裏梅視点
東京校に着いた私たちは、早速顔合わせをすることになった。そのために、境内にある石畳の階段を上っていると………
「ん………っ⁉︎」
なんと凄まじい気配を感じた。しかも宿儺様の。嘘だろ、ここにいらっしゃるのか⁉︎あのお方が⁉︎しかし気配があの頃に比べて弱くなっている‼︎これは確実に指が散らばっているせいだ‼︎でないとあの少年院の呪いが宿儺様の指を持っていた理由が説明つかん。全く、誰がそんなむごいことを………。
「なぁ裏梅。急に感じるのやめてや。ウチが変態みたいに思われるやろ。」
「事実なのだから仕方あるまい。」
「えっ、感じとるのが⁉︎」
「違う‼︎貴様が変態ということだ‼︎」
それに、もし宿儺様の受肉先が汐梨みたいな変態だった場合、私みたいな辛い想いをしていることになる。だから一刻も早く確かめねば。しかし、ここで再会の言葉を投げかけていいのか?此奴らは宿儺様の味方かどうかが分からない‼︎それに、近い場所からとてつもない強者の気配*1を感じる‼︎だから迂闊に動けない………っ‼︎
そんな事を考えているうちに、私たちはあっという間に階段を上り切ってしまった。そこには東京校の連中がずらりと並んでいた。
「皆さんお揃いで。わざわざお出迎え〜?気色悪い。」
「乙骨居ねえじゃん。」
補欠のくせに偉そうな真依と、相変わらず気持ちの悪い東堂葵はさておき………東京校の人間を見ておくか。
「うるせえ、早く菓子折り出せコラァ!八ツ橋とかよぉ‼︎」
まずは茶髪の短髪女。非常にガラが悪い。完全に輩だ。
「何あの1年。怖っ。」
「あれで1年⁉︎めっちゃおっぱいおっきいやん!とてもウチと同い年とは思えん………」
「安心して、汐梨ちゃん。私3年。」
「桃ちゃん先輩ぃぃぃぃぃ‼︎」
どうやら汐梨と同い年らしい。あと2人とも、変なことで慰め合うな。そこはどうでもいいだろ。
「しゃけ。」
続いて白髪の口数少ない男。でもなんでしゃけ?今言うことか?京都は別にしゃけ有名ではないぞ?意味が分からない。
「新田君。あの子が同じ1年で2級の伏黒君だ。覚えておくといい。」
「加茂先輩、あざっす!」
「いや、別に覚えなくていい。」
続いて
「ね〜ね〜、真依ちゃん先輩!あの人先輩にそっくりですやん!」
「あ〜、あれ?あれは一応双子の姉の真希。メガネ無いと呪いも見えない雑魚よ。」
「なるほど〜、どおりで似てはるんですね!」
「よぉ、真依。お前補欠なんだって?そのくせに、随分偉そうだな。」
「うるっさいわね!こっちは層が厚いのよ‼︎」
続いては真依の双子の姉、真希。雰囲気が似ている。しかも呪力が一般人並み。弱いのも同じか。元々双子は2人で1人分だから仕方あるまい。
そして、一際目立つ謎の人物………
「確かに、そっちの1年は1級と2級だからな。」
「「パンダが喋ったぁぁぁぁぁぁ⁉︎」」
ではなく動物⁉︎なんだあれは⁉︎熊と猫が混じったような、よく分からない生き物‼︎しかも二足歩行する上に喋っている。おかしいだろ‼︎いや、
「な〜な〜、新君‼︎あれどないなっとるん⁉︎」
「僕も分からん‼︎誰かの術式かいな⁉︎」
「違うぞ。俺は自律してるんだ。」
「てめーら!パンダ先輩の凄さ、しかと目に焼き付けとけ‼︎」
「「すげ〜‼︎」」
しかも自立している⁉︎どういうことだ⁉︎意味が分からん⁉︎中に人でも入っているのか⁉︎
「これはメカ丸先輩、対抗しませんと!」
「アイツと張り合う気は無イ。」
「ロボが喋ったぁぁぁぁぁ⁉︎」
本当にこの現代は意味分からん。意味分からんことだらけだ‼︎こんな中で戦わなければならないのか⁉︎これはある意味、平安の頃より過酷だな。
それにしても、この人たちの中からは宿儺様の気配がしない。おかしいな。先程感じたはずなのに………
