神様に虚飾の権能と+α貰ったから取り敢えず旅する   作:供給が足りない

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これからのこと

 

「あら、起きた?おはよう、シイちゃ…くん。ご飯できてるわよ、夜に話をした部屋にあるわ。その前に顔を洗いましょう」

 

身体が太陽の優しい光に包まれ、目が覚める。

もう朝か、寝た気がしねぇわ。8時か、少し遅かったかな。よ〜しさっさとご飯食べるかぁ、お腹めっちゃ空いてるわ。ユキちゃん先生の手作りって事だろ?おいおい最高だな。……一瞬性別忘れてたな?

 

「おはようございます、ユキちゃん先生。ありがとうございますね。それとどうしてもというなら、『ちゃん』でも構いませんよ?自分でも厄介な容姿をしていることは自覚していますから。むしろ違和感がないので『ちゃん』でお願いします」

 

なんなら自分でこの容姿選んだしな。全然問題ないな、せっかくこの容姿選んだし寧ろウェルカムだわ。バッチコーイ!

 

「あら、いいの?本当に女の子にしか見えなかったから。わかってはいたんだけどね。」

 

洗面台に着き、顔を洗ってご飯を食べた。美味すぎない?いや〜一人暮らしだったから、人の手作りなんて久しぶりだわ。手作りって人の手作りってなんでこんなに美味しく感じるんだろうな。

そして、ユキちゃん先生は足りなくなってきた食料品や日用品の買い出しに行った。

 

さて、1人の時間ができたところでこれからの行動方針を決めるか。

まず今の世界線がどっちなのかって話だな。

三葉が死ぬ世界線なのか。

三葉が生き残る世界線なのか。

判断どうやってすんだ?どこで改変入ったかなんて覚えてないぜ?くっそ、その日になってみないと思い出せなさそうだな。後回しにしよう。

 

 

最初に目標決めようか。漠然とした原作を見るって目標じゃ味気ないしな。

おっ?閃いちまったぜ。最後も最後の場面の互いに「君の、名前は?」っ聞き合うところで、なんかこう良い感じに登場して記憶を蘇らせるか。

 

子供の頃に君の名はを観たが、あの頃は思い出せないまま終わった事にもやもやしたんだよな。あの終わり方だからこそっていう美しさもあるって今の俺は気づいたが、もやもやは取れてないんだ。なら、やるしかないよな。よし目標は決まった。

 

次は自分の立ち位置を決めようか。あんまり目立ちたくはないな、原作も始まってるし、ここから変に動いて拗らせるのはよくない。少し、存在感があるぐらいでいいな。少しだけ画面に入るモブキャラの立ち位置を目指そう。やろうと思えば好きなように権能で弄り回せるけどそれじゃあ何も面白くないし。

 

次は…そうだな、一旦日常を楽しむか。せっかくスマホがあるんだし、写真も残していこう。短い滞在だが、楽しんでおきたい。どうせ権能あるし〜?適当に暮らそうか。1日前には普通の男子高校生だったんだし。これからのことについてはもう良いだろ。

 

あ、そうだ今のうちに俺の戸籍とか諸々作っとくか。無いってなったら面倒だしな。………っとオッケー作れたな。後は、えーっと学校は行かなくてもいいか。めんどくさいし、残された日数も無いし、権能でちゃちゃっとしておこう。

 

その後その他諸々の確認等が終わってぼんやりと外の景色を眺めていると、気づいたら帰ってきていたユキちゃん先生が声をかけてきた

 

「不安ですか?」

「あ、ユキちゃん先生。帰ってきたんですね。いえ、不安というよりはちょっとぼんやりとしていただけです。」

「そう、記憶喪失の様だから不安になっていないか心配してなるべく早く帰ってきたのよ。」

「そうでしたか、ありがとうございます。」

 

心配させちまったか。申し訳ないことをしたなぁ。でも本当に何にも無いんだよね。これからの事を思うと楽しみでしょうがないぜ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「町長に顔を見せておきましょう。形式だけでも、必要ですから」

「ええ。分かりました」

 

おー糸守町役場だ。しっかり現実に落とし込まれてる。

さて、この人がそうか。

この町の町長であり、尚且つ三葉の父である俊樹さん。なかなか迫力あるなぁ。

役場の中は静かで、日曜特有のゆるい空気が漂っている。町長は、書類から顔を上げると、俺を困惑するような目で一瞥した後、ユキちゃん先生に視線を合わせた。

 

「……で、この子が?」

「今日の深夜1時頃、バス停で保護しました。軽い記憶喪失のようで」

 

俺は一歩前に出て、丁寧に頭を下げた。

 

「初めまして、パンドラ シイといいます。……自分でも、ここに至る経緯は覚えておりませんが、

 しばらくの間、この町でお世話になることになりました」

 

「……妙に落ち着いているな。年はいくつだ?」

「本人によると、17歳だそうです。あと、性別は男です。」

「…事実なのか?」

 

困惑を抑えきれていない町長は、俺に視線を向けてそう言った。ですよねー。そら(パンドラの容姿なのに、17歳で男とか言われたら)そう(困惑して聞きたくも)なる。でもねー本当なんです〜。ごめんねー。

 

「はい、事実ですよ」

「…事実なのか」

 

そして町長は眉間を押さながら言った。

 

「……まあいい。雪野先生が責任を持つなら、町としても預かろう」

 

通った!これで糸守町に正式に滞在できるぜ!(通らなかったら権能でなんとかしてた)

役場を出た後、ぽつりと言う。

 

「これから…大変かもだけど、頑張っていこうね」

「ええ。ですが」

 

俺は、空を見上げて静かに続けた。

 

「きっと楽しい事になると思いますから」

 

さあ!隕石!入れ替わり!世界の分岐点!どんとこいや!全部、この目に焼き付けやるぜ!

 

 

 

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