第四話 戦の決まりごと
裏梅視点
私は汐梨や桃と一緒に、真依や霞を見送っていた。
「真依ちゃん先輩、ついに東堂先輩とのデートですね!」
「そんなわけないでしょ‼︎ぶっ殺すわよ⁉︎」
「私も2人の邪魔をしないよう、五条先生と写真を撮ってきます!」
「むしろめちゃくちゃ邪魔して欲しいんだけど。」
「というか後半が目的だよね、霞ちゃん?」
「それじゃあ、行ってきます!」
「行ってくるわ。」
「「行ってらっしゃ〜い!」」
「達者でな。」
どうやら2人は今から学長や東堂葵と一緒に、東京と呼ばれる場所に行くらしい。東京とは何か汐梨に聞いたところ、今の武蔵の国だとのこと。あんな辺鄙な田舎が都にまでなったとは。世の中、何があるか分からないものだ。
「それで、2人は何しに行ったんだ?」
「ウチも知りたいです!」
それはさておき、今回の目的だ。2人は仕事で行くらしいが、呪霊や呪詛師退治では無いそう。
「東京校との交流戦の打ち合わせだよ。1年生には言ってなかったね。」
「交流戦、ええですなぁ!プロ野球みたいで*1!」
「そんな大層なものじゃないよ。ちょっとしたお遊びさ!」
「遊び………東京校のイケメンたちと………アカンアカン、ウチには新君がおるんやった!」
「新は貴様の男ではないだろう。」
「いずれそうするんや‼︎」
やはりそうか。そして、そことの交流戦か。確かに姉妹校と練度の差を競い、お互いを知り高め合うのは理にかなっている。呪術高専はその特殊性故に、同世代と関わることも少ないだろうし。汐梨も向こうの人間を知って、まともになるといいのだが………
「すんません、桃ちゃん先輩!交流戦について教えて下さい!」
「いいよ!交流戦はね、毎年1回やってるんだ〜。2日間に分かれて行われて、初日の団体戦と2日目の個人戦両方の結果をみて優勝校を決めるよ。」
「おお!ええですねぇ!ちなみにそこでは何やるんです⁉︎」
「初日は京都vs東京で、呪霊の討伐大会。エリア内に放たれた2級呪霊を先に祓ったチームの勝ち。で、日没までに決着がつかなかったら、討伐数の多かったチームが勝ちだね。2日目はくじで決められる1vs1の模擬戦闘だね。」
「おお!むっちゃオモロそうですやん!」
ちなみに大会の内容は思ったより単純だ。初見の私でも難なく理解できた。
「そして、開催場所は去年勝った方ね。今年は東京かな。」
「なんと⁉︎去年先輩ら負けたんです⁉︎」
「そうね。今の2年生の乙骨君がとんでもなく強かったからね。完敗だったよ。でも今年は出ないらしいから、うちらにチャンスあり!」
「ホンマですね!やったりましょう!」
そして、地味に気になるのが………東京校2年・乙骨だ。確かに京都校の2・3年は東堂葵以外はそこまで強くない。とはいえ、東堂葵を含めた彼ら彼女らに圧勝するには、相当な実力が必要だ。非常に気になる。今年出ないのが残念だ。
「ちなみに、一応2・3年の大会だけど………あっちがメンバー足りないから1年を出すみたい。だからこっちも普通に出すよ。汐梨も出番あるから、準備しといて!」
「ありがとうございます!ちなみにウチらは人数多いんじゃ……?」
「該当者が今居ないから言うけど、霞ちゃんと真依ちゃんが控えだね。」
「そ、そうなんですか……ウチ、2人の分まで頑張ります!」
ちなみに京都校の出場者は汐梨、桃、憲紀、東堂葵、
三輪視点
補欠になりました、役立たず三輪です………
真依視点
ぶっちゃけ補欠のがいいわ。サボって遊べるし!
