大怪獣バトル娘!~ウルトラ怪獣擬人化大戦記~   作:ガタ

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第9話「カミナ奮戦!?暴食怪獣を倒せ!」

某日、円高の昼休み。

 

・・・・・・・・・・

ー怪獣倶楽部、部室ー

 

カミナ「モグモグ…ママの弁当、相変わらず美味しいな~♪……」

ユウジ「?どしたん?なんか朝から少し元気ない感じだったけど…」

 

昼休みに怪獣倶楽部の部室内で、2人きりになったユウジとカミナは弁当を食べていた。

…がしかし、今日は珍しく彼女が少し元気が無いことをユウジは気付く。

 

カミナ「うっ…や、やっぱそう感じちゃう…?」

ユウジ「幼馴染みなんだから当たり前じゃん」

カミナ「だよね~…。…思ったんだけど私、まだ戦ったことないじゃん?イワミンやユウカ先輩、白戸先輩も悪い怪獣や異星人と戦ったって話を聞くから、それでウチもまた前みたいに…悪い異星人に連れ拐われれるとか思って焦ってんだよね~…ホントあの時は拐われたのマジムリ…」

ユウジ「!カミナ…」

 

カミナはブリス星人にユウジを殺す為におびき寄せる囮として拐われたのを、少しトラウマにしているのか、話す度に自分の左腕を軽く掴んでちょっと身体を震わせていた。

それを見たユウジは、自身の胸がキュッと締め付けられる感じになる。

だがその後。

 

カミナ「だから…だからウチ!ユージみたいに誰かを助けたい…!いつも友達といれるこの毎日を守りたい!!もし、私だけしかいない状況で誰かに助けを求められても、何も出来ずに見てるのだけはホントにムリ!だから私も強くなってユージや皆を…!!」

ユウジ「っ!!お前…!」

 

震えと怯えを止め、ユウジに対して真剣な表情でそう言ってきたカミナ。

彼女の眼に宿るのは、紛れもなく“覚悟”と“意思”。

ユウジと同じ眼だった。

 

ユウジ「…カミナ、それを俺が断る理由なんざ無い!勿論手伝うよ♪」

カミナ「っ!ありがとユージィ~!」

 

そう言うとカミナは、自分の胸へと押し込める様にユウジを抱き締める。

 

ユウジ「ぶわォっ!?も、もお~。大袈裟に抱きつくなよ~。モグモグ」

カミナ「あっ////え、エヘヘ…////」

ポコ(……この雰囲気で、まだお二人は付き合ってないの…?)

 

カミナは少し照れながら彼を離すと、弁当を食べ終えた。

そんな様子をユウジのバトルナイザー内にいるポコは、ちょっとジト目になって呟く。

 

カミナ・ユウジ『ごちそうさま!』

ユウジ「ところで、戦えるようになりたいってこたぁさ?模擬戦ってのを試す?」

カミナ「おっ!ユージそれ、グッドアイデアじゃん!」

ポコ『なら、今からでもやってみる?』

ユウジ「へ?」

カミナ「え?い、今やれんのポコちゃん!?」

 

ユウジのバトルナイザー内で2人にそう言ったポコ。

ちなみに、GIRLSや怪獣倶楽部に通うメンバーは異星人のポコを、ユウジが前回仲間にしてから連絡で伝えられているらしく、カミナとはもう仲良くなっている。

 

ユウジ「で、でも、どーやって…?」

 

《モンスロード》

 

ユウジがポコに聞いた直後、彼はバトルナイザーから出てきて、懐から腕輪型の装置を取り出す。

 

ポコ「よいしょっと!実はこの前、クララさんと一緒に作ったアイテムがあるんだ♪それがこの…特訓専用「フィールド生成装置」!これを起動させると、GIRLSの荒野特訓場や海などの環境とフィールドを、疑似空間として生成し、いつでも無制限に模擬戦の特訓とかが出来るんだ♪ちなみに空間滞在中の間、時間の流れが違っていて、10時間居ても外じゃ1秒しか経たないから、いま模擬戦とかやっても昼休み終わってるどころか、授業時間を過ぎてしまう的な心配は全く無いよ♪」

 

某七つ集めたら願いを叶えてくれるバトル漫画に出てくるような、そんな機能を備えた装置をポコは取り出して詳しく2人に説明する。

 

