ポコ』と言います!」

 

装置から出てきて完全回復した“ポコ”は、ユウジに必死に頭を下げて礼を言いながら律儀に自己紹介する。

 

ユウジ「お、おう。いいってことよ♪俺は御蔵ユウジ!」

虚介「白戸虚介や、よろしゅう」

ミカヅキ「私はゴモラの怪獣娘の黒田ミカヅキ♪」

 

3人も自己紹介する。

虚介と変身を解除したミカヅキからは完全に警戒心は無く、悪い奴じゃないと分かっていつものフレンドリーで親しげな話し方になっていた。

 

ポコ「か、怪獣娘って…?…ん?あっ!お、お二人が持ってるのはまさか…!?」

 

怪獣娘と言う存在を初めて知って不思議に思うポコだったが、ユウジと虚介が持ってるバトルナイザーを見てそっちの方に驚く。

 

ユウジ「あー…一旦お互いについて話し合うから落ち着きなって!なっ?酷いことしないし」

虚介「取って食いはせぇへん」

ミカヅキ「安心してよ♪」

ポコ「わ、分かりました…すみません…じゃあ、まず僕についてを話しますね」

 

ユウジ達に安心させられたポコは落ち着いて話しをする。

 

ポコ「僕はクール星に住んでるクール星人の一般人で、故郷から出た先にある小さな惑星の宇宙工事でバイトをしてます。で、仕事の帰りに…」

ミカヅキ「小さい隕石が宇宙船とぶつかってここに落ちた…って事か~…」

ポコ「はい…」

ユウジ「そりゃあ、災難だったな…」

虚介「ドンマイや…」

 

3人はポコの悲惨な目に遭った話を聞いて同情そ、慰めたりする。

それからその後、ユウジは自分らの住んでる地球がどんな状況なのかを詳しく話した。

 

ポコ「………いや僕よりもかなり大変な状態じゃないですか!?そ、それなら…異星人の僕を警戒しても無理はないと思うんじゃ…?」

虚介「まあ確かに、今の時期だったからこそワイや多少の人は、異星人とかを侵略者だの偏見で警戒してしまうかもしれへんな。…せやけど」

ミカヅキ「ポコちゃんみたいなのが平和に暮らす異星人がいるとすれば、私たち人間や怪獣娘も異星人と変わらないよ」

ユウジ「人はそれぞれ複雑だけど、確かなのは…お前が誰かに助けを求めていたことかな?俺はそれを感じたから必死に急いだよ。死にかけてる誰かを見殺しにしたくない…人間じゃなくても困ってるなら助けたい…って、無我夢中にね。だからさ俺、本ッッッ当にポコの命が助かって良かった~…!って今でもずっと思ってるんだ」

ポコ「…っ!!!ゆ……ユ゛ウ゛ジ゛さ゛ぁ゛ん゛~…!!あ゛り゛が゛と゛う゛ご゛ざ゛い゛ま゛す゛う゛ぅ゛~…!!!」

 

3人は心優しくそう言って、ポコは感動のあまり滝のような涙を流す。

 

ユウジ「ぶわっ!?大袈裟だって~。異星人とか人間とか関係無しに、お互い助け合うのは当然っしょ♪」

ポコ「グジュッ…!!はい!!」

 

すると次の瞬間、破損した操縦席から奇跡的に通話の着信音らしき音が鳴る。

 

ユウジ「ん?アレって、お前の電話?」

ポコ「あっ、はい!あの着信音からだと、仕事先からかも。あー、もしもし?」

 

そう言うとポコは電話に出た。

 

虚介「着メロで誰からなのかを分別する感じかいな?」

ミカヅキ「あー、ウチのガッツちゃんは仕事溜めやすいからそんな感じに着メロ分別してたな~」

 

2人が通話の邪魔にならないように小さな声でそう話していたその時、通話相手が怒鳴る。

 