楽巌寺視点
裏梅………非常に謎が多い男だ。分かっているのは、呪術全盛期の平安時代出身で、氷見汐梨と同じ氷凝呪法使いということ。呪術師と呪詛師どちらなのかも不明で、何故受肉したのかも謎。とりあえず、虎杖暗殺計画は彼らには伏せおくか。万が一裏梅が宿儺の味方だった場合、大変なことになるからな。
それと、氷見汐梨………そんな格上を相手に全く怯まず、むしろ制御している。それは素晴らしいことだが………金的を集中攻撃して諌めてるとは、なんと残酷なことか………
裏梅視点
東京校との交流戦のことを言われてから数日が経ち、いよいよ交流戦当日となった。
ギュイ〜ン♪ジャカジャカジャカジャカ♪
そんな特別な日だからか、朝から非常に喧しい音が聞こえてきた。
「なんだこれは⁉︎何の音だ⁉︎」
「エレキギターって言うてな、現代の三味線や!」
「三味線がこんなに喧しくなるのか⁉︎」
「せやで!電気の力や!」
「電気………?」
「雷みたいなもんやな。そこら中に使われとるで。」
「雷が⁉︎1,000年でこんなにも変わるか……」
あの優雅な雰囲気のある三味線が、こんなにも荒々しくなるのか⁉︎しかも人々は雷を操って生活している、だと⁉︎千年の間に色々と変わりすぎだろ⁉︎人々は謎の板をずっと手に持っているし!ここは本当に日本なのか⁉︎
「でも誰が弾いてんねん。謎やな!」
「それ、学長だよ………」
「「学長⁉︎」」
隣で寝ていた桃が目をこすりながら教えてくれる。どうやらあの爺さんが弾いてるらしい。
「ギターをかき鳴らす術式なんだよ……」
「あのヨボヨボの学長が⁉︎」
「というか、そんな術式あるのかよ⁉︎」
「朝早い日は、これで叩き起こされるんだよね………」
「最悪の目覚めだな………」
「もう少し手加減してほしいです!」
なんなら術式に使うらしい。本当に意味不明だ。年寄りとか、こういうの嫌いそうなのに。第一こんなにうるさい音ばかり聴いていたら、難聴になるだろうに………
それから私たちは
「それでは全員、揃ったな。皆、行くぞ。」
「「「「オー!」」」」
東京に向けて出発したのだった。
私たちはしばらく歩いた後、東京行きの
「おい、汐梨。牛はどうした?」
そこには牛が居なかった。
「はぁ?牛?そんなんおるわけないやん。」
「はぁ⁉︎牛無しでどうやって武蔵……東京まで向かうのだ⁉︎」
「この新幹線ってやつに乗るんや。」
「なんだこの箱物⁉︎どうやって動く⁉︎」
「電気やな!」
「雷凄すぎるだろ………」
「ちなみに東京までは2時間くらいや!昼前に着くで!」
「朝出てその日の昼前に⁉︎速すぎるだろ⁉︎」
しかもまたもや雷で動かす。それでいて超高速。これ全部術式じゃないんだよな⁉︎なんだか別の世界に来たみたいだ。この感動だけは、現代に受肉して良かったと感じている。
「ね〜ね〜、新君!新幹線のトイレで一発どうや⁉︎」
「な、なに言うてんねん、汐梨ちゃん⁉︎///」
「口を慎め、阿婆擦れ‼︎」
「邪魔せんといてや、裏梅!新幹線のアイス……氷果、更に冷やしてタマに当てるで!」
「ふざけるな‼︎股間が凄まじく冷えるだろうが‼︎」
ただ、受肉先は別の人が良かった。よりにもよってなんでこんな痴女に取り憑いたのだろうか。腹立たしいことだ。
その後私たちはしばらく口喧嘩をしていると、
「着いたで、東京。」
「もう⁉︎」
あっという間に東京に着いたのだった。