ユウジ「マジかや!?…ポコ、お前優秀すぎん?」

ポコ「え、エヘヘ…♪////」

カミナ「おお~!凄い便利じゃん!なんだかポコちゃんって、某ネコ型ロボットみたいな感じだね♪」

ユウジ「カミナ、その表現はちとマズい…」

ポコ「う、嬉しいけど確かに同感…」

カミナ「だ、だよね~!ごめ~ん!!」

 

カミナの的確すぎなその表現に、2人はいろいろ焦ってそうツッコミを入れるのだった。

 

カミナ「じゃ、やってみよっか!」

ユウジ「オケ!ポコ!」

ポコ「うん!」

 

ポコはフィールド生成装置を起動させると、空間の空洞が出現した。

 

ユウジ「ホントに凄いな~…!でもなんでこんなにスゲぇアイテム作れんの?ブラック企業の宇宙工事でバイトしてたんじゃ?」

ポコ「いや~実は僕、昔から機械弄りとかの物作りや、怪獣についての情報を調べるのが好きだったからそれで~…」

カミナ「ポコちゃん、趣味が豊富で人生楽しめてるね♪」

ユウジ「だな♪心強いやっちゃ♪」

ポコ「っ!!////あ、ありがとう!こ、これからもユウジ達の為に頑張るよ!」

ユウジ「へへっ♪おーよ!♪」

 

照れるポコに対してカミナとユウジは、彼の頭を撫でながらそう言い、3人はフィールド内に入る。

 

・・・・・・・・・・

ー疑似空間内ー

 

ユウジ「よっと!うわ!?ま、マジで本物と変わらな?!」

カミナ「ホントだー…!」

ポコ「正直、作った僕自身も成功しすぎてちょびっと驚いたね…」

 

3人は疑似空間に入ると、装置の設定で生成されてる風景は、GIRLSの荒野特訓場と全く同じものだった。

まるで空間内というよりは、テレポートで学校からGIRLSまで移動した様にも感じる。

しかし。

装置が生成した疑似空間内と言うことが分かる証拠…それは、ポコが装置の出口をボタンでオンオフすることで出現と消滅を繰り返せてること。

時間だけじゃなく、帰りの入り口確保も万全な様子。

 

カミナ「っし、まずは私の“相棒”を呼ぶね!出てきて、エレキング!」

 

《バトルナイザー、モンスロード!》

 

空間内の安全などに慣れた3人。

その直後、カミナはそう言って自分のバトルナイザーを向こうに向けて掲げ、相棒の『宇宙怪獣エレキング』を召喚した。

 

エレキング「キイィッ!!キキイィィィィッ!!!」

 

召喚されたエレキングは、身体中に電気をバチバチっと軽く走らせ、気合いバッチリな咆哮を上げる。

 

ユウジ「これが湖上の宿すカイジューソウルの元になったっていう、本物のエレキングか~!」

カミナ「お~…!!リムの時と違って、こっちが本当の姿なんだ!初めて見たけど、カワイイとカッコいいを欲張りしてて、超エモいじゃん!♪」

 

最初はリムエレキングの姿しか見てなかったが、今日は初めて本来の姿であるエレキングとしての姿を見て、だいぶ興奮していた。

 

エレキング「!キイィッ♪」

カミナ「お~っ?♪フフッ♪ヨスヨス~♪」

 

すると、そんな様子のカミナを見たエレキングは嬉しそうに声を上げ、彼女に顔を寄せて頬擦りし始め、カミナもエレキングの頭を撫でる。

…ちなみに、電力はオフにしてるため触れても大丈夫な様子。

 

ユウジ「エレキングって、あんなに可愛いいんだ♪」

ポコ「だね♪あっ、そう言えば、ユウジはどの怪獣で相手を?流石にゴモラじゃ力が入りすぎちゃうんじゃ…?」

ユウジ「無問題!模擬戦のデビュー戦から、経験積ませんのにピッタリなヤツがいっから♪」

 

《バトルナイザー、モンスロード!》

 

そう言うとユウジは、バトルナイザーを向こうに向けて一体の怪獣を召喚した。

 

ベムラー「ギャオオォォンッ!!!」

 

召喚されたのは、ヒッポリト星人の戦いからユウジが仲間にして救ったベムラーである。

無論、このベムラーはユウジに命を救われて改心し、大人しくなっている。

 

