魔法使いたち 作:(ё)
まず語ろうか。
最初に断っておくけれど、僕の解説は基本的に喋るのが下手だから話が逸れるし、なんなら間違ってることもあるかもしれない。その事を念頭に置いて、聞いていて欲しい。
ほら、コーヒー片手にさ、サンドイッチ食べながら黄昏れるとかより有益な話になると約束するよ。
多分、君が学校で教わることをぜーんぶ、先取りしてネタバレすることになるけど。
あはは、まあ聞いておくれよ。
大まかに、魔法の歴史は大体ローマから始まったというのはまず省くけど……ま、概要だけでも喋っておこうか。
魔法使いとはご存知の通り、イエス・キリストの使徒とかそういう聖人が人に授けた力とか、悪魔が人を策謀するために与えた力だとか、昔は解釈の違いで戦争が起こった。
ローマ崩壊後、カール大帝がイギリス南部に移動したサクソン人を魔法使いの末裔としてヨーロッパを搜索したりしたのは有名だけど、その時に造船業が発展して、慢性的な木材不足が引き起こされたりと……ま、失策だと僕は思うよ。
唐王朝が281年続いたのは西洋との、まあ正確にいえば地中海周辺とかアラビア半島での貿易とかだけどさ。
この後に、中国とイスラム圏が結びついて貿易を盛んにするし、まあ10世紀の砂糖貿易がなくとも力のバランスってのがジワジワと傾いて行ったから、まあこれはカール大帝の失策かなあ。
魔法を直接使う、というものは現代において軍隊かスポーツマンでもない限り無い。
ご存知の通り、マジックユーザーは統計的に見て12万人の集団があったとして、5人以上は確実にいる。
今の世界人口はだいたい73億人だから、まあざっと計算するとこの魔法使いという者の数はかなり多い。
少なくとも、100年前には38万人以上の魔法使いが世界に存在してたってことだね。
1913年のデータだからざっと100年前だし、変化してるかもしれないけど、まあそれは許して欲しい。
サンプルの集団が大きくなりすぎると分かりずらいし、世界人口が約2倍になったとてまあ通用するデータだろう。
魔法使いの血筋をむりやり増やすなんて人道に反してるし、現代の数とだいたい変わらないってことが重要だね。
ま、そんな言い訳はともかく、マジックユーザーというものは兼ねてより、戦争の主役。
じゃあまず近代の、いや現代の戦争を、昔の歴史から比較して考えてみようか。
まずマジックユーザーが戦争の主役になった理由。ま至極当然なことだけど、
その理由をまずは話そうか。
単純に物流コストの差だ。
現代の戦車って40t超えてるものばっかりだし、運ぶのにもさ、輸送用のトラックが重すぎて道路を傷つけてしまうよね?
対してマジックユーザーってのは人なんだからさ、単純に戦車と比べて維持コストがひっくいの。
移動コストもとんでもなく低い。本当に低い。
戦車一個師団を用意して攻め込むなら橋とか通る場所を決めないと行けないよね?でも魔法使いならたった1人の人間なんだし、航空機もなんでもござれ。多様な移動手段があるんだよ。
ま、これで説明が着くだろうけど……じゃあどうやって政府は魔法使いから反逆されないようにしているのか。
それを言おう。
古来からコミュニティ……正確にいえば、政府のような役割を持つ組織の意思を伝えるため、連絡網は求められた。
コミュニティを作るために街は洗練され、行政的な区画整理のしやすさという面からも街の構造は考えられてきた。
なら近代に建設された街はどうなるか。
答えは、より洗練された構造の街になるという事だ。
情報を伝えたいなら?テレビを出そうとなる。
テレビが陳腐化したら?スマートフォンでSNS戦略だ。
ビルに大きな液晶をくっ付けて、でっかいテレビにするっていう発想はすごいものだ。
一般論を交差点に貼り付けて政府が操作出来る、ファシズム的な広報だと僕は思っている。
情報の伝達という最も難しい分野を現代はいとも容易く完遂してしまう。
魔法使いはスポーツで活躍してる様子がライブ配信してるから見れるけど、私生活は全然明かされないじゃん?芸能人とかはスクープが飛ぶけど、そういったものは全然ないよね?
あれ、なんでかと言うと……そもそもどこで生活してるのか分からないんだよ。
ライブ配信って言ってるけど嘘かもしれないし、一般観客というか、観客の全員が見てるのはモニターじゃん?
スタジアムという形式を取ってるだけで絶対に違う。
なぜなら、観客はホログラムで投影されたアバターだし、見ている画角的に、カメラがいくつも並んでて、それがモニターを見てるっていう入れ子構造。
現地に行って見るなんて言ってるけど、それ本当に行ったことあるのか?
と思っちゃうね。
だってスポーツ会場なんて世界中どこでも建てられるだろうし、魔法使いという存在の危険性を減らす、民衆の娯楽としての採用なんじゃないかなと思ってるよ。
あ、そうそう。話を1つ前に戻すけど……
昔の人々は車を使っていたじゃん。
トラックに、バイクに、陸上を行軍するならよほどの悪路でもない限り車を使った方が早いんだ。
でも今じゃそんなの戦場にいることなんてないと思う。だって新幹線を使えばとても早いんじゃねえかな、と思う。
いやほんと僕個人の推測ってだけで、全然普通にトラックとか使うよってのもあるかもしれないけど……スピード早いやつ使った方が良くないかな。
時速300キロの行軍スピードで速やかに兵士を送り込むってのは昔の人が聞いたら天地がひっくり返るような衝撃を感じるんじゃないかな?
あ、そうそう。移動速度で言えば、必ず外せない話題があるよね。
電撃戦の語源は、空中降下した魔法使いが電撃を放って高電圧変電所を破壊し、一瞬で戦争を集結させたことに由来するってのはよく言われることだけど……このように、魔法使いを運ぶ手段が現代において豊富になり、戦争の形も古来から変化したんだよね。
昔はとにかく魔法使いの数を把握して、できるだけ動員することが勝利の鍵だった。
しかし、現代において軍隊というものは魔法使いだけではなく、圧倒的多数の兵士を集めることが重視されていて、
まず第一に銃火器の登場により、魔法使いを多数の人数差で殺せうるという状況が出来上がったこと、第二にロジスティクスの効率化が要因になって、魔法使いは相対的に弱体化。
道を歩くより車を、車を使うより新幹線を。
新幹線を使うより航空機を、とスピードが激変した。
魔法使いの数が戦争の影響でそもそも足りないとか、数の限界がきてるのもまあ多分だけど補給面の効率化が進んだ要因だろうねえ。
それまで魔法使いとか、比較して少数に値する集団を運送する手段だったわけで、民間に払い下げられたりとか……まああとは、現代に来るにつれて火力投射理論そのものが変わったりとか、まあ色々あるんじゃないかな?
適当な回答かもしれないけど、間違ってたらすまん。
ま、整理すると……
昔は少数の魔法使いを運んで、今は多数の非魔法使いを運ぶっていう用途の変遷かな。
あとは……まあいろいろ説があるけど。
めっちゃ大量の兵士を動かすより、1人の魔法使いを投入するってのが当時は最強のセオリーだったんだ。
電撃戦から世界中で空軍が重視されて、陸・海・空のうち空軍が予算を大量に持ってる、みたいな状況が起こったし。
空軍と海軍に魔法使いが偏ったりとかしたのはそれが原因かな?
ノロマな兵員輸送車と比べて、旅客機とかの方が速さではだいたい強いもんだ。
制空権さえあれば地形を無視して燃料ある限り飛べるし、帰還を前提にしなければ片道分の節約が可能だし。
魔法っていうのは、いわば12歳前後の人に芽生える超能力。今は魔法の正体は過去に反復したイメージの実現とか、そういった説があるじゃない?