『くおぉぉぉらぁぁぁッ!!!オイ、クール!!お前が帰る頃に仕事がまた出来たから戻ってこいって何回も連絡したが、何してんだぁ!!!』

ユウジ「うぉ!?(通話でデケー声出すなよ…)」

ポコ「え、えぇっ!!?そ、そうだったんですかぁ!!?ごめんなさい!実はその帰り道に宇宙船が小隕石にぶつかって、それで地球に不時着してたんです…!」

 

通話相手の現場監督の異星人と思われる者の怒鳴りにユウジは驚くが、その話を聞いたポコの方が酷く驚いて必死に訳を話しながら謝罪する。

だが…。

 

『なに?それのせいで気付かなかったって嘘付くつもりか!?』

ポコ「嘘じゃなくてホントなんです!!監督!仕事先の方から救助連絡を急いでくれm…」

『工事の仕事に遅れる役立たずは知らん!!地球でニートになるか野垂れ死ぬか勝手にしろ!!!お前はクビだぁぁぁぁッ!!!!』

 

ブチッ!ツー…ツー…バシュンッ!!

 

電話を切られた直後、電話の通信システムから火花が飛び散って破損し、円盤内の全システムが完全に使い物にならなくなってしまう。

 

ポコ「……」

ユウジ・ミカヅキ・虚介『……』

 

ポコの不遇っぷりに、これには流石のミカヅキですら完全に黙りきってしまった。

 

ユウジ「…ハッ!ぶ、ブラック企業なバイト先だったね…意識ある…?」

ミカヅキ「だ、大丈夫ポコちゃん…?」

虚介「救助も出さんとかなんてブラック上司や…!ポコはん、めっさ同情するわ…」

 

3人は慌てながら再び口を開くと、彼を慰めながら心配し始める。

 

ポコ「……は、はい…なんとか…」

 

そうは言うものの、流石にキツイ事を言い放たれれば、ショックは大きすぎて暗い顔になるのも残当だ。

 

ユウジ「ポコ…、…っ!!」

 

するとユウジは上を見上げて再び何かを感じた。

 

ポコ「え?ど、どうかしましt」

ユウジ「急いで外に!!早く!!!くっ!」

虚介・ミカヅキ・ポコ『えっ!?』

 

ユウジはそう言うが本能的に間に合わないと肉体が悟って、3人をすぐ担ぐと外に飛び出た。

と、その瞬間。

 

「ギャオォォォッ!!!」

 

外にはいつの間にか、赤い怪獣が音も無く出現していて、ユウジ達が外に出て宇宙船から離れると、怪獣はその巨大な足ですぐ踏み潰した。

 

ポコ「ぼ、僕の船が~…!?」

ミカヅキ「か、怪獣!?」

虚介「なして急に!?」

ユウジ「…!あの怪獣を呼び寄せたのはお前か!?」

 

ポコがショックを受けて2人が驚く中、ユウジだけはまた何かを感じたのか、誰もいないはずの後ろを振り向いてそう言い放つ。

その直後、巨大なカプセルが姿を見せ、頭上から素早く浮くようになってそのまま消える。

それにより、カプセルの中に入って透明になっていた異星人が姿を見せた。

 

「いや~、お見事。君はあの金髪レイオニクスに比べて反応速度がいいようだ。実戦経験故に段々と成長し、怪獣や私の様な異星人などの気配を感じやすくなってますねぇ。いずれも我々の種にとって大変危険ですなぁ…!」

 

拍手をしながら姿を見せて慇懃無礼な振る舞いと喋り方をするのは、先ほどユウジたちを遠くから見ていた赤い異星人だった。

その顔つきは何処と無くタコを思わせる。

 

ミカヅキ「わっ!タコみたいな顔の異星人!」

虚介「い、言うほどタコに見えへんぞ…?まー、初見で見たらそう思うかも知れへんか…」

「……その初見である相手に失礼ですよ?しかも私のモンスアーガーを目の前に悠長な…少しは緊張感を持ってほしいですよ」

モンスアーガー「グルル…!!ギャオォォォンッ!!!」

 