ポコ「なるほど、確かに仲間にしたばかりだからお互いの模擬戦にはピッタリな対戦カードだね」

カミナ「その、ベムラーの話はポコちゃんの件と合わせて聞いたけど、あのヒッポリト星人って奴…酷かったらしいね…」

ユウジ「ああ…ポコが助けてくれたお陰だ」

 

カミナはこの前の件を聞いたのでベムラーやポコを知ってるが、最初の主であるヒッポリト星人の悪辣さから、ベムラーの悲しさに同情するのだった。

 

ベムラー「グルル…」

 

するとベムラーはユウジに顔を寄せ、こっちも頬擦りしてくる。

 

ユウジ「おっ♪へへっ、じゃあ始めよっか!」

ベムラー「ギャウ!」

カミナ「幼馴染みでも手加減はしないからね!」

エレキング「キキィ!」

 

模擬戦による特訓を始めようとした2人は、互いに向こうの場所に立つ。

そして2体の怪獣も鼻息をフンスッ!と鳴らして気合いを入れる。

 

ポコ「では、始め!」

エレキング「キキィイィィィッ!!!」

ベムラー「ギャオォォォォンッ!!!」

 

いつの間にか審判みたいな感じになったポコは、どこからか取り出した赤と白の旗を上げて、すぐ勢いよく下へとおろしながら模擬戦を始めた。

 

ベムラー「ギャオオォォンッ!ゴアァァァッ!!」

 

先手必勝として、ベムラーはペイル熱線を放つ。

 

エレキング「っ!キキィッ!!」

 

だが、エレキングは頭部の2本角を回転させるとそこから熱線を口で吸収する。

 

ベムラー「ギャオォッ!?」

ユウジ「き、吸収したァ!?」

カミナ「凄っ!」

 

ベムラーを含め、ユウジとカミナも驚く。

実は最近のエレキングの生態だと、あるウルトラ戦士のエネルギーを口で吸収する事ができるらしい。

 

カミナ「お腹膨れた?じゃあエレキング、お返しだよ!」

エレキング「キキィ~!」

 

カミナはバトルナイザーを向けて指示を出すと、エレキングは角と口から一気に「放電光線」を放つ。

 

ベムラー「ギャオォ~ッ!!?」

ユウジ「べ、ベムラー!?」

ポコ「は、初めてにしてはやるね…」

カミナ「え、エヘヘ。なんとなく心で理解できた!って感じ?」

エレキング「キュイ~!♪」

 

放電光線を受けたベムラーはダメージを受け、ギャグ漫画みたいなアフロヘアができてしまう。

 

ユウジ「も、模擬戦とは言え俺の負けだな。お疲れカミナ、エレキング。そしてベムラー。ゆっくり休んでてな…」

ベムラー「ぎ、ギャウ~…」

 

ユウジに頭を撫でられながらベムラーは返事をし、彼のバトルナイザーへと戻る。

 

カミナ「ちょ、ちょっと気合い入れすぎたみたい…ごめんね…?」

リムエレキング「キュー…」

 

すると、模擬戦を終えたエレキングはリムの姿に自ら変わってカミナの肩に乗りながら、2人してそう言う。

 

ユウジ「ぬぁに言ってンのさ?♪これくらい出来るんだから凄いやんけ!」

ポコ「そーですよ!カミナちゃん、とても強くなるよそのエレキング!」

カミナ「!あ、ありがとう2人とも!////」

リムエレキング「キュウ~♪」

 

ユウジとポコにそう言われたカミナは、照れながらいつもの明るい彼女となって礼を言った。

その後3人は、疑似空間を出て怪獣倶楽部の部室に再び戻ったが、今回の空間滞在中は30分くらい。

よって10時間も滞在してないため、本当にまだ1秒すら経っていない事を知って、ポコの技術力の高さを改めて実感させられたらしい…。

 

・・・・・・・・・・

ーワロガ一派の隠れ家(“元”サンダスト教本部施設)ー

 

ワロガ「ホイ、どおかね?」

主催者「フフッ、だいぶ上達したね?それと…“怪変”の方も」

ワロガ「エヘヘ~♪」

 

その頃、施設内で主催者とワロガは将棋をしながらそう話をし、ある者達を見ていた。

それは、レッサーボガール達に食い殺させたサンダスト教の異教徒たちだが、異形の腕が生えたゾンビ…『ビーストヒューマン』となっていた。

 