あの仮説は最有力候補だけど……ま、それがもし真だとするなら……
昔の魔法使いが空を飛べなかったのは飛行機っていう具体的な空飛ぶ物体を知らなかったからじゃないかな。
ま、そもそもとして変電所とかの重要施設は動かせないし、替えが効かない。1つぶっ壊せばその区域は簡単に崩壊するし、なんなら周辺の都市も1週間あれば暗闇。
だから電撃戦が流行ったんだと思う。
例えば昔の魔法使いは自分の鎮痛効果を味方に振り撒き、いわば麻薬漬けの狂戦士を量産してさ、槍を構えさせたもんさ。
それが今では薬とか、注射器の形状になって出てくるんだ。
しかもそれは抗生物質の普及とほぼ同時期に。
今では魔法使いなんてかなり少ない、人口動態の端数だけどさ。昔はかなり強かったんだ。
さっきも言ったけど、発現時期って、どの時代でも概ね12歳前後……思春期など心の成長、言うなれば未来への期待とか、強烈な自己の思い込み。
昔の子供は、暗闇を見れば何か恐ろしい化け物を想像したし、傷口を見れば神様が治してくれると本気で信じられた。
世界がまだ謎だらけで、科学なんて言葉を知らないからこそ、純粋で強烈な、魔法に変わるだけの無知なイメージを持つことができたんだ。
だけども、夜になればLEDの街灯が点いて、化け物の居場所なんてどこにもない。
そういう物事の仕組みが解明されて、民衆に広がってしまって、教科書に答えが全部書いてある世界じゃ、魔法の種になる身勝手な思い込みなんて育ちようがない。
化学が魔法の後を追いかけて、その正体を暴いていった結果…辿り着いたのは魔法使いの激減だ。
かつての魔法使いは人智を超えたものを操れないと思い、畏敬の念を抱いた。
ゴロゴロ唸って、爆音と共に地面に落下する、雷という現象……
それが現代では最も簡単に使われる、生活に密着した【電流】として解明された。
まあ人間は1Aでも死ぬという話を言うけれど、魔法使いへの恐怖を煽るような誤解を生む表現だろう。
実際の彼らは電撃を指先から放つなんて事はしないだろう。だって放ったら焼け死ぬんだから、生きて帰れないじゃない。
よほどの絶縁をしててもさ、空中で放電が起きてるんだから人間というものは簡単に死ぬ。
だってそれ、魔法使いも同じなんだからそこまでバカな事はしないしなあ。
電撃戦は、たまたま上手くいっただけの無謀な特攻作戦だよ。
成功例みたいによく語られるけど、私はそうは思わない。
なぜなら帰還を前提にしていない作戦であり、非人道的だからだ。
現代の魔法使いは、火炎放射器なんてものをイメージ出来てしまう。
なまじ、それを敵の密集した室内空間で扱えばどうなるかも分かっている。
火を簡単に扱うために、竜という偶像を信じた過去など、面影すら全くない。
空想上の、実在しない怪物としてかつての脅威は矮小化された。しかし、その穴埋めをするように、戦争の最中にあったかつての魔法使いたちは強力な火を求めた。
火炎放射器という手本を元に、燃料を作り、それを飛ばして敵を燃やす。なんて簡単なことだろう。
自分は魔力のガードを使って無傷、だから火傷なんて負わない。このガードは絶対に曲げられないし、貫くことなんてできない。
絶対に壊せない完璧な護りの盾。
そんなものを魔法として扱えるやつは、生半可な自信過剰とかそんなもんじゃない。自分が世界の中心とでも思ってないと発現できないはず。
まあこれ、僕の推測だけどさ。
ヨーロッパ圏、というかだいたいラテン圏とかゲルマン圏全部合わせてだいたい安定した時代が少ないじゃない?
でも……漢王朝とかはキリスト紀元で、実に400年も続いたし、それと比べると唐王朝は短いけど強力な魔法使いが台頭した。
キリスト教的なシンボルとするか、天子が民に授けた力とするか、こういった差異が王朝の安定感を違うものにしたんじゃないかなあ。
宋が中国南部を纏めあげたり出来たのも、宗教的なしがらみが無いからだろう。
中フランクのあったあたりは、昔マジでとんでもない宗教戦争が渦巻いたし、中東勢力からイスラム教に改宗することを迫られたり……ま、とにかく地獄だったじゃん?
宗教的な物とするか、権力者に与えられた一過性のものとするか……これがめっちゃ重要だったんじゃないかな。
例えば中国大陸ではその後、夏宋という王朝が一瞬だけ成立し、ご存知の通り軍事政権が乱立した状態になったけどさ、結局は統一されたし、魔法使いってのは争いの元だけど、統一の元でもあるんじゃないかな。
ローマ崩壊後、マジで地中海のどこを見ても戦乱しかないし。
東フランクと西フランクに至っては、内乱も多いのに外征も続いたし……バチカン奪還のために何回も十字軍を派遣とかしてるしさ、戦争が隆盛を極めてるんだねぇ……
7世紀のビザンツ帝国で、中国に継ぐ産業革命が起きて以降、そこからヨーロッパ圏での人口は爆発したけどさ。
その原因は工業のとんでもない効率化だねえ。
これまで魔法を使ってちまちまと家内制手工業をしていたところに、シルクロードを通して……というか、地中海とかに行くまでの人の移動とかで中国の工業制が流れ込んだ。
木靴を大量生産する機械はビザンツ帝国の発明品って言われてるけど、その大元は中国だねえ。
でも、ビザンツ帝国の機械は、それまで地中海世界に普及していた川の流れを使った水力の機械じゃなくて、石炭、正確にいえばコークスっていうより効率のいい燃料を使った機械なのが良いところだ。
それより前はヨーロッパ圏の人口は2億人くらいだし。20万人くらいが聖地奪還のための戦争に参加したってことの意味が現代換算すると本当に違いすぎるんだよねえ。
中国の方の産業革命は、まあ世界最初なだけあって、工業制の紡績をヨーロッパ圏に伝えた功績が非常に大きいねえ。
活版印刷とかが流入して、新聞文化ができたのも後発だし。
魔法使いの数が当時の中国では少なくなってきていたってのも大事な所かなあ。
大多数の世帯が教育を受ける、義務教育っていうのは本当に凄いもんさ。
義務教育って言葉は秦の時代から始まってて、最初は単位を廃して新しい単位を教育するものだったんだけど……科挙とか、そついうやつがあるから、教育に熱心な人々が現れて、勉学に励める、安定した環境がキリスト紀元でだいたい1世紀前後に出来た。
最初の大規模な教育の開始から1000年以上経ってようやく12世紀に、基礎的な知識を全ての人が持ってるっていう状態になった。
本当にめちゃくちゃ長かったけど、やっぱり秦から始まったとすると年数が爆上がりするんだよね。
実際は漢王朝あたりから、教育を受けさせないと不道徳的っていう風潮を完成させたから、漢王朝からカウントした方がいいと思うけど……
まあつくづく思うけど、現代の平和ってのは、昔には存在しなかったもんだよねえ。
知識が何より大事ってのは本当にかなり思うね。
西イタリア共和国とかはバチカンを持ってるからその他のイタリア半島の国々で比べたらまあ、流れを汲む後継国なんだけどさ。
もしバチカンをあの時奪還できてなかったら、たぶんイタリア半島ってヨーロッパでも選りすぐりの火薬庫になってたんじゃないかなあ。
そんな数百年昔のifはどうでもいいけど、重要なのは大体の戦争でマジックユーザーが勝敗に関与して、時代が進むにつれて後方でマジックユーザーたちが戦ったということだねえ。
イタリア統一戦争とかでは記録によれば、積み重なった死体からガスの音が抜ける音が響いたとか。
当時は土葬がメインだから墓場に困ったらしいけど、そんな事になった理由が魔法使いによるものではなくて、一般兵士の【槍】なんだ。
当時使われた槍っていうのは、材料がなんと土。
殺傷力なんて無いように思えるでしょう?
