百合エロゲの世界で主人公の母親とワンナイトした件   作:ランマ

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EP.1 「あ゛ーっ! こいつら交尾したんだっ!」

「ただいまー!」

 

 午前7時。

 玄関の扉がガチャリと開く音がし、すぐに大声が響く。

 

 朝から元気だなー。

 二日酔いに響くよ。

 

「って、えぇぇぇっ!?」

 

 リビングの扉が開くと、先程の数倍大きな叫び声が響いた。

 現れたのは背中に刀を背負い、真々子さんと同じく青い髪に紫の瞳を持った美少女。

 そう、この世界の主人公こと燕ちゃんだった。

 

「お、お帰りなさい、燕」

「お帰り、燕ちゃん」

「射音くん!? なんでいるの!?」

 

 燕ちゃんは驚きの声をあげる。

 それもそのはず、学校中の嫌われ者の僕が平然と家に居座り優雅にコーヒー(角砂糖13個入り・ミルクマシマシ)を飲んでいるのだから。

 

「ふっふーん! 君も僕のカスさは知ってるでしょ? 当然の末路として、家を追い出されたのさ!」

「なんで自信満々なのさ……」

 

 彼女は呆れた顔でため息をついた。

 呆れ顔すら可愛いの反則では?

 

「途方に暮れていた僕を真々子が……じゃなくて真々子さんが拾ってくれたんだ」

「なるほど……そうだったんだね」

「そうなの。だから射音くんをうちに住まわせてあげたいの。燕、貴女もいい?」

「今まで迷惑をかけてすまない。だから、お願いだ」

 

 僕は土下座をし、誠心誠意謝罪をした。

 

「うーん……分かった。いいよ!」

「本当かい!? ありがとう! 本当にありがとう!」

「確かに前の射音くんは最低だったよ? でも、今の射音くんからはそんな感じがしないから。それに、家が無いのは流石に可哀想だしね」

 

 はぁー、いい子過ぎる。

 こんないい子に暴言吐いてたなんて、自分が情けなくて仕方がない。

 やっぱ僕カスだね。

 男の娘の風上にも置けない。

 

「それにしても……今の射音くん凄くキラキラしてるね」

「そうかな?」

「うん! 今の射音くん宝石みたいだよ!」

 

 口説かれてる……?

 っていうのは冗談で、多分竜種特有の審美眼かな。

 宝を溜め込む竜の性質が形になったものだ。

 アレは物の価値のみならず、生命の価値、魂の価値すら測れるから、転生者としての僕に価値を見出してるのだろう。

 原作知識とかあるし。

 

「射音くんはどこの部屋で寝るの? 空き部屋あったっけ」

「それなら私の部屋で寝てもらうから大丈夫よ」

「え? お母さんの部屋で? ……ねぇ、さっきから思ってたんだけどさぁ。2人ともなんだか距離感近くない? もしかして……」

「その……ね?」

「想像の通りだよ」

 

 気まずさのあまり、僕と真々子さんはそっと目を逸らす。

 真々子さんに至っては、羞恥心から顔を真っ赤に染めていた。

 

「あ゛ーっ! こいつら交尾したんだっ!」

「交尾言うなっ!」

 

 それでも君は女子高生か!?

 いやエロゲ主人公だったわ。

 

「ちょっ! やめっ!」

 

 能力差を考えてくれ。

 ポカポカ叩くようなじゃれ合いでも滅茶苦茶痛いんだ。

 しかも今僕二日酔いだからね?

 吐くのは男の娘らしくないからどれだけ苦しくても吐かないけどさ。

 

「ま、まあそういうわけだから」

「むむむ……ダメです! 射音くんは私の部屋で寝てもらいます」

 

 幾らエロゲ主人公とはいえそれは不味くないか?

 ヒロインに殺されかねん。

 まだ原作序盤だからそこまで燕に対するヒロインの好感度は高くないだろうけど……。

 そもそも僕だいぶ嫌われてるからねー。

 余りにも好き勝手し過ぎた。

 弱すぎるから碌に被害が出てないとはいえ、嫌われて当然だ。 

 明日学園で会ったら謝らないとなぁ。

 ヒロイン以外の女子や先生方にも。

 家族たちは……謝りたいけどもう二度と会うことはないだろうし。

 

「い、嫌よっ! 射音くんは私と一緒に寝るの! 例え娘でも譲れないわ!」

「2人とも落ち着いて……」

 

 2人の間に立ち、何とか宥める。

 

「そうだなぁ……ならいっそ3人で寝る?」

 

 折衷案だ。

 これなら問題ないだろう。

 

「3人で……? それはその……夜、出来ないってこと?」

 

 真々子さんが僕の耳元で囁き、不安そうな目でこちらを見る。

 

「大丈夫だよ、ちゃんと抱いてあげるから」

 

 そういうと彼女はホッとしたような表情を見せた。

 その後すぐに、エッチのことばかり考えていたことを恥ずかしく思ったのか、彼女は顔を赤らめ目を逸らした。

 

 燕ちゃんが寝ている横で盛るのは不味いから夜は出来ないけど、その分燕ちゃんが出かけてる間にヤればいいでしょ。

 そもそも燕ちゃんいない時の方が多いし。

 燕ちゃんだってヒロインと散々盛ってるんだし、僕達に文句は言えないはずだ。

 

「というか……射音くん! なんで勃つの!?」

「なんで!?」

「言われてみれば……」

 

 えっ真々子さんまで?