ビーストヒューマン「ウゥ...アァァ…」

ワロガ「主催者のくれたカオスヘッダーとビースト細胞を組み合わせてみたからね♪傀儡共や怪獣化も楽じゃん♪」

主催者「どういたしまして…♪……」

 

どうやら、殺した異教徒たちの肉片にスペースビーストの細胞である「ビースト細胞」をワロガが埋め込んだ事で傀儡にされていた。

そしてワロガは、主催者に与えられたビースト細胞の他に、光の人工ウイルス「カオスヘッダー」を身体に組み込まれており、能力使用に慣れていることを慢心しだす。

その様子を見た主催者は彼にこう言う。

 

主催者「…けど、まだまだ。“実験”と“楽しみ”を費やすには時間が必要かな?それに、軽く慢心するのは良くないよワロガ。はい、王手」

ワロガ「え~?そーなの~?」

 

王手を刺されながらそう言われたワロガは、子供っぽい無邪気な反応で不思議そうにする。

すると、主催者は座ってる座布団から立ち上がる。

 

主催者「さて…ヒッポリトも出てくるとなると、レイオニクスの増加も含め、そろそろ“イレギュラー(異分子)なお客様”も続々と来るだろう…♪私にとっては、“計画”や“実験”の楽しみがどんどん増えて楽しくなるよ…!♪フヒッ」

 

冷静ながらもテンションを上げており、怪しく不気味な笑みを浮かべながらそう小さく呟いた。

そして、そのまま空間の穴を出現させる。

 

レッサーボガール「?……グチャグチャ…!グルル…」

 

するとそこから、仲間を共食いしてその肉片に食いついていた1匹のレッサーボガールを召喚した。

 

ワロガ「おろ?ソイツどうすんの?」

主催者「実験さ。雑魚でも何ができるかのね」

レッサーボガール「グルル…ジュルッ…!」

 

ワロガにそう答えた主催者は、レッサーボガールを撫でる。

そんなレッサーボガールは、ビーストヒューマンを見て涎を滴し始め、食らおうとすべく襲い掛かる。

 

レッサーボガール「キシャアァァッ!!!」

ビーストヒューマン「っ!!?ぎ、ギャアッ!?」

 

レッサーボガールに襲われた1体のビーストヒューマンはなす術無く、悲痛な叫びと共に食い殺されてしまう。

 

主催者「フフッ…さて、どうでるかな?」

レッサーボガール「グチャグチャ…!ムッシャムッシャ…!……グウゥ…!!ギシャアァァッ!!!」

 

主催者がそう呟いた瞬間、ビーストヒューマンを食べ終えたレッサーボガールの身体は、急激な質量増加と能力値が強化される巨大化の姿、「レッサーボガール強大化」になろうとし始める。

……だが。

ビーストヒューマンをビースト細胞を含めて食べた影響か、明らかに強大化の姿では無い別の姿に成りかけていた。

 

ワロガ「お~」

主催者「実験成功♪じゃあ、“完了する前”に亜空間内で待機させようか」

 

戯れ感覚の主催者は、レッサーボガールを使った強化実験とやらを成功させた様子らしく、建物内での巨大化を避けるために変形最中のレッサーボガール(…?)を、再び空間内に入れて待機させた。

 

ワロガ「これ、いつ使うの?」

主催者「当然、今からさ」

 

主催者は不気味な笑みと共にそう答え、外に出歩く。

 

・・・・・・・・・・

ー原宿ー

 

数時間後…。

 

ミクラス「フゥン!ウオリャ~ッ!!」

シャドウ「ッ!!?」

 

大怪獣ファイトの試合の為に練習し、その帰りで原宿に遊びに来ていたミク。

…だったが、怪獣娘の共通の敵である“影”のような黒いスライム状の物体…「シャドウ」が出現した為、変身し一人で難なく撃破していた。

 

ミクラス「必殺!バッファフレイム!」

 

目の前のシャドウに対して、ドロップキックや連続パンチを浴びせ、本家と同じ熱線「バッファフレイム」を放ってシャドウの群れをを一掃した。

 

ミクラス「フゥ~…いっちょ上がり~!」

 