でも、実際には敵の体を見事に貫いたし、なんなら戦いが終わるまで崩れることすら無かったって言うんだよ。
ま、その正体は【硬化】っていう、陳腐な魔法なんだけどさ。
これがもうとんでもなく強かった。当時の戦争で弓なんて持ってるのは少数でさ、槍を持って歩くやつが大多数なわけ。
じゃあ魔法使いは弓手より数が少ない?
いいや、違う。むしろ、騎士とか騎馬兵とかよりも、魔法使いの方が多かった。
当時の魔導兵の先駆的な兵士っていうのはさ、いわば無学な人間を集めた傭兵集団。
当時の教育水準ってのは決して高くないし、生まれた村で一生を暮らすのが普通なわけ。
四元素説ってのがかなり支持されてたから、なんかヒンヤリしてて乾いたものなら土とか、そういう【属性】って言う概念があったんだ。
だから魔法使いってのは現代より遥かに生まれやすいし、大雑把な分類で色んなことができてしまう。
冷蔵庫とか今は電気でやってるけど、昔は小さな氷室を各地に作って、そこに貯蔵した食べ物とかを出し入れしてたんだ。
知識的に未開の地と言えるね。
自分は神の化身とか思い込めるような、当時の宗教観で言えば悪魔と呼ばれるに値するほど不遜な奴は居なかったけど、学問的に見るとだいぶアウトなんじゃないかな。
だけど彼らは無学だ、とにかく無知で、世界に不思議が多かった。
四元素説なんて間違った科学的でないものを信じ、偉い学者も大真面目に世界は何で構成されているのかに白熱。
一部の地域の農民とかは薬草の実の汁を朝に集めて、植物を沢山育てればお金が手に入るんだけど。そのお金にするっていう部分を、地主階級である一部の魔法使いであるとか、そういうところが握ってた。
この現代で言うところの麻薬ビジネスを、流通販路を掌握した傭兵集団がやったわけ。
兵士の風紀は乱れまくり、農民はアヘン中毒者が溢れまくり。
生産力は落ちるに落ちて、ますます弱る地中海の住人。
しかし、そんなことを引き起こす魔法使いの傭兵集団の雇い主は当然ながら、イスラム教徒を目の上のたんこぶのように嫌ってる、敵の居るキリスト教の国々。ま、当時の区分ではないけど、カトリック系かな?
そういう国々はとにかく素人でも動員して、とにかくイスラム教徒をイタリア半島から追い出したかったんだ。
結果としてはバチカンを奪還して、山脈を超えて、海の向こうまで押し込んだ。
中世、つまるところローマ崩壊後から数え、バチカンの奪還で終わりとされるこの時代は本当に暗黒時代だ。
魔法使いはだいたいカトリック教徒だから、治癒をイメージすると奇跡を起こせる聖人になるし……まあ初期にはこうした理由で聖人のオンパレードで、とにかく困ったらしい。
現代における聖人の基準とは違ってかなりガバガバな基準だ。
聖書の記述に沿うように厳格な生活を送ってたとか、懐古主義者たちは言うけどねえ……昔の魔法使いの集団ってつまるところ聖職者なんだから、そいつらがシャブ漬けの信徒を量産してたらそれはもう教会が腐敗してると言っても過言では無いんじゃないかなあ。
学問的にはアリストテレスの唱えた説を公認してたりしてる集団だし。当時はいくら正当性があったって、天上界は完璧だなんてことは間違いだったと証明された。
アリストテレスの唱えた説を解説すると……まあ、四原因説っていうやつが根底にあるね。質料があり、そして形・本質という形相があり、動かす力……彼いわく、始動というものがあり、そして何より、万物には目的因があるとした。
可能態から現実態へっていう矢印をアリストテレスは考えた。
ドングリという発芽の可能性が樫の木として結実するように、自然界は常に完成を目指して動いている、と。
自然な場所として、元素は自分の故郷土なら地球の中心、火なら空の上へ帰りたがっていると言い、これが科学の停滞を招いた。
水の蒸発とかそういうものの原因を当時の世界観において完璧に言えちゃったし、アリストテレスが体系化した四元素のせいで人類は停滞したんじゃないかな?
ヌースっていう理性を司る、人間にしかないアニマがあって、それが魔法を扱えるようにする【魂】だとしたアリストテレスは、確かに偉大な人だろう。
それがとんでもない規模の宗教戦争を招いたということを除けば、だけど。
まあ彼自体の説に罪はない。咎があるのは三位一体と四元素論を結びつけた教会だろうね。
まあそんな脱線はいいとして、時代がちょっと前後しちゃったね。
では中世の終わり、895年から先の事に進めると、まずバチカンを奪還した人々はその日を祝祭日として暦に入れた。
たまたまだけど、この日を第二水曜日に入れたから、カトリックの人々にとって日曜日のように休息日となったわけだね。
まあただ……年に1度しかこない日付の休息とはいえ、水曜日だから労働バランスが産業革命の最中にあった人々を救った。
儒教的な道徳とキリスト教的な道徳が混じりあったビザンツ帝国の一部地域……まあ、確かコンスタンティノープルとかかな?そこら辺では居住地区の開拓が進んでて、ローマの木造集合建築を模倣したものが立ち並んだ。
でも有名なローマの大火のように、1回めっちゃ炎上した。
木が減ったとは言えどそれは造船用の木だし、船は何百年と持つもの。
カール大帝の遺産と呼ばれる事もある船たちは、3つに分裂してもそれぞれが持っていて、十字軍が終わってもあまり海軍力はあまり減らなかった。
船の総量がクソでかいんだよね。
1枚の帆が貼られてる船じゃなくて、こう……なんて言うんだろう。良くわからんな。船にはちょっと詳しくないから分からないんだけど、帆がたくさんあってデカイやつ。
でもペルシャ湾と紅海を結ぶ海路とか、そことの貿易に使い回されてたらしいんだよね。
なんでも積載量がめちゃくちゃでっかく作られるらしくて、いろんな交易船に回されたりされたんだ。
アラビア半島を回るルートで行くから補給面がかなりしんどいけど……ま、当時にボイラー室のある船なんてまだ無いから、帆船という技術の中で最強だ。
その後、ええと……何年だっけ?分かんね。確か933年かな。
あ、いや966年だ。この年になって中国は転換点を迎える。
夏宋が滅び、地方の……あーもう難しいなあ。節度使だったかな?あれ?これは唐だったか……
まあとにかく、そんな感じの集団が権力を持ち、中国は割れに割れた。
中国は経済成長がぶっ壊れて、養蚕の秘密とかもビザンツ帝国とかにバレてしまい、徐々に衰退。
南部統一を成し遂げた中国の偉大な王朝は、漢民族と儒教を芯にしていて、これはまあ変わりがない。
大きな転換点は、まあ戦乱。李壬秋っていう人物が、付近の国々を合併しようと動いたんだけど、五代十国時代みたいな感じで、すぐに壊れる。
足元の基盤が磐石だからどこの陣営が勝ってもおかしくなくて、足の引っ張り合いが起きる。
中国……中華の国というアイデンティティこそ、バラバラになってないだけの国になっちゃった。
まあ一方ここで朝鮮半島に移ると、ここでは山とか川があるんけども風水的にとても喜ばしい条件が揃っていた。
と、言うわけで……中国の、特に豊かな富裕層たちはこぞって移住した。
戦乱を逃れるために海を渡るというのは、この時代的にちょっと大袈裟というか、切羽詰まったように見えてしまう。
だけど同じ内陸なら、風水的に良い土地に住むという名目を得つつ、戦乱から逃れられる。
こうした理由から朝鮮半島は中国の富裕層が集まって、膨大な自然が残る土地に今もなっている。
紫金山とか、太白山とか……似たような意味で、富裕層ほど山とか川の近くに住むようになった。
今でもその伝統が生きてるんだから面白いよね。
ま、整理すると……
唐の崩壊→宋の成立→宋の崩壊→西夏との合併→夏宋の成立→夏宋の崩壊
こうだね、マジで長いでしょ?でも唐より昔の漢王朝の方が面白いよ。
でもくっそ長いし、まずとんでもなく口下手な僕が話すからつまんなくなると思う。
ぶっちゃけると話してるうちにちょっとマジで混ざりそうになる。いやほんとすまん。
五胡十六国とか本当に面白いんだけど……あーでもこれちょっと昔のやつかな。
時系列順に出来るだけしたかったけどもういいや。
前涼を張軌が建てて301年-376年に漢族を民族の中心的立ち位置になったり、前趙を劉淵が304年 - 329年に匈奴などの民族を多くの構成にしたり……
あーもうほんとにここらへん激動なんだけどさ、3世紀ってなんか戦乱がどこを見ても多いんだよね。
口下手だからこれ以上面白い分野を傷つけたくないからもう喋るの辞めるけどさあ……本当に面白いんだ。
ま、ここで中国史は一旦やめよっかな。区切りが付かないや。
じゃあイスラム圏あたりに視点を移してみようか。
ここはマジで全然詳しくないんだけど、錬金術っていう化学の前触れみたいなやつがここでめちゃくちゃ研究されていた。
イスラム教徒が賢者の石を探し求めたってのは後世の創作で、実際は物体が変化する時の形質を変える【何か】を探していたんだ。
賢者の石というのはそもそもとして当時の言葉に無いものだし、いちばん近い翻訳としては単純に物質を変えるものとかなんだよね。
ご存知の通り、化学反応ってエネルギーの差を乗り越えないと反応が始まらないじゃない?
