ヤニカスがVRMMOにログインしました(旧題:ニコチン・オンライン)   作:ジュネープ

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やっとオリジナルソードスキル出せました。チート級?ですが攻略に関わらせないので問題ないはず?


強いて言うなら海賊の味

最初に動いたのは俺だった。

何事も、先手必勝。

 

片方の鎌を頭上から振り下ろす。

だがオッタルは斧を垂直に持ち上げ、その一撃を受け止めた。

 

想定内とばかりに、即座にもう片方の鎌を首元へ薙ぎ払う。

 

しかし、オッタルは斧の柄を跳ね上げるようにして、その斬撃を弾いた。

 

「・・・・ッ」

 

一瞬の硬直。

それを見逃すほど、相手は甘くない。

 

姿勢を崩した俺の腹部へ、強烈な蹴りが叩き込まれる。

 

(ダメージは・・・・・そこまでじゃないか)

 

「フハハハハ!お主、なかなかやるではないか!!」

 

「ほざけ!!」

 

今まで通り、ソードスキル無しの立ち回りでは分が悪い。

そう判断した俺は、【あるスキル】の発動を視野に入れ始めた。

 

十九層にしては、敵は明らかに強すぎる。

唯一の救いはプレイヤーのHPが全損しないと約束されていることだけだ。

 

「これでもくらえ!!」

 

オッタルの懐へ踏み込む。

同時に、斧が振り下ろされるのを予見して半身で躱し、左斜め前へ飛び込む。

 

すれ違いざま、脇腹に二筋の裂傷。

 

「中々やりおる」

 

「それはどうも」

 

(こいつのレベルは・・・・60前後か)

 

現在の最前線プレイヤーが55前後。

それを考えれば、紛れもなく格上だ。

 

(使うなら、タイミングが重要だ)

 

今使えば、次は確実に対策される。

相手はNPCじゃない。

自由裁量を持つAIだ。

 

「HPを半分以上削ってからだな」

 

「何をぶつぶつ言っておる! 吾輩はそう簡単に倒れぬぞ!!」

 

突進。

地面から斧を振り上げる一撃を、鎌の刃で逸らす。

 

(・・・ッ!まだ終わりじゃない)

 

兜の角を前に突き出し、勢いそのまま突進。

 

「ぐぁ!!」

 

想定外。

角による突撃をまともに受け、吹き飛ばされる。

 

「ただでは終わらせん・・・!」

 

柱に両足をつけ、反動を利用して再突撃。

 

「なっ・・・!?」

 

倒れた体勢のまま、驚愕の表情を浮かべるオッタル。

 

「倒れてるうちに・・・削れるだけ削る!!」

 

頭上から、両手の鎌を首筋へ振り下ろす。

首から背、臀部にかけて二筋の裂傷。

 

着地と同時に、背中へ滅多刺し。

 

「な、舐めるなァァァ!!」

 

横転しながら斧を振り抜かれる。

両鎌で受け止めるも、その衝撃で再び吹き飛ばされた。

 

「・・・・・・やるな」

 

「吾輩をここまで追い詰めるとは。本気を出さねばならぬようだ」

 

瞬間

 

オッタルはどこからか葉巻を取り出し、口に咥えた。

HPバーが、みるみる回復していく。

 

「回復させるかよ!!」

 

駆け出すが、斧の一振りで弾き返される。

 

「吾輩は大の葉巻好きでな?これは一族に伝わる秘伝の葉巻よ」

 

「・・・・なぁ」

 

「戦いの後・・・その葉巻吸わせてくれんか?」

 

「勝ったら、いくらでも吸わせてやる」

 

「・・・・言質、取ったぞ?」

 

俺は構えを取る。

 

「はぁ!!」

 

掛け声と共に、視界が白く弾ける。

俺自身が閃光となったかのような加速。

 

一瞬で間合いを詰め、交差する斬撃。

十字、十字、十字。

 

最後の一撃。

自動追尾する鎌が、首元へ交差する。

 

《キリング・リーパー》

 

致命部位切断イコール即死。

 

・・・・・の、はずだったが、首はかろうじて繋がっている。

 

「ま、待て降参だ・・・・認めよう。お前は真の勇士だ」

 

「もう負けたんだ。素で喋ってもいいだろ」

 

「ロールが残っておる。少し待て」

 

差し出されたアイテムを確認する。

 

《スモーキング・リーパー》

スモークメイカー専用武器

攻撃力:700

 

特殊機構の草刈り鎌。

任意で分割可能。

スモークメイカー専用ソードスキル発動時、煙幕を発生させ視界不良を付与。

分離時攻撃力:350

 

「滅茶苦茶いい武器じゃないか」

 

「喜んでくれて何よりだ。お主のような者に渡せる事を誇りに思うぞ」

 

「嬉しいんだが、1つ重要な事を忘れてないか?」

 

「・・・・なんだ?」

 

「『勝ったら吸わせてやる』って言ったよな?」

 

「・・・・・・」

 

「良い感じの雰囲気で終わらそうとしてただろ?」

 

「そ、そんなことあるわけなかろう!!」

 

《海の戦士の葉巻》

HP全回復

全ステータス+10

非常に高い依存性あり

 

 

 

テキストを流し見しつつ、火をつける。

吸った瞬間

 

大海原。

海賊船。

嵐。

そして、嵐の後の一服。

 

「なんだこれ。美味い」

 

謎の幻想を振り払い、俺はオッタルを掴んだ。

 

「なぁ、お前。この後どうする?」

 

「この戦闘は一度きりだ。以降の行動命令は特に無い」

 

「自由ってことか」

 

「あぁそうだ」

 

「なら」

 

俺は笑って言った。

 

「うちのギルド、入らないか?」

 




オッタル
レベル:58
STR:170
AGI:100

ヤニーがまともに斧攻撃喰らえば一撃で負けます。

あ、それとタイトル変更しました。シンプルめよりも長めにした方が食いつき良さそうなので
タバコのバフでそんな事にならなかったんですが大ダメージは確実でしょう。
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