赤い異星人は溜め息を突いてそう呟く。

そして、ポコの宇宙船を足で踏み潰した赤い身体と頭部にある特徴的な青い皿の部分を持つ怪獣、『破壊獣モンスアーガー』が同意を込めたような咆哮を上げる。

 

ユウジ「お前もレイオニクス…なのか…?」

「いいえ。私はレイオニクスの存在に憎悪と恐れを持つ、“宇宙で一番強い生き物”…『地獄星人ヒッポリト星人』です!」

 

モンスアーガーを調教して操っているこの赤い異星人は、かつてウルトラ5兄弟とウルトラの父を倒した実利を持つヒッポリト星人で、彼はその別個体のようだ。

 

虚介「そのヒッポリト星人がなんの用やねん!?ポコはんの船壊さんでもエエやろが!?」

ミカヅキ「そーだそーだ!」

ヒッポリト星人「おやおや?レイオニクスを始末する際、そこの下級異星人と合わせて一気に楽にしようとしたんですのに、貴方達が船を出るから行けないんじゃないですか?ギョポポポ!」

虚介「あ゛ー…!ワイ、コイツ嫌いや」

ミカヅキ「私も~…!」

 

2人はヒッポリト星人の残忍な反応と敵意にそう言い放つ。

 

ヒッポリト星人「嫌いでどうも!貴方がたお二人のレイオニクスも含め、怪獣娘とそこの“雑魚”め口封じとして地獄に送って差し上げましょう…!!」

ポコ「ヒッ…酷い…」

ユウジ「…っ!お前ぇ…!!」

ゴモラ『グルル…!!』

 

ユウジは精神的に悲しみ続けるポコの表情を見て耐えられなくなり、自分達に殺意を持つヒッポリト星人を睨み付ける。その際に、怒りを込めて握ったバトルナイザーの内部で、ゴモラもヒッポリト星人を睨み付けていた。

 

ヒッポリト星人「ほほーう?準備は良さそうですねぇ…!では狡猾なやり方てしてもう一体プラスさせてもらいます!行け、ベムラー!」

 

ヒッポリト星人が指を鳴らすと、向こうの湖から青い光の球体が出現し、こちらへと向かって飛行する。

そして球体は少しずつ消えると、中から怪獣が姿を見せた。

 

ベムラー「ギャオォォォォンッ!!!」

ミカヅキ「!?あ、あれって確か…!」

ユウジ「宇宙怪獣ベムラーか!」

 

その怪獣は、『宇宙怪獣ベムラー』。

別宇宙の地球で、初めて光の巨人『ウルトラマン』が降り立って地球やありとあらゆる世界と宇宙を守護する伝説を築く存在の架け橋となった宇宙怪獣だ。

どうやらこの世界、怪獣娘の世界でも地球で初めて確認された怪獣娘もベムラーだとされるため、GIRLSや他の怪獣娘たちがベムラーを知らない事は無い。

故に、ユウジもベムラーを知ってた様子。

 

ヒッポリト星人「さぁ、ベムラーにモンスアーガーよ!レイオニクスを殺すのだ!!」

ベムラー・モンスアーガー『ギャオォォォォンッ!!!!』

 

2体は咆哮を上げてユウジ達に襲い掛かる。

 

ユウジ「っ!頼むよゴモラ!」

虚介「へへっ、どーやらウチのデビュー戦って事やな?行ったれパラゴン!」

 

《バトルナイザー、モンスロード!》

 

ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!」

パラゴン「グオォォォンッ!!!」

 

ユウジと虚介は互いの相棒を召喚し、戦闘を開始した。

 

パラゴン「クオォォッ!!グオォォッ!!!」

ベムラー「ギャオォォォンッ!!!」

 