だけどそれ、さまざまな物質を加えると、変化する時の壁が越えやすくなるんだよね。
で、これの正体を後世の人々は創作する途中で、賢者の石っていう宝石みたいな、魔法の存在と結びつけた。
実際には魔法を排除しまくった実験の繰り返しだったらしいんだけど……
ま、後世の映画の影響とか受けてるとショックかもしれないけど……こういう事は、まあ…正直に言ってあるあるだね。
僕もガッカリしたよ。
賢者の石ってのは単なる嘘だったってのを知ると本当に悲しくなった。
触媒ってものを具象化する時のアイコンだから、科学的に見て実在しないだろうというのがまずいちばんでっかい根拠かなあ。
賢者の石っていう言葉が出てきたのは現代だし、でも賢者の石がうんぬんかんぬんって書かれた紙、そんなのどこの国の研究資料にもないんだよね。
初出はたぶんどうせ、どっかの映画の監督とかが作ったもんだろうし。
あ、そうそう。
イスラムシュガーって呼ばれてる砂糖があるじゃない?
あれ、実はコールタールから精製した化学合成物質なんだよね。
これを色んなところに売りつけて、薬として販売してたんだよ。資金源が砂糖って面白いけど、本当にめちゃくちゃ売れてるんだ。
イスラム圏は絶食の文化があるから、元気が出るとか、そういうものは修行者にとって力の源になるものとして需要が高いのよ。
まあこれ代謝されないからカロリーにはなんないんだけど……ま、甘みがあるから勘違いするのも仕方がないけどさ。
で、話を戻すけど甘いもの食べたいって欲求は、宗教とか違っても、どこの誰でもあるじゃない。
たとえばショーケースの中のケーキを見れば自然とイチゴの味を想像して、クリームの味を舌の上で味わいたいと感じるじゃん?
それと同じように、元気な人を見ると昔の人々は砂糖とか塩を食べたくなったわけ。
これはなんでかと言うとめっちゃ長くなるから要約すると、
まず昔の人が旅行中、自らを照らす太陽が、まるで自分の体を燃える様になった。その人は倒れたけど、たまたま巡礼していた聖職者が塩水を飲ませ、山の元気が出る水を次に飲ませた。
するとみるみるうちに回復し、体の中の悪魔は祓われた、と……
まあこんな逸話あるんだけど、そこにピッタリと合致したのがイスラムシュガー。
宗教的にOKな素晴らしいもので、当時の考えによれば体調不良を治せる薬なんだ。
16世紀、イギリスの会社がこの砂糖を使って植民地に売りさばいたりとかして、間接的にイスラム圏がイギリスとどっぷり相互防衛協定してたりとか……ま、帝国主義の終焉と共に終わったけど、世界的に親しまれたものなんだ。
このイスラムシュガーっていうのは最初の化学合成甘味料なだけに、最初はとても希少なもの。
でも作り方の記録を取っていた当時の研究者らがいてくれたおかげで、1000年未来でも楽しまれる合成甘味料になってるんだよねえ。
でもこれコールタールを毎日のように実験して、その副産物にも実験して、さらにその生成物にも実験して……ってのを繰り返したやつだからさ、端的に言って最初に発見したやつは頭がおかしいと思う。
35歳から錬金術の扉を叩き、そこから十年以上も実験してさ。本当にイカれてないとできない。
しかも硝酸を大量に作れるようになった時、総当りで硝酸からの発展系を発見しようとしてさあ……
イスラムの研究者って史実に居るやつの方がイカれてるの、本当に現実って世にも奇妙よな。
たった1人の人間が巨万の富を築いてしまうんだ。
まあイスラムシュガーは今でも親しまれてる原因ってだいたいイギリスなんだよなあ。
16世紀のアメリカ大陸入植に合わせてカレーの粉と砂糖の粉を売りまくって、イギリスは経済大国になって、そんで世界経済のトップ3に……ま、そんなことは置いて置いて。
経済政策として大真面目にカレー粉の大量生産とかやってたし、あの時期のイギリスはなんかどうかしてるんじゃないかなあ?
フラワーカレー……小麦粉と花を掛けたジョーク商品が有名だけど、花の香りよりも先に香辛料の辛さが鼻を刺すっていうし。
ま、食べ物を作るというよりなんか違う目的あったんだろう。近代イギリスはちょっとカバーしてない範囲だから語れない。
マジですまない。
このイスラムシュガーってのは単なるイギリスがつけた商品名なんだけど、ヨーロッパでは砂糖をラテン語化したもので呼ばれたりとかしてたんだ。
当時のブリテン島は鎖国状態、内部はイングランドが統一しようとしてて大変な状況。
10世紀ってのはヨーロッパ圏における転換点で、甘味料が民衆に入った。
それまで甘味料ってのは砂糖黍とか育ててる中国の商人から買うとかしか無かったし、大袈裟かもしれないけどイスラムシュガーはほぼ救世主。
合成甘味料が発見されたのは899年だから、まあ時間差が結構あったけどさ。
本当に流行りまくりで、病人に砂糖を混ぜた水を飲ませるだけで体調も治るとされた。
まあでもこれ本当に治るかどうか怪しいんだけど、それを信じてめちゃくちゃ大量の人々が買い占めた。
するとイスラム圏は大慌てで価値がほとんどないコールタールを買っていき、するとなんとコールタールの価値が砂糖の原料という期待感で高まった。
元は廃棄場所に困って海に捨ててたものが、砂糖になると推測した瞬間、色んな人がコールタールを引き取ったんだ。
まあでも製法は秘匿され続けて、生産拠点を明かさないっていう戦術を使ったんだ。
人の移動でバレるといけないから、なんと地下に施設を作って、その上に都市を作るという徹底ぶり。
砂糖を作る施設の秘匿のために、なんとその上に街を作ってしまうという技術力の高さは、ローマ時代の建造物群に掛けられた硬化魔法のようで、本当に素晴らしい。
硬化魔法ってのは文字通りに硬度を上げるものなんだけど、地震とかそういう揺れには弱くなる。
それをどう解決したか。
そう、鉄筋コンクリート造り!
