ヤニカスがVRMMOにログインしました(旧題:ニコチン・オンライン)   作:ジュネープ

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リアル24時間働けますかムーブで死んでる中書きました。
心なしが音声入力の精度が死んでるような・・・


パンチングマシーン

 

 

「助けてもろて、マジでありがとうな!」

 

街に戻った俺たちは、ボウから事情を聞くため、俺の部屋に集まっていた。

 

「いや、俺たちはほとんど何もしていない。来た時には、もうお前が大半を倒していただろ」

 

「いや、最後に出てきた謎のプレイヤーはワイ一人だけやったら、殺すまで襲いかかってきたはずや」

 

俺はボウから直近の行動や恨まれるような事をしてないか等、色々な角度から襲撃の糸口を探ろうとした。しかし、話を聞く限り、ボウが襲われるような明確な動機は見当たらない。

 

 

俺たちは揃って、頭を抱えた。

 

「最後の言葉だが・・・・確か攻略組の連中が似たようなことを言うPKギルドがあるって話してたな」

 

「イッツ・ショータイム・・・・やっけ?」

 

「ああ、それだ。確か、【ラフィン・コフィン】って名前らしい」

 

「そうなると、ますますワイが襲われる理由が分からんくなるな」

 

眉を顰めて考え込むボウを見ながら、俺はふと思ったことを口にした。

 

「理由なんて、ないんじゃないか?」

 

「・・・・どういうことや?」

 

「襲われる前、人が多い通りで、ずいぶん派手に騒いでたらしいな?」

 

「もしかしたら、それだけで目をつけられたんじゃないのか?」

 

 

「・・・・そんなこと、あり得るんか?」

 

「異常者のすることに、筋の通った理由なんて必要ないだろ?」

 

ボウは再び眉を顰めた。

俺たちも同様だ。明確な解決策はどこにも見当たらない。

 

その沈黙の中で、俺はふと思いついた

 

「なぁ」

 

「なんや?」

 

「一旦タバコをキメてから考えよう」

 

有無を言わさぬ澄んだ瞳に気圧されたボウは頷くしかなかった。

 

ポケットからスピリットを取り出すと一本を俺、もう一本をボウに渡し、火をつける。

 

少量の煙を口内に入れ、一気に肺に送り込み、ゆっくりと吐き出す。

 

横目にボウを見ると手慣れた様子で煙を吐き出していた。

 

「お前も吸えるクチか?」

 

「現実では1日1箱のペースで吸ってたわ」

 

「ほぅ。銘柄は?」

 

「アークロイ◯ルや」

 

「コンビニでは売ってないよな。それ」

 

他愛もない事を話しながら俺は今後のことを考えていた。

 

フロストミントの収穫

新しい銘柄のメンソールとパイプタバコの葉の開発

・・・・・etc

 

ギルドメンバーは俺含めて2人。正直作り手よりもそれ以外を担当する人が必要だ。

 

 

 

「お前・・・・俺たちのギルドに入らないか?」

 

唐突な提案に、ボウの目は鳩が豆鉄砲を食らったように見開かれた。

 

「人手が足りなくてな。この階層で、満月の夜にだけ現れる葉の採取と、攻略組への販売を任せたい・・・・それに」

 

俺は言葉を切りボウの瞳をまっすぐ見つめるとはっきりと言った。

 

 

「ベビースモーカーのお前ならこのギルドでもやっていける筈だ」

 

 

「アンタらに迷惑かけることにならへんか?PKギルドの件もあるし・・・・」

 

「なるようになるさ。それに俺ならアイツらを倒す程度の実力はあると思うし、ソロで動くよりは安全なはずだ。どうだ?リリィ?」

 

「は、はい・・・・悪い人ではなさそうですし、私はいいと思います」

 

部屋の隅で空気に徹していたリリィの了承を得て、YSMのギルド招待申請をボウに送った。

 

「ほな・・・・世話になるで。よろしゅうな」

 

 

新しい仲間が増えた

 

 

 

翌日

 

 

夕方近く、俺はボウを連れ、現在攻略が進んでいる第三十五層へと転移した。

目的は一つ。攻略組とボウを引き合わせるためだ。

 

「よぉ、ディアベル」

 

「ヤニーさん。待ってましたよ!」

 

迷宮区の入り口付近でタバコをふかしていると、内部からディアベル率いる《聖竜連合》とキバオウ率いる《アインクラッド解放隊》の面々が姿を現した。

 

メンバーのほとんどが口に多種多様なタバコを咥えている。

完全に気が緩んでいるのを確認し、俺はストレージから一枚の紙を差し出した。

 

「いつもありがとうございます」

 

「いや、気にするな。これで生活できてるからな」

 

「ははは。とりあえずストライクを三箱ください」

 

「はい、900コルな」

 

「なぁ、俺はケンタを4箱くれ!」

 

「ワイは七星6箱や!」

 

「今用意するから少し待て」

 

アイテムトレードの操作をしながら、俺は思い出したように口を開いた。

 

「あ、そうだ。少量だがメンソールの開発に成功した。価格はさっき渡した紙に書いてある。1人1箱限定、500コルだ」

 

その瞬間。

 

その場の空気が、完全に止まった。

 

次の瞬間には、興奮したプレイヤーたちの声が一斉に弾けた。

メンソールの注文が殺到し、用意していた《コール》は飛ぶように売れていく。

 

途中から他のギルドメンバーも合流し、購入の流れは途切れることなく続いた。

 

 

 

【攻略組とタバコ】

 

今やそれは、切っても切り離せない存在となっていた。

 

ステータス面での恩恵だけではない。

死と隣り合わせの状況で得られるひと時の快楽は、現実世界でタバコに手を出したことのない層すら巻き込み、必需品へと変わっていた。

 

SAO内の新聞《Weekly Argo》によれば、攻略組の実に97%が喫煙をしているらしい。

 

その中に未成年者が含まれており、現実世界へ帰還後の生活に影響を及ぼすのではないかと指摘されていたが

 

俺は未成年にタバコを売っていない。

 

つまり、誰かを代理に立てて買っているということだ。

 

そんな事を考えながら販売を続けた。

 

 

「お前らに言っておかなきゃならないことがある」

 

喧騒の中、俺の声が通る。

その瞬間、全員の視線がこちらに集まった。

 

「今後のタバコ販売だが、俺の代わりにコイツが担当する」

 

視線で合図すると、壁際でタバコをふかしていたボウが一歩前に出る。

 

「皆さん、よろしゅう。ワイはボウっちゅうモンや。次の販売から迷宮区での販売を担当させてもらうで」

 

「ボウ・・・・もしかしてアンタ、《パンチングマシーン》のボウか?!」

 

「血盟騎士団にスカウトされても蹴ってた、あのボウだと?!」

 

どうやら、攻略組の間ではかなり名の知れた存在らしい。

 

「・・・・・どういうことだ?」

 

俺の視線を受け流し、ボウはヘラヘラと笑ったまま肩をすくめる。

 

「ワイもな、生きるために必死やったっちゅう話や・・・・・とにかく!次回からの販売はワイ経由で頼むで!」

 

名が通ったプレイヤーなら、少なくとも舐められることはない。

 

そう判断し、俺は販売を続行した。




次の話は数ヶ月間が開く予定なので間話を挟みたいけど・・・なかなか難しい。コメディ路線で書きたいけど笑える要素が無い
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