ミクはニコッと笑顔を作ってそう言い、彼女の活躍を避難のため遠くにいた人達が集まる。

そんなミクの戦いぶりを見ていたのか、集まって拍手などを送る。

 

ミクラス「え、エヘヘ~♪皆が無事で何よりだよ!大怪獣ファイトの本番でも頑張るからね~!」

 

そう言って変身を解くと、周りから拍手と応援などを送られながら、彼女は手を振りながら走ってクレープ屋まで向かう。

 

主催者「ミクラスの怪獣娘か。これまた、“因果(いんが)”なこと♪」

 

そんなミクの様子を、遠くにある高いタワマンの屋上で腰を掛けて足を組みながら、彼女を見ていた主催者が怪しい笑みを浮かべてそう呟く…。

 

・・・・・・・・・・

ー原宿、クレープ屋ー

 

カミナ「ん~♪クレープ美味し~♪」

 

その頃丁度、学校を終えたカミナはクレープを食べ歩きしながら原宿に来ていた。

ユウジはGIRLSのバイトらしいので、珍しく一人だった。

 

カミナ「たまには、一人で寄り道を楽しむのも悪くないかな~♪ん?」

 

すると丁度、ミクが走ってクレープ屋へとやってくる。

 

ミク「間に合った~…!これくださーい♪…って、あれ?確か君は~…あっ、ユウジ君の“彼女”!だっけ?」

カミナ「ブッフォッ!!?////かかか彼女ォ!!?////」

 

カミナはミクが印象付けした際の問いに、思わず食べていたクレープをギリ吹き出しかけそうになるほど、赤面した。

 

カミナ「ゆ、ユウジの“幼馴染み”の雷山(いかづち)カミナだよチミぃ~!!////」

ミク「あ、ああ、なんかごめんね…?アハハ~」

 

ミクは間違ったことを軽く頭をかきながら笑みを浮かべて言う。

 

ミク「アタシ、ミクラスの牛丸ミク♪よろしくね♪」

カミナ「うん♪シクヨロ~♪」

 

赤面していたはずのカミナは、互いのコミ力のおかげか即仲良くなって馴染みだす。

 

そして2人はクレープを食べながら近くの公園に立ち寄り、ベンチに座って楽しく会話していた。

 

ミク「で、君もユウジ君が言ってたレイオニクスに?」

カミナ「うん♪ミクちゃんの言う通り、ウチもレイオニクスになってさ♪」

ミク「やっぱり!実はアタシね?敵じゃない本物の怪獣とかには興味あったんだ~!前にゴモたんがさ、ゴモたんが宿してる本物のゴモラをユウジ君のお陰で会えた!って話をしてたから、アタシも自分の宿してるカイジューソウルの元になった、本物のミクラスとかに会ってみたいんだ~♪」

カミナ「あ~、怪獣娘じゃなくても、なんとな~くその気持ち分かるかも!ちなみに、ウチのパートナーはエレキングだよ♪」

ミク「へ…?え、エレキング…?」

 

カミナが自分の相棒を教えた瞬間、彼女はほんの一瞬だけ顔が少し青ざめる。

 

カミナ「ん?どーしたの?」

ミク「あっ、ごめん。いや~…実はアタシがアギちゃんやウインちゃん達と3人でGIRLSに入隊して、GIRLSで仕事のチラシ配りしてた時に怪獣娘のエレキング先輩と会ったんだ。でもさー…その人、結構厳しくて…それになんだか、アタシのカイジューソウルが少しだけざわつく感じもあったんだ…根は優しいってピグモンさんは言うけどね、なんだかちょっと慣れないみたいな~…」

カミナ「なるへそ…そのエレキングの怪獣娘は確か…ユウジが湖上ランって言ってたけど、エレキングとミクラスって何か因縁でもあるのかな?調べてみよっと」

 

そう言いながら、彼女は自分のバトルナイザーを取り出して図鑑機能で調べる。

 

カミナ「んー…?過去にエレキングはミクラスに勝った事があり、そのトラウマを持つ。だって」

ミク「だからか~…!アタシの中に宿るミクラスは、エレキングさんがトラウマだったのかな?……あっ、せっかく楽しく話してるのに、なんか空気悪くしてごめんね!?それに、カミナちゃんのパートナーは悪くないのにアタシ…」

 

ミクは話の始まり方がカミナと、彼女の相棒に対して失礼だったと気付き、申し訳なさそうに謝罪した。

するとカミナはこう言う。

 