パラゴンは背中の発光部から破壊光線を放ち、ベムラーもペイル熱線を吐いて互いに相殺する。

 

ゴモラ「グルル!キシャオォォォォンッ!!!」

モンスアーガー「ガオォォォッ!!ギャオォォォォンッ!!!」

 

そしてゴモラは尻尾のメガトンテールで攻撃するが、モンスアーガーは瞬時に右腕を軽く上げることで振り掛かった尻尾を弾き返すようにガードし、300万馬力の怪力で殴り掛かる。

だがゴモラもそれを敢えて読んでいたのか、モンスアーガーのグーパンを同じく腕でガードし、そのままカウンターで腹部にヤクザキックと角による頭突きを喰らわす。

 

モンスアーガー「グウッ!ギャオォォォォンッ!!!」

ゴモラ「っ!キシャオォォォンッ!!!」

 

モンスアーガーの皮膚はダイヤモンドよりも58%の強固さによる防御力を誇るため、生半可に力を加えた蹴りじゃ微動だにしない。

 

ユウジ「!ゴモラ、反撃を許さず攻撃を続けろ!」

ヒッポリト星人「パートナーに命令しながら、私と戦うのはキツイのでは~!?それ!!」

ゴモラ(ミカヅキ)「ユウちゃん危ない!」

 

ユウジはヒッポリト星人と格闘戦で戦いながら指示を出すが、隙を着いたヒッポリト星人はそう言うとノズル状の口から出す突風「ヒッポリト地獄風」で吹き飛ばす。

 

ユウジ「うあっ!?っと!!」

ヒッポリト星人「へ?ギョポォッ!?」

 

吹き飛ばされてしまうがその際に木の枝を掴み、アスリート選手の如く華麗に一回転し、その直後に手を離してヒッポリト星人の顔面に両足蹴りをきりもみで喰らわせる。

 

ゴモラ(ミカヅキ)「えっ!?凄ぉっ!!」

虚介「流石は円高一のズバ抜けたフィジカル野郎やな!♪」

ゴモラ(ミカヅキ)「じゃあ私も負けられへんで~!とりゃ~!」

 

変身時のミカヅキもユウジの後に続いて、ヒッポリト星人に角を使った一直線の突進攻撃を加えようとする。

 

ヒッポリト星人「っ!な、なんのぉ!!」

ゴモラ(ミカヅキ)「ありゃ!?」

 

ヒッポリト星人は起き上がって回避すると同時に、両腕から追尾式の「ヒッポリトミサイル」を放つ。

 

ゴモラ(ミカヅキ)「…なーんちゃっての阪神~!」

ヒッポリト星人「!?ぎ、ギョポポォッ!!?」

 

しかし彼女は尻尾のメガトンテールでミサイルを野球ボールの如くカキーンッ!と鳴る様な感じで弾き返し、ヒッポリト星人へと直撃させて大ダメージを与えた。

 

ポコ「み、皆さん凄い…!」

 

ポコは虚介の隣で彼に守られながら、ユウジ達の戦いに思わずその一言が出た。

 

虚介「やるやんけ~!♪ならワイも!パラゴン!」

パラゴン「ガオッ!!」

 

ベムラーのペイル熱線を相殺していたパラゴンは虚介にバトルナイザーを向けられた瞬間、そのまま相殺しながら勢い良くベムラーに突進攻撃を喰らわせる。

 

ベムラー「!?ギャァッ!!?」

 

思わぬ攻撃手段に対応できず、ベムラーはパラゴンの角を含む突進攻撃をクリティカルヒットして倒れ、気を失って完全にダウンしてしまう。

 

ユウジ「おお~!先輩やる~!」

虚介「ハァ…ハァ…!で、デビュー戦…勝ち取ったり~…!パラゴンお疲れ様や~…!ガックン~…」

 

そう言うとパラゴンをバトルナイザーに戻した瞬間、初のデビュー戦による影響で馴れてないのか、ユウジの初戦と同じくそのまま疲れながら倒れて気を失ってしまう。

 

