氷見汐梨の大暴走   作:スピリタス3世

4 / 6
第二章 東京姉妹校交流戦
第四話 戦の決まりごと


  裏梅視点

 

 私は汐梨や桃と一緒に、真依や霞を見送っていた。

 

「真依ちゃん先輩、ついに東堂先輩とのデートですね!」

「そんなわけないでしょ‼︎ぶっ殺すわよ⁉︎」

「私も2人の邪魔をしないよう、五条先生と写真を撮ってきます!」

「むしろめちゃくちゃ邪魔して欲しいんだけど。」

「というか後半が目的だよね、霞ちゃん?」

「それじゃあ、行ってきます!」

「行ってくるわ。」

「「行ってらっしゃ〜い!」」

「達者でな。」

 

 どうやら2人は今から学長や東堂葵と一緒に、東京と呼ばれる場所に行くらしい。東京とは何か汐梨に聞いたところ、今の武蔵の国だとのこと。あんな辺鄙な田舎が都にまでなったとは。世の中、何があるか分からないものだ。

 

「それで、2人は何しに行ったんだ?」

「ウチも知りたいです!」

 

 それはさておき、今回の目的だ。2人は仕事で行くらしいが、呪霊や呪詛師退治では無いそう。彼方(あちら)にも呪術高専があるから、そこの人がやるだろうし。もしや、そこに行くのか?

 

「東京校との交流戦の打ち合わせだよ。1年生には言ってなかったね。」

「交流戦、ええですなぁ!プロ野球みたいで*1!」

「そんな大層なものじゃないよ。ちょっとしたお遊びさ!」

「遊び………東京校のイケメンたちと………アカンアカン、ウチには新君がおるんやった!」

「新は貴様の男ではないだろう。」

「いずれそうするんや‼︎」

 

 やはりそうか。そして、そことの交流戦か。確かに姉妹校と練度の差を競い、お互いを知り高め合うのは理にかなっている。呪術高専はその特殊性故に、同世代と関わることも少ないだろうし。汐梨も向こうの人間を知って、まともになるといいのだが………

 

「すんません、桃ちゃん先輩!交流戦について教えて下さい!」

「いいよ!交流戦はね、毎年1回やってるんだ〜。2日間に分かれて行われて、初日の団体戦と2日目の個人戦両方の結果をみて優勝校を決めるよ。」

「おお!ええですねぇ!ちなみにそこでは何やるんです⁉︎」

「初日は京都vs東京で、呪霊の討伐大会。エリア内に放たれた2級呪霊を先に祓ったチームの勝ち。で、日没までに決着がつかなかったら、討伐数の多かったチームが勝ちだね。2日目はくじで決められる1vs1の模擬戦闘だね。」

「おお!むっちゃオモロそうですやん!」

 

 ちなみに大会の内容は思ったより単純だ。初見の私でも難なく理解できた。

 

「そして、開催場所は去年勝った方ね。今年は東京かな。」

「なんと⁉︎去年先輩ら負けたんです⁉︎」

「そうね。今の2年生の乙骨君がとんでもなく強かったからね。完敗だったよ。でも今年は出ないらしいから、うちらにチャンスあり!」

「ホンマですね!やったりましょう!」

 

 そして、地味に気になるのが………東京校2年・乙骨だ。確かに京都校の2・3年は東堂葵以外はそこまで強くない。とはいえ、東堂葵を含めた彼ら彼女らに圧勝するには、相当な実力が必要だ。非常に気になる。今年出ないのが残念だ。

 

「ちなみに、一応2・3年の大会だけど………あっちがメンバー足りないから1年を出すみたい。だからこっちも普通に出すよ。汐梨も出番あるから、準備しといて!」

「ありがとうございます!ちなみにウチらは人数多いんじゃ……?」

「該当者が今居ないから言うけど、霞ちゃんと真依ちゃんが控えだね。」

「そ、そうなんですか……ウチ、2人の分まで頑張ります!」

 

 ちなみに京都校の出場者は汐梨、桃、憲紀、東堂葵、絡繰(めか)*2、新の6人。まあ妥当な人員か。あとは東京校に誰がいるか、だな。

 

 

 

 

  三輪視点

 

 補欠になりました、役立たず三輪です………

 

 

 

 

  真依視点

 

 ぶっちゃけ補欠のがいいわ。サボって遊べるし!