 あっ……あー、そういうことか。

 この世界の男が実質EDみたいなものだから僕はおかしい……というよりありえない存在なんだ。

 基本子作りの時は薬や魔法で強制的に勃たせるらしいし。

 真々子さんは昨日は酔っぱらってたし今朝は娘のクラスメイトとワンナイトしたという事実によるショックでそのことを完全に忘れていたのだろう。

 

「あー、ほら、あれだよ。そういう体質。一世紀昔の男みたいに性欲も精力もあるから」

 

 いや、確実に一世紀昔の男よりあるだろう。

 僕、見た目に似合わずかなり性欲強いド変態だし。

 それに、カスみたいなフィジカルに反して夜の強さは前世でもトップクラス……いや、エロ漫画の竿役並みだろう。

 

「へぇ? そうなんだ~」

 

 あー、完全にロックオンされた。

 これは不味いかもね。

 この子、ヒロイン襲った前科あるし。

 百合ゲーだから相手は女性しかいなかったけど、設定的にはバイなんだよね。

 自認ノンケで女の子同士は無理とか言いながら女の子堕としまくって結局喰ってるし。

 ノンケ自認してる癖に女の子襲ってんじゃないよ。

 

 僕は攻略対象じゃないんだけどなぁ……。

 まあ別に原作崩壊は正直気にしてないけど。

 だってここはもうゲームじゃない、現実だ。

 バタフライエフェクトとかもあるし、僕が転生した時点でどうにもならない。

 原作みたいに悪人気取るつもりもないし。

 それでバッドエンドになったり、極端に不幸になる人間が生まれたり、そういう風にならないなら、許容範囲内だ。

 でも僕、原作カプ厨だから。

 できることなら僕じゃなくて百合ハーレムルート行って欲しい。

 あのスチルとか現実でも見たいよ。

 

「それ、バレたら不味いんじゃない?」

 

 不味いどころの話じゃないよ。

 普通に捕まって研究所にでも送られて実験体になるだろうね。

 まあバレなきゃいいんだよバレなきゃ。

 あらかじめ薬飲んでたとか誤魔化せばいいし。

 男に性欲があるなんて発想がないなら、誤魔化すのは簡単だろうし。

 というか2人は割とあっさり受け入れたね。

 だいぶ衝撃の事実だと思うんだけど。

 

「話は変わるけど、凄い厚かましいのは分かってるんだけどさ。燕ちゃんにお願いがあるんだ」

「いいよ! それで?」

 

 彼女は身を乗り出し、食い気味に返事をした。

 判断が早い!

 ちゃんと内容聞いてから答えようね?

 

「装備を貸して欲しいんだ」

 

 男の僕じゃ限界まで鍛えてもレベル1の燕ちゃんと同等のステータスを手に入れるのが限度だろう。

 原作だと闇堕ちした僕が中ボスになってたけど、残念ながらアレは禁術に手を染めないと無理だ。

 僕は割と手段を選ばない側の人間だけど、その辺りはちゃんと弁えている。

 

 燕ちゃんは味方の成長速度を高めるスキルを持っているが、それがあった所で男の僕には雀の涙だろう。

 燕ちゃんは竜神の因子保持者(シード・ホルダー)だ。

 竜神の因子保持者(シード・ホルダー)は王の資格を得る。

 スキル『竜神の紋章』。

 そのスキルレベル1で獲得する派生スキル『絆紡ぐ楽園の王権』には、味方の獲得経験値を向上させる効果があるのだ。

 

 ちなみに他のヒロインも因子保持者(シード・ホルダー)で、それぞれ王の資格持ちだ。

 例えば獅子王(シシオウ)雪華(セツカ)は『獅子王の紋章』、芍薬(シャクヤク)霊香(レイカ)は『聖霊の紋章』と言った風に。

 燕ちゃんがヒロインを堕とし、王を統べる王になるというのがハーレムルートの大筋のストーリーなんだよね。

 

 僕も因子保持者(シード・ホルダー)だ。

 前世の記憶を思い出してから『転魂の紋章』が生えてきた。

 主な効果は精神干渉耐性、霊的耐性、後は上位存在に対する耐性や申し訳程度の成長補正だ。

 残念ながら他の因子(シード)と違って王の資格とかはないけどね。

 