ゴモラ(ミカヅキ)・ポコ『あっ!』

ユウジ「し、白戸先輩!?あちゃー…初めての俺みたいな感じか…って熱っ!?うんっ!?」

 

ミカヅキとポコが虚介に駆け寄ってユウジも駆け寄ろうとすると、ヒッポリト星人の放つ火炎技「火炎地獄」が当たりそうになったが、何とか回避した。

だがその直後に再びヒッポリト星人が襲い掛かって格闘戦になる。

 

ユウジ「っ!くっ…!しぶといなー…!!」

ヒッポリト星人「ギョポォッ…!!それはこちらの台詞ですよ…?案の定…貴方を殺さないといけないくらい……厄介なレイオニクスって言うのが判明したんですから…!!!異星人を相手にここまで戦れた礼です!!ハアァッ!!!」

ユウジ「あぁだ!?」

 

そう言い放つとヒッポリト星人は距離を取る為にユウジを軽く蹴り上げた。

その瞬間、彼の頭上から怪獣サイズのドーム状カプセルが降って、彼を閉じ込めた。

 

ゴモラ(ミカヅキ)「ゆ、ユウちゃん!!」

ポコ「や、ヤバい…!アレはヒッポリトカプセル!と言うことは…!」

ヒッポリト星人「その通り!我らヒッポリト族の最強の攻撃手段…!ヒッポリトタールのブロンズ化だ!!」

 

そう。ユウジを閉じ込めたそのヒッポリトカプセルこそ、あのウルトラ5兄弟をブロンズ像にしてしまった初代ヒッポリト星人と同じ必殺兵器…『ヒッポリトタール』だった。

 

ユウジ「くっ…!!」

ゴモラ「っ!?キシャオォォォォンッ!!!」

モンスアーガー「ガッ!?」

 

モンスアーガーと激しい戦闘を繰り広げていたゴモラも、流石に主人(マスター)であるユウジの窮地に気付き、モンスアーガーを遠くに突き飛ばしてカプセルを破壊しようとした。

 

ヒッポリト星人「おーっと?私がそれを発動すれば、その大きさのカプセルから降り注ぐタールの量で明らかに死にますよ~?ギョポポォッ!♪」

ユウジ「こ、この卑怯モンが…!!」

ゴモラ「グウゥルルゥッ…!!!」

 

ユウジは悔しそうにして呟き、ゴモラに至ってはヒッポリト星人を今すぐにでも噛み殺してやりたい、って思った目付きで睨み付けていた。

 

ゴモラ(ミカヅキ)「ゆ、ユウちゃん!っ!!」

ヒッポリト星人「貴女も無駄な動きはやめなさい!いいのですか~?」

ゴモラ(ミカヅキ)「!ぐぬぬ…!!」

 

ミカヅキも悔しそうにしながら、じっとしようとした。

 

ユウジ「……ゴモラ!ゴモたん!俺に構わずアイツをぶっ飛ばせ!!」

ゴモラ(ミカヅキ)・ゴモラ『!?』

ポコ「え…!?」

 

すると、ミカヅキとゴモラはユウジの自己犠牲覚悟な発言に驚く。

 

ゴモラ「グルル…!!キャオォォ…!」

ゴモラ(ミカヅキ)「何言っちゃってんの!?出きるわけないじゃん!!」

ユウジ「うっ…でもこのままじゃ…!」

ポコ「ど、どうすれば…!」

 

しかしゴモラは「出来ない」、と意思を示して首を横に振り、ミカヅキもそう言う。

するとモンスアーガーがゆっくりと立ち上がる。

 

モンスアーガー「ガルルル…!!」

ヒッポリト星人「ギョポッ♪モンスアーガーよ!休憩は終わりです!先程の分を思いっきりいたぶって差し上げなさい!!」

モンスアーガー「!!ギャオォォォォンッ!!!!」

 