カミナ「気にしないで♪大丈夫~♪それに、暗い顔をしてる時よりも、さっきの明るい顔してたミクちゃんの方が、可愛いくて元気あって最高なんだから勿体ないよ?ねっ?」

ミク「っ!ありがとうカミナちゃ~ん!」

 

カミナに励まされたミクはそう言った。

 

……だが、そんな次の瞬間。

 

「ん?お、オイ!」

「何だあれ!?」

ミク・カミナ『えっ?』

 

周りにいる人々が公園の遠くの方にある街中で異変に気付いてザワつく。

そして…原宿の街中の上空に、突如として空間の穴が出現し、そこからおぞましい姿の怪獣が出現した。

 

ボガールモンス「グギギ…!!キエェェェェッ!!!キシャアァァァァッ!!!!」

 

現れたのは、かつてウルトラマンメビウスとヒカリを苦しめたあの、怪獣を“補食する”怪獣「高次元捕食体ボガール」…の、突然変異した時の強化形態『高次元捕食体ボガールモンス』だった。

 

カミナ「か、怪獣!」

ミク「!な、なんだかあのヤバそうな怪獣…エレキングさんとは違って凄い嫌な感じがする…!!」

ボガールモンス「キシャアァァァァッ!!!!!」

 

ミクは自身のカイジューソウルからそう感じて言うと、ボガールモンスは女性の悲鳴にどこか似たような不気味な鳴き声を発し続けて原宿の街で暴れ始めた。

 

主催者「フフッ…♪共食い中のレッサーにビーストヒューマンを与え、ビースト細胞に影響を与えた結果。質量増加による強化大じゃなくて、膨張が起こってボガールモンスに突然変異。進化実験は成功♪…けどまぁ、本来のボガールとは違ってあのモンスは電気対策は無いし、火薬庫レベルの大爆発する危険性も無い…かぁ~。…半分は失敗か」

 

ボガールモンスを原宿に出現させたのは主催者であり、彼はクレープを食べながら暴れるボガールモンスを眺めてそう呟く。

どうやら、アジトで先ほどの1匹のレッサーボガールに1体のビーストヒューマンを補食させて、亜空間内に待機させながら内部で巨大化と進化を終えた、レッサーボガールの進化個体だった。

だが主催者の言う通り、初代ボガールが突然変異したボガールモンスとは違って電気耐性は無く、爆発による被害の恐れすらもないようだ。

 

主催者「モグモグ。…まぁ、結果はわかった事だね。計画前のちょっとした“戯れ”にはなったし…♪」

 

主催者はそう言いながらクレープを食べ終えると、自分の目の前に空間を発生させてアジトまで戻った。

その感情と表情には、特に大した不快感や喜びなどは…全く抱いた様子は無い。

だがそれが“不気味さ”と、前向きすぎる思考での“狂気”を放っていた…。

 

・・・・・・・・・・

ー原宿、街中ー

 

平和だった原宿に突如として現れ、街を蹂躙するボガールモンスに人々は悲鳴や叫び声を上げながらパニックとなって逃げ惑う。

 

カミナ「ハァ…ハァ…!!アイツをなんとかして皆を…!」

ミクラス「カミナちゃんも戦うの?だったら私も手伝うよ!」

 

市民が居ない辺りの位置に着いた2人の目の前には、暴れるボガールモンスが居り、ミクは変身済みでカミナもバトルナイザーを既に取り出して準備は出来ていた。

するとカミナはミクにこう言う。

 

カミナ「いや、流石にまだ逃げ切れてない人が多いと思うから市街戦はかなり危ないかも…!」

ミクラス「え!?で、でもそれじゃアイツの好きにさせてるようなもんじゃん!?」

カミナ「うーん…!あ、そうだ!コレ使えばいいんだ!」

 

そう言うと、左手首に取り付けてあるフィールド生成装置を見てポコが言ってた事を思い出す。

 

=☆=☆=☆=☆=☆=

 

数時間前。それは下校の際、怪獣倶楽部の部室での事…。

 

ポコ「あ、2人とも。ちょっといい?」

ユウジ・カミナ『どったの?』

 

バトルナイザーに戻ろうとしたポコは、2人に話し掛ける。

 