イスラム圏は化学において当時のほぼ全ての国を突き放して独走状態だったんだけど、この鉄筋コンクリートってのが本当に凄いんだ。
現代でも、この建造方法であらゆる建物が作られてるじゃん?そんくらい信頼性があるんだよ。
硝酸工場とかは地上に作って、肥料の量がとんでもなく多くなって……ま、本当にイスラム圏は当時の宗教観では異端の文明なんだよね。
誰もが欲しがる物を持ってるけれど、エルサレムに何回も侵攻したり、バチカンを奪ったりと……当時のカトリック系の国々からは嫌われてた。
地中海で、複数国家による経済封鎖がこの後やられるんだけど……ま、知ってると思うけど効果は薄かったね。
肥料があると少ない耕地面積でも食べ物がより多く作れて、人口が増えやすくなる。
で、その人口があれば魔法使いも生まれうるって訳よ。
魔法使いがめっちゃ生まれてたのはヨーロッパ圏とかに限った話だし、バイキングのように魔法使いの集団が航海してたりしてるのはヨーロッパ圏の魔境ぶりをこれでもかと感じさせる。
ローマ時代、特に軍人皇帝が乱立していた時代ほど魔法使いが多くて、でも学問が発展するほど魔法使いが少なくなって行った……これは何故かという哲学者の問いに、当時の宗教家はイエスの愛にそぐわない存在がいるとした。
名指しで否定されたのは、異教徒たち。
特にキリスト教を国教にしたローマ人たちは、ギリシャ文化を肯定しつつも、ふたつの神への信仰を守りたかった。
それゆえ、まあ本来一神教だから被ってはいけないのに、都市には複数の神像が立ったっていうわけ。
そんな状況は長年、看過されてきたんだけど……ローマ文化が深まるに連れて、なぜか魔法使いの数が減ってきた。
当たり前に享受できた技術である魔法が使えなくなると大いに困り、その原因をギリシャの知恵に求めた。
すると、魔法が使えなくなるのは、都市文化が強くなった証拠であると回答を得た。
共通語彙としてラテン語を使っており、解釈をしたのは当時の最高の智者たちだが、その場面にローマ皇帝も立ち会ったという。
そしてローマは属州の改宗に乗り出し、壮絶な反乱に逢い、ボロボロになり、どこもかしこも傷だらけになるわけだが。
ま、この後は言わなくても分かるか。
結局、ローマ崩壊ってのは魔法使いが間接的、あるいは直接的に関与してるんだよね。
キリスト教の方が要因は大きいけど、まず魔法使いってのが少なくなったのが最初の原因だからねえ。
じゃあ時間を11世紀に進めると、イギリス……うーん、まあイングランドの南側かな?そこで魔法に関する事象を統計として再調査しよう、という運動が起こる。
この時期のイギリスは木材が豊かで、産業革命に乗り遅れた未開拓な島国で、しかも外圧がとんでもなく強い。
この当時、アフリカ大陸から今のトルコまでがイスラムの勢力圏なんだけど、実は人口比率ってのは内陸部に偏ってた。
……その理由としては、地中海沿岸からやってくる十字軍を迎え撃つ兵隊は、アフリカ大陸の上方面に集める必要があるけれど、アラビア半島で中華との貿易を進めてたんだ。
でも11世紀の中華は、統一勢力がめちゃくちゃ少なくて、各地に分散した勢力で纏まっちゃってたの。
その状況で外敵……ま、ビザンツ帝国が中央アジアらへんの国々に攻め込み、ビザンツ帝国の野心っていう衝撃が中国大陸を席巻してる。
じゃあアラビア半島の海路を利用してた中華勢力とかも纏まりがないし、ヨーロッパの国々は貿易しないって言うじゃん?
溢れる余剰生産がイスラム圏をさらに豊かにしてて、貿易国を増やそうと思ったわけ。
そんなところに現れたのが、11世紀のイギリス。彼らは錬金術師と現代で訳される最大の要因となった、当時の学者と交換留学してたりしたの。
で、ヨーロッパ圏、特にフランスかな?そこがイギリスに開国しろって言ってくるし、キリスト教徒の保護を求めてビザンツ帝国も牽制してくるから、イスラム教徒とはいえどイギリスは助けが欲しいのよ。
そもそもカトリックが多いわけじゃなくて、多神教とかの環境だったから、宗教観に寛容な人々が中心的な立ち位置でね。
こうしてイスラム圏とイギリスの通商が行われ始めるんだ。
と言っても、イスラム圏と一言にまとめられる程の統一感は、現代のアフリカと比べて全く無い。
黒人優遇が問題になるのは、盗みを働いただけのヒスパニック系移民の少年が警察に殺されるまで……つまり、現代になるまで存在しないわけだが。
当時は白人と黒人で差別的意識なんて無かったし、そもそも大きな国はあれど、南北にも東西にも大きすぎて統一国家が作れなかった。
でも、今のアフリカは纏まっているよね?その原因となる、【カイロの繁栄】がこの時期に始まったんだ。
首都カイロのように、交易都市に人々は集まり始めた。
内陸部では河川がたくさんあって、キリマンジャロとかの山から鉱物資源はとにかく沢山取れるわ、鉄も石炭も自給自足できるわでとにかく便利。
だけどこの付近の山は険しいし、道路を作ろうと苦心してたんだけど……ここから離れて、カイロ付近で生活していた人々は川の治水事業を永遠と続けてて、ナイル川の氾濫を収めようとしていたの。
アラビア半島でも貿易が盛んだったけど、カイロはそれよりも内陸部で生産した物が加工されて、輸出される途中の道にあった。
あの帯状の都市、アフリカン・キャッシュって今は呼ばれてるけど……もともとは通商路沿いに立ち並ぶ倉庫街だったんだって。
というわけで、マムルーク朝が強くなり始める。
カイロやアラビア半島を拠点としていたイスラム圏は、白人奴隷が蜂起して武装勢力として成立するのを避けたかった。
だけどマムルーク朝はヨーロッパの様々な勢力に支援されて、分離して独立。
中央アジアのイスラム系は、オスマン帝国として活動して、中華の諸国と朝貢関係になった。
ビザンツ帝国からしたら、拡張先に突然国が現れたわけで、大層驚いただろうねえ。
ウラル山脈から東にいたスラブ系民族は生き残ったけどそれより西にいた民族は、このオスマン帝国に取り込まれた。
中華風の文化とイスラム風の文化が混ざりあって、当時の中国から学者がオスマン帝国に逃げていった。
昔はアラビア半島に陸路経由で行って、漢民族が長旅をしていたんだけど……オスマン帝国が蓋になったんだ。
イスラム帝国はシーア派とスンニ派が対立してて、アフリカ大陸は南北で大戦争。オスマン帝国はスンニ派が中核になってできた白人と黄色人種の国。
長らくヨーロッパの白人はアフリカの黒人に奴隷にされていて、奴隷制廃止についてエジプトのカイロでは真剣な議論が交わされていた。
今のバグダードは風光明媚な金融街だけど、バグダードがどの勢力に取り込まれるかで、いくつもの国が連合として戦う。
オスマン帝国はそんなイスラム帝国の波乱のように内乱続きではなく、オスマン帝国はビザンツ帝国からの侵略を退けつつ、白人を優遇しなければならなかった。
なぜならオスマン帝国はアフリカン・キャッシュから切り離されてしまい、孤立した軍隊が、中央アジアに住んでいた中華系の元住人をイスラムが制圧して属州にしたような感じの国であるからだ。
マムルーク朝の成立でオスマン帝国内部ではかなりの波乱が起き、白人の権利が部分的とはいえ見直された。
ヨーロッパ圏には中華の印刷革命が輸出され、どんどんと情報の速度が早くなる。
しかし、この印刷革命は、イスラム圏においてオスマン帝国を除き、この時点でほとんど普及していなかった。
漢王朝が産業革命……まあ、養蚕して取れた絹を機械で紡績することを成し遂げたのだが、11世紀になってもこの機械による効率の革命はあまりイスラム圏に届かなかった。
なぜならシルクロードというのはアラビア半島を通して6本ほど分岐していたのは周知の事実だが、漢の商人から絹の服を買えば良いということが原因で機械の導入について遅れていた。
