神様に虚飾の権能と+α貰ったから取り敢えず旅する   作:供給が足りない

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友情出演に気づいた時は結構嬉しくなる

 

目の前に、原作キャラってやつが立っていた。

雪野先生、映画の序盤あたりで姿を見せる三葉の学校の国語担当教諭だ。

確か、【言の葉の庭】って映画のヒロインらしいが俺は見てないから【君の名は】との違いがあるのかも分からない。

 

昔、キャラ一覧で調べてる時に見たんだ。でもその程度。友情出演ってやつらしいが言の葉の庭を見たことのある人は出てきた時に結構興奮したと思う。

俺ならそういうの興奮する。

 

「すいません、聞こえてますか?」

「ああ、大丈夫です、少し考え事をしておりまして」

「それなら、良いんですけど貴女の様な幼い子がこんな時間に、なんでバス停に居るのか気になって…バスも、もう来ませんし」

 

あ、そういえばパンドラの容姿だったわ、現代の服着てるっつっても年齢の割に身長がないからな。子供だわ。

喋り方はある程度慣れたけど、姿にはまだ慣れることができてないんだよね。

そりゃこんな姿でバス停に居たら、何事かと思って声かけるわな。

なんて説明したもんかな、転生してきました!とか言ってみ?速攻でお医者さんのとこだわ。

 

「ええと…なんと説明したものでしょう…説明が難しくて…」

「えっと、ご家族等に連絡は取れますか?」

「いえ…取れません…」

「…一回私の家に来られますか…?それとも何処かの家の関係者ですか?」

「いえ、別にこの町に知り合いは居りませんが…よろしいのですか?そんな簡単に人を招かれて」

 

いやまじでいいのか?警戒心とか無いのか?パンドラの容姿パワーってやつか?

てか性別男だし、精神年齢17だぞ?……アウトでは?というかこの身体は何歳なんだ?まぁ不老だし、普通に17でいいか。とりあえず説明しとかないとな。うん。

 

「あと…勘違いしていられるようですが、わたしの性別は男性ですし、年齢も17なんですが……」

「……えっ?ですがどこからどう見ても…」

「いえ…その…そうなのですけど事実でして」

 

うんそりゃ困惑するわ。しない方がおかしいわ。

でもなんとか納得してもらわないとな

 

「…困惑している場合ではありませんね、家族がいないんでしょう?もう夜も遅いですから、一度私の家に来てください。不安でしょうけど、我慢してください。お願いします」

 

おっ?なんか勝手に納得してくれたみたいだな。確かに家族が居ないのは寂しいけど…簡単な割り切りはもう済ませてるからいいんだが…

でも雪野先生は引き下がらないっぽいし、実際寝る所にあてはないからいいか…

そう考え、雪野先生について行くことにした。

 

「着きましたよ、ここが私の家です」

「おや、これは…なかなか、綺麗なお家ですね」

 

坂道の途中、街灯が一つ途切れた先に、雪野先生の家はあった。

昔ながらの木造二階建て。白く塗られた外壁は月明かりをぼんやりと反射し、黒い瓦屋根の輪郭が夜空に溶けている。

玄関脇には小さな植木鉢が並び、夏の終わりを告げるように、少し元気を失った朝顔の蔓が柵に絡まっている。

 

「そんな、綺麗だなんて、別に普通の家ですよ」

「いえ、わたしの目には綺麗に見えますので、自信を持ってもよろしいですよ」

「ふふっありがとうございます。では上がってください」

「はい、ではお邪魔しますね」

 

そうして俺は雪野先生の家に上がった。

そこで木の匂いが微かに漂うことに気づく。

玄関は整然としていて、教師らしい几帳面さがにじむ。

靴は必要最低限。派手さはなく、実用一点張りって感じ。

もうこれはザ・教師って感じだな。

 

廊下を進むと、畳敷きの居間。

低いテーブルの上には、読みかけの文庫本と、冷めた麦茶のコップ。

先に入っていった雪野先生がつけた照明は豆電球程度の暖色で、部屋の隅にできる影がやけに深く見える。

テレビは消えており、時計の秒針の音だけが、やけに大きく感じられる。

 

これが雪野先生の家か〜。なんていうかこうしっかりとした生活感が感じられて、ただのモブキャラって訳じゃないんだな。こういうところも2次元と現実のズレってやつかな。しっかりみんなこの世界で生きているって理解しとかないとな。たまにある創作物のようなただのキャラクターと思って接しないようにしよう。

 

「さて、そこの座布団に座ってもらえるかしら?」

「分かりました、失礼しますね」

「じゃあ、説明とかってできる?辛い様だったらしなくてもいいからね…」

 

どうするか…説明しないのも申し訳ないからしたいんだけど…う〜ん、そうだな適当にストーリーでも創るか。本当の理由を説明できないのは心苦しいが、これも仕方ないという事で。

 

「説明出来ますので、大丈夫ですよ。」

 

 

 

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