ポコ「フィールド生成装置の機能や形状も含めて便利だから、部員の証として他のレイオニクスにも配ってあげてくれるかい?沢山作っておくから!」

カミナ「おお、それありがたいじゃん♪」

ユウジ「じゃあ今度の休みに部室までみんな集めてさ、姉ちゃんやイワミン、先輩達に配ろっか♪」

 

2人は楽しそうにしてるとポコは続いてこう話す。

 

ポコ「うんうん♪あと、その装置があれば特訓だけじゃなく、敵が来た時に疑似空間まで入れたら、苦手な市街戦でも被害を避けられるよ!」

ユウジ「ポコ…お前マジでスゲー有能じゃん…!?」

ポコ「エヘヘ~♪」

 

ユウジはあまりの有能ぶりに感激して持ち上げ、3人は下校する。

 

=☆=☆=☆=☆=☆=

 

カミナ「って、事を言われたからなんとかなるよ!」

ミクラス「まさにご都合補正!!凄いじゃん!」

ボガールモンス「!!ギシャアァァァァッ!!!!」

 

ポコに言われた事も含めて装置について聞いたミクはつい大声で言ってしまった所為で、ボガールモンスが彼女達に気付き、涎を滴しながら襲い掛かろうとした。

 

カミナ「あ、ヤバ…!でも気付いたなら好都合かも!ミクちゃんは避難誘導をお願い!アイツは私がなんとかするよ!」

ミクラス「う、うん!カミナちゃん気をつけてね?!」

カミナ「(了解)!」

 

カミナはそう言うと、バトルナイザーを構えて装置を起動させる。

怪獣サイズの空間穴を発生すると同時に彼女は、入り口まで走りながらボガールモンスに向かって大きな声で呼び寄せる。

 

カミナ「おーい!こっちだよー!」

ボガールモンス「ジュルリッ…!!ギシャアァァァァッ!!!!!」

 

ボガールモンスはカミナを補食しようと、疑似空間内に入った彼女を追いかける形で自身も空間穴へ飛び込んだ。

 

・・・・・・・・・・

ー疑似空間内ー

 

ボガールモンス「っ!ぎ、ギエッ…!?」

 

疑似空間内に誘い込まれてしまったボガールモンスは、場所が変わった事に気付いて慌てる。

 

カミナ「ウチを食べようなんて思わないことだよ!いっけー!エレキング!!」

 

《バトルナイザー、モンスロード!》

 

エレキング「キイィキキイィィィィッ!!!」

ボガールモンス「!!ぎ、ギャアァッ!!?」

 

その瞬間。

カミナは巻き込まれないように離れた場所からエレキングを召喚し、ボガールモンスに向けてドロップキックを顔面に喰らわせ、戦いが始まる。

 

ボガールモンス「ギイィ…!!キシャアァァァァァッ!!!!」

エレキング「キキイィィィィッ!!!」

 

怒りを爆発させたボガールモンスはエレキングを食い殺そうと襲い掛かり、エレキングも負けずに咆哮を上げながら向かって戦う。

 

カミナ(…!!な、なんでだろう…悪いと怪獣と戦ってる時に私………“凄く怖い”…って感じた…!!……でもユージは………だからこそユージはその気持ちを背負ってまで、私達を“守る”為に必死になってくれてたんだ…!なら私も…私も“守れるものは守る”!!!)

 

必死に戦うエレキングの姿は昼休みの模擬戦とは違い、その光景で彼女は初めて『戦いへの恐怖』をその身に感じた。

しかし同時に、カミナはあることに気付いて確信する。

それは…レイオニクスの力を最初に手にしたユウジが、自分を含めて皆を、命懸けで助けようとする『必死さ』により、恐怖を抱きつつも何かを『守れるものは守りたい』と言うその強い『思い』に、カミナは気付く。

 

カミナ「っ!ユージ、ありがとう。私も、エレキングと一緒に頑張るよ!!」

 

恐怖を確信と同時にすぐ乗り越え、そう言ってカミナはいま戦ってくれている相棒を信じ、バトルナイザーを強く握った。

 

エレキング「!!キキィ!!」

 

握ったバトルナイザーから彼女の思いを感じたのか、エレキングは更に力が沸き起こってボガールモンスを押し返す。

 

ボガールモンス「グエッ!?キシャアァァァァッ!!!」

 

押し返されたボガールモンスは一旦距離を取り、発光器官から光線を放つ。

 

