裏梅視点
私たちは任務の後、普通に高専に帰ってきた。その理由は………
「アンタら、なにナンパしようとしてんのよ⁉︎」
「すんません、歌ちゃん先生!気持ちがあふれてもうて!」
「我慢しろ我慢‼︎あと西宮‼︎お前は先輩なんだからちゃんと止めろよ‼︎」
「後輩のわがままに付き合うのが先輩ってもんよ‼︎」
「アホ‼︎」
通りかかった先生に見つかったから。庵歌姫。強さこそあまりないが、常識的な感性を持ち合わせている。汐梨の制裁役に相応しい女だ。
「ありがとうございます、歌姫先生。これからもこの馬鹿を、どうかよろしくお願いします。」
「裏梅さん、頼んだわ。」
「馬鹿ちゃうわ‼︎つーかアンタ、ちゃんと敬語使えたんかいな‼︎」
「敬うべき相手はきちんと敬うのが道理だろ?」
「歌姫を敬うのは違くない?」
「うるさい西宮‼︎」
私だって貴様がまともな人物なら敬語も使ったさ。だが馬鹿で変態なら話は別。これからも貴様を敬うことはないだろう。なんならいつか乗っ取ってやる。
「それはさておいて………西宮、他のメンバー呼んできて。自己紹介させるから。」
「ほ〜い。」
そう思いながら、私は他の生徒らを待った。
しばらくすると、何人かの若者がやってきた。
「お疲れ様です!この子が噂の新人ちゃんですね!2年の三輪霞です!よろしくお願いします!」
「はい!ウチは氷見汐梨言います!三輪ちゃん先輩、よろしゅうお願いします!」
まずは水色髪の元気な女。あまりに普通過ぎて、非常に呪術師らしくない奴だ。現に強さというものをこれっぽちも感じない。まあ、汐梨の奇行を諌めてくれたらいいか………
「私は禪院真依。たっぷり可愛がってあげるわ。」
「真依、なんか笑顔が不気味ですよ……」
「真依ちゃん先輩、よろしゅうお願いします!」
次は緑髪の長身女。禪院ってことは、御三家の1人か?あまり強くは感じないが、性格だけは呪術師らしさを感じる。汐梨と一緒に馬鹿やらないか、不安だ。
「1年の新田新や!汐梨ちゃん、よろしく頼むで*1!」
次は若い男。爽やか風の顔にどこか優しそうな雰囲気。どうやら汐梨と同じ1年生らしい。同級生がまともなら安心だな………
「わぁ〜♪自分、むっちゃイケメンやん‼︎どや、この後ウチとデートせえへん⁉︎」
「えっ、ちょっ、え、えらい急やな……///」
くそっ、此奴が馬鹿すぎて安心できない‼︎いきなり興奮するなよ‼︎今会ったばかりの男だろう⁉︎頭大丈夫か⁉︎全く、また私が止めるのかよ……っ‼︎
「おい
「何してんねん、裏梅‼︎せっかく新君とええとこやったのに‼︎」
「「「えっと…………」」」
「あっ、これはウチの中に勝手に受肉してきたカスです!」
「カスなどではない‼︎裏梅だ‼︎貴様ら、此奴が暴走したら殴ってでも止めろよ‼︎」
「コイツが暴走したらキンタマ蹴ってください‼︎よろしゅうお願いします‼︎」
「「「ええ…………」」」
私まで引かれたんだが………?本当になんなんだよ、この女は!大人しく意識を失えばよかったのに‼︎
「何をしている、2人とも?同じ身体を持つ者同士、もう少し仲良くしたらどうだ?」
しかも知らない男が現れて、いきなり変なことを言われたんだが‼︎此奴は一体なんなんだ⁉︎しかもあまり悪意を感じない。これ素で言っているのか⁉︎
「好きで受肉されたんちゃいます‼︎つーかどちら様です⁉︎」
「私の名前は加茂憲紀、ここ京都校の3年だ。」
「そうですか!なら加茂先輩にあげますよ!」
「いや、要らない。」
「でしょうね!」
「それはそれで失礼だな、貴様‼︎」
加茂………御三家の1人か。此奴は先ほどの禪院と異なり、それなりには強いとみえる。流石は御三家………と言いたいが、恐らく汐梨の方が強い。御三家は大丈夫なのだろうか?他に強いのがいると信じよう。