ヒッポリト星人はそう言い放つと巨大化した。

そして、ゴモラへの仕返しを指示されたモンスアーガーは頷いて咆哮を上げると、両手を組んでエネルギーを溜めて放つ赤色の火炎光弾…「大破壊光弾」をゴモラに向けて撃った。

 

ゴモラ「っ!!ガアアァァッ!!!」

ゴモラ(ミカヅキ)「ゴモちゃん!!」

ヒッポリト星人「ギョポッ!♪ギョポポポ~!!♪直ぐに殺すより、人質を取って蹂躙してから殺す方が気持ちいいですねぇ~!♪」

ユウジ「て、テメェ…!!」

 

防御無しで高威力の大破壊光弾をもろに喰らったゴモラは、倒れ込んでグロッキーになりかける。

そんな痛々しい光景を、ノズルを撫でながら高みの見物となって大声で言い放つ。

 

ヒッポリト星人「それにしてもベムラーめ…マーキンド星人のところで安く買いましたが、安物じゃ調教不足でしたね。……フンッ!!」

ベムラー「ガッ…!」

 

ヒッポリト星人は倒れて気絶してるベムラーの首元を蹴り上げ、そのまま唾すらも吐き付ける。

 

ゴモラ(ミカヅキ)「ひ、酷い…!!」

ユウジ「ゆ、許さない…許さねぇ…!!」

ゴモラ「!!グウゥルルゥ…ッ!!!」

 

その光景に、ますます怒りが込み上げるユウジとゴモラは、身体からほんの一瞬だけ赤黒いオーラが沸き出ていた。

 

ヒッポリト星人「では、そろそろトドメを差しましょうか…!」

モンスアーガー「グルル…!!」

ユウジ「…っ!!」

 

頃合いと思ったヒッポリト星人は、モンスアーガーと並んでブレストクラッシャーと大破壊光弾を放とうとエネルギーを溜め始めた。

 

しかし、次の瞬間。

 

ポコ「せ~のっ…!!!おりゃ~!!!!」

ヒッポリト星人「ギョポッ?ギョエッ!?」

モンスアーガー「グガァ!?」

 

いつの間にかポコがカプセルの後ろ側まで辿り着いており、彼はそのまま手から念動力「超引力波」で怪獣サイズのヒッポリトカプセルを軽々と動かして、ヒッポリト星人とモンスアーガーに投げつける。

 

ゴモラ(ミカヅキ)「す、凄いじゃんポコちゃん!!」

ユウジ「助かったよポコ~!!…って、あら…?」

ポコ「う、うーん…!」

 

カプセルから脱出したユウジはミカヅキと一緒にポコに駆け寄るが、苦しそうにしながら気絶していた。

そりゃぁ、明らかにウルトラマン用の巨大カプセルを、人間大サイズの彼が超引力波なる能力で動かせば、一気にエネルギーが尽きて再び死にかけるのも無理は無い…。

 

ユウジ「ポコ…!!……ゴモたん、直ぐに終わらせるからポコと白戸先輩をお願い」

ゴモラ(ミカヅキ)「うん!」

 

ユウジは、怒りに満ちた瞳でヒッポリト星人を睨み付けながらそう言うと、ゴモラの方へ駆け寄る。

 

ユウジ「ゴモラァ!!ごめん…!俺が油断したりしてお前を…!!」

ゴモラ「っ!!グルル…ペロッ…」

 

深いダメージを負ってるゴモラに心配そうに触れながら、己の不甲斐なさを詫びてそう言う。

だがゴモラは、主人(マスター)が無事になったのを凄く安直し、嬉しそうに彼を舌で舐める。

 

ユウジ「ブワッ!?ご、ゴモラ…!へへっ…ありがとう。…んじゃ、あのド外道を一気に叩くぞ…!!」

ゴモラ「グルル!キシャオォォォォンッ!!!」

ゴモラ(ミカヅキ)「いっけー!2人共ォーっ!!」

 