あ、そうそう。
今のトルコが広大な面積を持っている理由は、縮小したとはいえ、このオスマン帝国が崩壊した時の領土を持っているからだね。
地中海沿岸はビザンツ帝国に取られてるけど、オスマン帝国には陸路があった。
ニルス川からイスラム帝国は巨大な運河を作り、内陸部の灌漑をしていて……まあ、オスマン帝国は中央アジアに領土を持ってたとはいえ、中華への帰属意識が強すぎてすぐ手放した。
この時に独立した国はその後すぐに、李春慶という漢民族の流れを組む人が統治してるんだけど、まあここから見ても指導層と官僚が異民族の国を統治するってのがほとんど不可能であるということを裏付けるね。
あ、そうそう。ビザンツ帝国はキュプロス島とクレタ島を持ってたんだけど、ここも11世紀に貿易都市になったね。
当時のイタリアは統一国家が出来なくて、勢力図が入り乱れてたんだけど……教皇がこの後、ミラノから選出されて一時的に統一国家が出来るね。
軍事力は諸外国から募った十字軍で補ってるっていう状況だったんだけど、これどうしてかちょっと話は脱線するけど言おうか。
まず当時の人々は、都市化とかで儲けた承認とかが贖罪していたんだ。
カトリックの人々はお金を儲ける銀行業ってのを嫌ってて、お金稼ぎを罪として数えてる。
借金取りとかは自分のお金を教会に寄進したんだけど、これが最たる例だね。
中世の時はユダヤ人が徴税人になったりしてたんだけど、徐々に官僚制になっていくにつれて税金の形が変わっていった。
すると各国は税金を取る、というのは悪いことじゃないかと思う民衆のために、教皇に貢いだりだとか、教皇領の整備とかをした。
奪還記念日が当時のユリウス暦で5月14日、まあ今はグレゴリオ暦だから5月8日かな?
5月になるとイタリア半島は巡礼者が毎日のように押し寄せるようになって、豊かになった。
教皇が軍隊を持つようになるのかな、と思うじゃん?
でも軍隊は持たなかった。何でかと言うと、
教会(ここでは神の目が届く場所という意味)は祈りの場であり、戦いの場(異教徒のいる場所のこと)ではないとしたから。
十字軍ってのは10世紀の今、もう200年くらい前のことで……わざわざなりたがるヤツ、少ないと思うじゃん?
でも十字軍になりたがる人は多かった。
十字軍になりたがる、というか、十字軍の役に立ちたい人が多かったというほうが正しいかな。
教会には寄進金が沢山集まって、すると次第に銀行っていうのができるようになった。
たくさんお金を持ち歩くってのは不便じゃん?
宋の時代に紙幣が中国では発明されてたけど、それをさらに発展したものとして、【教会寄進信用状】ってのを教皇の名義で発行した。
教皇の名義ってのが大事で、当時のカトリック……いや、今もそうだけど、教皇ってのは神の代理人。そんな人が認めてるから、ただの紙切れにも信用が生まれた。
教会にはお金が集まり、その信用状をバチカンにやってきた人のみに渡したことで、人々は贖宥した。
どういう事こと言うと……まあ、お金儲けした人たちがいるじゃん?
その人達は、キリスト教徒だから、キリスト教徒である人達にお金を貸して、それで儲けを出すというのは罪。
だから寄進とかして、だけど稼ぎ自体が多くなってくると、教会で贖宥してもらうにもちょっと額が足りないと思うのよ。
で、そこで教会は信用状を発行して、この額を収めた人々は紙を受け取るのよ。
現金の代わりに紙が渡されるっていう状況なわけ。
破れたりしたら大変!書き換えられたりとかしたら大変!
そんなリスクあるものどうするんだ、というところは当時からあったんだけど……ま、贖宥状も持たされるから、当時の人々にとって大事なのは金銭じゃなくて贖宥されたという証拠。
あー……なんだろう。もうなんかキリがつかないから、別の話題に行こうか。
食文化から当時の人々を見てみると、まずアフリカの一部地域で稲作が強くなったり、【九論書】っていう中国の農学書ができたりした。
まずアフリカの稲作についてだけど、これはニジェール川流域の乾燥した気候に適応した種で、初期には穂が垂れない大米と中国の学者が記している。
大米ってのは、まあ……普通にお米のことかな。ちょっと漢字が違くなると粟のことになったりするし、当時の文献から見てもお米であると分かるね。
収穫量については、共同作成のやつだから著者が不明なんだけど……書かれてるのを現代語訳して、"1握りの籾から1人の食"みたいな感じかな。
これ、実は中国の学者が残した資料って沢山あるんだけど…たぶんだいたい誇張されてるんだよねえ。
アフリカイネって脱粒性が大きいから、麻布を敷いて米を回収するじゃん?
当時の中国には肥料とか浚渫された泥とかだし……イスラム圏の肥料もそこまで進歩してるとは思えないんだよね。
農学の方面には特に僕、詳しくないんだけどさ。
知ってる事例が、ちょっとだけあるんだよね。
中国人とかがアジアイネを植えて、イスラム帝国の農業を自国式のやつでやろうしたんだけど……まあ失敗した。
理由としてはそもそも、植えても植えても周りから雑草が生えてきて、どれだけ育てようとしても雑草に枯らされてしまうし、そもそも気候帯が合わないから成長するかどうかが【運に委ねる】。
農業としては死活問題じゃん?
現代の北イタリアとかの穀倉地帯で米が作られてるのは気候帯とかが合致して、ヨーロッパの米生産を支えてるんだけど……ま、植えた場所もあるかもね。
陸で稲を育てる方式が現地でそもそもあったから、水田っていうのはかなり少なくて、それも影響したんじゃないかなあ。
自分のところの作物が育ちませんでした、ではダメだから、自分のところの作物よりも、イスラムの米の方が優れてました!と報告したんじゃないかな?
あくまで推測だけどね。
で、九論書の話に移るんだけど、これはまず1088年に当時の圃宋っていう国で書かれたものだね。
圃宋は、宋の後継国を名乗ってるけれど。まあパッとしない国だね。領土はちっちゃいし、長江の浚渫とかしか国家事業にしてた事が判明してない国だね。
本当に謎が多くて、なんで黄河と長江の浚渫に関わってる国のくせに記録上の人口が違うのか本当に分からない国だ。
九論書はそんな謎多き国、圃宋の学者が書いたとされてる。
游回水という人が著者なんだろうけど……活版印刷でコピーされまくってるから原本と思われてるやつでもちょっと怪しいんだよね。
まあそんなことはさておき、内容自体は至極真っ当な農学書だね。特にこれといって特筆すべき内容は無いんだけど、活版印刷で量産された農学にまつわる本といえばコレだね。
儒教の本とかの方が当時は印刷されてたんだろうけど、まあ農学書っていう分類ならたぶんこいつがいちばん古い。
大々的に量産されてるやつはもうちょっと時代が進んでからじゃないと記録が残ってない。
本は時間経過で紙の繊維自体が弱っていくし、現代まで残ってるとか、資料があるとかでないと分からないんだけど……
活版機がまるごと発見されて、そのコピー元であろう本があったって言うことが研究の元になってるから、九論書はやっぱりめっちゃレア、珍しいタイプの不明点が多い本だね。
儒教の経典とかならまだしも、農学書に活版印刷なんて明らかに不自然なんだよね。
中国語は漢字だから、どうしても本にするとき同じ文字が頻出して、活版印刷の先駆けみたいな感じのが漢から唐にかけて流行ったんだけど……
1088年ってのは夏宋が滅亡して、西夏という魔法使いのブランド看板をかけた魔法使いの集団たちが、仕えるべき主がいる国を探して跋扈してた時なんだよねえ。
西洋の傭兵とは違って、五徳に厚い集団だから金で動くと言うよりは忠義の元に働く魔法使いみたいな?