「三輪、この子がもう1人の1年カ。」
「そうですよ、メカ丸‼︎」
「うわっ、ロボットですやん⁉︎」
そして、次に現れたのは………えっ?非人間………だとっ⁉︎嘘だろ⁉︎なんだこれ⁉︎物体が喋っているし、動いている⁉︎術式か何かか⁉︎
「彼の名は
「ほえ〜、なんかカッコええ名前ですねぇ!」
「よろしくナ。」
「加茂君が紹介するんだね………」
名前もすごい。どこの国の人間だ⁉︎いや、人間ではないから、こんな変な名前なのか⁉︎何しろ分からん‼︎分からなすぎる‼︎
「で、以上が京都校のメンバーね。」
「あれ、真依?あと1人るような………?」
「気のせいよ、霞。」
「あんなのは紹介しない方がいいから!」
「え、ええ…………」
そして、さらに1人頭のおかしな奴がいるのか⁉︎勘弁してくれ‼︎ただでさえ汐梨の奇行で頭いっぱいなんだ‼︎頼むから、常識人を………
「新田新に裏梅か。お前ら、どんな女がタイプだ⁉︎」
気持ち悪いの来たぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎なんだ、この筋骨隆々の変態は⁉︎しかも汐梨飛ばしていきなり私に聞くのか⁉︎顔や動作が気持ち悪いし、何より何故かいい匂いがする‼︎周りの人間の大半が腫れ物を見る目になるのも当然だ‼︎
「タイプ………じゃ平安時代の人は分からねえか。好みだ。女の好みを聞いている。ちなみに男でもいいぞ。」
しかもどこ配慮してんだこの男は⁉︎それが出来るなら初対面の人間に好みなんか聞くな‼︎これではまるで………
「ウチは普段優しくて、時折カッコええとこ見せてくれる男がいいです!こん中やったら………新君かな!」
この女と一緒ではないかぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎
「氷見汐梨か。答えてくれてありがとう。だが俺はお前の中にいる奴に聞きたかったんだ。」
しかもお前、女からの答えはどうでもいいのかよ‼︎だから聞かなかったのか、汐梨に‼︎
「裏梅ですか?コイツは期待せん方がええですよ!ホンマカスなんで!」
「黙れ変態女‼︎私は貴様ら変態共の相手をするために受肉したのではない‼︎」
「では何がしたいんだ、お前は?」
「それはな………」
こんな奴らに宿儺様のことを教えていいのか?いや、駄目だろう。あのお方をこんな変態共と関わらせるわけにはいかないからな‼︎
「秘密だ。」
「そうか。退屈だよ、裏梅…………」
「泣くほどか⁉︎」
「東堂君、殴らないんだ………」
「表に出てるのが氷見だからだろう?」
しかも汐梨が居なければ殴られてたのかよ⁉︎本当に無茶苦茶だな、この男は‼︎そしたら隣の新は殴られるではないか‼︎
「これ以上俺を失望させないためにも………新田、お前の好みを聞かせてくれ。」
「う〜ん。女性陣の前で言うのは、あんま良くないんちゃいます?」
お前はそこかよぉぉぉぉ⁉︎論点がずれ過ぎだろうが‼︎そんな事気にすると思うか、この変態男が⁉︎
「うむ、確かに。お前の言う通りだな。」
気にするのかよぉぉぉぉぉぉ⁉︎なんで此奴は変なとこだけ紳士なんだよ⁉︎おかしいだろ‼︎変態ならせめて変態を貫き通してくれ‼︎頼むから、さ‼︎
「夜8時頃部屋行きますんで、よろしく頼みます!」
「ああ。期待してるぞ!」
「ね〜ね〜新君!ウチもついてっていい?」
「ごめんな、汐梨ちゃん!これは男だけの話なんや!」
「え〜!いけず〜!」
しかも汐梨は行こうとするな!私まで変態談義に巻き込まれるだろうが‼︎全く、此奴らは………っ!一部を除いて、本当に変人ばかりだな‼︎本当に、先が思いやられる…………。そう思った日だった。