拳にした右手をパーにした左手に思いっきりバシッと音を立ててそう言うとゴモラの肩まで素早く登り、直後にゴモラは勢い良く起き上がって深く頷いた直後に咆哮を上げてヒッポリト星人とモンスアーガーに向かって行く。

 

ヒッポリト星人「お、オノレェ!!!」

モンスアーガー「ギャオォォォォンッ!!!」

 

ヒッポリト星人とモンスアーガーも起き上がって、向かって来るユウジとゴモラに火炎光弾や光線を撃つ。

 

ユウジ「っ!!ゴモラ!」

ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!!!」

 

ユウジはバトルナイザーを向けて何かを伝えたのか、その指示にゴモラは向かいながら、通りすぎる際の木を走りながら1本だけ引き抜き、ユウジがそれを力強く持ち抱える。

直後、ゴモラは尻尾を使って地面を叩きつけると数十mは軽く飛んだ。

 

ヒッポリト星人「ぎ、ギョポポポ!!?」

モンスアーガー「ゴガアァッ!!?」

 

2体は上空に飛んだゴモラを見て驚愕する。

 

ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!!!」

 

そしてそのまま、ゴモラは右脚を上げながら勢い良く回転し、モンスアーガーの弱点である頭部の青い部分に向けて“踵落とし”を決めた。

 

モンスアーガー「グエェェェェェッ!!!?」

 

ゴモラの凄まじい踵落としが決まったモンスアーガーは、弱点の頭部にシールドを張っても破壊されてしまった程の威力だった為、断末魔を上げながら頭部から火花を上げて倒れ、絶命した。

 

ヒッポリト星人「なっ!?」

ユウジ「…報いを…受けろおぉぉぉっ!!!!」

ゴモラ「キシャオォォォォンッ!!!!」

 

ユウジは上空からゴモラの抜いた木を丸太の如く担ぎながら、ヒッポリト星人の頭部に目掛けて投げつけた。

 

ヒッポリト星人「っ!!?ギョポポポォ!!!?」

 

投げつけられた木が、大きな丸が出来るほどに頭部に突き刺さって、見事に貫通した。

そしてヒッポリト星人は断末魔の叫びを上げて爆裂四散するのだった。

 

ゴモラ(ミカヅキ)「よっしゃァ~!!」

 

それを見たミカヅキは跳び跳ねるほど、彼らの勝利を喜んだ。

 

ユウジ「っと!ハァ…ハァ…!マジでありがとな、ゴモラ」

ゴモラ「グルル…♪」

 

ゴモラの手の平に上手く着々したユウジは、かなり疲れながらも笑顔と共にサムズアップを向けた。

そしてゴモラも、嬉しそうに声を出しながらユウジの方に顔を向けてもう片方の手でサムズアップをしたのだった。

 

・・・・・・・・・・

ーユウジの自宅ー

 

ポコ『………ハッ!!?こ、ここは………バトルナイザーの中…?』

 

かれこれ数時間後、ユウジに命がけの恩返しをしたポコは再び体力消耗で死にかけていたが、彼によってバトルナイザーへと回収されたお陰で全回復できたのだった。

 

ユウジ「んあ…?おっ、目ぇ覚めたみたい?」

ポコ『あっ!ユウジさん!』

 

そんなポコが内部で目を覚ました瞬間、ちょうどバトルナイザーを大事そうに持ったまま眠っていたユウジも目を覚ます。

どうやら心配していたが、彼も流石に戦いでの疲労は耐えきれず、ポコが目を覚ますまではうたた寝してしまった様子。

 

ユウジ「ごめん、心配してたから起きるまで待ってようとしたのに、あまりにも疲れと眠気に耐えられなくて…」

ポコ『気にしないでよ!だって貴方は僕の命の恩人ですし、戦いの後に疲れないなんて事は流石に無いですから難しいですよ…』

ユウジ「そ、そっか。…でも、ポコだって俺らの命の恩人じゃん♪」

ポコ『っ!え、エヘヘ…////』

 

