環太平洋機構召喚 【リメイク前:自由連合召喚】   作:短号司令官

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全ての始まり

 

 

この帝国日本はかつて無い程の繁栄を遂げていた。

それを語るには1905年の日露戦争にまで遡る。

陸軍は第二次奉天会戦でロシア帝国による最後の攻勢により疲弊していた兵士らはこれを迎撃する事は叶わず敗退。しかし対するロシア側も兵力を前進させる事は叶わずそのまま膠着状態に陥る。

一方海上では東郷平八郎麾下の連合艦隊はバルチック艦隊を壊滅にまで追い込み、制海権を我が物にする。

 

そしてポーツマスにおける講和会議において日本は勝利を収めた。

 

しかし有終の美を飾る事ができなかった陸軍はその政治的影響力が低下、代わって海軍が徐々に影響力を拡大。

 

1907年には親英米派と合衆国の親日派の努力によりアメリカが日英同盟に加わり、「日英米同盟」がこの年締結されたのだった。

 

太平洋を席巻しインド洋、大西洋にも勢力を伸ばすようにもなった帝国海軍は外洋海軍への脱皮を図った。

 

その成果が顕著に現れたのが続く第一次世界大戦はユトランド沖海戦であった。

戦艦「霧島」を旗艦とする遣欧艦隊は5月24日スカパ・フローに到着。

その後の31日の戦闘ではそれなりの損害を被ったが、一隻の脱落も無く日本海軍は海戦に勝利する。

 

 

その後、ワシントンにて軍縮条約が締結されるかに思われたがそれは起きなかった。答えは単純だった。当時条約対象外だったソビエト連邦が急速に海軍の増強を始めていたからだ。

 

それと言うのも先述のユトランド沖海戦の成果を見たレーニンが内戦平定後、国力回復を理由に軍艦の大量建造を指示。

 

これを前にして軍縮条約は自らの首を絞めるのも同然と判断した各国はこの話を白紙に戻し、日本とアメリカはそれぞれ「ダニエルズ・プラン」「八八艦隊計画」を実行へと移す。

史実と異なり日本はこの時点で資金的にもかなり余裕があり、技術的にもアメリカやイギリスのお陰で数歩先を行っていた為問題はなかった。

 

 

そして時は流れて、1941年………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

1941年 7月中旬

 

 

 

 

 

「そうか…ソ連はついにやったか………」

 

事務所で参謀からの報告を聞いていた連合艦隊司令長官山本五十六はため息を吐いた。

 

山本「それで…確かなんだな?」

 

「間違いありません。米国の、それも私の知己であるスプルーアンス少将からも同じ報告を受けましたので間違いありません」

 

伊藤整一は自信を持って山本にそう言った。

山本が頭を抱えていたのはソ連が建造していた「ソビエツキー・ソユーズ級戦艦」の事であった。

 

30年代後半から噂されていたが、これまで不確かな情報しか無く確証を得るのに時間が掛かったのだ。

 

伊藤「情報によると太平洋側ではウラジオ、ナホトカ、カムチャッカ、マガダン。北海及び欧州方面ではアルハンゲリスク、ムルマンスク。他六ヶ所合計12の場所で一隻又は二隻ずつの建造が確認されたと諜報員らから齎されました」

 

山本「噂では八隻だと聞いていたが…」

 

伊藤「ソ連が意図的に流したデマの可能性もあります。単純計算でもソ連は12隻以上を将来的に就役させる見込みです。現状ウラジオとナホトカの二箇所で就役が確認されました。兎も角これは不味い事態です」

 

山本「君の言う通りだ。ソユーズ級の性能がはっきりせん以上、我々はより一層米太平洋艦隊との連携を密にせねばなるまい。太平洋側を我が国だけでカバーするの無理がある」

 

伊藤「ウラジオとナホトカは特に、我が日本海に面しています。実は先程陸軍省にも立ち寄ったのですが。彼らは宣戦布告に合わせて満州駐在軍と海軍でウラジオを挟撃しよう……とかなんとか」

 

山本「うむ……分からんでは無い話だが、ナホトカから敵が来ようものなら我々もただでは済まない。それに幾ら米英も含む駐在軍といえど相手は人海戦術のソ連だぞ?それに手薄になった満州に中共軍が攻め込まないという保証はない」

 

伊藤「仰る通りです。ルーズベルト氏も蒋介石に愛想尽かして、年明け早々に支援を打ち切って満蒙に軍を後退させましたからな。今の国民党軍は劣勢です」

 

山本「せめて満州と半島、樺太の防衛に陸軍は注力してもらいたい……兎も角作戦立案を急いだ方が良さそうだ。12月の宣戦布告と同時の奇襲攻撃というのは捨てがたいな…その線で話を進めておいてくれんか?」

 

伊藤「分かりました。直ちに取り掛かります」

 

 

後日改めて「浦塩作戦」と命名され、八八艦隊各艦は準備に取り掛かるが作戦が実行に移される事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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