「お待た〜♪やあやあ皆さんお揃いで!私、出張で海外に行ってましてね〜♪これからお土産を配りたいと思いま〜す♪」
「五条悟♪」
「五条悟………」チッ‼︎
そんな事を思っていると、変な
その箱状の輦の中から宿儺様の気配を感じる‼︎そこにいらっしゃったのですか‼︎久々の気配に、つい興奮してしまう。だが、あのお方をどんなところに閉じ込めてるんだ、あの馬鹿目隠しは⁉︎しかもお土産⁉︎あのお方をそんな物みたいに扱うな‼︎あの馬鹿目隠しと、此奴に弱くて何もできない自分に憤りを感じる。
「はい!京都の皆には、とある部族のお守りを!」
「「「わぁ〜!ありがとうございます!」」」
「「「……………」」」
「歌姫のは無いよ〜。」
「要らねえよ‼︎」
にしてもこれ、そんな喜んで受け取る物か?どう考えても要らないだろ。
「東京の皆にはこちら!」
「はい、おっぱっぴー‼︎」
「故人の虎杖悠仁君です!」
「「「「「……………」」」」」
そして紹介の仕方よ。そんな不謹慎な事言って笑えると思ってるのか?歌姫が舌打ちするのも分かる。あと宿儺様も器を乗っ取れていないのか。器自体は根明で汐梨よりはまともそうなのが、唯一の救いだが………あの方が支配出来ない理由が気になる。
「は〜い、京都の皆さ〜ん!これが宿儺の器ですよ〜。」
「「「「…………」」」」
そしてお前ら!なんで宿儺様よりそんな意味分からんお土産に興味津々なんだ⁉︎もっと興味を持て!宿儺様だぞ⁉︎呪いの王だぞ⁉︎
「楽巌寺学長〜、には前言ってましたね〜♪あっ、でも年寄りだから忘れちゃったか♪」
「この糞餓鬼………っ‼︎」
しかも学長と最強は仲悪いし‼︎くそっ、これは思ったよりめんどくさい状況だ‼︎幸い宿儺様は恐らく睡眠中で、こちらに気づくことも無いだろう。周囲の状況が分かるまでは、挨拶は控えた方がいいな。
「それでは両校揃ったところで………ルール説明を始めよう!」
ということで、私は引き続き大人しくする事にした。
しばらくすると、私と汐梨は補欠2人と一緒に外に出て、お喋りをしていた*2。
「ねえ霞〜♪私たち暇だし、どっか行くでしょ〜?」
「ちゃんと皆の応援をしないとダメですよ、真依!」
「そうだ。三輪さんのおっしゃる通り。雑魚は雑魚なりに見て学べ。」
「うるっさいわね!大人しく汐梨に金玉蹴られてなさいよ!あとなんで霞に敬語⁉︎」
「まともだからだ。三輪さん、いつも汐梨たちをありがとうございます。」
「い、いえいえ!それほどでも〜♪」
どうやら真依は向上心というものが無いらしい。少しは霞を見習ってほしいものだ。
「三輪ちゃん先輩、真依ちゃん先輩!これ*3見て下さい!原宿とか表参道とかええんちゃいます⁉︎」
「わ〜、いいですね〜!真依、そこにしましょう!」
「アンタもサボる気じゃん。」
「三輪さん………?」
「げっ⁉︎ち、違いますよ⁉︎こ、これは、その、気が変わっただけで………」
「あっ、でも三輪ちゃん先輩はメカ丸先輩の応援がええんちゃいます?」
「お〜、それはいいわねぇ。私が思いっきり揶揄えるから♪」
「えっ⁉︎い、いや、その、私は……///」
それにしても、
数刻の時を経て、我々は待機場所に到着した。どうやら東堂葵以外は皆揃っているみたいだ。
「そろそろだね〜。」
「そうですね、桃ちゃん先輩!」
「東堂はどこだ?」
「知らン。」
「また好きに動いとるんちゃいます?」
「全くあの男は………」
東堂葵は行方不明。まあ、元々行動の読めない奴だ。気にするだけ無駄だろう。
『時間1分前〜♪ここで歌姫先生からのありがた〜いお言葉を………省略します。』
『なんでだよ⁉︎』
『それでは姉妹校交流会………スタート‼︎』
そして最強と歌姫の謎音声*4と共に、東京校との交流会が幕を開けたのだった。