 

 

 

 

  楽巌寺視点

 

 裏梅………非常に謎が多い男だ。分かっているのは、呪術全盛期の平安時代出身で、氷見汐梨と同じ氷凝呪法使いということ。呪術師と呪詛師どちらなのかも不明で、何故受肉したのかも謎。とりあえず、虎杖暗殺計画は彼らには伏せおくか。万が一裏梅が宿儺の味方だった場合、大変なことになるからな。

 

 それと、氷見汐梨………そんな格上を相手に全く怯まず、むしろ制御している。それは素晴らしいことだが………金的を集中攻撃して諌めてるとは、なんと残酷なことか………

 

 

 

 

 

  裏梅視点

 

 東京校との交流戦のことを言われてから数日が経ち、いよいよ交流戦当日となった。

 

ギュイ〜ン♪ジャカジャカジャカジャカ♪

 

 そんな特別な日だからか、朝から非常に喧しい音が聞こえてきた。

 

「なんだこれは⁉︎何の音だ⁉︎」

「エレキギターって言うてな、現代の三味線や!」

「三味線がこんなに喧しくなるのか⁉︎」

「せやで!電気の力や!」

「電気………?」

「雷みたいなもんやな。そこら中に使われとるで。」

「雷が⁉︎1,000年でこんなにも変わるか……」

 

 あの優雅な雰囲気のある三味線が、こんなにも荒々しくなるのか⁉︎しかも人々は雷を操って生活している、だと⁉︎千年の間に色々と変わりすぎだろ⁉︎人々は謎の板をずっと手に持っているし!ここは本当に日本なのか⁉︎

 

「でも誰が弾いてんねん。謎やな!」

「それ、学長だよ………」

「「学長⁉︎」」

 

 隣で寝ていた桃が目をこすりながら教えてくれる。どうやらあの爺さんが弾いてるらしい。

 

「ギターをかき鳴らす術式なんだよ……」

「あのヨボヨボの学長が⁉︎」

「というか、そんな術式あるのかよ⁉︎」

「朝早い日は、これで叩き起こされるんだよね………」

「最悪の目覚めだな………」

「もう少し手加減してほしいです!」

 

 なんなら術式に使うらしい。本当に意味不明だ。年寄りとか、こういうの嫌いそうなのに。第一こんなにうるさい音ばかり聴いていたら、難聴になるだろうに………

 

 それから私たちは雷三味線(えれきぎたー)とやらの音に耳と頭を痛めながら、身支度を整え朝食を食べ終わると、

 

「それでは全員、揃ったな。皆、行くぞ。」

「「「「オー!」」」」

 

 東京に向けて出発したのだった。

 

 

 

 

 私たちはしばらく歩いた後、東京行きの牛車(ぎっしゃ)に乗ろうとしたが………

 

「おい、汐梨。牛はどうした?」

 

 そこには牛が居なかった。

 

「はぁ?牛?そんなんおるわけないやん。」

「はぁ⁉︎牛無しでどうやって武蔵……東京まで向かうのだ⁉︎」

「この新幹線ってやつに乗るんや。」

「なんだこの箱物⁉︎どうやって動く⁉︎」

「電気やな!」

「雷凄すぎるだろ………」

「ちなみに東京までは2時間くらいや!昼前に着くで!」

「朝出てその日の昼前に⁉︎速すぎるだろ⁉︎」

 

 しかもまたもや雷で動かす。それでいて超高速。これ全部術式じゃないんだよな⁉︎なんだか別の世界に来たみたいだ。この感動だけは、現代に受肉して良かったと感じている。

 

「ね〜ね〜、新君!新幹線のトイレで一発どうや⁉︎」

「な、なに言うてんねん、汐梨ちゃん⁉︎///」

「口を慎め、阿婆擦れ‼︎」

「邪魔せんといてや、裏梅!新幹線のアイス……氷果、更に冷やしてタマに当てるで!」

「ふざけるな‼︎股間が凄まじく冷えるだろうが‼︎」

 

 ただ、受肉先は別の人が良かった。よりにもよってなんでこんな痴女に取り憑いたのだろうか。腹立たしいことだ。

 

 その後私たちはしばらく口喧嘩をしていると、

 

「着いたで、東京。」

「もう⁉︎」

 

 あっという間に東京に着いたのだった。

*1
ちなみに汐梨は阪神でもオリックスでもなく日ハムファン。

*2
平安時代にカタカナはあったが、特殊な使われ方しかなかった。なので、裏梅は外来語の名詞については、漢字の当て字で。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。