そういう東洋のやつらがいる時代に農学書の活版印刷なんて進めるかな?というのが不自然なとこなんだよ。
中華百国、つまり中国には数え切れない数の国があるだなんて言葉が生まれる時代に、そんなことあるかなって感じ。
僕の主観が大いに入るんだけどさ、やっぱりこのすぐ後に天宋が台頭するし……兵科のひとつとして魔法使いを使うようになる時代に突入するでしょ?
だからちょっと戦争に備えた感じかなあ……いや、農学書をたまたま印刷してたっていう可能性がまあ大いにあるけどね。
あ、そうそう。10世紀といえば……
9世紀にカール大帝が急死して、フランク王国は三分割されたよね。
血筋による安定が、崩れたのもちょうどこの時期だ。
それぞれ息子たちに領土を渡して、それが今のフランスとかドイツとかの大まかな領土になってるね。
まあフランスは……東フランク王国としてじゃなくて速攻で革命起きたし、やっぱり古今東西どこもゴタゴタだね。
中フランクが西側に兵士を派遣したところ……そもそもとしてフランク王国で起きてた大規模な病の流行で、革命も防げないし、兵士は病に倒れるしで、なかなかに酷い有様。
人口の6%が死ぬってのは……当時、カウントされたのは街に住む人達で、統計に含まれてない農民は、多分ほんとにヤバい事になってそう。
民主主義ってのは当時の西フランク王国の国王に誓わせたものから始まったというのは有名な話だけど、まあざっとこんな経緯だね。
でも1099年の……うーん、なんだろう。ギリギリ10世紀ってだけでほとんど11世紀な気もするけど、10世紀に起きた主要な動乱はこんな感じかな。
じゃあ次はフランスが、どのようにして西洋諸国と渡り合ったかということを言おうか。
ご存知の通り、魔王……魔法使いの王という言葉は、現代と違う扱われ方をしていた。
魔法使いの立場が低いから、庶民が王になるっていう当時の人からしたら【意味不明の極み】としか言えない。
反語みたいな、相反する属性を持つものとして言われてたんだよね。
庶民が魔法を使う、というのは当時から常識であったけど、貴族が魔法を使う場合は良く取り立てられたりしたんだ。
ブルークレールっていう用語が歴史の教科書に出たりするでしょ?
ブルークレールってつまり、貴族の魔法使いと庶民の魔法使いを区別したフランスの言葉なんだよね。
民主主義はフランス革命から始まったけど、実はまだ政治体制は官僚制と王政の状態。
でも魔法使いになる奴って貴族の中でも飛び抜けてヤバい奴しかいないんだよね。
初代の魔王は世界征服を本当に夢見てたとか言われてるし、実際にとんでもない規模の魔法を使ってた。
魔力量というのは血統で下積みされてるけど、個人の差異で上振れも下振れもする。
魔王はフランス国王になってまず初めに、大衆の前で湖の上を歩いて見せた。
そして脇腹とか両手を事ある毎に見せつけ、イエス・キリストが突かれた部位に聖なる痕が出来ていると言ったり……
かなり熱心な聖書原理主義者だったんだけど、思い込みすぎたのか、ただの神学者が聖人の奇跡を起こした。
こうなるとバチカンも大騒ぎ。
モーセの奇跡のように、海を割るようなことが出来るかもしれないと、かなりとんでもない評価をされた。
今では神を信じすぎて、自分の魔法のイメージが具体的かつ方向性が定まった結果の行為であると判明しているけど、まあ当時の聖人の再来であると騒がれまくったことが資料で分かってるね。
これまでも似たようなことができる人はいたけれど、ここまで広範囲な影響力を出した人物は歴史上、ここが初めてかなあ。
印刷技術がヨーロッパとアジアに広く普及したおかげというか、そういう運命みたいな偶然で資料が多く残ってるんだけど……
まあ、現代の魔法使いとかも似たようなことできるけど……人を殺す方向性に出来るやつってのが、たぶん少ないはず。
当時は十字軍に貢献した人たちの子孫が、イエス・キリストの再来かも(世界の終末がもうすぐ)と言ったりして、とんでもない混乱がヨーロッパ中で広まっててね。
そんな中、魔王は天の国を地上に作ると言った。
もうそしたらヨーロッパ圏は大騒ぎ、十字軍を出そうとえんやこら。
そんな事が起きてても同時並行で聖地エルサレムにイスラム帝国がちょっかいをかけてくるし、ビザンツ帝国は地中海沿岸方面から大量に船を浮かべて牽制したりした。
本当にグダグダで、何度も何度も攻められたんだけど、
まあなんやかんやあって1255年に魔王は死ぬ。……それまでとんでもない犠牲が出た。
隣人愛はどこへと行ったのか……燃える蛇がヨーロッパ中を這い回り、水をかけてもその蛇の火は消えず、触れただけでもその牙の毒は人を殺す。
十字軍のフランス遠征は延べ13年、ちょうどイエスの有名な使徒と同じ数字になったわけだが……奇妙な偶然を感じるね。
ま、昔の魔法使いってのはもっぱら、数を揃える事じゃなくて質を上げてたんだけど……その理由が、一般兵士を立てるんじゃなくて、お互いの強い奴をぶつけて勝った方が意見を通すって構造の戦争だから、数ってのは当時において軽視されてたなあ。
それをぶっ壊したのが魔王。
普通、将は前線に立たないし、戦うことなんてしない。でも、魔王は違った。
圧倒的な魔力量で色んな生物、魔物を生み出した。
当時、魔法使いが使役している生物というのはローマの風習がそのまま残って獅子が多かったけれど、なんと自分の魔力を使って、一から生物を作るっていう生命の創造をやってのけた。
この発想は本当に凄くて、何より距離が離れて、視界から見えなくなってても操作出来ていたっぽいのが素晴らしいところ。
無線通信っていう概念がないし、そもそも5G通信なんて便利な物はこの時代に無いから非常に機知に富んだ、予見的な発想だ。
そんなわけで魔物の兵を率いた魔王は、人間たちの十字軍と比べてとんでもない強さを見せつけた。
でも本当は、魔王の部下たちは聖書原理主義者とかそういう厳格な人たちじゃなくて、当時のフランス革命に参加していた魔法使いたちで構成されていた。
でもそもそもとして、そんなことを一人で出来るわけがないから、元は貴族で神学者っていう立ち位置で魔王がたまたま広報用に旗印になっただけだと思う。
貴族っていわゆる地主階級でそこそこ頭が良く、当時の学問のスタンダードだった四元素とかも当然修めているだろうし、魔王本人がはたして本当にそんな大規模な魔法が行使できたかというと謎が多いんだよね。
僕個人の見解としては……1人が魔法を使ってそこまでの規模のことが出来るか?って思っちゃうね。
魔法使いの権力を西フランク王国の王が認めて処刑され、それが今日まで繋がる地位向上運動やら民主主義の枝葉を生んだわけだけども。
この魔王という脅威も、現代のプロパガンダに通じるね。
話は変わるけど……当時の人口動態での記録とか残ってる資料を見るに、
当時の魔法使いってのは知識層では少ないけど、全体で見たら魔法使いではない人の方が少数派で、最大多数は魔法使い。
そんな世界で生きてるんだし、ちょっと前提条件が僕の視点だと狂ってたかもしれない。
距離の減衰とかいう概念が子供でも理解できるほど広く普及したのは20世紀とかに衛星通信技術が生まれたのが最大の要因だし、ちょっと間違えてたかも。
いやあすまん。デタラメ言っちゃったかな?