バトルナイザー内で照れていると、ポコはあることを思い出して聞く。

 

ポコ『あっ、そう言えばあの後はどうなって…?』

ユウジ「あぁね。ゴモたんと白戸先輩達とはさ、怪獣娘が日本で活躍してるGIRLSって組織まで戻って、大変だったけど調査報告やお前についての事をいろいろ話したおかげで、湖上はなんだかんだ岡田と一緒に凄く理解してくれたよ。その後は、皆とそれぞれ解散して俺は姉ちゃんに説明しながら家に帰り、んで姉ちゃんも分かってくれたことで、今この状況ってことかな。……ふぅ…」

ポコ『な、なるほど…!い、いろいろありがとうございます!!』

 

ユウジは説明した後、ポコは礼を言った。

 

ユウジ「へへっ♪そんなに言わなくても大丈夫だって♪あ、そだ!堅苦しいからさ、俺や俺の友達だけでもいいから敬語じゃなくて普通に話していいよ♪その方が馴染みやすいし♪俺たち、相性ピッタリな感じもするしさ!」

ポコ『!い、言われてみたら…!……うん!僕は、今日から“ユウジ”のパートナー異星人になって、サポートするよ!』

ユウジ「おっ!いいの?じゃあ、以後よろしくなポコ!」

ポコ『うん♪』

 

ポコはユウジの言葉に凄く嬉しく思い、今日から彼の“パートナー”となった。

すると、バトルナイザー内にいる一体の怪獣が目を覚ます。

それは、ヒッポリト星人が使役していたはずのベムラーだった。

あの後、ユウジがベムラーを仲間にして助けたいと思った事で、バトルナイザーがそれに機能として反応し、向けた瞬間に仲間として取り込んでベムラーの命を救ったのだ。

 

ベムラー『グルル…』

ユウジ「あ、ベムラーも起きた?傷、治ってるみたいだな。良かった~…!」

 

ベムラーの全回復した様子に、ユウジは心からの一言を呟く。

 

ベムラー『っ!ぐうぅ…』

 

するとそれを見たベムラーは、とても申し訳なさそうに顔を下に向ける。

どうやら、敵対していたことを気にしてる様だ。

 

ユウジ「気にすんなって♪悪いのはあのヒッポリト星人なんだから、お前は何も悪くない。お前は頑張って戦ってたのに、ヒッポリト星人は首を蹴り上げてきた。それがどんなに許せない事だから、お前も助けたくなったんだよ…」

ベムラー『ぐ、グウゥ…!!』

 

ユウジはベムラーを咎めたり攻めたりすることなく、寧ろベムラーも救えた事を心から安直していたのだ。

それを聞いたベムラーは涙を流し始める。

 

ポコ『その気持ち、凄く分かるよベムラー…』

ユウジ「うんうん。じゃっ、これからも一緒に頑張っていこっか!ポコ、ベムラー、よろしく♪」

ポコ『うん!♪僕、頑張るよユウジ!』

ベムラー『ギャオォンッ!』

 

かくして、ヒッポリト星人との激しい戦いの末勝利し、ユウジは新たな怪獣と異星人を仲間に迎え入れた。

彼のバトルナイザーの内部は、賑やかで頼りになるチームとなるのは間違いないだろう。

 

次回も続く!




次回予告!

未だに未実戦なカミナはある日、ユウジと模擬戦をやることに。
一度、異星人に拐われた苦い経験から彼女は、「ユージ達と一緒に、私も誰かを守れるようになりたい…!」と言う。
その頃、とある場所で一体のレッサーボガールが…!?

次回、第9話「カミナ奮戦!?暴食怪獣を倒せ!」

お楽しみに!
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