 そもそも原作設定じゃ因子(シード)は7つしか存在しないはずだから正直よく分かってない。

 因子(シード)の誕生経緯に輪廻転生の禁術がガッツリ絡んでるから転生者である僕に新たな因子が誕生したのかな。

 

 で、僕が計画してるのは設定上は存在するけどストーリーには登場しないチート装備を入手すること。

 これならストーリーの進行を阻害せずにこの世界でもやっていける。

 

「装備をあげればいいんだね? はい! これあげる!」

「これは……」

 

 MP0でも使える『電魔の杖』、魔力由来のダメージを1割減する『防魔のネックレス』、HPの1割以下のダメージを無効化する『守護の指輪』、AGIを20%上昇させる『駿足の靴』、結界を常時展開する『結界チョッキ』。

 どれも序盤で手に入る装備だが、その中でも特に優秀なものばかりだ。

 

 特に魔力を持たない僕みたいな人間に『電魔の杖』は必須と言っても過言ではない。

 これは魔導工学により電気を魔力に変換する機構が組み込まれているからね。

 

 更にゲーム時代は、アイテム欄からの使用で事前に組み込んだ魔術式をターン消費せずに発動できた。

 つまり、充電が切れるまで一方的に攻撃が出来るのだ。

 微妙に火力が足りない時とかも攻撃術式連打で何とかなるし。

 ただ出力が低いかったから、基本的には攻撃術式より治癒術式や支援術式とかの方が組み込まれることが多かった。

 設定する治癒術式のランクや杖の強化具合によっては毎ターン全員全回復とかできるクソつよアイテムなのだ。

 

 強化をして『電魔の杖+99』までいけばラスボス戦にも貢献できるようになる。

 まあそこまで強化するのに必要な材料と時間を考えればロマン装備よりではあるんだけど。

 

 流石に現実になった今じゃそこまで無法は許されなかったけどね。

 それでも連射速度でいえば最上位の杖にも勝るとも劣らない。

 これさえあれば男の僕でもなんとか戦えるだろう。

 それにこの杖は、とあるダンジョンの特効武器みたいなところもある。

 

「装備って……何をするつもりなの? 危ないことはダメよ? 男なんだから」

 

 真々子さんが心配そうに声をかけた。

 

「大丈夫、無理はしないよ。追い出されたけど僕は星見家の人間。情報という分野ではこの国有数の家系。あの家の膨大な書物のお陰で、男の僕でもなんとかする手段を知ってるからね」

 

 大嘘である。

 いや、星見家がこの国有数の家系であることも、膨大な書物が存在することも、男でも強くなる手段があることも事実ではある。

 けれど、その方法は禁術だ。

 原作の僕が中ボスとなる為に使ったあまりに人道に背く技術。

 僕が使うわけにはいかない。

 

「大丈夫だよお母さん。私の直感が射音くんを好きにさせたら面白いことになるって囁いてるから! ダンジョンに入れるように偽装用のアイテムも渡しておくね!」

「ありがとう! この恩は必ず返すよ!」

 

 喜びのあまり燕ちゃんに抱き着いた。

 腰に手を回し、密着している。

 

 よし、それとなく原作知識流して燕ちゃんを強化しよう。

 2週目特典のアイテムとかの場所も全部把握してる。

 アレは2周目じゃないと行けない場所に置かれてるからそこにさえ行けたらこの世界が1周目基準だろうと手に入れれる。

 その場所もシステム的に制限されてるだけで物理的に行けないとかそういうのはないから現実になった今なら多分大丈夫な筈だ。

 

「そ、そのっ! 2人共……朝ご飯を食べましょう?」

 

 真々子さんは燕ちゃんから僕を引き離し、そう言った。

 絶対に離さないとでも言うように、背中から手を回し、ガッチリと密着し抱き着いている。

 

 おぉ……柔らかい……。

 頭の上におっぱいが……。

 天国かな?

 きっと僕の前世は聖人だったのだろう、そうに違いない。

 

「そうだね。お腹空いてきちゃった」

 

 そう返事をしながら、頭上に乗せられた双丘の感触を堪能する。

 

「ほら、燕ちゃんも一緒に食べよう?」

「ここ私の家なんだけど……?」

 

 もう僕の家でもあるからね。

 今の僕にも元の射音の図々しさは残ってるから。

 真々子さんに初恋奪われちゃったから絶対に婿入りしてやる。

 そうなったらアレだから。

 僕君の父親だから。

 そしたらアレだよ?

 君は義父をロックオンしたやべー女だからね?

 クラスメイトの母親とワンナイトした挙句家に居座る奴とどっちがヤベー奴か勝負だ。

 

 ところで、親子丼っていいよね。

 いや、別に何の関係もないけど。

 別にあわよくばなんて思ってないよ。

 いやいやそんな、ねぇ?

 

「それじゃあ燕ちゃん。これからよろしくね」

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