当時の資料は多いけど解釈が難しいんだよね、ホント。
西方に本当の神が現れただの、神学的な記述が多すぎる。
魔王が死んでからは冷笑主義が流行って、大多数のヨーロッパ人が世界に絶望するようになるし……
ローマ文字は母音と子音だし、印刷機との相性が字根の組み合わせより簡単だったって習うじゃん?
それもあってさ、中国よりも簡単に個人が印刷物を簡単に作れるしさ。
何事も使い方が簡単な方が流行るし、それが引き起こした悲劇だね。
神の代理人、教皇の価値がさ。奇跡を起こせないと疑われて失墜してるし、経済的にも大恐慌の最中で、取り付け騒ぎでね。
そんなわけで人々の心は荒みに荒み、廃れた街がいくつもできて、ガチの地獄絵図が13世紀に出来た。
神という万能の存在が、魔法という特権を授けていると神学者達はこぞって解釈してたのに、ヨーロッパ圏ではそういう動きが鈍くなった。
魔法とは何かという問いを内的に冷笑で消費する悪しき文化が流行ったせいだねえ。
冷笑主義なんて言葉でオブラートに包まれてるけど実際は社会的弱者に転落していく当時の白人貴族たちと、どんどんと精強に強くなっていく黒人たちを比較したものだし。
さて、暗い話題になりすごたから、ハッピーな近代史を言おうか。
近世は本当にちょっと技術が永遠に停滞して、歴史的には面白みが欠けるしつまんねえから飛ばすね。
時代は1866年のアメリカ北部。ここでは社会党左派がバリバリに政治工作してたり、まあ有名だけど……当時の元宗主国であるイギリスに、関税をかけたりした。
保護貿易と自由貿易が真っ向から対立して、アメリカは"栄光なる孤立"という、鎖国の道を進んだ。
ここだけ見たらちょっと暗いけど、このアメリカはご存知の通り北米大陸の総称として言われてるもので、人種が違うし、いろいろと言語面でも不便が起きた。
というわけでアメリカ南部はスペイン系の人々が多いから、公用語を変えた。
その時に州の一部が、アメリカから独立し、当時の国旗は55の星から41の星になった。
独立した州たちは纏まり、名称も新しく東南アメリカに改名した。
東海岸沿いに居るから東南アメリカ、実に簡単な国名よね。
アメリカ合衆国っていう塊は、この東南アメリカの独立以降次々と崩れた。
アメリカ西海岸、そのちょこっと内側。
バハ・カリフォルニア半島あたりに、カリフォルニア国って言うのができたんだけど……ま、ここが顕著かな。
ここで太平洋側の風が直撃して、内側の海が穏やかになる。そういうわけで海洋拠点が作られて、今は埋立地になってるけど世界一の面積を誇る、海上都市ができた。
今は地盤沈下の影響でオランダと同じく、街ごと沈没の危機っていう感じだけど、ここがカリフォルニア国の首都になった。
16世紀の探検家、フランシスコ・デ・ウリョアに因んでたんだけど……今は発音しずらさとか文化的背景とかいろいろの影響を受けて地名が変わり、単にカリフォルニアってのは有名な話よね。
海上都市って言っても当時はどうやら桟橋を作ったりして、船を浮かべた街だったみたい。
今もそんな所はあるけどさ、ほら、深い海がどーんとあるじゃない?
浅瀬は埋めれたけどどうやら深すぎるところは諦めたみたい。
でも埋立した結果、海流とかに多大な影響与えてさあ。
当時は重工業とかじゃなくて、観光とかで栄えたから、大打撃だね。
西海岸は近代から現代に進むまで平和が長くてこんな感じなんだけど、東海岸沿いはもっと味があって凄い。
近代のフロリダ半島に至ってはサーフィン大会を夏の間ほとんど毎回開いたりして、文化的にサーフィンを根付かせた。
アメリカのバーベキュー文化の本家は、デルマーバ半島あたりなんだけど、ここらへんでむちゃくちゃ流行って、バーベキュー文化が発展したのはこっちだね。
カニを食べたり養殖したりとデルマーバあたりは有名だよね。
元デラウェア州とか元メリーランド州とか、いろんなところが車とか飛行機を作ったりさ。
でも、車の部品の標準化に困りまくったかと言えば実はそうじゃないんだ。
むしろ規格化自体は17世紀の車社会化で完了されてるじゃん?
当時の最先端技術は飛行機とかだったんだけど、技術力向上をアピールするためにこぞっていろんな所がものを作ってさ、開発競争が起きまくり。
国内で技術が循環して一気に経済は成長、GDPも伸びに伸び。
で、アメリカ合衆国が18の星になったころ、アメリカ社会党は支持を失って、カナダとして諸地域の行政権は持ったまま変遷。
自由貿易でみーんな成長したのに、ここの国だけ高関税とかで貿易を阻害したままだったから、経済成長が鈍いのなんの。
うーん、というか元は成長してたんだけど、成熟したから経済が落ち込んだのかな?
ま、近代アメリカといえば躍進と行政的統合が相次ぐところだね。
デルマーバ同盟が正式に合併に繋がったりとかさ。
あ、そうそう。1988年あたりにイギリスの有人飛行ロケットが、人類初の月面着陸を成したけど。それに当てられて、ドイツもロケットをたくさん発射したね。
当時は人を載せるってのがほんとに難しかったんだけど、なんとたった11年後……1999年に完遂した。
しかも、ちょうど新年を狙って、自分の国の宇宙飛行士を【2000年を月で迎えさせた】ってのが面白いよね。
月まで行くなら簡単だけど帰ってくるのが難しいじゃない?
だから一人もかけずに帰ってくるってのが理想なんだけど、それがドイツが成し遂げるまでほんとに難しかったんだ。
何せ、月には危険が沢山。
月に着陸した宇宙飛行士が、鋭い月の石で傷だらけ。
ロケット着陸の衝撃というか、逆噴射の熱とかが残ってるからね。
今まで11人が月で死んでるけど、それを更新することなく、ドイツの宇宙飛行士は帰還した。
しかも、2000年を月で迎えたという名誉も添えて。
ISSを作るミッションをやるため、色んな国が協力してたんだけど……やっぱり技術で言えば欧州が強いね。
僕らのスマホは電波塔から出た電波を受信してるけど、たぶん現代なら低軌道衛星から通信してるんだろうね。
僕はそういうことを専門にしてないからよく分からんけど、GPSってのは衛星が頑張ってる奴だしさ。
今、空にある衛星。
そのほとんどがISSを作る時に合わせて作られた物なのが凄いよね。
まあよく分からんけど事故起きても多分大気圏で燃えるし、隕石みたいになることはないと思うけど。
さ、ここらで近代の歴史を語るのは止めようか。
魔法使いの歴史は特に現代ではうっすいし、もう関係ない話になるしさ。
じゃあ僕は次の人に歴史を語っていくよ。いやあなんとも短い時間だったね。
ここまでだいたい2000年間の歴史を言ったから、単純計算で2.22年を1秒あたり言ったわけだ。いやあ実に君も得をしたね。
世界は1秒あたり1秒の価値しかないけど、君はなんと2年間の価値をゲットした。いやあ!とんでもない得をしたねえ!
じゃ、さよなら。私は……おっと。ゲフンゲフン、僕は授業を受けてくるよ。
いやあ、最後に聞くけど魔法をもし使うとしたら何がいい?
ま、僕は水を出すとかかな。
あはは、物質創造だなんて質量保存の法則に反してるけど、こうした空想論は頭の体操にはちょうどいいでしょ?