カミナ「っ!エレキング!」

エレキング「キイィッ!!」

 

エレキングはボガールモンスが放った光線を、口から三日月状の「放電光線」を放って相殺し、連続で放つ事でボガールモンスに大ダメージを負わせる。

 

ボガールモンス「ギシャアァッ!!?グ、グウゥ…!!」

 

初代ボガールの強化ではなく、レッサーボガールの強化な為か、電撃耐性は無かった。

それによりこのボガールモンスは今、放電光線によってかなり麻痺状態で身動きが出来なくなってしまう。

 

カミナ「!!今だよエレキング!トドメのエレクトリックテール!!」

エレキング「キキイィィィィッ!!!」

 

バトルナイザーを向けて必殺技を指示したカミナに、エレキングはボガールモンスに向けて自慢の長い尻尾を巻き付ける。

 

ボガールモンス「!!?」

エレキング「キイィッ…!!キキイィィィィッ!!!」

 

尻尾を巻き付けた瞬間、エレキングは角を素早く回転させ始め、50万ボルトの電流をボガールモンスに流し込む。

 

ボガールモンス「ギャアァァァァッ!!!!!」

 

エレクトリックテールで電流を流し込まれたボガールモンスは断末魔の叫びを上げ、尻尾がほどけた瞬間にゆっくりと後ろに倒れて爆裂四散した。

 

カミナ「や、やったー!!エレキングが勝った~!!ありがとうエレキング!君のおかげで皆を守れたよ!」

エレキング「キキッ♪キイィィィィッ!♪」

 

相棒の勝利に喜びながら足元へと抱きついてきたカミナ。そんな彼女にエレキングも嬉しそうに咆哮を上げたのだった。

 

・・・・・・・・・・

ー牛丼屋ー

 

カミナ「モグモグ…!ん~!美味し~…!戦いの後、お腹がエグいほど空いてたから超助かったよミクちゃーん!」

ミク「エヘヘ♪アタシが奢るから、ドンドン食べてってよ♪」

カミナ「あざまる水産~!♪モグモグ!」

 

それからあの後、疑似空間を出た際にミクと再開したカミナはエネルギー消費によりお腹を空かせたが、ミクの案内で行きつけの牛丼屋に来店してから彼女の奢りで美味しそうに2人で食べていた。

 

こうしてカミナもまた、レイオニクスの力で守れるものを守るべく、仲間や相棒達と成長していくのである。

 

・・・・・・・・・・

 

数時間後の夜中。

人気の無いとある街の建物内に、銀髪サイドテールになった髪型で、紺色のジャケットを着用した一人の少年がいた。

しかも。

彼の周りには異星人達も居たが、全員がボロボロに倒されていた。

 

ペダン星人「ぐっ…!な、なんだこの地球人は…!?」

「…実力の差だ、クソ異星人共め」

 

ペダン星人の頭部を踏みつける少年は、そのまま首を足でへし折る。

 

「……チッ…!武器商人グループの異星人らが取引するって聞いたから、脚を運んで来たっていうのに…ここにも居なかったか…!!クソッ!」

 

目的があって前々から動いていたのか、苛立ちを隠しきれない様子。

 

「ハァ…仕方ない。一先ずアレを仲間にしてアパートに戻るか…んで、明日に俺の転校先が決まった学校で、同じレイオニクスのヤツに聞くか…居るか分からんがな」

 

少年は向こうに見えるペダン星人のロボット兵器を目にしながらそう呟いて歩く。

そして風が吹いてジャケットが少し揺れた瞬間、彼の胸元のホルダーにしまわれたバトルナイザーが見えるのだった…。

 

この少年…紛れもなくレイオニクスだが、彼はユウジ達の敵なのか…?果たして…。

 

続く!!




次回予告!

ある日、ユウジ達の通うクラスに1人の転校生の少年がやってきた!
しかもレイオニクス!?
ユウジやカミナ達は彼と友達になろうと話し掛けるも、少年は酷く[[rb:一蹴 > いっしゅう]]し、ユウジ以外の皆から反感を買い始めた…!
困難するユウジと不快に感じる怪獣倶楽部のメンバー達に対し、少年はユウジにレイオニクスバトルを挑む…!!?

次回、第10話「ライバル登場⁉実力主義なレイオニクス‼」

お楽しみに!
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